「メイっちこないねぇ」
「珍しいこともあるもんだ」
偶にはということでメイシェンと遊ぶ約束を取り付けたミィフィとナルキは待ち合わせの場所で手持ち無沙汰に待っていた。
もう約束の時間、いつも3人の中で一番早くやってくるタイプのメイシェンが遅れてくるのは珍しい。
「あの人とよろしくやってるとか」
「まさか、メイシェン相手に手を出そうものなら昏倒されるのがオチだ」
とりあえず遅れたときの弄りネタはできたと2人は笑いあった。
着いてきているだろう京もまとめてネタにしてみるのもいいかもしれない、ああいうのはネタに困らないからよい素材だ。別に羨ましいとかそんな気持ちは別にない。
そんな平和な時を満喫していた時だった。
ズズンとどこかが崩れるような音が聞こえる。
「おぉ?」
そこそこに大きな音だった。どこかが崩れた、そんな感じ。
ミィフィ達の周りもやや騒がしくなる。
「何があったんだろ?」
「あっちだ」
ナルキが指差す方向に煙が舞っていた。
ミィフィの目が光る。
どんどん自身の記者としての欲望が胸の内で膨れ上がっているのをミィフィは感じていた。
「ちょっと行ってみよう?」
「そうだな」
「あら?」
ミィフィの誘いに乗ってくるとは思わなかったのか首を傾げる。
「都市警としては見過ごすわけにもいかないだろう」
「今オフだけどね」
「関係あるか」
そう軽口を叩きあいながらも煙が起こっているところに向かう。少し走っただけで着く事ができる距離だった。
辺りにはもうけっこうな数の野次馬がたむろしている。
それをめんどくさそうに眺めながら自分達もその野次馬の一部だと自覚して苦笑いした。
メイシェンは、ちょっとくらい大丈夫だろう。
煙の発信源は路地の方からだった。
「あそこか」
場所を確かめて2人はそちらに歩んでいく。
しかし、突然立ちふさがるように1人の男が立ち塞がった。
「待て、ここから先は捕り物の最中だ。危険だから下がっていろ」
有無を言わさぬ口調で退去を命じられる。
これが都市警察相手なら渋々ではあるが引き下がっただろう。
だがあの男は違った、都市警察の服装ではない。学生の着ている服ですらない。明らかに都市外の者であった。
「お前、何者だ? 都市警でないものが何故ここを仕切っている」
毅然とした態度でナルキが前に出て男と向かい合う。
何か嫌な予感がした。女の感とでも言おうか、この裏路地を前にして早くしろと何かが告げていた。
都市警察の証でもあるバッチと警棒を見せ、都市警察であることを示す。
それを見て男はめんどくさそうに舌を鳴らした。
「悪いが特務事項だ。伝えることはできない」
そう言う男に2人の疑念は膨らむばかりだった。
あの奥で何が起きているのか、気になる。
押し切ってやろうか、と無謀なことも考えに過ぎり始めた。
その時
「っ! …お前ら! さっさと帰れ! ここは危険だからな」
何かの通達を受け取ったように一瞬焦ったような顔になると走って奥のほうに行ってしまった。
それに2人は顔を向かわせ頷き合い、共に行く。
煙の発信源、そこには戦闘地帯と化していた。
多くの外部の武芸者であろう者達、それに対して一人で戦っている異形のヒトガタ。
それにミィフィとナルキは驚きの声を上げた。
「げっ…あれは…」
「あれは…」
2人の驚き様には違いがあった。
「ナッキ、やっぱりここから離れよう…、ちょっとヤバイよ…」
ミィフィが目を向ける先には剣を振るうハイアの姿があった。知り合いなのかはわからないがミィフィはハイアに会いたくはないようだった。
だがナルキは動かない。
「ミィ、あれ…誰に見える?」
「ぇ…? えぇ!?」
「そうか、わかるか」
自分の目が狂っていなかったことに落胆が隠せない。
