銀河機攻隊マジェスティックプリンス 悪魔を操縦する者   作:ザルバ

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時間はかかりましたが完成しました。
つい先日パソコンを買ってようやく早めの更新ができるようになりました。
ちょっと同時進行で別のを書いてますがそれはまだ出す予定はありません。」


2

「MJP機関、チームラビッツにウンディーナでの多大な功績をあげたことに勲位三等を授与する。」

 ウンディーナ基地防衛をしたイズルたちはウンディーナでGDFから勲章をもらっていた。そして勲章が胸につけられるとフラッシュがたかれる。イズルたちの後ろでスズカゼは外を見た。外はウルガル軍の攻撃によってボロボロに破壊されていた。

 

 そしてこのことはすぐに地球で話題となった。当然の結果である。

 今までウルガル軍に対しGDF軍は成す術なく惨敗し、撤退に撤退を重ねていた。勝つのは不可能と思われていたが、その概念は彼らによって覆された。

 グランツェーレ都市学園の食堂ではそのことに驚く者たちもいた。だが中には納得できるも重い多。

 その最たる理由がイズルの存在である。イズルが多くの敵を一人で相手し、ほぼ無傷で勝利したことが大きな要因である。

 そしてスターローズに帰還すると取材依頼の電話が絶えなかった。

 また一つ取材依頼の電話を断るとジリアーノは溜息を吐く。そんなジュリアーノにダニールがコーヒーの入ったマグを差し出す。

「これではウンディーナ基地のほうも対応に追われているな。」

 

 一方その頃チームラビッツは記者会見を受けていた。指揮はスズカゼが取っていた。

「では、各社順番に一つずつお願いします。」

 スズカゼがそう言うと一人の記者が質問をする。

「えー、まずお伺いしますがあなたたちは何ですか?」

 記者からの質問にイズルが答える。

「MJP特別機関、グランツェーレ都市学園に所属しているチームラビッツ。これでも学生。」

 その言葉に記者一同驚きを隠せなかった。

「MJP と言うのは?」

「えーっと・・・・Military Junior Per-academy・・・・・でしたっけ?」

 イズルがスズカゼのほうを見て確認をとるとスズカゼは頷いた。

「合ってるそうです。要するに将来の士官を育てる学校です。そんで俺たちが乗ったアッシュって機体で詳細についてはまだ情報が開示できない新型機って認識でいいです。」

「えー、では改めてMJPの皆様に改めて伺います。」

「この作戦を命じられた時の心境は?」

 その言葉にアサギが反応する。

「はい。大変名誉なことだと・・・・・」

 そこでアサギは胃を押さえる。

(また緊張で胃が痛いんだ。もうちょっと慣れたらいいのに。)

 イズルはアサギの姿を見てそう思った。

「他の方は?」

「同じです。」

 ケイの回答に取材記者は表情が引きつった。

「俺はただ目の前の敵を倒して明日のために生き延びるって考えだったよ。」

 イズルの回答に取材記者一同「おぉ~」と声を上げる。

「次、タマキだよ。」

 自分の番になると頭期は焦るながらマイクを取るが上手くマイクを取れず頭にぶつけてしまう。

「今の見てたぜタマキ。わぉ・・・コメント数スゲー。」

 スルガはライブ配信を見ながらそう言った。

「まぁ・・・・一言で言えば皆奇跡だって思ってます。」

「奇跡、ですか?」

 イズルの言葉に記者はそうオウム返しする。

「だって今まで勝てなかった相手に勝った・・・・・と言うより敵が撤退した。敵の理由がどうであれ、俺たちは生き残れたことが奇跡です。俺たちの機体があって、チームがあって、教官たちのサポートがあって、初めて手にした勝利です。俺たちだけじゃできないことだって思ってます。」

 イズルの底の言葉に一同感銘の声を上げる。

(こいつ本当に本番で上手いよな。)

(正直、羨ましい。)

(うぅ・・・・なんでイズルはこういうのに緊張しないのら?)

