もし、能力が出てきてこの作品知ってるよ!というのがあれば嬉しいです。
第1話
「猫撫ディストーションより七枷樹、観測者/エントリー・モード 発動」
暗転していた視界が晴れ、段々と景色が見えてくる。
移転完了といったところだろう。
「着いた、か…」
得た能力を疑っていたわけではないが無事に着いたことに安心する。
周りを見渡すと公園のようだ。
そしてふと視線が低いことに気付いた。
「あれ?」
ここに来る前はもっと視点が高かったように思う。
記憶がない為自分の本当の年齢も確認しようがない。
気にしても埒があかないので気にしないことにした。
「ふぅむ?」
そして今いる場所がどこだかわからない。
知識として物語や事件の起きる場所などは大体把握しているがそれが何処にあるのかそう詳しくは知らない。
これからやるべきことは多々あるだろう、どうしていくかはまだ考えられない。
そしてまずはと能力の確認と検証に移る。
「魔法少女リリカルなのはよりフェイト・テスタロッサ、リンカーコア、バルディッシュ発d『エラーです。』…」
電子音のような音が頭に鳴り響く。
これは分かっていたことだ。
確実にマイナーではないものを出そうとした場合どうなるのだろうと。
結果は今のようにエラーだ。
そして次
「Fate/stay nightよりギルガメッシュ、『マイナーではありません』…ん?」
ダメ元でやってみたがおかしなものが出ていた。
今回はエラーではなくマイナーではないと直球だ。
これの違いはなんなのか、分からない。
だが検証するにしても材料が足らない、後回しにせざる得ないだろう。
だがなにか重大な落とし穴のような気がしてならないのだ。
あとで考えようと考えを止める。
そして立ち上がり、どこか行こうと思い。
「…ん?」
どこにも行く当てがないことに思い至った。
体を探る。
手持ちは何も無い。
段々と京の顔が青褪めてきた。
住む場所はあるだろうか、恐らく無いだろう、金も持っていない、戸籍はどうか、かなり怪しいといえる。
ナイナイ尽くしだ、思わず笑みが漏れてしまう。
ある種の絶望感と共に。
観測者/エントリー・モードでは詳しく設定しておけばと思い返し、自分が設定しなかったこと、つまりこの現状は必然であったと理解し頭を抱えた。
「なにか能力はないか…、ないな…」
暫く考え無いと思い至った。
戸籍、家、金を手に入れる能力などマイナー能力から探し出すとなると至難の業。
そう都合よくはいかない。
仮にとある魔術の禁書目録の某ビリビリ中学生の能力があれば金と戸籍は何とかなったかもしれない。
だがそれは理想論だ。
考えを巡らせるが色々と詰んでしまっているこの現状では打破する手段が全くといっていいほど無い。
「どうしたものか…」
警察のお世話になるというのは最終手段に近い。
この年でお世話になってどうするか、家無し戸籍無しをどうやって説明すればいいのか、あまりいい手には思えない。
ならば奥の手。
この世界がリリカルなのはの世界だというのならばその主要人物達の手を借りるというのはどうか
「ありえない…」
見ず知らずの人に対して助けを求めるほど京の面の皮は厚くない。
楽観思考も大概にしろというものだ。
だが恐らく助けを求めれば手を取ってくれるだろう、なぜかそんな確信があった。
助けを求める気は今のところ無いが
困ったことになったと空を仰ぐ。
夕焼けは通り過ぎ、空には夜が浮かび始めていた。
「暗くなってきたな、警察に見つかったらアウトだ。どこか泊まれる所でも探そう…」
いきなり最終手段に入る気は全く無い。
とぼとぼと歩いていく京、ふと寂しそうにブランコに乗っている茶髪のツインテール少女を見つけたが
「とりあえず橋の下か…、廃墟なんてあればベストだな、ゆっくり考えよう。」
すぐに視線を外し公園から出て行ったのであった。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
「探せばあるもんだ、割と綺麗…ではないけど仕方ない、ここで一晩明かそうか」
深夜、3時間ほど人目を気にしつつ辺りを徘徊し一夜の宿を探す。
見つけたのは5階建ての無人の廃ビル。
とりあえず仮の宿を見つけたことにホッと一息つき、これからのことを考えることにした。
「まずは金…」
