マイナー能力者が往く異世界記   作:じろー

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第24話

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」

 

 拠点に帰った後、すぐにそれは始まった。

 桜が突然全身の痛みに泣き出したのだ。

 

「桜ちゃん!一体何が…、おいモンスター!なにか分から…」

 

 雁夜が京に尋ねようと振り向くと土下座をしている京がいた。

 見ればわかる、諸悪の根源が

 

「申し訳ない」

 

「原因はお前か」

 

「あぁ…、魔曲の反動だ…」

 

 「主よ、人の望みの喜びよ」、対象に高度な魔法使用を可能にさせる音楽

 かなり強力な術である、しかし、これには続きがある。

 それは…

 

「筋肉痛だ。」

 

「は?」

 

「だから桜は今筋肉痛だと」

 

 そう、知りえた高度な魔法の使用の際、反動で地獄の筋肉痛が使用者を襲う。

 便利な能力もないものなのだ、便利なものには裏があるもの

 

「直せないのか?」

 

「傷とかなら何とかなるんだが…」

 

「うぅぅぅぅ…」

 

 恨めしそうな目の桜。

 ちなみに魔法を使用しているのになぜ筋肉痛なのかは京にも謎だ、そういう能力なのだ、割り切るしかない。

 

「あの時はああするしかなかったんだ…」

 

 言い訳をしながら今度なにか侘びをしないといけないなと思う京であった。

 

 

 

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

 

 

 

 深夜になった。

 ライダーはまだ帰ってこない。

 またどこかうろついているのかもしれない。

 

 桜の地獄の筋肉痛という犠牲があったものの今回のランサーの襲撃はなんとか撃退することができた。

 京は思う、本来の物語からかなりかけ離れてきていると

 キャスター討伐に向かったライダーの近況は戦闘場所が森の中だけにリアルタイムで詳しく知ることができた。

 ライダーはセイバーと協力してキャスターを轢き潰しはしたもののギリギリで逃げられたようだ。

 あちらでもかなりの差異が出始めてきている、しかも悪い方向に

 

 最大の懸念は言峰綺礼だ。

 本来は切嗣がケイネスの相手をし、アイリスフィールと舞弥が言峰綺礼の対処に当たる筈だった。

 しかし、バーサーカーが早々に退場したことでアイリスフィールの性能が落ち動けず、ケイネスがいないことで切嗣と舞弥が言峰綺礼と対峙することになってしまった。

 アイリスフィールは2人が会うことに不安を覚えていただったはずだ。

 そして戦闘が始まり、切嗣がやや優勢となったところで言葉を交わし綺礼は歪んだ笑みを浮かべて去っていった。

 これの意味するところはわからない、そして今のギルガメッシュの時臣の高感度は既にマイナスに到達している、もういつ裏切るかわからない。

 

 こちらもこの先の展望を考えておいたほうがいいだろう。

 しかし、どうしたものか。

 セイバー陣営、切嗣の手段を選ばない行動は厄介だ、ライダーと組んでいることも知っている。もしもセイバーが負傷していなく、攻めてきていたのがセイバー陣営なら桜達は早々に死んでいただろう。

 

 アーチャー陣営、これは特に気にはしない、あちらが動くということは余りないだろう、そういう質にも見えない。ただギルガメッシュだけはこの手で滅却すると決めている。

 

 アサシン陣営、こちらの情報が筒抜けだ。本当に厄介、霊体化などされれば攻撃するまで京に察知する手段はない。そして桜がマスターであるとバレている可能性が大きい。

 だが時臣がなにかアクションを起こさないということは伝えていないということなのか、あまり思惑は読めそうにない。

 

 ランサー陣営、かなりの消耗と令呪を2つ使い弱っている状態だ。もうこちらから接触する以外に合うこともないだろう。ある意味ランサー陣営の敗退から物語が加速すると考えているが、死ねば拘束する支配者の釘が消えるので気付くことはできる。

 

 キャスター陣営、今回撃退されたようだがじきに大きく動くだろう、物語から離れてきていても彼の行動は一貫している、暴れだすに違いない。

 

 ライダー陣営、味方なのだ、桜を良くしてもらっている以上、臣下としては尽くしておこう。

 

 そして、これからの行く末の最大のファクター、聖杯。

 汚染されており、中身は「この世の全ての悪」だ、破壊すればいいのだが大災害が待っている。

 臓硯を抹殺した以上、第5次が起こる可能性は大きくないが絶対とは言い切れない、それに5次には自分はこの世界にはいないだろう。桜を置いていく以上、完全破壊はしておきたい。

 

 相手から動くのは碌なことにならないと今回知った、これからはこちらから積極的に動いていこうと思っている。

 どう動くか、聖杯の中身について訴え、戦争を止める。ありえない話だ、まず信じないだろう、話の筋は通っていても根拠がキャスター召還くらいしかない。何故知っていると言われても口を閉じるしかない。

