マイナー能力者が往く異世界記   作:じろー

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第25話

「よし!」

 

 昨日の一件も終わり今日は休日のようなものだ。

 イスカンダルは菓子を食べながらゲームをし、ウェイバーはキャスターの住処を探す為に試験管に水を差しながらなにやらやっている。

 雁夜は京の延命処置を受けて療養中、桜はイスカンダルとゲームに興じている。

 京は考え事をしながら光合成だ。

 そこに突然京の掛け声が響いた

 

「どうしたんだいきなり」

 

 ウェイバーが聞く

 依然として試験管に目を向けたままだ。

 

「あぁ、これからの俺の方針が決まった。」

 

「ほぅ、申してみよ」

 

 ライダーも興味があるようだ、目はテレビの画面から離れてはいないが

 そして京は

 

「まずセイバーのマスター攫う」

 

 突拍子もないことを言った。

 

「突然なに言ってるんだ?」

 

「あぁ、理由を聞かないことになんとも言えんなぁ?」

 

 突然言われればその反応は予想済みだ。

 京は自身の知識を一部開示する。

 

「セイバーのマスター、おそらくあいつが聖杯だ」

 

「なんだと?」

 

「どういうことだ?」

 

「新しい宝具で魔力感知ができるようになった、マスターからバーサーカーの魔力の気配がする」

 

「ふむ、何故バーサーカーの魔力がするからといって聖杯に繋がる?」

 

「これからは憶測だが…」

 

 もちろん新しい宝具で魔力感知ができるようにはなったがバーサーカーの魔力などと細かく感知することは不可能である。辻褄合わせのようなものだ。

 そして、京は聖杯の中身についての考察を話す。願望器、どうやってそのような魔力を持ってくるかについて、そしてバーサーカーの魔力がする理由を

 

「つまり…、我等が死ぬことが聖杯の完成に向かうと…」

 

「そういうことだ」

 

 あと5体のサーヴァントが死ねば聖杯は完成する。

 

「だからこそのバトルロワイヤル…辻褄はあってるな…」

 

 ウェイバーが腕を組みながら納得する。

 未だに半信半疑といったところだが

 

「それに彼女からは俺と同じとは言わないが人ではない感じがした」

 

「ふむ…、だとするとセイバーのマスターを狙うことはできないということか?よくできているわ、しかし令呪を使われればセイバーがやってくるぞ?」

 

「あぁ、セイバーのマスターとは言ったが彼女はマスターではないと判断する」

 

「ほぅ?」

 

「ライダーがアインツベルンの森で戦っている間、他で戦闘があった、そこで一人の男に令呪を確認した」

 

 本当のセイバーのマスター、ある意味セイバーより怖い。

 

「ふむ…、囮…か。セイバーのマスターにしては策謀家よのぅ」

 

「それでその仮のセイバーのマスターを攫ってどうするんだ?」

 

「取り込ませてもらう」

 

 京がそうハッキリと口にする。

 

「は?」

 

 ウェイバーは何を言ってるんだコイツと半ば呆れたような目を向けれらる。

 心外だ。

 

「俺の能力だ、食ったものを収納できる」

 

「…お主が聖杯になろうということか?」

 

「そうだ」

 

 実際に聖杯を取り込むことのできるサーヴァントは存在する、サーヴァント「(ビースト)」だ。自分の宝具EAT-MANなら喰らうことが可能なはず、恐らく浄化もできるだろう。

 何故この段階で攫うか、綺礼の動向が全く掴めないこと、最悪もうギルガメッシュと契約してしまっている可能性まである。

 キャスターはかなりのダメージを与えたせいで暴走にはまだ暫くの猶予があるはずだ、動くなら今の内がいい。

 敵が活発になり始めるのはキャスター陣営が死んだ後からだ、綺礼に暗躍をさせるつもりもない。

 聖杯を取り込むことによって最悪の結末を回避するというのもあるが

 

「なるほど、お主はどうやって攫うのだ?」

 

「ライダーにも手を貸して欲しい、もちろん取り込めばあとはセイバー陣営に帰す」

 

 ライダーは目を瞑り、思案する。

 そして一刻程経った後ゆっくりと目を開け堂々と言った。

 

「いいだろう」

 

 目指すはアインツベルン城

 京達はライダーの戦車に乗り、強襲を掛けにいくのだった。

 

 

 

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

 

 