金、ありとあらゆるものを手にすることのできる至高の存在。
当然のことながら手に入れる手段など存在しない。
「そして家」
同じく手に入れるのは不可能、ここで我慢するしかない。
「戸籍」
言わずもがなだ。
どうしようもないなと改めて頭を抱える京。
粘って、粘って、打開策も思いつかなかった時、本当にダメなら助けを求めよう、そう心に決めた。
そして最後
「これから始まる事件」
今がいつなのか分からないためいつ物語が始まるか定かではないがジュエルシードが起こす事件、これは確定事項だ。
これに対し自分はどういった行動を取ればいいか、今のところは静観を決めようと思う。
現在無一文のホームレスと化している京は事件のことなど目を向けていられない。
頼るものは自身の能力しかない。
一生懸命に頭を捻り、ああでもない、こうでもないと何か助けになるマイナーの範疇に含まれる能力が無いか考える。
が、考えているうちに目の前が霞んでいく、睡魔だ。
考えも覚束なくなっていく。
見たところ7歳程度の姿、子供の体では夜はきついのか早々に眠くなり、転生1日目はまさかの廃ビルで寝るという形で終わるのであった。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
2日後
「うあぁぁぁあうううう、腹減ったなぁ…」
京は一人飢えに苦しんでいた。
この世界に着てから何も食べていない、食べ盛りの7歳(暫定)ボディには酷な話である。
水はなんとかなるがそろそろ餓死が見えてくる。
もうお世話になってしまおうか…そう思い始めるほど精神的にも参ってきていた。
「誰だ塩と焼酎と日光があれば生きていけるとかいったの…」
言っていることも支離滅裂になってきていた。
もはや末期に差し掛かってきたといえる。
なんにせよ何か補給をしなければ話にならない。
億劫そうに起き上がり外を覗く。
そこからは遠くにスーパーが見えていた。
京は奥の手の一つ、スーパーの試食で腹を膨らませるという手にうって出ようとしていた。
恥を忍んでこの愚行に出る京の心境は計り知れない。
背に腹は代えられないとは正にこのことだ。
そしてちょうど廃ビルから出た時だった。
爆音が聞こえる、エンジンを噴かせているような音だ。
何事だと振り返る。
しかし、振り返った先は京にとっても予想外のものだった。
目と鼻の先、赤い車が自分の目の前に来ていた。
「っ!?」
目を見開き驚く暇も無く、京は跳ね飛ばされた。
ゴスッと鈍い音を立てて宙に舞い上がる。
そして地面に叩きつけられた。
「カフッ!…ハッ…ガ…ァ」
何があった、何が起きたと混乱する。
息が出来ない、苦しい、痛い、様々な思いが頭を巡る。
そんな中でどこか冷静な部分があったのか、それともどこか壊れてしまったのか京の目は辺りを観察し事態把握に努めていた。
左腕は明後日の方向に曲がり半ば千切れかけていた。
体中も裂傷、骨折が見受けられる箇所が多々ある。
右目の視界は真っ赤に染まり、骨折した部位が肺にでも突き刺さったのか息が出来なかった。
そして遠くには赤い車からこちらを見ていた若い男が見えていた。
遠目からでも分かるその動揺に、思わず笑ってしまいそうになる、お互い運が無いなと。
「ハッ…はっ…」
体が酸素を求めて必死に呼吸をしようと試みていた。
その度に激痛に見舞われ体がビクンと痙攣する。
お陰で意識が切れるということはなかった。
痛みの中で必死に生きる方法を探す。
京はその答えに早々に辿り着いていた。
この2日間なにも無為に生活をしていたわけではない、必死に頭を捻り、何か能力はないかと考えていたのだ。
求めた能力はなかったが、死にそうになったときに使える能力は1つだけ存在していた。
しかし、使うのに躊躇いがある。
それほどにデメリットは厳しいものだった。
「ァ…ぁっ…」
だが時間は待ってくれない。
刻一刻と血は流れ、心臓の鼓動はその動きを止めつつあった。
「はは…ハハハ」
笑うしかない、この現状に
あまりにも出来すぎていて、仕掛けられてしまうかと思ってしまうほどに
だが縋るしかない。
冷たくなっていく体が死の恐怖を助長させた。
使うしかない。
例えその後どうなったとしても
死にたくないから
ただその一心で京は紡いだ。
「緑の王より相馬真、