(うわぁ~、こいつの人気株上昇してるよ。ネットでもクール系って言われてる。)

 そんなこともあって記者会見は幕を閉じた。

 会見場から出て廊下を歩くと一般人であろう集団が歓迎をする形でチームラビッツを迎えていた。その中には小さな女の子もいた。その子を見るなりイズルは微笑んだ。純粋に、嬉しい気持ちで。そんなイズルにスズカゼは安心感を得る。

 

 スターローズに設置されているバー。窓からは地球を見下ろせる設計となっていた。

「スッゲー!」

 スルガはそのバーを見て叫ぶ。そして各々座る。

「疲れたのら。」

「やっと休める。」

 タマキはソファーに寝転がりケイは背中を預ける。

「俺たちのニュースばかりだぜ。」

「もう見るな。」

 カウンター席でニュースを見るスルガをアサギが注意しているとイズルがグラスに注いだ水を差し出した。

「飲めるうちに飲んでたら?またあんなことするんだろうし。」

「・・・・・・・・お前何やってんの?」

「飲み物配ってるだけだけど。」

 イズルの行動を理解できないアサギがイズルに問うた。

「ケイは甘いもの好きって言ってたから何かないかって探したらこれあった。」

 イズルは練乳ジュースを差し出した。

「あ、ありがとう・・・・」

「タマキには・・・・・これ。」

 イズルはアセロラジュースを差し出した。

「疲労回復に効くって聞いたから。」

「ありがとなのら。」

 タマキはイズルから飲み物を受け取る。

「ケイにはこれ。」

 イズルは「練乳ドリンクLv.50」と書かれた飲み物を渡す。

「よくこんなのを見つけたわね。」

「探せばあるものだよ。でもよくみんな生き残れたよね。」

「お前のせいだよ。」

 アサギの言葉に一同頷く。

「上手くいったからいいものの。」

「バカ!アホ!オタンチ!」

 ケイは呆れ、タマキは文句を言う。

「おまけに見ろよこれ。」

 スルガはデバイスにニュースの画面を映し出す。そこには右上端の方に「マジェスティックプリンス」と掲げられていた。

「マジェスティックプリンス?なにそれ?」

「MJPだからじゃねーの?」

 タマキの問いにスルガが答えた。

「何勝手に読んでんだよ・・・」

「私王子様じゃないし。」

「もー、静かにして。世の中には声が多すぎる。」

 ケイは消音スピーカーを耳に嵌める。

「でもさ、あの時のイズルすごかったよなー。」

「うん。いつものと人が違うみたいだった。」

「そう?俺はあんな状況慣れていたから。・・・・・・あ、でも少し感覚鈍ってた。ケイがあの時教えてくれなかったら腕の一本は持っていかれていたかも。」

「鈍ったって・・・・・あれでか?」

 スルガは呆れる。

「でもあたしたちもなんか力発揮できたよね?なんでかな?」

 タマキがふと疑問に思った。今まで訓練機では実力があったとしても発揮されなかった。全て空回りの結果に終わるものである。なのになぜあの状況では発揮できたのか本人たちもわからなかった。そんな疑問にその場へ来たスズカゼが答えた。

「それがジュリアシステムよ。」

 

 ブリーフィングルームでシモン指令がチームラビッツにジュリアシステムについて詳しい説明をする。

「ジュリアシステムはDNAを取り込んで作ってある。DNAは自らを生き残らせようとする。だから生存本能が強い。最初アッシュが逃げようとしたのは、その生存本能のせいだ。だが闘争本能が高まると、非常に攻撃的になる。その結果、アッシュが自ら行動を起こし作動する。だが闘争本能が高まったアッシュは、火事場の馬鹿力というべき力を発揮する。そのため無理をして故障も多くなる。ジュリアシステムの攻撃本能と攻撃本能、搭乗者はそのどちらともをコントロールしなくてはならない。今は、じゃじゃ馬慣らしを君たちは行わなければならない。」