 

 アインツベルン城上空

 

「流石にこの高度からでは察知などできまい」

 

 上空500m、流石にここからでは結界も機能していない。

 

「だが近づけば一瞬で気付かれるぞ?」

 

「俺が先行する」

 

 自分の真下はアインツベルン城、飛び降りれば数十秒で目的地だ、魔力探知で場所も把握できる。

 

「行ってくる」

 

「期待しておるぞ!」

 

 飛び降りる、同時に出すのはラブリー眼帯、装着する。

 

「二代目柳生十兵衛、見参」

 

 落下する、髪を全身を守るように巻き一つの弾丸と化す。

 地上に着くまでには1分もかからない。

 

 落ちる、落ちる、落ちる。

 

 そして着弾と同時、爆音が発生する。

 城の天井を突き破り無事城に着く。

 さらに京は城全体のトラップ無効化するために能力を発動した。

 

植物異常大繁殖(プラントバースト)!!」

 

 左腕を地面に突き刺す。

 瞬く間に城のいたる所から飛び出した木々は城を覆い尽くす。

 植物異常大繁殖(プラントバースト)、植物の本来の能力を全開にし植物を異常繁殖させる能力、今は魔力というリミッターがかかっているが地球全体を緑に変えることさえもできる能力だ。

 辺りで爆発音がする、トラップがあちこちで発動しているのだろう。

 アイリスフィールを捜索しようとするが

 

 視界の端に空気の歪みの様なものが見えた。

 

「…っ!」

 

 太刀を振るう。

 同時に聞こえる甲高い音。

 

「お前かモンスター、無礼な客人が多くて困る」

 

 そこにいたのはセイバー、不可視の剣を手にこちらに敵意を滾らせている。

 

「あぁ、だが残念だが俺の目的はお前ではないんだ」

 

 そう言いながら太刀を振るう。

 互いに斬り合う。

 セイバーはそれを受け止め、避け、捌く。最良といわれるだけはある、特に直感など反則もいいところだ。

 

「ふっ!」

 

「はっ!!」

 

 不可視の剣、対峙してわかるその厄介さ、柳生十兵衛としてここにいなければ見切ることなど不可能だった、今でさえセイバーの剣に対して余計な集中を強要される。

 

「想像以上に厄介だなぁっ!!」

 

「ならばそのまま斬られてくれると助かる」

 

 斬り、捌く

 こちらは二刀からの手数で、セイバーはその魔力からくるブーストでの威力で

 互いに拮抗する戦い

 だがここは…

 

「もう既にここは俺のフィールドだ」

 

 そう、植物異常大繁殖(プラントバースト)の為ここは樹海の中のようなものだ。

 つまり

 

「くっ!?」

 

 ありとあらゆるところから蔓が飛び出し、セイバーを突き刺さんとセイバーを襲う。

 間一髪で避けるセイバー

 だがそんなものでは終らない。

 

「ちっ!」

 

 ここは樹海の中、京からしてみれば自分の手の平の中にいるようなものだ

 しかし、セイバーを捕らえることはできない、最良のサーヴァントと謳われた英雄である。並みの攻撃では斬られ、避けられ、捌かれ、一斉攻撃でさえ魔力放出によって砕かれる。

 

「なかなかやる」

 

「ふんっ…」

 

 京も攻撃をしながら植物で牽制する。

 鼻を鳴らすセイバーだが流石に余裕がない。

 

「そんな細かな攻撃をしても私には届かないぞモンスター?」

 

 こちらを挑発するセイバー

 だがこれでいいのだ。

 

「これでいいんだよ」

 

「なに?」

 

 どこかを突き崩したような爆音がした。

 

「なっ!?」

 

 セイバーが驚愕の声を上げる。

 

「なにせ、俺は陽動役なのだから」

 

「お前っ!」

 

 セイバーはすぐさまアイリスフィールの元に駆けつけようとするが

 

「させない…って!!」

 

 太刀をセイバーに振り下ろし止める。

 例えセイバーを倒せなくてもここで止めればいいのだ。

 それにライダーには倒すなと言われている。

 

「ちぃ!」

 

「あと少し付き合ってもらうよ」

 

 斬り合い、植物で強襲を掛け時間を稼ぐ。

 

 また同じような爆音がする。

 ライダーはやり遂げたようだ。

 もうここには用はない。

 