ビクンと体が跳ねる。
「ぁ…、ァァァアアア嗚呼アアアアアアアア」
体中の隅々まで激痛が走る。
何が這って、生えて、侵食して、京の体を侵していた。
だが同時に出血は止まり、心臓の鼓動は正常なものを取り戻しつつあった。
そして痛みが治まる。
一先ず廃ビルに戻る。
顔に違和感を覚える、何か別のものに変わってしまったようで
手で触れようとしたが、止めた。
現実を見てしまいそうだったから。
しかし、現実はそれを許さなかった。
ふと立てかけられ罅の入った鏡を見てしまった。
「…ぁ」
右目が爬虫類を思わせる瞳の3つ目に変わり、右側頭部から右目かけてに硬い木に覆われている。
同時に体から多種多様な植物の葉と足からは根が皮膚を突き破って出てくる、痛みはない。
折れた骨、潰れた内臓は全て植物で補完されている。
呆然と変わり果てた自分の姿を見つめる。
だが
「なんだ、こんなものか」
拍子抜けだとつまらなそうに自分自身を見つめていた。
それは多分に諦めを含み、割り切ろうとしての言葉なのか、どうでもよくなってしまったのか、京のみぞ知るところだ。
「あぁ…、化け物になっちゃった」
そう呟く、これでこれからのことも大分変わっていくだろう。
自分の立ち位置、そういったものも把握しているつもりだ。
だがもう今日は何も考えたくないと部屋の隅で丸くなって眠るのだった。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
翌日
「フフフ…、これが完全自給自足の生活…、光合だ!!」
吹っ切れたように体から葉などを生やし光を浴びる。
どこか充実したような顔をしている京。
食糧事情は解決した。
これからのことは後でよいとなにも考えずにいる、逃避ともいう。
こうして京は突然人間を辞めることになりあっさりと順応するのだった。
だが京は知らない、まだ植物人間化は始まりに過ぎないということを
30話弱までストックはあるのですが始めて書いた作品なだけに序盤が黒歴史の極みな為、大幅改稿しているので少し更新速度が遅いです。
人外化は作者の趣味です、どんどん変貌していってもらいます。
原作名:猫撫ディストーション
ジャンル:揺るがない
塚用者:七枷樹
能力:観測者/エントリー・モード
正式には能力名ではない、暫定的なもの。
エントリー・モードとは世界を創り出す場のようなもの、
アカシックレコード、イデア界、唯識とも呼ばれる。
ここから世界を表す意味を観ることで世界を確定させる。
二次世界の管理者である神が与えた能力であるため、あくまで創れる、
行くことのできる世界は神が創り観測している二次創作世界と限定される。
主人公は主に世界観移動に使用する。
と猫撫ディストーションでした。
セカイ系の極地、作者もプレイして7割くらいしか理解できませんでした。
嵌まる人は嵌まると思います。
是非やってみてはいかがでしょうか?
原作名:緑の王
ジャンル:漫画
使用者:相馬真
能力:植物を体内に入れることで得る超回復力、運動能力の超向上。
体から植物を出して相手を拘束することも可能で体のどこかが欠損しても
植物で補われる。また体に纏っている木はとても硬く銃弾程度ではびくともしない。
また全ての植物とリンクすることで植物1つ1つを回路と見立て地球全体の
植物でスーパーコンピュータ何億台もの演算を可能とする。
動物の死骸に植物を植えつけることでアレトゥーサと呼ばれる植物の化け物
を生成可能
犬に植えつけた場合、6時間ほどで大きさは5メートルを超え、
最終的には戦艦並の大きさまで成長する。
本来の能力ではじきに人型のアレトゥーサに変貌する前の能力であるが植物
にそういった意思がないため主人公が代行している。
そのためアレトゥーサも生成可能。要は植物の化身になったようなものである。
デメリットも存在し、力を使えば使うほど傷を受ければ受けるほど植物で補
われるためどんどん人から離れていく。
ただ原作のように時間がたつごとに植物に侵食はされない。
と緑の王でした。
現在連載中の有名な「死がふたりを分かつまで」の作者さんの作品
月刊マガジンZが廃刊になり打ち切られなければ名作になったであろう不遇な作品。
話としてはとても面白いです。
是非手に取る機会があれば読んでみてください。