海魔の手の及ばない上空を飛ぶ。
目指すはセンタービルの巨大海魔。
それにしても酷い有様だ、あちこちで繰り広げられる惨劇、海魔に食べられていく人々、B級ホラー映画もここまで露骨なものはないだろう。
無視して進む、一々助けていれば限がない。
自分に巡る魔力と繋がれたパスから残量を確かめる。
「あと…6回ってところかな…」
能力の使用は約6回が限度、それも消費が少ないもので6回だ、奥の手の部類などは使えない。
月の光りで徐々に回復はしているがとても緩やかなものだ、神の右は連続開放のしずぎで持たない。
これでも6回とはいえかなりの魔力量なのだ、桜のポテンシャルが窺える。
しかし、京は6回フルに使いたくはない、形振り構っていられない現状だが魔力の過剰消費は体には悪影響だ、子供なら尚更に
「ままならないね」
独りそう嘆く。
舌打ちしたくなるほどの現状だ、分が悪いなんて話ではない。
巨大海魔が見える、遠目ではわからないほどの異質さ。
どれほどの人間を食べたのだろう、その大きさに顔をしかめる。
巨大海魔は200mほどの大きさまで膨れ上がっている。
10~50mほどの海魔もちらほらと見えるがあの巨大海魔を見れば霞んでしまう。
「さて…」
どうするか考える、今やるべきことはキャスターの排除、正直海魔は桜達に危害が及ばなければ放置してもいいと思っている。
数え切れないほどの人間を食べ、取り込んでいる以上マスターの魔力供給は必要なくなっている、つまりマスターを狙っても無意味だということ
巨大海魔の中にいると当たりをつけているが外れる可能性もある。
「…」
思考を切る。
このまま熟考していても埒があかないのはわかっている。
「スゥー…ハァ…」
目を閉じ深呼吸をし、集中する。
今できるだけの覚悟を、最悪の未来を予想し、自らを追い込ませる。
目を開ける。
「………」
自分は帰ると約束したのだ。ここで死ぬわけにはいかない。
そして桜を守ると決めたのだ。ここで死ぬわけにはいかない。
心の中の黒い木の花が2つ、咲く
手に召還するのは大剣「世界の墓標」
高く高く舞い上がる、真下には巨大海魔。
髪を伸ばし体を覆うように纏う、それは卵のような黒い塊。
「ふっ」
瞬間、弾丸のように巨大海魔に向かって一直線に落ちていった。
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「ここらでいいかのう」
ライダーが雁夜と桜を降ろす。
着いた場所は高台、遠目からでも冬木の地を見渡せる場所だ。
「もしも夜が明けても海魔が消えていなければここも拙いであろう」
そうライダーが告げる。
もし夜明け前までに全てが終らなければここまで海魔は拡散するということだ。
「わかった」
雁夜が答える。
ライダーが飛び立とうとするが
「ライダー、僕はここで降りるよ」
ウェイバーが制止した。
「なにを言っておる、時は待ってはくれんぞ?戯言は後にせい」
「いや、ここから先はもうマスターが、ただでさえ落ちこぼれの僕が行っていい場所じゃないのは僕にだってわかる…、行ってくれ」
ウェイバーが少し寂しそうにそう言った。
自分自身で分かっている未熟、そして自分のサーヴァントの為に残ることを決意した。
「バカモン!」
「グハッ」
でこピンで黙らされるウェイバー
「お前は余のマスターである以前に共に戦場を駆けた朋友であろうが!さっさと往くぞ!」
「ぁ…、あぁ!!」
喜びと誇らしさで涙を浮かべるウェイバー。
ニッと笑うライダー。
本当にいいコンビだ。
戦車に乗り込むウェイバー
「「往ってくる」」
「いってらっしゃい」
手を振り送り出すのは桜。
