銀河機攻隊マジェスティックプリンス 悪魔を操縦する者   作:ザルバ

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 戦術銃レーザーを破壊したウルガル軍の機体からも発光が消え、ウルガル軍は撤退をしていた。その場で指揮をしていたアサギはみんなに警戒をするように指示を出した。

「おいイズル、どうしたんだよ?」

「さっき変なものを見たんだ。それとバルバトスのガスがもう少ないから追いかけられない。」

 通信越しに質問してくるアサギにイズルは答えた。

「変なものってなんだよ?」

「それは―――」

 イズルが答えようとしたとき、スズカゼが通信を遮断した。

「バルバトス5、それ以上の更新は禁止する。今見たものは誰にも口外してはならない。帰還して、直ちに私の下に出頭せよ。」

「・・・・・・・わかった。でも艦長。」

「なに?」

「もしずっと秘密とかするのなら・・・・・・・・・・・俺はあんたたちを、宇宙ゴミとしか扱ってなかった奴らと一緒って目で見るから。」

 イズルはそう言うと通信を遮断した。

「・・・・・・・・」

 スズカゼは頭を抱え悩む。

「リンリン、これは相当来るわね。」

「ええ・・・・・・ましてやイズルの口からだともっと来るわ。」

 レイカの言葉にスズカゼはそう答えた。

 宇宙ゴミとして扱われた経験から手ごまとしか思っていないものと同じ扱いを受ける。それがつらい経験をしたものから言われるのは心が痛いものであった。

 その後、ウルガル軍は撤退。追撃しようにも残った戦力ではとても無理なため旧難溶性の出ている部隊の救助に当たるしかなかった。戦闘が終わりラビッツの各アッシュもピット艦へ帰還する。

 

 ゴディニオンの艦長室にイズルはスズカゼと二人で対峙していた。イズルはあったことすべてを報告した。

「あとの事は追って支持します。今日はもう下がりなさい。」

「でも・・・」

「下がりなさい!」

 少し乱暴な口調で言うスズカゼをイズルは好きになれなかった。

「・・・・・・・・・艦長が軍人なのは知ってる。けどオルガや俺たちにも秘密にしてたら、きっともう一緒には戦わないと思うよ。俺たち、作られた命だけど意思とかそう言うのちゃんとあるから。」

 イズルはそう言うと艦長室を後にした。

「・・・・・・・・わかってるわよ、そのくらい。」

 自分以外いない部屋でスズカゼは一人そう呟いた。

 

 スターローズのとある一室でシモン司令はと男女とある映像を見ていた。その映像はイズルが接触したウルガルのパイロットであった。

「面白い戦いだった。また会いまみえよぞ、原生種族よ。」

「つまり、バルバトス5を自分の好敵手と認識した?」

「おそらく。」

 ウルガル人がイズルへ話した言葉を女性が地球の言葉に翻訳した。

「まさか、こんなことになるとは・・・・・・・」

 女性は拳を作る。

「こうなった以上、チームラビッツにはある程度の事情を話す必要があると思います。そして鉄華団にも。今後彼らはウルガルの標的になる可能性が高い。心構えをしてもらわねばなりません。酷なこととは思いますが。」

 

 シモンが去った後、男性が女性に話しかけた。

「ご心配ですか、あの少年のことを?」

「それはもちろん。彼は私を忘れていても、私の方は覚えていますから。せめて無事な姿を見られればいいんですけれど・・・・・・」

「検査室のお側まで行くことは可能です。無論、直接会話することはできませんが。」

 男性の言葉に女性の表情は曇った。

 