黒く染まった肌に白い髪、下半身は刺繍が足の形を模したような異形、そんなものがメイシェンに見えたのだ。
それはミィフィも見て一瞬で感づいた。おそらく本人で間違いない。
そしてこの状況が拙い。何故メイシェンがあんな姿になって、外部の武芸者と戦っているかは皆目見当もつかないが危険な行為になんら変わりはない。
「ナッキ…、行こう」
ミィフィがナルキの袖を引っ張り外に向かう。
「だがメイが…!」
「私達にできることはここにはないよ!」
ナルキの叫びにミィフィも叫んで返した。
「すまない」
ナルキが謝り、ミィフィと共に路地を後に走っていく。
武芸者である自分がなんとか助け出す事ができないかと考えたナルキと自分ではどうにもならない状況と一般人として瞬時に判断したミィフィだった。
「まずは」
「そうだな、助けを求めないと」
あれだけの戦闘を沈静化するには相当な実力がなければいけない。小隊メンバーでなければ怪しいところだろう。できればレイフォンをここに連れて来られればいいが
そうして2人は別れ、助けを求めてその場を走り去ったのだった。
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「ちょっとこれは拙いさぁ…」
ハイアは現状を確認しながら苦言を口から零した。
見つめるのは黒い影としか判別できなくなりつつあるメイシェンの姿。
黒く、禍々しく変わり果てた両足を使い、壁から壁にバウンドするように仲間の武芸者達を翻弄していた。
「ゼタ遅ぇ!!」
そしてまた1人の仲間が捉えられ、ボロボロになりながらゴミのように打ち捨てられる。
この場はメイシェンにとって非常に都合のいい場所だ。ここはちょっとした幅のある路地裏、ノイズ化した両足の俊足を生かせる足場が立ち並んでいるに等しい。
壁から壁へ、不規則に、絶え間なく移動し続け翻弄するメイシェンは活剄によって強化された眼でも黒い影程度にしか判別できない。
敏捷であること、それだけで厄介な能力だ。目視より先に敵に攻撃を加えられ、全体重が乗ったメイシェンの攻撃はそれだけで武芸者に大ダメージを与えるに容易だった。
「固まれ! 各個撃破されるぞ!」
ハイアの号令によって素早く残った仲間達が集まっていく。
このまま消耗を狙ってもいい。老性体に比べればまだまだだ。倒す手などまだ無数に思いつく。
だがそれまでにこちらも手痛い反撃を貰うだろう。
どうするか
「ハッ!」
嘲笑うようにメイシェンは集まった仲間達を一気に潰そうと猛進する。
それに合わせてメイシェンの動きに着いてきた仲間が手に持つ武器でそれを迎撃した。
弾き飛ばす。
そしてメイシェンはまた離脱し、再び周囲を不規則に動き回る。
獣のようなものだ。消耗狙いでもなく、隙を見て喰いつかんとしている動きだった。
「ちっ、面倒な相手さ~」
そしてハイアが動き出す。
あの異常な相手を唯一この中で相手にできるのはハイアだけだった。
「隙を見て終らせるさ! いいな!」
「「応!!」」
―――水鏡渡り
瞬間、ハイアがメイシェンに並んだ。
「―――!?」
「なにもそのスピードが出せるのはあんただけじゃないってことさ~」
サイハーデン刀争術、水鏡渡り、活剄と疾剄、そして特殊な歩法によって成る疾剄を超える超高速移動術だ。
そして同時にメイシェンに斬撃を見舞わせる。
「ァァア!」
「硬ってぇ、何纏ってるんだか」
両断する勢いで刀を振るった。
だが切り裂けたのはメイシェンの服までだ。後は薄皮一つ傷付けられていない。
京によって強化されている防御力は尚も健在だった。
ハイアは怯んだメイシェンに蹴りを加え、上空に吹き飛ばす。
「ラジアンがぁ!」
怨叫を撒き散らしながらメイシェンが飛ばされる。
