銀河機攻隊マジェスティックプリンス 悪魔を操縦する者   作:ザルバ

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「来た!来た!来た!来た来た来た!キタ―――――――――!」

 スターローズの廊下を一人、スルガは叫びながらアサギたちの方へと向かっていた。

 その頃アサギ、ケイ、タマキの三人は食堂で食事をとっていた。

「せっかくの休みなのにガキの相手をさせられたよ。」

「ガキの空いて楽しかったのら?」

「全然、疲れたよ。」

 アサギとタマキが他愛もない会話をする。

「私も疲れた。」

「ああ、ケイたちは仕事だったんだろ?」

「今度はアサギとイズルでやればいいのら。一日署長とか、おこちゃまの相手とか、水着撮影とか。」

「やめてくれ。」

 タマキの言葉にアサギは想像するだけでも疲れた。

「タマキ、アサギはまだしもイズルは無理よ。」

「どうしてなのら?」

「忘れちゃったの?阿頼耶識の後遺症。」

「ああ・・・・・」

 阿頼耶識システムを肉体へ組み込まれると脊髄に突起物が出現する。それは回数が多ければ多いほどその数出てくる。

 イズルの場合は三つ、つまり三回受けたことになるので。過去のことから目を背けた現代社会、その光景を見れば嘔吐する者も多いのだ。

「そう言えばイズルいないわね。」

 ケイがふと気づいた。

「ああ、なんでも―――」

 アサギが説明しようとした時スルガが叫びながら入ってきた。

「来たー!」

「なにがだよ?」

「新しいのキター!」

「新しい干しイカ?」

「違う!」

 アサギが問い、タマキがボケると、スルガは全力で否定しこう言った。

「新しいアッシュ!新型アッシュだ!」

『・・・・・・・・・・・・』

 その言葉に一同唖然とした。

 そのころ反対側の港では鉄華団の面々とイズルがタービンズと会っていた。

「よう、義兄弟。元気にしてたか?」

「元気そうだね。」

「お久しぶりです、兄貴。姐さん。」

 オルガは名瀬とアミダに挨拶をする。

「久しぶりだね、二人とも。」

「おう、イズル。テレビでの前の戦いっぷり見たぜ。大分上達したみたいだな。」

「当然でしょ。なんせあたしらを苦戦させたんだから。」

 名瀬の言葉にアミダは言った。

「と言うかお前行かなくていいのか?」

「なにが?」

「なにって・・・・・・・・・・お前何も聞かされてないのか?お前たちのチームに新しいアッシュとパイロットが来るって話。」

「ううん。」

 イズルの反応を見て名瀬は頭を抱える。

「はー、GDFは無能な奴ばかり多いと思たがここまでとは。」

 驚きを通り越して呆れる名瀬。アミダも同じであった。

「ほら、イズル。さっさと行ってきな。挨拶はまた今度できるから。」

「うん、わかった。また後でね。」

「おー、またなー。」

 イズルは反対側の港の方へと向かって行った。

「なあ義兄弟、イズルの奴どうだ?」

「俺らのころと何一つ変わっていません。正直一つでも変わってくれたらうれしいんですけどね。」

「まあ、人間そうすぐには変わらねぇよ。いつか変わるだろうし、それまで見守ってやろうぜ。」

 名瀬がオルガの肩に手を置くとオルガは「はい。」と返事をした。

 

 スターローズのゴディニオンが停泊している港に一隻のピット艦が旋回しゴディニオンにドッキングする。

 そしてイズルが少し遅れて新しく配備された新型アッシュを見た。機体は黒。今までの機体よりも細く、そして追加装備が見当たらない機体であった。

「スゲーだろ。」

「俺たちの機体より火力がパワーアップされているのか。」

「機動力が向上しているわ。」

 自分のことのように自慢するスルガに対しアサギ時計は冷静に分析する。

「黒い・・・・アッシュ。」

「ねえ、これ誰が乗るの?」

 イズルが見たまんまの感想を言いタマキが疑問に思うとパイロットを連れたスズカゼが答えた。

「あなたたちの後輩よ。」

 スズカゼの側には紫の髪の男性がいた。表情は気弱そうではある。

「新メンバーのクロキ・アンジュ。」

「美男子!」

「美少年!」

「・・・・・・・・・どっちだ?」

 タマキとスルガが同時に思ったことを言う。それをアサギが疑問に思った。

「アンジュ、チームラビッツのメンバーを紹介するわね。リーダーのイズル。それからアサギ、スルガ、ケイ、タマキ。」

「・・・・・よろしく・・・・・・お願いします////////」

照れながら挨拶をするアンジュは誰がどう見ても可愛いものであった。

「・・・・・・先輩////」

 先輩という単語にイズル以外は反応する。先輩と呼ばれるということは尊敬されているということだからである。

 