 スターローズのアサギの部屋。アサギはアロマを焚いて心を落ち着かせようとしたが後ろを振り向き怒る。

「なんで俺の部屋にいつも集まってくるんだ!自分の部屋で寝ればいいだろ!」

 お約束ではあるがイズルを除いたラビッツ全員がそこにはいた。

「なんか興奮して寝れないのら。一人でいると、さっきの戦いのこと思い出しちゃってさー。」

「それに、この部屋だと戻ってくる見方が見えるだろ?」

 タマキとスルガはそう答える。外には損傷した戦艦が航行していた。あれだけ数で圧倒していた感が一変し一気に数を減らしていた。その光景位スルガは溜息を吐く。

「ボロ負け・・・・・・・・だよな?」

「えー、こっちが勝ったんでしょー?ウルガルが逃げて行ったんだもん。」

 スルガの言葉にタマキはそう疑問に思った。

「理由は分からないが確かに撤退していった。だが戦力の消耗率は地球側が圧倒的に上だ。40%・・・・・・事実上の全滅だ。」

 アサギの冷静な分析に誰も何も言わなかった。

 するとタマキがあることに気づく。

「なんだかいい匂いするね。」

「アロマを焚いたんだ。気分が落ち着くって聞いてな。」

「へー。」

 タマキは近くで嗅ぐ。が、香水も濃度が濃いと逆効果であるようにものすっごく悪いものの情愛の匂いであった。

 タマキは近くで嗅いでむせる。

「イズルはどうしているのかしら?」

「検疫に時間がかかっているんだろ?何しろコックピットをむき出しにされたそうだから。」

 ケイの言葉にスルガが答えた。

(でもあのイズルがそこまで追い詰められた・・・・・・・相手は相当できるってことよね?だとしたら私がサポートしないと・・・・・)

 そう考えているとスルガが寝落ちする。そしてタマキの寝落ちしていた。

 アサギは窓の外の光景を見ながら立つ。

「寝ないの?」

「ヘボパイロット・・・・・・て言われた。ウチのピットクルーに。・・・・・・・・もし、俺がうまく指揮を取れていたら戦況は少しは好転していたんだろうか?」

 アサギは自問自答する。

「もし、だれか別の奴がリーダーだったら・・・・もしアイツだったら・・・・・」

 アサギは壁を殴る。

「ひょっとしたら、もっと・・・・・・・・!」

「考えすぎよ。誰だって、あれ以上上手くできなかったと思うわ。私だったら絶対に無理だったし、その・・・・・どう言ったらいいかわからないけど、さっきは頼もしかったわ。」

 ケイは最大限のフォローをした。

「・・・・・・・少し、救われたよ。」

 アサギは微笑みながら礼を言った。

「・・・・それにしてもアイツ遅いな。」

「まだ検査が終わってないのかしら?アタシ行ってみる。」

「多分中には入れないぞ。」

「行くだけ行ってみる。」

 ケイは駆け足で部屋を後にした。

 

 ケイは夜道をアトラと一緒に歩いていた。

 アトラは検査が終わればイズルはきっとおなかをすかしているだろうと思い軽く食べられるものを作ってイズルを迎えに行こうとしていたのだ。

「アトラさんって、イズルの事よく知っているんですね。」

「うん。イズルよく食べるからね。でもその分、いっぱい戦って、いっぱい敵を倒してる。でも本当は・・・・・・・戦って欲しくないんだ。」

 途中の噴水で二人は腰かける。

「私ね、前にイズルがみんなのために一人で戦ったところを見てたの。とっても理不尽な状況で、鉄華団の皆も死ぬんじゃないかって状況だった。けどイズルが一人でたくさんの敵を倒して、私たちを守ってくれた。あの光景は今でも鮮明に覚えてる。でも・・・・・・本当は生きて欲しい。戦わないで、普通の生活を送って生きて欲しいって思ってるの。」

「アトラさん・・・・・・」

 ケイには思いつかない発想であった。生まれた時から軍へ入ることが決まっていた自分たち。意思なんてものはないと今まで思っていた生活。だが本当はあるのだとイズルが教えてくれた。

 そう改めて考えるとケイもアトラと同じ気持ちになった。

「アトラ?ケイ?なんで二人ともここにいるの?」

「「イズル!!」」

 検査からの帰りのイズルが二人を見つけた。

「検査が遅いから迎えに来たの。」

「きっとお腹すかしているだろうからって思って、はいこれ。」

 アトラはイズルの食事を手渡す。

「ありがとう、アトラ。」

 イズルは座って食べ始める。

「結構遅かったのね。」

「うん。リミッターを一つ外したから注意深く検査された。」

「リミッターって・・・・・・イズル大丈夫なの?」

 ケイは心配する。

「この通り。けど先生からは体に不調があったら言うようにって言われた。」

「そう・・・・・」

 そんな藩士をしている三人を噴水の後ろからこっそりと一人の女性が見ていた。

 

