マイナー能力者が往く異世界記   作:じろー

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様々な感想やご指摘、痛み入ります。
至らなかった部分、おかしな文章、自分では見落としていたところがわかり非常に助かります。
これからもご意見を糧に上手く魅せれるよう頑張っていきます。
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございました。


第22話

「ぉぃ…大丈夫か…?」

 

 雁夜がこちらに近寄って来る、よかった、全身傷だらけのようだが歩けはする程度の怪我のようだ。

 

「これが…大丈…夫に見…えるの…か?」

 

「…………いや」

 

 京の姿は凄惨たるものだ、体中には無事なところが存在しない。右腕は肘から切り落とされ砕けてしまった。左肩から右脇腹にかけて分断されたせいで上半身と下半身がさようならしてしまっている状態だ。

 

「なんで生きてるんだ…?」

 

「生…き汚い…だけ…だ…、俺の…下半…身持ってきて…くれ、くっ…つける」

 

「…あぁ」

 

 上半身と下半身の断面から赤い長細い蟲がいたるところから飛び出している。

 雁夜が合わせると瞬く間に血仙蟲が肉体を繋いでいく、体中の傷も血仙蟲が飛び出し自身の体を変質させ傷を塞いでいく。

 右腕だけはダメだった、砕けてしまっている。それに能力発動は右腕がなくなっている時に発動したものだ、蟲は体に入れた時の情報を記録しそれを維持し続ける。右腕は修復対象外だ。

 

「完敗か…」

 

 初めての敗北、思う所も無いわけではないが勝ち負けにこだわるほどプライドは持ち合わせていない。

 負けた原因は能力の偏りといった所だろう、自分の手落ちだ。自分には超火力の武器がない。奇械ポルシオンがあるにはあるのだが燃費が悪すぎて使えない現状だ。

 闘鬼神前鬼なら恐らくエアの直撃でも耐えるだろう、他にも対抗手段のある能力はいくつかあるのだが全て未覚醒だ。

 

「なんか思いついておかないとなぁ…」

 

 自分の宝具の大半は対人、しかもその半分は自身を対象にしたものだ。

 リリカルなのは世界ではあまり強力な殺傷系の能力は手にしなかっただけにここで皺寄せがきたのだろう。

 修復が完了する。

 それにしても散々な結果になってしまった、バーサーカーも退場、自分も右腕を失ってしまっている。

 右腕の代用は当てがあるので危惧する必要がないのだがこれで3人のサーヴァントによる協力体制ができなくなってしまった。

 バーサーカーが退場したことにより話もだいぶ変わってくるだろう、事態は早速混迷してきている。

 

「おぉ、大丈夫だったか。心配したぞモンスター」

 

 そこに空から戦車に乗った2人組みが現れる、ライダーとウェイバーだ。

 

「こりゃこっぴどくやられたようだなぁ」

 

「あぁ、完敗だ。」

 

 辺りは更地、かつて公園であった面影はもうない。

 

「やったのは誰だ?」

 

「アーチャーだ、とんだ規格外の宝具持ってた。」

 

 アーチャーの宝具について話す、真名についても

 

「なるほど…ギルガメッシュか。余も予想はしていたのだがよもやそのような宝具も持っていようとは…、厄介極まりないわ」

 

「あぁ、アレに正面から打ち合える奴はそうそういないだろう」

 

「それを正面から耐えたお前も流石だよ、いや臣下としてうれしく思うぞ!」

 

「ハハ…光栄の至り」

 

「そいつがライダーか?」

 

 雁夜が話に入ってくる。

 

「あぁ、紹介しよう…バーサーカーのマスターの間桐雁夜だ。バーサーカーはもうやられてしまったが」

 

「モンスターとバーサーカーが2人がかりで倒せないなんて…」

 

 ウェイバーが驚愕している

 

「次やれば負ける気はない」

 

 自分もそろそろ化け物の次の段階に行かなければならないだろう。

 

「それでこそ我が配下だ。帰還するぞ」

 

 そして京の2度目の戦いは敗北という形で幕を閉じたのだった。

 

 

 

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

 

 

 

 そして、拠点。

 

「お帰り!モンス…ター…」

 

 桜が迎えに来たところで京の姿を目にして…止まる。

 

「ぁ…」

 

 桜が青ざめる。

 右腕がない。

 それに全身ボロボロの姿で帰ってきたのだ、無理はない。

 