そして体制を整えようと身を翻そうとするがそれはハイアが許さない。まだ攻撃の手は終わってはいないのだ。
上空に吹き飛ばされたメイシェンに向かってハイアが跳躍する。
―――焔切り・翔刃
跳躍の勢いと焔切りを合わせた派生攻撃。
更に強くなった居合い抜きの一撃は今まで誰も傷付ける事が叶わなかったメイシェンの体を切り裂いた。
そして追撃を掛ける炎のような衝剄。
それを間近にしたメイシェンの目はまだ死んではいない。
「マダ…ァァア!!」
メイシェンの背から6枚の悪魔のような羽根が生える。
そして衝剄がメイシェンに直撃する瞬間、霞の如く姿を消した。
ハイアが気付くが、遅い。
頭上に飛翔しながらメイシェンの狼の腕のように豹変した右腕が振る下ろされる。
だがハイアの薄ら笑いは消えてはいなかった。
「あんたまだおれっちたちのこと舐め過ぎさ!」
ハイアの叫びと同時にメイシェンの体に複数の鋼糸が体中を縛り上げる。
「逆行列…!」
それをメイシェンは鬱陶しそうに引き千切るがその隙を見逃さずに残りの剣や槍をもった仲間がメイシェンの羽を切り裂き、地面に叩き落す。
地面に縫い付けるように残った羽に武器が突き刺さった。
「手間取らせるなって」
ハイアがゆっくりと刀を両手で握り上段に構える。
メイシェンは必死にもがくが仲間達の必死の拘束を逃れる事ができなかった。
気絶させ、後は貰うもの貰って退散だ。
そして、刀を振り落とす。
だが
「邪魔するか、元ヴォルフシュテイン」
「…お前、何をしている…!」
振り落とされたハイアの刀はレイフォンの持つ剣によって止められていた。
そしてメイシェンを張り付けにしていた者達に銃弾の嵐が飛来する。
それを食らい何人かが倒れる。
「よくもまぁ、俺達の可愛い後輩になにしてくれるんだか」
それを放ったのはシャーニッド、屋上から手に持つ二丁拳銃を寸分の狂いなく、拘束していた者達にはなっていた。
いつもの薄ら笑いのまま目には明らかな敵意が宿っている。
そしてなんとか銃弾を避ける事ができた者達に二振りの鉄鞭が振り下ろされた。
「貴様ら…、何をしたかわかっているのか!」
怒りを顔に貼り付けてニーナが降り立った。
遠巻きにミィフィとナルキが見ていた。
偶々だった。何かの話し合いだったのか、第17小隊のメンバーが丸々固まっているのを発見する事ができたのだ。
「さっきぶりさ~」
ハイアはそう言うものの余裕は消えていた。
狙撃手と鞭使いはなんら問題にはならない。だがレイフォン、元天剣授受者は話は別だ。複数を相手にしながら戦えるほど甘い相手ではない。
だが目の前に目的のものがありそうなのだ。
歯噛みする。
そして、いつ動き出すかわからない緊迫の空間を打ち破るのは
「アァァァァァアアア!!」
メイシェンだった。
叫びを上げる。苦悶と怒りが混ざったような叫び。
「メイシェン! 大丈夫か!」
ニーナがメイシェンに近寄ろうとするがメイシェンはそれを意に返さない。いや、認識していなかった。
ザザと電子音のようなものを鳴らしながら更に、更にメイシェンの姿が豹変していく。
ニーナを振り払うように左腕をメイシェンが振るうとそれは巨大なショベルの形を取り、辺りの建物ごと粉砕した。
「っ!? メイシェン!!」
メイシェンに周りの目が集中したことを見てハイアがすり抜けるようにレイフォンを通り過ぎる。
十分過ぎる隙だった。今なら速攻で気絶させ、攫って逃げるくらいはできる。
刀の刃がメイシェンに迫る。
「ガァァ!」
バキン
「っ」
それをメイシェンは噛み砕いた。いともあっさりと。
そしてそれに驚く間もなく、右手の甲から3本の鎖に繋がれた剣が現れ、ハイアを切り裂いた。
「ちぃ!」
なんとか防御するも両腕と脇腹を深く傷付けられ、血が止め処なく流れていた。