「どうやら俺の王は成功したらしいな」

 

「アイリスフィール!」

 

 叫ぶセイバー

 京は不敵に嗤う。

 だがその時

 

「っ!?」

 

 セイバーが光突然消えた。

 

「令呪かっ!」

 

 半ば予想済み、遅かったくらいだ。

 木々を登り城の上で周りを見渡す。

 空には視認できる距離でライダーが見えた。

 そして眼下には

 黒いバイクに乗り込みライダーを追おうとするセイバーがいた。

 

「…」

 

 自分も追いかけたいところだが飛行能力はどれもそこまでの移動速度が出せない。

 ならば、同じ手で追えばよい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴーストライダーよりジョニー・ブレイズ、悪魔メフィスト …発動!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体に悪魔が宿る。

 いつかこちらの体を奪おうとするだろう。

 だがもう対策済みだ。心の中の寄生型神族リュウ・ジーが中にいるお陰で押さえ込んでいる為、乗っ取られることはない。

 体から地獄の炎が迸り、瞳の奥に贖罪の炎が宿る。

 

「p--ー!!」

 

 口笛を鳴らす

 現れるは炎の車輪を持つ悪魔を模したバイク

 

「ヘルバイク」

 

 バイクから爆音が発生する。

 エンジンを噴かせ一気にMAXスピードに乗った。

 ヘイルバイクが進んだ後に残るのは一筋の炎のみ、超高速でセイバーを追う。

 森を突っ切り郊外へ出る。

 そして

 

「…見つけた」

 

 セイバーの背が見える。

 取り出すのは二丁拳銃ケルベロス、COFINに内蔵されているものだ。

 銃を構えセイバーに撃ちだす。

 

「!」

 

「ちっ、よく避ける…」

 

 背に目がついているかのように避けられた。

 セイバーが気付いたようにバックミラーからこちらを睨む。

 

「モンスター…!」

 

「ライダーを追わせるわけにはいかないんでね」

 

 バイクを狙い銃弾を打ち込む、口径15mmの弾丸だ、当たれば一溜まりもない。

 だがセイバーはそれを卓越したテクニックで回避し、剣で弾く、騎乗Aがなせる技か

 

「悪いがここで止まってくれると助かるん」

 

「貴様に付き合っている暇はないっ!」

 

 超高速での戦闘

 拳銃を乱射するがセイバーはそれをことごとく捌く。

 これだけでも時間稼ぎはできるができればここで破壊しておきたい。

 

「…埒があかない」

 

 右手の銃を消し、現れるのは炎を纏った分銅つきチェーン、ゴーストライダーの能力だ。

 その炎は銃弾を溶かし、悪魔をも消し飛ばす炎だ。

 

 セイバーに向かって投げつける。

 

「ハァッ!」

 

 斬り飛ばそうとセイバーは剣を振るう。

 だが不規則な動きをしたチェーンはセイバーの剣に巻きつき拘束した。

 

「…捕まえた…!」

 

 ゴーストライダーになったことで得られた怪力を駆使してセイバーを思い切り引き寄せる。

 これで一気に決める、これが京の魂胆だ。

 だがセイバーはそれを知ってか知らずかこちらの引き寄せる力を利用しそのままこちらに突進してくる。

 

「ふっ!」

 

 魔力放出でチェーンを砕き、京をそのまま切り伏せようと襲い掛かる。

 京はすかさず新たな手を使う。

 突如片刃の剣が現れ、セイバーの剣を受け止める、ゴクドーの力だ。

 京が左手の銃をセイバーに合わせ打ち込む。

 

「チィッ」

 

 魔力放出で爆発を起こし、セイバーは距離をとる。

 

「まだまだっ!」

 

 魔力放出によって辺りに砕け散ったチェーンの輪1つ1つがセイバーを囲うように襲い掛かった。

 同時に宙に浮いている片刃の剣から炎を吹き出させる。

 

「…!」

 

 セイバーはそれを冷静に対処する。

 セイバーのバイク、V-MAXカスタムを鎧のように魔力で補強した。

 

風王鉄槌(ストライク・エア)!!」

 

 炎を纏う輪は鎧の前にビクともしない、剣からの炎は強風によって吹き飛ばされてしまった。

 だがこの状況でできた隙は京は見逃さない。

 

「MACHSPEED!!」

 

 バイクごと突進しセイバーに突き当たる。

 

