突如現れたクスィーガンダムにナデシコ地上部隊は呆気に取られるも、月に向かっていた面々は反射的に援護にまわる。
すぐさまアキトがハサウェイが仲間であることを知らせ、攻撃が再開される。
グレートゼオライマーのバリアが弱まり始めたのは、プラズマドラグーンによる攻撃によるものだった。
「波状攻撃をしかけてください!」
通信が途絶した伊奈帆に変わり、ユリカが次々と指示を出す。
「クロスドック解除!各機遊撃……ヴァルヴレイヴ隊発進してください!スレインくん、界塚さん達は!?」
「網文は頭部裂傷!界塚は……意識不明の重体です」
タルシス改がナデシコに着艦し、医療班にパイロットが運ばれる。
一方のヴァルヴレイヴ隊。
「私たちは先にでるわよ」
サキとアキラがヴァルヴレイヴでナデシコから飛び発つ。
「ねぇ、エルエルフ。どうしたの?ハルトも黙って……」
《エルエルフ。行こう》
「全宇宙の脅威は倒しておくにこしたことはない……だが協力関係を口にした冥王の言うことを信じればこれは命をかけるべき戦いではないはず。この戦闘は言わばデモンストレーションだ。戦況の好転、界塚が用意した戦術、そして……」
ハルトのルーン制限については口にしない。
「導き出された結論は……」
《ファフナー隊は動いたんだ。彼らは迷っていない》
「ねぇ、二人とも。何の話をしてるの?」
「わかった……指南、時縞いくぞ」
意を決して自らの機体に乗り込むエルエルフ。
その頃、ハサウェイとアキトの攻撃をメインに次々と連係が行われていく。
「指南機はハラキリブレイドの準備を、ジーベンとフリーダムは引き続き攻撃。ニヒトとアキラ機は解析補助。騎士ユニコーンはデスティニーと合流して彼を翼にしてください!」
アキトとハサウェイの連係攻撃に慣れてきた木原マサキは、オメガ・プロトンサンダーを使用して二機を弾き飛ばしダメージを負わせる。
「アキト、あれをやるぞ!」
「……やるしかないよな……」
どこか乗り気ではないアキトと、クスィーガンダムのシールドを早々に構えるハサウェイ。
オメガ・プロトンサンダーを無理矢理回避して、クスィーガンダムとブラックサレナがダメージを受けた装甲をパージしながら加速する。
「ダブル・ゲキガン!」
「フレアァーーッ!!」
クスィーのシールドと、ブラックサレナの拳がグレートゼオライマーのバリアを突き破る。
「ハラキリブレイド、行きます!」
ヴァルヴレイヴ一号機の一撃が撃ち込まれるが、防御姿勢をとられる。
「指南に続く!」
《わかった!》
二号機がルーンを開放し一号機と似たような攻撃を直撃させ、グレートゼオライマーの態勢を崩す。
「プランΒに入ります」
ナデシコのカタパルトからメドゥーサとGAUSが弾丸の如く射出され、グレートゼオライマーに突撃する。
二機は強固なワイヤーを絡ませてから、ヒートスピアを四本突き刺した。
「退避しますよ、ムエッタ」
「一太刀くらい入れてからにするさ」
メドゥーサが頭部の四本と両腕の刃をグレートゼオライマーの腕に刺す。
すると、その腕が機能不全を起こした。
それに驚く木原マサキ。
「なんだこれは!おのれ!」
もう片方の腕からエネルギー波を出してメドゥーサの左腕と下半身を吹き飛ばす。そのまま地面に叩き付けられる。
その瞬間だった。
グレートゼオライマーも漆黒の何かに大地に落下させられた。
それは圧倒的に大きく、誰よりも逞しい。
「ガンバスター……」
宇宙から地球外縁軌道統制統合艦隊の包囲を力付くで抜けてきて、なおかつヒートスピアに付けられた信号を頼りに、スーパーイナヅマキックを真上からグレートゼオライマーにぶつけたのだ。
だが、ガンバスターと言えども奇襲でなければこうはいかなかった。
「討ち取ったァッ!」
さらに追い討ち。上空に投げ捨てられていたクロムクロがガンバスターを囮にして、振動ブレードを二本と槍を刺した。
「どうした!動け、動くんだグレートゼオライマー!」
振動ブレードから流されるアポトーシス命令。グレートゼオライマーの装甲が黒く変色して、回復機能が作動しなくなる。さらに次元連結システムにも損傷を追加する。
「どうだ、これで俺達を認められそうか?」
木原マサキが何か答えようとした時、何処からかロックミュージックが流れ始めた。