スーパーロボット大戦Re・disk2   作:jupi

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15話-破壊の先の恐怖

 列車が止まり、線路の先に見えたのは三機のMSだった。

 グレイズ・リッターと呼ばれるその機体は、地球外縁軌道統制統合艦隊のカルタ・イシューが乗る物。

 肩には赤い布、決闘を希望する意思表示。

 

「我々と三機同士の決闘を申し込む!機体の準備もかねて三十分やろう。なお、我々を侮辱したガンダムフレームと、礼節を重んじてくれた青馬剣之介時貞には是非とも参加してもらいたい。各員の検討を……」

 

「カルタ様ッ!」

 

 いい終えて三秒もしなかった。

 

 ガンダムバルバトスが独断で奇襲攻撃を仕掛けた。

 レンチメイスを叩きつけ、一機目のパイロットが雪原のシミになる。

 

「貴様!カルタ様のお言葉を」

 

 そしてもう一機、反撃の隙を与える間もなくレンチメイスを投げ当て倒れたところをコクピットを踏み潰す。

 

「おのれ……よくも我が部下を……なんと不粋、なんと不作法な!」

 

 最後のカルタ機に対しても攻撃を仕掛けようとした時だった。

 

「やめろぉぉーッ!」

 

 カルタ機とバルバトスと間をストライクフリーダムのカリドゥスビーム砲が一線し、割ってはいる。

 二機の間は雪が蒸発し視界が遮られた。

 

「やっぱり来たか。」

 

 三日月、バルバトスはキラのフリーダムを睨み付ける。

 

「言ったはずだ。無闇に人を殺すことを続けるのなら、君を討つと」

 

「俺も言ったよ。相手になるって」

 

 三日月がカルタに背を向け、完全にキラと相対する。

 

「果し合いの中で背を向けるなど!」

 

「あんたじゃ相手にもならない。必ず殺すから待ってろ」

 

「なんだと……!」

 

 カルタは怒り狂い、三日月に剣を振り翳す。

 

「させると思うか?来てやったぞ」

 

 いつの間にかクロムクロがカルタの側まで来ていた。

 カルタの剣はクロムクロの振動ブレードで簡単に両断される。

 

「来たか青馬剣之介時貞!」

 

「応よ!武人としてここを死に場所にしてやろう」

 

 部下の剣を拾い、クロムクロに向ける。

 

「和が名はカルタ・イシュー。地球外縁軌道統制統合艦隊司令にしてイシュー家の後取りなり!礼を言うぞ青馬剣之介時貞。このような戦場で武人の誇りを忘れず剣を交えてくれる事を」

 

「カルタと申すか。実力差、機体も武器も差があるが故に対等な果し合いではない。一太刀で終らせてやろう」

 

 振動ブレードを正眼に構えるクロムクロ。

 

「……すまないな、由希奈。この一時だけこ奴と二人にしてくれ」

 

「べ、別に妬いたりなんかしないんだからねっ!」

 

「妬いてくれても構わぬのだがな……では、推して参る!」

 

 

 

 一方のキラと三日月。

 お互いの機体性能が戦いの邪魔になっていた。

 バルバトスのナノラミネートアーマーが原因であまりビームが通用しない。射撃に限らず、ビームサーベルも拡散して決定打にならない。

 ストライクフリーダムの飛行能力とヴァリアブルフェイズシフト装甲があり打撃が中々当たらず、当たっても決定打にならない。

 

「あんたの腕なら簡単に何人も殺せるでしょ」

 

「……そうかもね……」

 

 先に膝をついたのはバルバトスだった。

 阿頼耶識があり反射神経、反応速度には分があるもののキラの方が移動スピード、戦闘経験と技能等すべての面で上回っていた。

 

「まだ本気じゃないんだろ、その気になれば」

 

「簡単にバルバトスを解体出来た」

 

 ビームが効かないといっても、収束率を上げて間接部への一点攻撃をやれば、ガンダムフレームと言えども多少は溶解する。

 さらにレールガンやバルカンのような実弾もある。

 仮に格闘戦になっても機体のエンジン、パワーそのものが違う。

 それでいてキラはSEEDを発動させなかった。

 

「君にはまだ強くなれる可能性を感じたよ。でも今はその程度だ。機体も君自信もここで終れば多くの人を救える」

 

「俺は止まらないし、止まれない。オルガと約束の場所まで行くまで」

 

 バルバトスはレンチメイスを雪の積もる地面に叩きつけた。

 飛び散る雪と土埃。

 咄嗟に後退するフリーダム。

 

「だからあんたの信念、潰させてもらう」

 

 バルバトスはレンチメイスを投げつけ、フリーダムではなくカルタのグレイズ・リッターに直撃させる。

 これから剣を交えようとしていたため、驚いて振り向くクロムクロ。

 土埃を突破して早くもバルバトスに攻撃しようとするフリーダムだが、既にバルバトスは距離を取りカルタ機を破壊して湖に沈めようとする。

 

「ガハッ……」

 

「あんた’達‘の敗けだよ。キラ・ヤマトも、お前も」

 

「決闘に水を指し、武人としての誇りさえも蹂躙する外道め!わたしはカルタ・イシュー。貴様らには屈しない!決して……」

 

「お前が誰だって構わない。俺達の邪魔をするってのなら……」

 

「わたしはこのような戦いは望まなかった……マクギリス……マクギリス……!」

 

 カルタの機体は浸水し、コクピットは水に満たされる。

 

「何故横やりを!」

 

「君という奴は!」

 

 クロムクロが、フリーダムがバルバトスに近付く。

 

 しかし急停止。

 

 バルバトスもレンチメイスを構え直しフリーダムに向けようとしたが、レーダーに二つの反応が現れた。

 

「片方はギャラルホルンのガンダムフレームだ……ガリガリだっけ?……いや、それより……」

 

 交戦経験がある三日月が捨て置いていいと判断したのは、ガンダムキマリス。

 ガエリオ・ボードウィンは戦いを仕掛けずにカルタ機を回収して撤退した。

 

 

 そんなことはどうでも良かった。

 

 

 もう一つの反応。

 その存在はレーダーではアンノウン。

 

 その姿を目視した瞬間、突然茂澄や界塚がオルガを押し退けて車外にいた全員を列車に戻るように促した。

 それを見る余裕もなく、キラは三日月に通信を入れた。

 

「……三日月……鉄華団と一緒に僕達を置いて先に進め……」

 

「は?何を言って……どうしたバルバトス……お前、怯えてるのか」

 

「早く行くんだ!」

 

 動きが鈍くなったバルバトスが、先程まで戦っていたフリーダムの指示で列車側まで後退した。

 

 次々と鉄華団の車輌から出撃する地上部隊。

 GAUSとメドゥーサ、デスティニーとスレイプニールとハーシェル、騎士ユニコーンが列車を護るように陣取る。

 

 

「中々の見世物だったぞ道化」

 

 グレートゼオライマー。

 

 烈の八卦ロボ、冥王が月明かりに照されて現れたのだった。




激動編は終わりです。

最強の敵を前にしての一休み。


次回は祝福編にて。

ありがとうございました。
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