 ゴディニオン格納庫でスズカゼはレイカにブラック6について聞いていた。

「ブラック6のピットクルーは?」

「ブラック6のピットクルーは、パイロット自身よ。」

「え!」

 レイカの言葉にスズカゼは驚く。

「船員のピットクルーが必要ないほどオートマ化されている機体なの。もちろんメンテナンスは整備班がやるけど。」

「そーねー。アッシュを量産するには整備を簡単にしないと。」

「今のところアッシュとMSだけがウルガルと戦えない。この新型も急いで製造したのよ。」

「・・・・・」

「浮かない顔ね。」

「そりゃ――――」

「これでますます生徒たちを最前線へ送り込まないといけなくなるわね。」

 レイカの言葉にスズカゼは共感した。いくら勝つためとはいえど生徒を道具のように使うのは教師としてよろしくないものである。

「新しいパイロット、到着したんでしょ?」

「あとで紹介するわ。でも、みんなと上手くやっていけるか心配なの。」

 スズカゼはタブレットあるアンジュの資料を見た。

 

 スターローズから離れたところでバルバトスルプスとブラック6は対峙していた。

 きっかけはアンジュがイズルと模擬戦をしたいためである。

『模擬戦、開始!』

 スズカゼの掛け声と同時にブラック6が攻撃に出た。ブラック6の92式複合銃剣アバッシュガンと92式重インパクトキャノンがバルバトスルプスに向け放たれる。バルバトスルプスはバックパックと脚部のスラスターを吹かし接近、腰部のスラスターで機体を傾け回避するとロケットランチャーを二発放った。ブラック6はアバッシュガンで撃ち落とすと急上昇。爆煙によってバルバトスルプスが見えなくなる。

 しかし爆煙からハンドメイスが一つ跳んできた。ブラック6はアバッシュガンをクロスさせ銃剣で防ぐ。それに気を取られたブラック6は頭上に来たバルバトスルプスに気づくのが遅れた。

「せーのっ!」

 バルバトスルプスは頭部を踏み潰す要領で攻撃する。しかしブラック6はスラスターを吹かし回避しようとするが背中に蹴りがかすったためバランスを崩す。バルバトスルプスはバックパックのサブアームに備え付けていた200mm砲を放つ体制に入る。確実にロックされたためそこで模擬戦は終了となった。

 

 それからしばらくして出動命令が出た。

「戦力も増強されたことだし、新ミッションを開始する。オペレーション硫黄島、開始!」

 GDF宇宙採掘補給基地ベスタではヘリウム3と水が得られる場所である。宇宙において水はとても貴重なものであるのでここを落とされては長期任務に支障をきたすのである。

 ゴディニオンから各ピット艦が発進する。そんな中バルナ鳥栖のピット艦クルーが思ったことを口にした。

「新型アッシュのお披露目かー。」

「専任クルーがいなくて大丈夫なの?」

「俺たちは 必要なくなる オートマ化 」

「悲しいこと言わないでくださいよ。」

 デガワの俳句にダンが言った。

 そして各ピット艦からアッシュが出撃する。

 その頃ベスタは片腕が特徴的なウルガル機を筆頭とした舞台に攻撃されていた。

《反応が遅いぞ原生体共!僕が通過した後に攻撃してどうする?のろま共目!》

 その時部下から通信が入った。

《レガタス・クレイン。例の機体がこちらに向かっているようです。》

《よし、基地の攻撃はいったん中止!奴らを迎え撃つ!》

 イズルたちはレスタ基地についての説明を聞いていた。

「レス太吉は硫黄が噴出していて視界が悪い。その上ところどころに硫黄の吹き出し口がある模様。注意して動くように。敵は高速で整然とした陣形で攻めてくる。まずはその陣を崩すように攻撃するように。ローズ3、任せるわ。」