 

「ままならないな…」

 

 自身は強力な宝具を多数持っているとはいえ所詮1人のサーヴァント、やれることなど限られている。

 

「まぁ、まずは…」

 

 自身の強化だ。

 ギルガメッシュの乖離剣エアに対抗できるものはまで思い出せないがあれと同等の力を出すにあたり今の自分では使いこなせない可能性がある。

 自分の体は確かに人外といったものだ、しかし、この体の属性は魔をあまり含まない、純粋な身体能力強化に近いのだ。心の中の黒い木の花もエネルギーを発しているだけでそれを使う術は他の能力に頼っている。

 今のままではエクスカリバーに消し炭にされる可能性もまだある。

 事が起きる前に強化しておいたほうがいいだろう。

 

 自分はまだ死ぬわけにはいかない、帰ると約束したのだから

 

 だから…

 

 もう少し、人から外れることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「3×3EYESよりパールバティー四世、三只眼吽迦羅 …発動」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 額にもう1つの目が現れる、体から生命力のようなものが溢れてくるようだ。

 これで京は妖怪の最高位種族「三只眼吽迦羅」となった。

 そして、これは精神強化も兼ねている、これでもう1つの能力も問題なく使用できる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴクドーくん漫遊記よりゴクドー・ユーコット・キカンスキー、寄生型神族リュウ・ジー …発動」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 心の中に蝙蝠のような羽が生えたワニのような神が姿を現す。

 

「呼び出したのはお前か…、喰らうぞ人間が…!」

 

「それは御免被る、残念だが取り込ませてもらうよ」

 

 そして、精神の奪い合いが始まった。

 

 

 

 

「人間の精神だけは残しているのにそれ以外は人外か…魂まで変質しているぞ?」

 

「あぁ、やっぱり」

 

 三只眼吽迦羅の精神強化でなんとかギリギリ勝つことはでき、神をこの身に入れることができた。

 妖怪化したことで魂も多少変質した、まぁどう変わりがあるかわからないので問題ないだろう。

 

「俺が勝ったのだから契約してもう、俺の心の中はお前に任せた。」

 

「あぁ、どの道、人間の精神に寄生しなければ生きられない身だ…いいだろう」

 

 これで自分は仙人の属性を得ることができた。

 ある程度の神通力や心を操るなどの精神耐性、更なる回復力も得ることができた。

 後の能力にも必要になってくる。

 この2つの能力によって魔を操る術はかなり向上した。

 真の能力を使うときはないとは思うが…

 

 

 

 

 

 

「今帰ったぞ!!王の帰還である!!」

 

 そこにライダーが帰ってくる。

 

「お帰りライダー、戦果はどうだった?」

 

 知ってはいるがここは聞いておくのが筋というものだろう。

 

「うむ、見事キャスターを轢き潰すことには成功したのだがな?思いのほかしぶとくてなぁ…取り逃してしまったわ!!まぁしばらくは動けまいて」

 

「お疲れ様」

 

「ところでここにくるまで随分外が荒れてたけど何かあったのか?」

 

 ウェイバーが疑問を投げる

 

「あぁ、ランサーとそのマスターが攻めてきた」

 

「お主らが無事ということは撃退できたということか」

 

「そういうことだ、少し代償(地獄の筋肉痛)を払ってしまったが」

 

 尊い犠牲だった。

 

「無事なら問題あるまい?」

 

「そう言ってくれると助かる、セイバーがランサーの槍の呪いを受けて宝具が使えない状況なので討ち取ってはいないよ」

 

「セイバーの宝具は危険かのぅ?」

 

「エクスカリバーは警戒するに越したことはないだろう」

 

「余は万全の状態で戦いのだが…」

 

 少し不服そうにライダーが言った。

 そういう気質だとしても京は勝てるように動きたいのだ。

 

「何言ってんだライダー!負けるかもしれない要素は少ないほうがいいだろう!!」

 

「何を言う、障害を打ち破ってこその征服であろうが!!」

 

「もう…いいよ…」

 

 ウェイバーも段々と慣れてきたのだろう、諦めが早くなってきている

 

 そして、長い長い1日は終わりを告げる。

 

 

 

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

 

 

 

 それはランサー襲撃が終わり少し経ったあとのことだった。

 

「…雁夜」

 

「なんだ?モンスター」

 

 いつものように周囲を魔力探査と同時に植物で辺りを探っているとキャスターのマスターが遠坂凛をさらっているところを発見してしまった。

 

「遠坂凛が誰かに連れ去られそうになってるぞ?」

 

「なんだって!?」

 

 とりあえず報告だけはしておいた。あとは知らない。

 