「と言うことよ。わかった?」

 スズカゼの言葉にアサギが「はい・・・」と答える。

「そこでチームラビッツ、再出動を求める。」

 その言葉にイズル以外は反応する。

「破壊された通信衛星を再設置してほしい。」

 その内容を聞いてアサギとスルガは顔を見合わせ安堵を吐く。

「それで、みんなのアッシュなんだけど・・・・」

 スズカゼはバツが悪そうな顔でモニターに移す。そこには企業のロゴが入っているバルバトスの姿があった。

「なに、これ?」

「あなたタッチの活躍を見て資金提供をしたいスポンサーが集まってね。」

 イズルの問いに答えるスズカゼ。イズルだけでなくみんなの機体にもロゴがついていた。

「俺、ここの胃薬飲んでる。」

「ビミョー。」

「何よこれ・・・・」

「私は焼き肉屋・・・・」

 そんな光景にイズルは呆れる。

「馬鹿が多い大人の世界ですね。」

 その言葉に「全くだ。」とシモン指令も相槌を打つ。

「どうせ取材も入ってロゴを移せっていうんでしょ?仕方ないからやるけど・・・・・」

『?』

「できればいつでも戦闘できるようにしておいて。嫌な予感がするから。」

 イズルはそう言いうとその場を去ろうとする。

「ちょ、ちょっと!どこに行くつもりなの?」

 ケイの言葉にイズルは答える。

「バルバトスのシミレーターで勘を取り戻す。」

 

 スターローズではゴディニオンの発進。そしてゴディニオンの格納庫ではイズルがシミレーションを行っていた。

「ふぅ。」

 イズルは戦闘シミレーションが終わって一息つく。そこへ整備藩の一人が声をかけてくる。

「お疲れ様です。」

「ん。お疲れ。バルバトス、大丈夫?」

「ええ。前の戦闘ではあんな操縦していましたけど無傷ですから問題なかったですよ。ちょっと派手になりましたけど。」

「頑張ってくださいね。ファイ、オー!」

 女の整備藩の人がハイタッチを求めてがイズルは無反応であった。

「あ、あはは・・・・」

「男はな、黙って出動、頑張りな。」

 整備藩の班長が読む川柳にも無反応であるが気にしなくていいとのことだ。

「頑張ってね。」

「あ、おやっさん!」

 レイカがイズルに声をかける。

「わかった。」

 そう言うとイズルはバルバトスへと搭乗する。

「行ってらっしゃーい。」

 作戦宙域にゴディニオンが到着するとダニールが説明をする。

「ウンディーナ周辺宙域は他よりも生還人の密度が高く、M型小惑星から分かれた金属物質が豊富です。レーダーや通信に支障が出やすいですので、気を付けてください。」

 そんなダニールの声と容姿にタマキは惚れる。

「ブルー(ワン)準備完了!」

「バルバトス5、準備完了。」

 ゴディニオンから二木のピット艦が離れる。

「ブルー1、バルバトス5.先行して出動。」

 ピット艦から通信衛星を手にした二木が姿を現し、発進する。バルバトスは腕部に200mm砲とツインメイスを装備していた。そしてその光景は中継されていた。

 そして設置作業をしているとスポンサーの方から苦情の電話が来た。と言っても内容はピエロのように手を触れなどと言った下らないものばかりである。しかしそういう役目はゴールド4が受け持った。

「っ!スルガ、アサギ。」

「なんだ、イズル?」

「お前も目立ちたいのか?」

「すぐにピット艦に引き返して実践装備の準備。」

『は?』

 イズルの言葉にスズカゼですら間抜けな声を出す。

「俺は嫌な予感がしたから実弾も装備してもらったけど、それじゃあ対処できない相手かも。」

 イズルは通信衛星から手を放し、ツインメイスを構える。するとレーダーに反応が移る。

「お前の勘って鋭いんだな。とりあえず俺たちはいったんピット艦に戻るぞ。」

「だな。俺の装備の荷電粒子砲もエネルギーがないからな。おいイズル、一人で大丈夫なのか?」

「・・・・・・・正直、楽な相手じゃないのは確かだ。先頭の白い鳥、あいつは・・・・・・強い!」

 死線を乗り越えたイズルには分っていた。遠くからでも伝わってくる敵意。それも強者の敵意であった。

(にしてもこれは・・・・狩りたいのか?わからないけど・・・・)

 イズルは戦闘のスイッチを入れる。

「ヒタチ・イズル、バルバトスルプス。出る!」

 バルバトスの全てのスラスターを吹かし、ウルガル機へと接近すると隊長機と思われる機体に200mm砲を放つ。しかし隊長機は一瞬にして避ける。

「速い!」

 イズルは隊長機の動きに驚く。

(でも・・・・狩りのように楽しんでるなら!)