「いいじゃねぇーか、いいコンビだぜ」
どこからか声が聞こえる。
見上げるとそこにはキールがいた。
「京が心配だから見ておいてくれってよ」
桜も反動付きで自己防衛の手段は持っているがいつどうなるか分かったものではない。
キールがいても微妙だとは思うがいないよりはマシとの京の判断だ。
「それでどうすんだ?まだ離れるのか?」
「そうだな…、安全でない以上まだ離れたほうが…」
雁夜もまだここが安全ではないことは分かっている。
できるだけ離れよう。
そう思ったときだった。
そこに高速で車がこちらに向かい、急停止する。
車から出てきたのは2人の親子。
「葵さん!?」
遠坂葵と遠坂凛であった。
「雁夜くん…」
「桜!おじさん!」
葵は若干気まずそうに凜は素直に妹と会えたことを喜んでいる、桜の目が冷たいことには気付かない。
冬木の大惨事にいてもたってもいられずここに来たといったところだろう。
もう愛する主人はそこにはいないというのに
「これは…どうなってるの?」
葵が雁夜に問いかける。
雁夜がマスターであると知っている為若干警戒されているが
「あぁ…、敵のサーヴァントが暴れてる、ここもじきに危なくなる…、早く離れたほうがいい」
「おじさん!お父様は!?」
自分の父が心配なのだろう、子供らしく不安なようだ。
「それは…」
雁夜が言いよどむ。
「さっき死んだじゃねぇか」
そこにキールが言ってはいけないことを躊躇なく言ってのけた。
だがキールはいつものお調子者然とした調子ではなく、あくまで冷静にこの場を見ていた。
「お前っ!?」
「ぇ…」
「ぁ…」
雁夜がキールを睨む、時臣の死を知らされた2人は顔を真っ青にしていた。
「早いか遅いかだけの差だ。変に希望を抱かせてもしゃーないだろうが」
どうでもよさげに答える。
だがそれは事実だ。配慮というものが欠けているが時期に分かることでもある。この場で誰が最良かは誰もわからない。
「誰が…」
「葵さん?」
雁夜が葵を不安そうに窺う。
葵の目は焦点が合っていなかった。目を見開き小さな声でブツブツと言っている。
「一体誰がそんなことをっ!?」
頭を掻き毟り叫びを上げる、それは雁夜の知っている遠坂葵の姿ではなかった。
覚悟はしていたかもしれない。
だが突然の死を知らされて黙っていられるほど葵は強くはなかった。
「葵さん落ち着いて…」
「離してっ!」
「っ!?」
雁夜が葵を宥めようと手を出そうとするが振り払われる。
一瞬雁夜の目が揺らいだ。
「桜も失って…彼まで…」
桜の目が細まる。
雁夜の心に罅が入る。
「あんな男のことなんて…」
そしてつい雁夜から本音の言葉が零れる。
今まで心の奥に秘めていたもの、態度では表していたが口では言わなかったことを
それに葵は過剰反応する。
「あなたに何がわかるのよ!あんたに彼のなにがわかるって言うのよ!!」
雁夜の言葉に葵は更に暴走する。
ただの八つ当たりだ。
それもしょうがないのかもしれないが
葵の剣幕に雁夜がたじろぐ、そして同時に雁夜の心も崩れていく。
「あんたなんて…」
そして最悪の言葉を口にしようとし
ドン。
桜色の閃光が葵を貫いた。
「葵さん!?」
雁夜は駆け寄ろうとするが足が動かない、崩れかけた心が伝えてくる、行く必要はないと、意味がないと
閃光が放たれた方向を目で追う。
そこにいたのは右手を前に出し冷たい眼差しで眺めている桜であった。
「桜…ちゃん…?」
呆然とする雁夜。
「ぉーぉー、桜ちゃんに助けられたな」
実際そうだっただろう、あの時放とうとしていた言葉は決定打だったはずだ。
「お母さん!?」
母に駆け寄る凛。
「桜…なんでっ…!?」