「助けに行くぞ!モンスター!」

 

 雁夜がすぐさま立ち上がり促してくる。

 京は首を傾げた。

 

「何故?」

 

 京は心底何故自分が助けに行かなければならないのかと思っている。

 

「何故って…!お前!凛ちゃんは桜ちゃんの姉だぞ!」

 

「桜はどう思っているかは知らないよ、俺個人としてはどうでもいい」

 

 他人なんぞどうでもいい、たとえ桜の身内だとしても桜が嫌がっているのならば手を出す意味も感じられない。

 

「お前…、見損なったぞ!母親だって悲しむ…」

 

「よく話に聞いているが遠坂葵だったか、なぜそこまで慕う?まさか普通の人間とは思ってはいないだろうな?アレは魔術師の妻だぞ?」

 

「馬鹿を言うな!彼女は普通の女性だ!」

 

 惚れた弱みという奴だろうか

 

「気付け、桜があぁなったのも妻がどうこう言えることではないとはいえ関わっているんだよ、たまに会うくらいは無理をすれば通せたはずだ。お前の好きな普通の生活とやらの枠に彼女は入っていないよ」

 

「うるさい!凛ちゃんはどこに攫われたんだ!」

 

「…〇〇〇街の〇〇ってバーだ、今はそこにいる」

 

 返事もせずに雁夜は飛び出していった。

 

 ギィと軋む音がした。

 

 ドアが静かに開き、そこには桜が立っている

 さっきの話は全て聞こえていたようだ。

 

「助けたほうがよかった?」

 

「(フルフル)」

 

 首を振る桜、助けなくてもよかったようだ、問題はないということだろう。

 

「筋肉痛は治った?」

 

「まだちょっと痛い…」

 

「…ごめんな…」

 

 桜と戯れながら考える。

 何故雁夜は気付かないのか

 雁夜の望みは桜を助けることだった、そして時臣を殺すことも同時に目的にしていたはず、しかしそれは遠坂家の家長を潰すということ、彼を慕う葵を悲しませることだ、それを気付いてはいない。

 そして葵、彼女もまた異常だ、娘を引き離され確かに悲しかっただろう。しかし一般人とはいえ魔術師の妻である。魔術師がどこまで非道な行いをするかなんてものはわかりきっていたはず、それをわかっている上で愛し、手放すことを止むなしとしたのだ、彼女もまた普通ではない。

 

「桜にはいろいろ話したけど」

 

 桜には戦いの後、落ち着いて聖杯戦争について話しておいた。

 それでもなお、一緒にいると言った。

 

「桜はこれからどうしたい?復讐とかは考える?」

 

「もう…いい、会いたくない」

 

「そう」

 

 桜の頭を撫でる

 

 しばらく雁夜の様子を眺めていたが助け出すことに成功したようだ。

 凜はどうでもいいが雁夜に死なれると困る。

 そろそろ雁夜の治療も進めなければならないかもしれない。

 

 

 そうこう思っているうちに時間は過ぎ去っていくのだった。




ちょっとした休憩、能力は追加しましたが次の為なので
これで3割ほど物語が終了しました、どんどん加速させていきます。

原作名:3×3EYES
ジャンル:漫画&アニメ
使用者:パールバティー四世
能力:三只眼吽迦羅
正確には種族名
3つの目を持つ不老の妖怪になる。妖怪の最高位の地位。
妖力などの力を得る。また精神力がかなり強くなる。
最も特殊な力は1度だけ第3の目に他者の魂を封じ込め「无」という護衛を作ることができるという能力。
「无」は非常に強く、全身を粉々にされても主が生きている限り生き返る。
「无」になると額に无の文字が浮かぶ。また主が危険に陥ると無尽蔵の力を発揮できる。

と3×3EYESでした。
この時代もツンデレはあった、デレるの早すぎたけど
とりあえずヒロインがかわいい。
懐かしい漫画です。

原作名:ゴクドーくん漫遊記
ジャンル:ラノベ&アニメ&漫画
使用者:ゴクドー・ユーコット・キカンスキー
能力:寄生型神族リュウ・ジー
寄生型の神、太陽神
ワニに蝙蝠の羽が生えたような姿をしている。
回復力やちょっとした神通力が使用可能になり、仙人となる。
神としての能力は引き出せないが住処である心の防衛には無類の強さを誇る。
オマケとして炎の精霊であるサラマンダーが宿る魔剣を出すことができる、遠隔操作可能。

とゴクドーくん漫遊記でした。
今はあんまり見かけないファンタジー冒険活劇
主人公がけっこうアレな性格なのがいいです
アニメとラノベではちょっとシリアス度が違う。
主に主人公の外道具合が
OPは聞くと懐かしくなれます。
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