 スターローズの食堂でイズルたちは鉄華団の面々と食事をとっていた。幸い、鉄華団は機体の損傷はあれど誰一人欠けなかった。

「全滅か・・・」

「戦力の再編成には時間がかかるぞ。」

「ケレス基地も放棄することになるだろうさ。」

「これからどうするのか全然見通しが立たないみたいだ。」

「どうなっているんだ、俺たち?」

「上の方じゃもう責任の押し付け合いが始まっているそうよ。」

「この基地もその内、負傷者で溢れるんだろうな。」

「また奴らに反撃されたら・・・・・」

「ひとたまりもないだろうね。」

 暗いことを言うGDF軍にシノは溜息を吐く。

「なんか飯がマズくなる奴らばっかだな。」

「ですね。」

 シノの言葉にライドが共感する。

「結局、最後まで心折れなかった奴が生き残れるんだ。こんなことでクヨクヨしてたらすぐに殺される。わかってるなら気持ち切り替えろって話だ。」

 昭弘が推す言うと鉄華団の面々も口にした。

「だよな。」

「俺たちの帰る場所くらい守らねぇと。」

「いつまでも引きずってたら死んでいった奴らに合わせる顔ねぇし。」

「次も戦って生き残る。」

「それ以外できねぇしな、俺たち。」

 そんな鉄華団に誰も何も言えなくなった。

 誰よりも全線で戦っているのは彼らだということは皆知っているからだ。

 するとペコがやって来た。

「失礼します、皆さん。鉄華団の篠さん、ライドさん、昭弘さんとチームラビッツは直ちに第7オペレーティングルームに集合せよの事だそうです。」

 

 ペコの指示通り第7オペレーティングルームに来たイズルたち。そこにはオルガとユージンもいた。そしてシモン司令とスズカゼもいた。

 イズルたちは敬礼をする。

「楽にしなさい。」

 スズカゼの言葉で敬礼を解く。

「知っての通り、ケレスの戦いでGDFは甚大な被害を受けた。今後チームラビッツを中心とするアッシュ部隊の任務は増大するだろう。そして鉄華団にもそれは当てはまる。これからの戦いに先立ち、諸君らにはいくつかに予備知識を与えておく。ただし、これから述べるのはすべて最上級の機密事項だ。万一口外したら・・・・・」

 その時シモンは何も言わず威圧だけをする。それにおびえたのはケイ、タマキ、アサギ、スルガの四人だけであった。

「んなもん、雇用主のオーダーだからわかってるてーの。」

「と言うかそんな機密事項を離すってことはよっぽど状況が悪い方に進んでんだろ?さっさと話しを進めようぜ。」

 ユージンとオルガが口を開くとシモンは話を進める。

「まずはこれを見てくれ。」

 モニターにある映像が映し出された。それはイズルが接触したウルガル人の映像であった。

「・・・・・・・・秘密にするつもりじゃなかったの?」

「あとで説明するわ。」

 イズルの言葉にスズカゼはそう答えた。

「相手はなんだ?人間?」

「イズルに話しかけてる。」

 アサギ時計の疑問にシモンは答えた。

「人間ではない。我々に似ているがあくまで異質な生命体だ。」

「憎ったらしい顔してんな。」

「そう?かっこいいじゃん。」

「相手は敵だぞ!敵!お前かっこよかったら誰でもいいのかよ!」

「そうは言わないけど・・・・・・」

 ケイはその男の顔をよく見ると顔の筋肉が緩んだ。

「そうかも・・・・」

 その顔にスルガは呆れた。

「イズル、貴方が戦った相手なの?」

「うん。あの白い奴。」

 ケイの問いにイズルは答えた。

「姿だけじゃない、機体の動きも俺たちと似ている。」

 アサギはいいところを突いた。

「その通り。アッシュは彼らのテクノロジーを応用したものだからだ。」

 その言葉に一同驚く。

「以前、あるルートで二つの情報がもたらされた。ウルガルが地球に進攻しようとしていること、それからアッシュに関連する基礎技術。この二つだ。チームラビッツに配備されているアッシュはその技術を使って開発されたものだ。」

「僕らはウルガルの機体に乗ってたってことですか・・・・・」

 アサギは少し怒り口調となる。

「基礎的な技術はウルガルからもたらされたもんだが、地球人が乗れるように開発したのは我々だ。ジュリアシステムを開発したのも、MJPのメンバーだ。」

 その言葉に一同口を閉ざした。するとイズルがあることに気づいた。

「あのさ、どうやってそのこと知ったの?普通手に入らないでしょ?」

「それに関してはウルガルからの亡命者がいたからだ。」

「亡命者?」

「詳しいことは当事者に話していただく。」

 シモンがそう言うと扉が開き、男女が入ってきた。

(なんだろ・・・・・・・・・・懐かしい感じだ。)

 

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