凛が桜に目を向ける、そこには自分に右手を向けている桜が映っていた。
「っ」
恐怖で声が出ない凛、妹と思っていた桜が物を見るような目でこちらを見ている、恐怖と不気味さで声ならない悲鳴を上げる。
「それくらいで止めときな、桜ちゃん」
そこにキールが止めに入る。
桜の肩に止まり優しく語りかけた。
「あいつ泣いちまうぜぇ?」
おちゃらけた風を取り戻し、キールは桜に言った。
「ぁ…」
ビクリと反応する桜
キールは知っている。最初から最後まで、出会いから今まで、京が桜をどう見て何を思っているかも把握している。
だから少しの助言を
「あいつが桜ちゃんに何を望んでいるかわかるかい?」
「………」
「普通の女の子に戻って欲しいって望んでいるはずなんだなぁ」
介入という目的以外で京の望みはそれしかない。
出会ってからまだ1週間も経っていない。
だが京はそれでも真剣に考えていた。
「もう気にしてたらキリがない」
それは遠坂に対してだろう、決別していても目に映る遠坂は憎しみの対象になる。
倒れている2人に非は殆どない、それはわかっていても憎しみが沸く。
京の予想は外れていた、決別などできていない。
一時壊れた桜の支えは京と雁夜、そして憎しみで持っていたのだから、時臣の死で動じなかったのも恨みからである。
このまま生活しても京がいなくなった生活では支えと恨みで持っていた心はどこかで崩れてしまっていることだろう。
「あいつはそう思って、そう望んでる」
京を引き合いに出し桜に訴えかける、京に対してかなりの依存状態になっているとキールは判断する、故に引き合いに出す効果は高いのだが遠坂の問題の方が根が深い問題だけに無視する。
「高くつくぜぇ…」
誰にも聞こえない程に小さな声でキールは愚痴る。
本来キールにとってもこんな役回りは柄ではないのだ。それを無理してやっている。
「…うん」
おずおずと答える桜、決別すると答えただけ今はいいだろう。
「オイ、いつまで突っ立ってんだよ、男だろーが」
雁夜に声を掛ける。
「葵さん達も連れて行く…」
「そんな戯言を聞きたいんじゃないっつーの」
まだ執着心を露にする雁夜に言い放つ。
「あいつも言ってただろうが」
『アレは魔術師の妻だぞ?』
雁夜は顔をしかめる。
京が言った言葉を思い出して
気付こうとわかろうと今尚していないだけだ。
『彼女は魔術師の非人間性を理解して尚夫を愛してる、愛しているというより盲愛ってやつだ』
実際それは的を射ている。
遠坂葵は神秘的なものを好む、それが切っ掛けで遠坂と知り合い、興味を持ち結婚するに至る。非情な面も知り、それでも愛したのだ、それはとても盲目で、それは真っ当な人の生き方とは違っている。
「お前は桜ちゃんを救うために戦いに参加したんだろ?」
それは真実だ。
「しつこい男は嫌われるぜぇ? それにお前の声は届いてない」
「………」
『彼女はお前側の人間ではない』
雁夜は未だ呆然と立ったままであるが言葉は届いるだろう。
「ま、偉そうには言ったが恋の狩人の言葉だ。聞いておきな」
自分が場違いなのは十分承知しているキールではあるが京の手前奮闘した次第である。
それにしてもライダー組が消えた途端にこうも悲惨な状況になるとは。根暗なのがいけないのだとキールは思う、ライダーのように豪快に笑い飛ばして欲しいものだ。
「ったく、もう少しでここからもおさらばだってのによぉ…」
「…ぇ?」
それに反応したのは雁夜ではなく桜だった。
「いなく…なっちゃう…の?」
桜の目が絶望に染まっていく
やってしまった。
割と空気の読めないキールであるがこれは流石にやってしまったと理解した。
しょうがない。