「このっ…っ!?」

 

 多少のダメージがいきながらも体勢を立て直すセイバー

 切り離そうとしたところで目を見開く

 京の姿がバイクから消えていた。

 

 咄嗟に見上げると頭上に剣を振りかぶる京の姿があった。

 

「…終わりだ…!」

 

 相手は固く、卓越した技術を持つ。

 ならば力で叩き伏せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エデンズボゥイよりヨルン、虚無場(ゼロフィールド)  …発動!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 セイバーの上空で京は虚無場(ゼロフィールド)を発動する。

 京から迸るオーラの奔流によって真空の嵐がセイバーを襲う。

 

「くっ!?」

 

 鎧化を施したバイクの魔力が解けただのバイクに戻る。

 

「なにっ!?」

 

 虚無場(ゼロフィールド)、オーラの結界のようなものを張り、その中ではありとあらゆるエネルギーは四散する。

 

「はぁっ!」

 

 セイバーが剣を振るいゼロフィールドを切り開こうとする。

 だがもう遅い。

 

虚次元斬断(ゼロ・ジーザ・ソード)!!」

 

 京がセイバーに接近すると同時、切り裂かれんとした虚無場(ゼロフィールド)を手に握る剣に纏わせ両手に持ち振るう。

 

 壮絶なオーラが集中し光を発する。

 

 やっていることは風王結界に近い、自身のオーラの凄まじい流れを全て剣に集中させる、ただし風王結界と違い全て威力に転化しているが

 規模はないが威力だけならエクスカリバーに匹敵する威力だ。

 

「終わりだ!!」

 

 剣を振り抜く背。

 セイバーはなんとか捌ききることに成功したが、京の狙っていたものはバイクだ、セイバーを狙っていれば大ダメージだった。

 バイクが真っ二つに分かれる。

 

「へっ」

 

 ニヤリと笑うが

 この後起こることは

 

「グフッ…」

 

 超高速からの転落である。

 見事にセイバーとモンスターはバイクから落ち、時速数百kmという速さで転げ落ちた。

 

「うおぉぉぉぉ…」

 

 すぐさま血仙蟲と自動治癒が発動するが、体のあちこちがイってしまっている。

 セイバーも鎧状態なので外傷はあまりないようだがダメージはかなりあったようだ、立ち上がってこない。

 

「痛い…」

 

 なんだろうか、桜に魔曲をやってしまった罰だろうか

 

「うぐぐぐ…」

 

 体を引きずりながら拠点に帰っていく京であった。

 

 

 

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

 

 

 

「こんばんわ、セイバーの仮のマスターさん?アイリスフィールと呼んでもいいかい?」

 

そして処置が始まる。




アメコミとかもあり?と感想で言われ、セイバーのバイクを見て真っ先にコレが思い浮かんだのがこれです。
あんまりドマイナーにしたつもりはないのですが…

原作名:ゴーストライダー
ジャンル:アメコミ&映画
使用者:ジョニー・ブレイズ
能力:悪魔メフィスト
悪魔メフィストと契約することでゴーストライダーになることができる。
体から地獄の炎が噴出し、それに触れたものは銃弾など体に当たる前に全て融かしてしまう。
武器は地獄の炎を纏わせた分銅付きチェーン、口笛でヘルバイクというバイクを呼び寄せる。
最大の能力は目に宿る「贖罪の目(ペナンス・ステア)」。
相手の目を覗き込むと発動する。
自らが犯した全ての悪事と他人に与えた全ての苦痛が本人に舞い戻り、過去の罪を悔い改めさせる。

とゴーストライダーでした。
とりあえずかっこよかった。バイクの造形が熱い。
主人公髑髏面になっちゃうのは流石にいただけなかったので炎だけ纏わせました。

原作名:エデンズボゥイ
ジャンル:漫画&アニメ
使用者;ヨルン
能力:虚無場(ゼロフィールド)
自らの周りにオーラを巡らせ近づくもの全ての攻撃を無力化すると同時に攻撃する結界。
これを剣に纏わせ攻撃する、「虚次元斬断(ゼロ・ジーザ・ソード)」が存在する。

とエデンズボゥイでした。
漫画は結構面白かったです。
アニメはナニガあった…
主人公の後半のチートっぷりは次元違い。
かなーり長く続いてやっと終ったこの作品、完結しているので呼んでみてはどうでしょう?
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