「モンスター…右腕が…」

 

「しょうがあるまい、霊体化できない以上直すこともできまいて」

 

「いや…別に直せないわけじゃないんだが…」

 

 右腕がなくなっていると匂わせて必殺の右を叩き込んでやろうと内心考えていた京であったが桜が泣きそうだ…どうにもこういうのに弱い。

 

「おい、できるならさっさと何とかしろ」

 

 雁夜からも急かされる。

 

「あぁ…もう…わかったよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 GOD HANDよりジーン、神の右(ゴッドハンド) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…発動…」

 

 現れたものは新しい右腕、特に変わったところはないようだが金属のガントレットのような拘束具が填められ開放できないようになっている。

 

「またお主の宝具がなにかか?」

 

「まぁそんなところだ」

 

「わぁ…よかったぁ…」

 

 桜もほっとしている、泣かせるより100倍マシだ。

 

「こんにちわ、桜ちゃん、おじさんもこれからここに住むことになったんだ。よろしくね」

 

「…うん」

 

 雁夜が桜に話し掛ける。

 桜もそれに応える、どことなく嬉しそうだ、やはり安心できる相手がいるのはいいことだ。

 

「それよりお主、服はどうするのだ?直すこともできまい?」

 

「ぁっ…」

 

 自分の服を即確認する、ボロボロだ、別にそれはいい。問題は…

 

「…コート…が」

 

 肩から掛けていた小さいコート、はじめて貰ったものだったもの、すずかからの贈り物だ。

 

「どうした?そんなに動揺してからに」

 

「あぁ…、俺の…が…」

 

 半ばから切れ掛かっているコート、これではもう使い物にならない。

 京には周りの声が全く聞こえない、ショックの余り一人の世界に入っている。

 

「あのメッキ野郎…、塵も残さずに滅却してやる…」

 

 一人怒りに燃える京。

 

「あの…直せるよ…?」

 

 そこに桜が声をかける。

 

「ぇっ!?」

 

 即座に振り向く京

 

「お母さんに教わってたから…縫って繋げるくらいなら…」

 

「流石マスター…頼む」

 

 桜の両手を握り懇願した。

 

「う…うん…」

 

 当の桜は少しだけ赤くなった。

 

「そんなに大事なものなのか?」

 

「大事なものだ」

 

 鬼気迫るほどにキッパリと言い切った。

 

「そ…そうなんだ…」

 

 そこにコートから写真が1枚ハラリと落ちた。

 

「あれ…これは?」

 

「子供が沢山写ってる…、この子はモンスター?」

 

 写真はこの世界から出て行く前、クリスマス会の時に撮っていた物だ。

 なんとなく、ポケットに入れておいただけ。

 

「あぁ、それがお俺だ」

 

「その年齢から人間辞めてたのか…」

 

 しげしげと見つめながら興味深そうにさり気なく失礼なことを言うウェイバー。

 

「まぁな、その写真の時点で人間の部分なんて脳くらいしかなかった」

 

「で、すずかって子はどれ?」

 

 余裕でスルーし、なにか不満げな顔をしつつ尋ねてくる桜

 

「………この子だ」

 

 すずかが写っているところに指を指す。

 

「なるほど、確かに似ておるのぅ」

 

「大切な人に似ていたから…ね」

 

「どんな関係だったんだ?」

 

「俺も元は人間だった、人外化したとき助けてくれたのがこの子だ、以来その子を守っていた」

 

「意外にまともな道歩んでるサーヴァントだったんだな」

 

 ウェイバーがまた失礼なことを言っている。

 

「聖杯に掛ける願いはないということは守りきったというわけか」

 

 ライダーが言う

 

「残念だが覚えていないんだ、今は桜を守るよ」

 

 まさかその写真から1週間も経っていないなど言える筈もない。

 適当な嘘を言っておく。

 

「まぁいい、お主も魔力がもうあまりないだろう?寝ておけ」

 

「あぁ…、そうさせてもらうよ」

 

 長い夜が終る。

 

 

 

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

 

 

 