流石にここまで来れば小隊メンバーでもわかる。正気を失っていると。
「レイフォン! そいつは後回しだ、メイシェン止めるぞ!」
「あぁ、悪いが気絶させたほうがよさそうだ」
「はい」
シャーニッドの提案にニーナとレイフォンは頷く。
メイシェンはの右手の3本の剣と左腕のショベルは崩れるように消え去り、新たに別の箇所が変化を起こしていた。傷ついたメイシェンを守ろうとする明らかな暴走だった。
「邪魔を…するなぁァア!」
レイフォン達を敵と認識し、攻撃行動に移る。
ニーナに黒く染まった右腕が突き出された。
それをギリギリで避けたと思った瞬間、メイシェンの右腕から鎌が生え、そのまま両断しようとする。
当たると思った瞬間、それをレイフォンが弾いた。
「任せてください!」
そう言ってメイシェンに向かって果敢に迫る。
メイシェンの髪が変化し、数十のドリルになって襲い掛かるが、それを残らず両断し、メイシェンに肉薄する。
「ごめん」
―――爆導掌
謝罪の言葉と共に、レイフォンの右手がメイシェンの胸に触れ、放つ衝剄を内部に浸透させる。
レイフォンは如何にかなりの硬度を誇るメイシェンでも内部からの衝撃はまだ聞くと判断した。
「ァ…ぅ…」
崩れ落ちようとする。
だが
「お前は…ダケハ!」
足を踏みしめ、レイフォンを押しのけて、遠巻きに様子を窺っていたハイアに突進する。
メイシェンは禁断化状態として、ノイズ「レオカンタス」として、最大の攻撃を仕掛けた。
メイシェンの目の前に黒い球体が現れる。
それは凄まじい密度と禍々しい虚数エネルギーを以って自身をも巻き込んだ攻撃を放つ。
「死に晒せ…」
避けられない、周囲一体を虚数空間に叩き落すその技の名は
「―――レベル虚数フレ…」
そこまでだった。
メイシェンの持つ最大最高の攻撃、レベル虚数フレア、それを放とうとする直前、メイシェンの周りにはシャーニッド、ニーナ、メイシェンが武器を構えてそこにいた。
「はぁぁぁああ!!」
そしてそれを放つ前に、3人の攻撃はメイシェンの意識を見事に刈り取ってみせた。
辺りに静寂が訪れる。
そして倒れ伏すメイシェンを守るように3人はハイアに立ち塞がった。
「そこまでだ。もう手出しはさせない」
「一昨日きやがれ」
そういいながら手に持つ武器を構える。
それを見てハイアは深く溜息を吐いた。
「しょうがないさ~、撤収だ!」
まだ動けるハイアの仲間達が倒れている者達を運び消えていく。
それを見送った後ハイアも退散する。
「……」
メイシェンとレイフォンに一瞥をくれて消えていく。
ハイア達が消えた後、急いでメイシェンを病院に運んでいったのだった。
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次の日
「すまない…」
「いいよ、私が勝手しただけだから」
メイシェンが起きたのはその日の夜だった。
心配そうにするニーナ達を余所に、一言、「すみません」と言ったところでニーナが切れた。曰く、心配させるなという感じだったはずだ。
あれから京が何度謝っているかわからないほど意気消沈していた。
「でも…よかった…」
こう心配され続けるのも悪い気がするが、京の意識が自分に向き続けるのも悪くはないなと不謹慎にもそう思ってしまう。
あの時の暴走もメイシェンの怒りを意志の装備である京が更に助長させたことで起きた悪循環とのことだ。
まだメイシェンの体にはあちこちにタトゥの痕が残っている。
そうしているとブザーが鳴った。
「さて、第2回戦は第10小隊と第17小隊の対抗試合だ! 果たして勝つのはどっちだ!」
司会者がそう言って小隊のメンバーを紹介していく。
この日は対抗試合の日だったのだ。
自分は負傷で出る事ができない。とても申し訳なく思う。