キールはは桜の耳元に口を近づける。
京が今まで内緒にしていたことを話す。
「 」
「………」
黙って聞いている桜だが段々と顔に生気が戻ってきている。
「あとは桜ちゃん次第だ!!」
「うんっ」
ニヒルなつもりでキールは笑う、釣られて桜も笑った。
問題はこっちだと雁夜を見るが今すぐに立ち直るのは無理だろう。
冬木の方を見る、火の手が上がっている、随分な戦いを繰り広げているのだろう。
「死んだら許さねぇからな…」
キールと桜は高台から事の次第を眺めるのだった。
夜明けは近い。
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「はぁ…はぁ…はぁ…」
辺りは瓦礫の山が広がっていた。
京と対峙するは巨大海魔、潰れたトマトのように爆散しているがすぐに再生を始める。
「いない…か」
徹底的に潰した巨大海魔の中にキャスターはいなかった。
半ば予想していたことだけに絶望も驚きもしないがこれで最悪の予想に一歩近づいたわけだ。
魔力も消耗し、残りの宝具使用回数は5回。
「ちぃ…」
倒しても限がない、倒してもそれを糧に新たな海魔が召還されるだけだ、意味がない。
そして人間を食べ更に増える海魔、元凶は膨大な数の海魔に隠れている。見つけられない。
今ある全ての魔力を使って大技を使っても吹き飛ばせるのは冬木の地の半分が限界、それで捉え切れなければ詰みである。
海魔が復元し襲い掛かってくる。
「しつこい!!」
大剣を振るい触手を薙ぎ払う。
単純な力で巨大海魔をミンチにしたがこれが限界だ。
「おう!待たせたなぁ!」
ライダーが到着する。
「あぁ、このデカイのの中にはキャスターはいない」
「これまたでかいのぅ」
「お前は大丈夫なのか?」
「魔力はあまり消費していない、問題ない」
「何か心算はないかのぅ?」
「夜明けまで粘って欲しい」
手段はある、だが条件が整っていない。
問答している間にも海魔は増え続けている。
「ふむ…」
「まだ時間があるな」
「それまでは虱潰しか…」
「ここで無駄に悩むよりはマシな案であろう?」
「…全くだ」
頷き合い左右に分かれる、ライダーは西を京は東を駆ける。
海魔を切り裂き、進む。
目の前には海魔の山だ。
「はぁっ!」
一薙ぎで5体の海魔を屠る。
しかし倒した傍から再召喚される海魔。
京はそれを無視しまだ斬っていない海魔に向かって飛び掛る。
「ふっ…!」
切り刻み、薙ぎ払い、叩き潰し殲滅していく。
これは時間稼ぎだ。
できるだけ広範囲に散らばらないように、殆ど意味はないがやらないよりはマシ。
まだ夜明けまでには時間がある。
それまでは戦い続けなければならない。
「こいよ…海産物」
こちらにワラワラと集まってくる海魔達。
手間が省けると口を吊り上げ突進していく。
周りに迫る海魔を円を足掻くように大剣を振り回し吹き飛ばす。
京には剣技などは使えない、そういった能力を付与すれば話は別だろうが
今はただ高い身体能力に任せて思い切り振るうのみ。
京は地上に降りて戦っていた。
飛ぶだけでも魔力を消費するからだ。
「らァ!」
飛び掛ってきた海魔の最後の1体を蹴散らす。
そこで背後に何かが現れる。
京が影で覆われたからだ。
振り返ると同時に大剣を投擲する。
「ガァァァアア!?」
突き刺さっていたのは10mを越える海魔だった。
「ぁぁあ!!」
海魔を確認すると同時に跳躍、突き刺さっている大剣の柄を蹴り上げる。
だが海魔は怯まない。
触手が京を吹き飛ばす。
「グ…ぅ…!」
ビルの壁に叩きつけられながらも壁を蹴り上げ再び海魔に特攻した。
そして