 そして数日後。

 ライダーの命で辺り一体を探る京、ライダーも動き回るにしても適当なところは目星をつけておきたいそうだ、キャスターのこともある。

 原作通りキャスターの討伐命令が出た。ライダーはこれに乗っかるつもりでいるようで貰えるものは貰っておこうとのことだ。

 植物とリンクし、冬木一帯を探るが動きはない。

 まだ聖杯戦争も序盤、様子見が多いということだろう。

 アインツベルンの森を重点的に警戒しておく、キャスターが沸くとすればここだろう。

 と

 

「ライダー」

 

 ライダーを呼ぶ。

 

「なんだ?どいつか引っかかったか?」

 

「あぁ、ビンゴだ。キャスターを見つけた、場所はアインツベルンの森、セイバーの拠点だ」

 

「あの小娘のところか…マスターいくぞぉ!!」

 

 京も立ち上がり同伴しようとするが

 

「よい、臣下にばかり苦労を掛けるのも王としては頂けないからな!ここはキャスターを余が倒し、王としての威厳を見せ付けてやろう!」

 

 フッフッフと不敵に笑いながらマスターを連れ出陣していった。

 

 京は考える、イレギュラーが起きている。ランサーとそのマスターがいなかった、ホテルの爆破解体は発生しているのだが…。

 これ以上考えてもしょうがないと桜の元に向かおうとする京だったが

 

 チリーン。

 

 鐘が鳴った。

 侵入者ということだ、ウェイバーが張っていた結界、家を中心とした丘全体に立ち入ったもので魔力を内包する場合警報を発するというものだ。

 

「雁夜…侵入者だ…、桜を連れて逃げてくれ」

 

「あぁ…わかった」

 

 ライダーが出て行ったとたんの進入、明らかに狙われていた。

 どうにも自分の警戒には穴があるようだ、魔術的要因が感じられないためにそういったもので対策されるとこちらからは察知できない。

 気持ちを切り替え、飛び出す京。目指すは警報があった方向

 

 そしてどこからか爆音が聞こえてくる、方向は2つ。

 相手は二手に分かれていた。

 一方は高速でこちらに接近している、もう一方はゆっくりとこちらに接近していた。

 雁夜と桜ではマスター相手でも拙い、せいぜい時間稼ぎ程度にしかならないだろう。

 こちらに高速で接近しているのがサーヴァントだろう、始めに京を押さえる心算であると判断する。

 心の中の黒い木の花が1つ、咲く

 轟音がする方向に向かう、そこにいるのは2本の槍を持ったサーヴァント、ランサーだった。

 

「…」

 

 そこにランサーがいるということはもう一方はマスター、ケイネスだろう。奴と相対するのは拙い。正史では魔術師殺しという天敵がいたからこそ負けたが全マスターの内間違いなく戦闘力は最高の部類だ。

 幸いまだトラップが起動している。時間稼ぎはできるだろう。

 

「見つけたぞ、モンスター」

 

 ランサーがこちらに目を向ける。

 

「あぁ、悪いがさっさと倒させてもらう。マスターが心配なんでね。」

 

「主の邪魔はさせん、我が主への手柄となってもらおう」

 

「御免被る」

 

 ランサーに対して遠距離攻撃は難しいだろう、京より速いのだ。あまり隙を見せることはしたくない。

 まずは準備だ。

 

「ふっ!」

 

 地面に左腕を突き刺す

 ランサーの真下から蔓による攻撃がランサーを襲うが

 

「こんなものでっ!」

 

 槍の一振りによって一掃される。

 

「まだまだぁっ!!」

 

 その10倍ほどの木々による攻撃、そして拘束する支配者によるトラップ攻撃だ。

 

「この程度で!」

 

 次々と襲い掛かる木々と飛び掛る器物をやり2本で器用に捌きながらこちらに接近してくる。

 だが少しは時間が稼げる。

 京の手に眼帯が出現し左目につける。

 光が発したのとランサーが切りかかるのは同時

 

「二代目柳生十兵衛…見参」

 

 2本の槍を受け止めるは2本の太刀

 

「はぁっ!」

 

 槍を思い切り弾き、切りかかる。

 二代目柳生十兵衛となったことで筋力と俊敏が1段階向上し戦闘眼も持てるようになった。

 しかし

 

「ふっ!」

 

「はぁぁあ!」

 

 これでもまだランサーのほうが早い、ランサーの俊敏はA+、自分よりまだ倍は速いということだ。

 拮抗する戦い、しかしこちらには時間がない。

 使える物が少ない、大半の手札がギルガメッシュの攻撃によって砕けている、現在は破片を食べて腹の中で直しているがまだ食べ切れていない。

 