「うおりゃああああ!」

「パープル2、敵の動きを観測して周囲に連絡。」

「はい。」

「ローズ3が切り込んだらブルー1、バルバトス5、ブラック6が三方向から攻撃。支持派バルバトス5が出すように。」

「わかった。」

 ラビッツはレスタの地表付近を飛行する。

「やっぱりいる!どこ?」

 ケイは敵がいるのは分かってはいたがどこにいるのかまでは分からなかった。

「艦長の言った通り視界が悪いね。」

「おっと!」

 ブルー1が突然吹いた硫黄を回避する。

「アサギが反応するより先にアッシュが反応したぜ。」

「相変わらず危機回避力が抜群だな。」

 スルガがアッシュを誉めアサギが皮肉を言う。

「アッシュ、大丈夫かな?」

「初めての実戦だからな。」

 ラビッツは停止する。

「ケイ、わかった?」

「待って・・・・・」

 ケイは感覚を研ぎ澄ませる。

「っ!3時方向!」

「わかった!」

「待って!そっちはノイズが小さい!本体は!」

「こっちだね!」

 バルバトスルプスの後ろから来る敵を大型メイスで吹っ飛ばす。

「10時方向に編隊、多数接近!」

《まずあれが目標だ!》

 クレインの指示で狙われたのはパープル2であった。

「させるわけないだろ!」

 バルバトスルプスが大型メイスを振り回しレガタス機以外のウルガル機を潰す。

《小癪な原生体め!まずはお前からにしてやる!》

 レガタス機はバルバトスルプスに向かい右腕を振るう。バルバトスルプスは舞うように避けると大型メイスを頭部にぶつけ左腕部ロケット砲を喰らわせる。

「アンジュ、アサギたちと一緒に編隊を組んでケイを援護。・・・・・・・・アンジュ?」

 応答しないアンジュにイズルは疑問に思う。しかしその間にもウルガル機は一部を除いてケイを集中的に攻めてくる。

「アンジュ、聞こえてるのか?こっちは手が離せない。おい、アンジュ。」

「うぁあああああああああああああああああああ!」

 その瞬間アンジュの叫び声が通信越しに響き渡った。

「なんだ?」

 イズルはブラック6の方を向く。ブラック6は91式肩部単距離高機動誘導弾サイドアームと91式脚部多連装高機動誘導弾ブラックファイア、91式多連装砲撃ユニットシールドナックルと92式重インパクトキャノンを展開。スラスターを深い指導をすると92式複合銃剣アバッシュガンの銃剣を叩きつけ、一斉掃射する。

 全武装をフルバーストしていながらも敵の身に当てるのは器用と言えよう。

 そしてブラック6は次の標的をレガタスに定め攻撃をする。レガタス機は攻撃に気づき回避をする。

《なんだと!最後に取っておこうと思ったのに!最初に殺ってやる!》

 レガタス機を先頭に全ウルガル機がブラック6へ向かう。

「ヤバそうだね。ちょっと手助けするか。」

 イズルはそう言うとバルバトスルプスの両腕部ロケット砲とバックパックのサブアームに装備している200mm砲を展開しウルガル機に向け一斉掃射する。

「全部堕としてやる!全部!」

 ブラック6は回避行動をとりながらも攻撃をし、時にはアバッシュガンの銃剣でウルガル機を刺し、至近距離から倒していく。そんなブラック6をレガタスは目を付けた。

《これは僕のラマタにする!》

 ブラック6はアバッシュを投げつけウルガル機の腕に突き刺すとアバッシュを回収

すると同時に腕を切り落とし、その腕をウルガル機に突き刺し、そしてアバッシュの銃弾を撃ち込み破壊した。

 そこへレガタス機が接近してくるがブラック6はアバッシュを撃ち弾幕を張る。レガタス機も回避しながらも応戦する。

《まだまだ!》

 レガタス機が急降下するとブラック6も追い始め、その後に続くようにウルガル機も接近する。地表すれすれで急上昇し移動するレガタス機。それをゴールド4が撃ち落とそうとするが撃つことはできなかった。

「動きが速すぎる!」

 レガタス機は急上昇し真上を取るとブラック6へ向け攻撃をする。

「おいアンジュ!深追いをするな!アンジュ!」

「いちいちうるさいんだよ!そんなこと指図スンナ!ダマッテミテロ!」

 アンジュの急な変わりようにアサギたちは驚く。

《僕の速さについてこられる原生体がいたとはな。》

 レガタスはブラック6に感心する。その時レガタス機のモニターに火山が見えた。それを見るなりレガタスは不敵に笑う。

 レガタス機は火山校の上を通過し、その後をブラック6が追う。

 その時であった。火山校のマグマが噴火しブラック6を襲った。しかしブラック6は健在であった。

「上手く嵌めたみたいだがそうはいかないぞ!腐った脳みそで大した作戦なんて考えられるわけないんだ、この豚が!」

 マグマによって暖められた機体で全部層を展開、そしてレガタス機に向け一斉掃射する。

「早さだけの豚野郎め!スピードだけで勝てると思っているのか!単細胞クズ野郎!」

 アンジュの変わりようにタマキ、スルガ、アサギは戸惑う。

「だれこの人?」

「アンジュ・・・・・・だよな?」

「この罵詈雑言、聞いているだけで眩暈がしてくる。」

 ブラック6から放たれた攻撃が火山交付金を破壊しマグマをレガタス機へ浴びせる。そして動きが止まったレガタス機に照準を定めたアンジュは一斉掃射をもう一度する。

「くたばりやがれ!」

 マグマによってシールドはほとんど使い物いならなくなったレガタス機にその攻撃を防げるだけのお余力はなかった。

《僕のラマタ―!》

 レガタスは叫びを上げながら被弾する。幸いにも機体はかろうじて無事であったためウルガル兵はレガタス機を回収し撤退する。逃げていくウルガル機にブラック6は容赦なく一斉掃射する。

「豚共もみんな豚だ!編隊を組むのもみんな変態だ!馬鹿め!絶望しろ!そして二度と来るんじゃないぞ!」

 アンジュのハイテンションを現すかのように火山が噴火し、ブラック6とウルガル軍を遮る。

「これがあいつの本性かよ。」

「そうみたいね。」

「えっと・・・・・・・こんな人だったの?」

「スゲー・・・・いろんな意味で。」

 その光景に呆気を取られる中、イズルは思った。

(こいつ・・・・・・・・・近いうちに絶対敗北するな。)

 

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