それからどれほど時間が経ったか、もう何百匹も海魔を屠り数えるのが面倒になってきていた。
京も海魔の返り血で所々赤く染まっている。
「はぁ…ぁ…」
京も精神的に体力的に疲弊してきている。
大剣を突き立て体重を任せるように項垂れていた。
そろそろのはずだと思う。
かなりの海魔を片付け、引き寄せた。お膳立ては済んでいる。
そこに目の端に一筋の光が映った。
それは黒いバイクに跨り海魔を切り裂いているセイバーだった。
よし、手伝ってもらおう。
京は光に向かって駆けに跳躍しバイクの後部に飛び移る。
「邪魔するよ」
「モンスター!」
凄まじい剣幕で睨まれるがそれどころではない。
「こっちでやり合ってる暇はないだろう?」
「…」
「一時休戦といこう」
セイバーもこの状況はわかっているのだろう。
渋々といったところで頷いた。
「…わかった、状況は?」
「海魔が人間食って増えに増えてる、手に負える数じゃない、あの中にキャスターが紛れているとこちらは睨んでいるが」
「そうか…」
セイバーが口を噛む、許せないのだろう、その所業に
「こっちは1体1体殲滅という愚行を行ってるところだ」
「貴方達の宝具があればほとんど消し飛ばせるでしょう?」
「生憎と魔力がないんだよ、今は全て消し飛ばすのは無理だ」
「…そうですか」
弱みを教えることになるがしょうがない。
「手が足りない、マスターの手も借りたいが」
「切嗣はキャスターのマスターを追っています」
「それは重畳」
全く信用できないが、ライダーに桜達は避難させたので追えはしないだろう。
夜が更けてきている。朝焼けが見え始めた。
「………」
京がそれを見つめる。
「セイバー」
「どうした?」
「下水道にキャスターの拠点があるはずだ、そこを頼みたい。」
「地上はどうする?」
「手がないわけじゃない」
「わかった」
セイバーと別れる。
同時に京も飛ぶ、向かうはセンタービル
もうすぐ、日が出る。
視線をライダーに向ける、視線に気付いたライダーは剣を頭上に掲げいつでもこいと言っている様だ。
そして京は舞う。
高く、高く、高く。
「オメガトライブより吾妻晴、WILL …発動」
「ほぅ、また珍しい宿主だ」
京の目の前には全裸の男、京にしか見えない。
それは進化種と呼ばれる生命体、現人類を地球上で最も繁栄した種族にまで押し上げた元凶である。
進化種に感染したことにより京は
名はホモサピエンス・オメガシス、現人類を更に進化へと導くモノへと京は進化した。
京のどこが人間などと突っ込んではいけない。
その能力により進化するものは脳の特化進化、通常の80倍のスピードで脳を
そしてもう1つの能力、特性。
あらゆる時期・状況・気候に適応するために1つの能力を得る。元のオメガが見たものは日の光を希望と感じその力を得るものだ。
太陽が地平線から顔を覗かせる。
日の光が、太陽の力が海魔に降り注ぐ。
「ギュァァァッァァア!!?」
悲鳴を上げ蒸発していく海魔たち、蒸発してしまえば死骸を糧として再召喚される心配もない。
地上にいるもの、天の下に、日の元にいるものは皆、射程範囲内。
日の力を得る、それは太陽からの光を自在に操り相手を焼き尽くす能力である。
「ほぅ…、これは…」
ライダーが手を止め呆然と眺める、夜が明ける美しい太陽の光。
自らが目指す夢の終着点もこれほどに、いやこれ以上に素晴らしいに違いない。
ウェイバーも傍らに眺める。
そして、右手を前に
「令呪によって命じる、夢を現実に」
1つの令呪が消費される。
「重ねて命じる、立ち塞がる敵を蹂躙しろ!」
2つの令呪が消費される。
「いくぞライダー!」
「応ともよ!いざ往かん!我が夢の果てへ!!」