「MACHSPEED」

 

 一時的にランサーより速くなり一気に畳み掛ける。

 

「っ!?」

 

「SLOW&ZOOM」

 

 必殺の一撃をランサーに見舞ってやろうとするが

 甲高い金属音とともに

 弾かれる。

 

「なんだと…?」

 

 間違いなく切り込めたはず、だが弾かれた。

 

「何をした…?」

 

 警戒し構える。

 

「なに…些細なことだ、我が主はこう仰ったのだ、速く動けと」

 

 そう令呪で

 つまりランサーはMACHSPEEDを使ってやっと追いつける速さだということ

 

「令呪残り2つだった状況でよくやるっ!」

 

「我が主は先の一件で酷くお前に執着しているようでな、あのビルの件もある、借りは返させてもらおうかっ!」

 

 それを聞きどういうことだと目を見開いた。

 ビルの破壊などという奇天烈なことをマスターがやるとは夢にも思わない生粋の魔術師であるケイネスに以前こっぴどくやられた恨みが重なればそう思うこともあるだろう。

 なにせこちらはイレギュラーサーヴァント、読みにくいのだ。憶測で予測するのも仕方がない。

 

「あれは俺じゃないんだがねっ!」

 

 MACHSPEEDを連続使用し高速戦闘を維持しつつ答える。

 

「どちらでも構いはしない、今ここで俺達は戦っているのだから」

 

 凄まじい攻撃の合戦、動きが残像のようで目で追うことができない。

 

「そこだっ!!」

 

「ちぃ…」

 

 MACHSPEEDの効果を見破ったランサーは連続使用していることを看破し、効果が切れたところを上手くついてくる。

 流石の心眼(真)といったところだろうか

 

 必滅の黄薔薇が脇腹を掠める。

 

「受けたな…我が必滅の黄薔薇を」

 

「はっ…だがなぁ…」

 

 血仙蟲が即座に傷を埋める。

 

「この俺の体内で飼っている蟲は俺の全快な状態を記憶している、傷を負った状態が全快状態となる呪いだとしても蟲は知っている、これは全快状態ではないとな」

 

 そう効かないのだ、この蟲は死ねない呪いでもあり万能の回復術、弱点を突かれない限り最善の状態を維持し続ける。

 

「しかし…、俺の有利に変わりはないだろう…?」

 

 ランサーが構える、その通りだ。加速間際の隙がバレた以上この戦法は使えない、さっきの身の前だろう。

 

「しょうがない…」

 

 このままではジリ貧だ、時間も食ってしまった。

 守るべきものがある以上、これ以上手を焼くわけにはいかない。

 太刀を鞘にしまう。

 

「…どういうつもりだ?」

 

 繭を潜めるランサー

 敵相手に武器をしまったのだ、おかしく映るだろう。

 

「なに、こっちも本気でいくってことだ」

 

 カチリ。

 

 右腕の拘束具が外れる。

 瞬間右腕が金色に光り始める。

 それは神々しく辺りを照らし包み込む光だた。

 

「ほぅ…くるがいい…」

 

「いくぞ!!!!!!」

 

 ランサーとの距離はほんの数m、京は桜たちを助けるための最速の手に賭ける。

 

 

 

――――膝を地面につける

 

 

 

――――両手を地面に

 

 

 

――――そして…

 

 

 

――――頭を下げた

 

 

 

「オネガイシマス」

 

なぜか片言のお願いを口にする。

 

場の空気が凍った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――ゴッド☆土下座、発動――――――――




衝撃のゴッド☆土下座、発動の巻き
主人公無双はこの次になります、乞うご期待ください。


原作名:GOD HAND
ジャンル:ゲーム
使用者:ジーン
能力:神の右(ゴッドハンド) 
かつて魔王サタンを倒してといわれる神の如き男の右腕
常にガントレットのような拘束具「ゴッドハンドギプス」で封印されている。
この拘束具を開放することでゴッドリール技という人外の技を使用することが可能。
ただし使用者にかなりの負担がある。

とGOD HANDでした。
スタイリッシュ系の格闘ゲームかとおもいきやバカゲー。
所々に散りばめられるギャグはニンマリとできます。
EDは絶対に見たほうがいいレベル。
はっちゃけっぷりが凄まじいです。
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