《ありがとう、アキラちゃん、ルリちゃん》
「お構い無く」
時縞ハルトはオモイカネの力を使って艦内を自由に歩けるホロ映像として動く事になった。
「ねぇハルト。ルーンの事は黙ってた方がいいの?」
《さすがにアキラちゃんには隠せないか……ごめん。秘密で》
「でもショーコちゃんは」
《頼むよ》
「……うん……」
ブリッジに不意に現れたキラ。
「アークエンジェルへ連絡を取りたいのですか?」
「はい。この先のアーブラウ国防軍が守備する代表指名選挙の会場、エドモントンでの戦闘は避けられません」
鉄華団とは連絡が取れなくなり、同様に万丈の安否も確認出来なくなっていた。
「現状、ナデシコのダメージも大きく戦力の増強は必須……それに」
「オーブは既に安全が確保されましたものね。エフィドルグは倒され、防衛戦線も前より強化できた」
「はい。部隊メンバーをアークエンジェルに移し、ナデシコは修理の為に一度エルトリウムと合流してほしいのです」
その頃のエルトリウム。
ガンバスターがグレートゼオライマーを担いで帰還してから数時間が経過していた。
「随分と不思議な出来事があったようだな」
マクギリス・ファリドがノリコとカズミがいる場所に来た。
「えぇ。何が何やらで」
グレートゼオライマーのコクピットハッチを強制的に開けると、中にいたのは学生風の少年と全裸の少女だった。
「あの女の子、人間じゃないみたい」
メディカルルームとは別の検査室に運ばれていく。
「木原マサキの様子は?」
「彼は木原マサキじゃない。秋津マサトと名乗ったわ」
「どういう事だ?」
「別人というより、二重人格かもしれない。今のところそう言う見解よ」
「ふむ……」
ふと、ノリコがマクギリスに。
「あの、マクギリスさんはいつまでエルトリウムに?まさか私達と宇宙怪獣退治にいくわけでもないのでしょう?地球には婚約者さんもいるって聞いてますが」
思わす笑うマクギリス。
「婚約者といっても9才だ。まだまだ幼さの残る彼女だが、大人の女性に近付こうと努力している所が微笑ましい。よくわたしを’マッキー‘と読んで慕ってくれるのだが、会うたびに嬉しそうな顔を見せてくれる。正直、すぐにでも会いたいところだが、会わない時間はお互いを燃え上がらせる。少し待たせても……何て顔をしているんだい?」
二人が’うわぁ‘といった顔になっているのに気づく。
「ま、まぁ鉄華団と彼らの部隊が再び合流した頃に私も降下するさ。そろそろ太陽騎士にも連絡したいしね」
再びナデシコに話が戻る。
「艦長からの呼び出しを完全に無視とは、噂通りだな」
「知るかよ。興味ないね」
一騎と総士、エルエルフとハルトがバサラを訪れた。
「今後、フェストゥムやエフィドルグが現れた場合たが……」
「俺は歌いたい時に歌う。誰の指図も受ける気はない……だがフェストゥムは俺にとっての観客だ。奴等は人間より俺の曲をしっかり聞いてくれる」
総士が驚く。
「個人でフェストゥムと対話を果たしたのか!」
「……空の上にいる二人には届かなかったがな……」
「二人……まさかミツヒロとベイグラントか」
バサラは苛立った様子で。
「奴等だけじゃねぇ。エフィドルグとか言う連中は俺の歌を聴いたとたん逃げちまう」
「一ついいか?」
エルエルフが。
「何故秋津マサト……グレートゼオライマーと面識があった」
「……決まってるだろ。あいつも客だったんだよ」