だから京に頼み込み、病院から抜け出す形で遠巻きに観戦していた。
相手は隊長のスキンヘッドの男、ディン・ディーと金髪縦ロールの副隊長のダルシェナ・シェ・マテルナからなる計6人の隊だ。副隊長はどこかで見た事があったかもしれない。
「……」
それを見ながらメイシェンはある疑問を持った。
京に顔を向く。
「あぁ、そうだね。様子が変だ」
メイシェンの様子を察し、京がそれに肯定で答える。
明らかに第17小隊の面々は何かに迫られるように緊迫した空気を放っていた。
何かをしようとしている、それは何かわからないが
メイシェンが倒れたことにより第17小隊のメンバーがしようとしていることは伝える事ができていなかった。
そしてシャーニッドが手に持つ二丁拳銃を地面に向かって撃ち出すと砂煙が辺りを覆った。
「ぇっ!」
砂煙は会場を覆いつくし、一体何が起こっているのか外からでは判別できない。
見られては拙いことをしているのだろう。
そこに自分がいないことを、助けになれないことにメイシェンは俯いた。
そして
「…っ!?」
京がビクリと反応した。
「どうしたの?」
「…アレが出た」
「ぇ…」
それだけでわかった。
黄金の雄山羊、ハイアは廃貴族と呼んでいた物、京はあれと全く同じ感覚を感じた。
何故ここに、違う、問題はそこではない。何故このタイミングで現れたのか、それがわからない。
砂煙の向こうからでは何が起こっているかはやはり判別できなかった。
「そう…」
メイシェンが手を握り締める。
そして京の手を握った。
「ねぇ…京」
「なに?」
煙の向こうを見つめてそう返した。
「体調は大丈夫?」
「うん、
「そっか」
ならばもう言うことは決まった。
握る手を離し、煙の向こうに手を向ける。
「助けてあげて」
かつて同じことを言った人がいた。
そしてその答えもまた同じだ。
「了解」
メイシェンの懐のピンクローターが消える。
そして隣に立っていたのは、京の本当の姿だった。体には新しく全身にタトゥが巡り、メイシェンの発動させてしまった能力の影響だと言う事がわかる。
申し訳なさそうにメイシェンの顔が陰る。
しかし京はそんなことを気にもせず、右手をメイシェンに向けた。
「
メイシェンの体からタトゥが消えていく。
それと同時に体が少し軽くなったのをメイシェンは感じた。
「行ってくるよ」
「頑張って」
そう言って送り出す。
そして京はその場から消えた。
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レイフォンは相手の隊長、ディン・ディーに取り付いた廃貴族と対峙していた。
「くっ!」
ほぼ全ての相手の小隊メンバーは倒している。
後はディンを止めるだけだっは筈なのに何故アレが現れる。
そして、ニーナが追うように現れた。
「っ! 何故ここに…」
同じく驚愕の言葉を口にして固まった。
ディンに憑依した廃貴族はその力を余すことなくディンに注ぎ続ける。
このままでは拙い、そう思ったときだった。
空から一人の人型が舞い降りる。
一人の男の願いがあった。
一つの化け物の願いがあった。
絶望の狭間でそれは出会い、力を得た。
悲嘆と妄執に彩られ、今ここに刹那の間の修羅が現れる。
ならば斬ってみせましょう。
だから
お聞かせ願いたい。
「皆々様方」
廃貴族なる化け物を切り伏せるために
どうか物語をお聞かせ願いたい。
「そやつに潜む、形と真と理」
どうか、どうか
「お聞かせ願いたく候」
ここに最大のイレギュラーが発生した。
次回、第1章完結!
いやぁ、正直まだ30%も進行してないのですが…、早い更新頑張ります。
そして作者のとっておきの能力です。
わかる人は一目でわかると思いますが、乞うご期待ください!