 バルバトスを反転させ小型メイスを振るう。すると隊長機の剣が受け止められた。

「動きが予想しやすい。」

 バルバトスは200mm砲を至近距離で放つが一瞬して避けられる。しかしバルバトスは追撃をする。

「逃がすわけないだろ。」

 高機動で動きながらツインメイスを振るうバルバトス。その攻撃を受け止める白い隊長機。護衛と思われる機体はその場を動かず、ただ静かにその場にいた。

「護衛は何もしない・・・・・・貴族の狩りってやつ?変なの。」

 そう思いながらイズルはバルバトスを急停止させる。敵は加速を止められるに大きく旋回しイズルへと接近してくる。

「少し牽制しよう。」

 イズルは200mm砲を使おうとするがそこであることに気づいた。

「アイツ・・・・いつの間に斬ってたんだ?」

 バルバトスの左腕の200mm砲が斬られ、使えない状態にされていた。仕方なくイズルは右腕の200mm砲で牽制をする。しかし全て避けられる。

「ケイ、あいつの予想進路の算出頼む。こいつは強い。」

「任せて。今までの行動からパターンを解析。予測行動パターン1297通り算出。そこから最も可能性が高いのは・・・・ここよ!」

「助かる!」

 ケイの算出した進路を信じイズルは200mm砲を放つ。放たれた砲弾は指揮官機に直撃する。一瞬ではあるが動きが止まった相手をイズルは逃さない。

「はぁあああああああ!」

 イズルはスラスターを吹かし急接近、左のメイスを突き出す。メイスの中に仕込まれた仕込みスピアを打ち込む。スピアは機体に直撃するかと思われたが一瞬で機体を後ろに反らし、掠めながらも回避する。

(外した!)

 一瞬の失敗が命取りと知っているイズルは死ぬと思った。しかし隊長機はその場から一瞬でいなくなると通信衛星を破壊して戦闘宙域を離脱した。

「・・・・・・・」

 イズルはただ敵が去って行った方をじっと見ていた。

 

 戦闘が終わりゴディニオンのバーにチームラビッツは向っていた。その道中みな無言であった。

 一度の勝利からの敗北。敵は圧倒的強さを持っていた。完膚なきまでの敗北である。

 バーに入るとレイカが酒を飲みながらイズルたちに話しかける。

「よく戻ってきたわ。」

 

「・・・・・・でも通信衛星を破壊された。それにあいつを仕留め損ねた。」

 そんなイズルにレイカは近づく。

「ピットの人間はね、機体が壊れてくるより人間が壊れて戻ってくる方がよっぽど堪えるのよ。でももうちょっと機体も可愛がって欲しいけど。あなたたちの機体にはあなたたちのDNAが組み込まれている。いわばもう一人の自分なのよ。」

 レイカはそう言うとイズルの頭を撫でる。

「西園寺レイカ、整備長よ。みんなはおやっさんって呼ぶけど。」

「おやっさん?酒くさ。」

「酔っ払いだー。」

 アサギとたまきがそう言うとレイカは言った。

「今休憩中だモーン。」

「じゃあ、俺も撫で撫でしてください!」

 スルガが調子に乗ってそういうとスズカゼが入ってくる。

「西園寺整備長。」

「おー、リンリン。後で飲まない?」

「その名前で呼ばないで。それと酒癖の悪い人とは飲まない。」

「えー。」

 文句を照れるレイカに溜息を吐くとスズカゼ配するたちに声をかける。

「お疲れ様。とりあえず休みなさい。何も気にしないで。」

 そういうとその場から去って行った。スズカゼを追いかけるようにレイカもその場を後にした。

「・・・・・・・・俺、ちょっと行ってくるわ。」

 イズルはそう言うとバーを後にし、シミレーターに没頭した。

(次は負けない。確実に殺してやる。)

 

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