軍勢は日の光の届かぬ屋内の海魔を蹂躙し外に弾き飛ばす。
それと同時、地下から黄金の光が漏れ地を割って放出した。
「まだ私はジャンヌあなたをォォオおおおお」
センタービルにいたものより更に巨大な海魔、それが姿を現す。
しかし、その姿はセイバーのエクスカリバーを食らい、ズタズタだ。
「マスターよ!力をぉぉォォオおおお」
どこからか令呪の力がキャスターに向かう。
瞬間、海魔は更なる膨張をし更に更に巨大化しようとするが
「全軍突撃!!」
ライダーの戦車と大群が巨大海魔に突撃する。
しかし、大きさが違いすぎる、英霊達は1人1人と倒れ光と消える。巨大海魔の半分が消し飛ぶも瞬く間に再生が始まる。
だがライダーの笑みは止まらない。
キャスターはこの攻撃で一時的に姿が見えた。
その隙は十分
「道は開けた!後は任せたぞ我が臣下よ!」
「了解」
ライダーと急降下している京がすれ違う。
「ブレングリード血闘術、推して参る」
京の右手に現れるのは十字を模ったメリケンサック。
「反英霊、ジル・ド・レェ」
真名を語る。
「貴方を『密封』する」
ブレングリード血闘術、それは血にある属性を付加するもの。
「憎み給え」
血の属性は「呪獄」
「赦し給え」
人類が乗り越えるその日まで封印する究極封印術式
「諦め給え」
今ここに獄縛の術式が完成する。
「人界を護るために行う我が蛮行を」
「ブレングリード血闘術・999式」
「――――――――――
その一撃がキャスターを捉えた。
「…!」
右手のメリケンサックを食らったキャスターは京から溢れ出す血によって体を拘束され、血に飲まれ沈んでいく
そしてキャスターを縛り、圧縮し、拘束し、潰し、封印していく。
同時に消えていく巨大海魔。
京が地面に降り立つ。
足元には手のひらのサイズに満たないほどの紅い十字架が転がっている、それがキャスターだ。
京はそれを拾い、ライダーに放り投げる。
「ふんっ!」
ガキンッ
十字架は真っ二つに圧し折れ、そのまま消滅した。
どこからか爆音と銃声が聞こえる、アチラも終ったといったところだろう。
そこにセイバーが来た。
「終ったのか」
「あぁ、終った」
「我らの勝利だ」
一先ずの労わりを
そして
「では」
「うむ、いいだろう」
最後に残った陣営同士
やることは1つ
「「いざ尋常に」」
最後の戦いが始まった。
次回、Fate/zero編最終話 vsセイバー 最後の戦いになります。
乞うご期待ください。
原作名:オメガトライブ、オメガトライブキングダム
ジャンル:漫画
使用者:吾妻晴
能力:WILL
謎のウィルス、感染すると新たなる進化種として新生、その力は過去にホモ・サピエンスを進化させ他の類人猿を滅ぼし繁栄をもたらせるほど。
今回は脳の特化進化という道で進化を遂げた。
その為、脳の
また
種としての特性として太陽の光を自在に操る特性を得る。
日の下にいるならば圧倒的な攻撃力を有するが弱点が多い。
太陽が出ていることが絶対条件である、雲に隠れても使えない。屋内でも使用不可。
またウィルスを相手に移すことで2次感染者にすることが可能。
2次感染した場合、相手の寿命を設定することができ、
設定した寿命が短いほど相手を洗脳でき、感情・記憶・知覚を思うままに操ることができる。
とオメガトライブでした。
初期はどちらかといえば政治色が強く、日本を政治から乗っ取るなど面白い展開に、後半から特性が出たことでアクション性が強くなり賛否両論あった作品。
作者はどっちも好きです。
あとWILLのイチモツが荒ぶり過ぎてて笑ってしまいます。
完結しているので是非読んでみてはいかがでしょうか?