アークエンジェルとの合流を果たすナデシコ部隊。
真面目な女艦長を前に喜びを覚えた数人に対し、ユリカは納得していない顔を見せる。
「アークエンジェル所属、ムウ・ラ・フラガ並びにアスラン・ザラだ。宜しく」
艦と共に合流した二機のエース機体と航空戦力であるムラサメ隊20機。
その代わりにナデシコとエステバリス隊、勿論アキトもエルトリウムへ向かい修理を受ける手筈だ。
「正直言って使える戦力は限られているわ。今回のエドモントン、市街戦になる確立が高いと見れます」
ブリッジで指揮官数人を集めての話し合い。未だ伊奈帆は目を覚ましていない。
「既に鉄華団とアーヴラウ国防軍の戦闘を確認していて、ギャラルホルンを含めた多くの地球軍機が鉄華団を追い込んでいる混乱した状態よ」
アークエンジェルは出来うる速さで現地へと向かっている。
「ヴァルヴレイヴ隊とファフナー隊には別命あるまで待機を願います。この艦も市街には入れません。クロムクロ、GAUS、MS隊、騎士ユニコーン、超南極で対応します」
「騎士ユニコーン。君には先陣を切ってもらい、蒔苗氏の護衛をしてもらいたい。現地でオルガ団長と連絡が取れ次第動いてもらう」
「心得た」
「それより万丈はどうした?」
「ダイターン3の姿を確認出来ないの。オルガ団長に訊ねるしかないわ」
数時間後、スレインは韻子と共に呼び出されていた。
「待機ですか?」
既に両者の機体が修理を終えているにも関わらず、マリュー・ラミアスは告げる。
「小隊長不在で病み上がりの貴方達を休ませるようにと、ミスマル艦長からのお達しです」
「……わかりました」
スレインは素直に従い、ブリッジを出る。それを追いかけてきた韻子。
「……」
「僕達は病み上がりと評価された。だが、それくらいなら勝手に出撃しても罰は軽いだろう。問題は」
「小隊長の不在?だって伊奈帆は……」
「起きるのを待つ。どうせ起きていなくてもアナリティカルエンジンで状況は把握しているはずだ」
スレインはパイロットの待機室で待ち、韻子はメディカルルームへ。
ついにアークエンジェルは戦場に到着した。
鉄華団が一時的に拠点としている場所にアークエンジェルが停泊して、直ぐ様情報収集が始まる。
「見馴れない戦艦だと警戒したが……あんたらか。雪山ではすまなかった」
疲れきったオルガの姿。
すぐ近くには被弾箇所の応急修理を行っているバルバトス、グシオンリベイク、流星号等が横たわっている。
「なんだこの惨状は……」
剣之介は由希奈と離れないように歩いてきたが、鉄華団の想像以上の損害に言葉を失った。
「万丈が用意してくれたモビルワーカーは全部やられちまった。残りは火星から引っ張ってきた数台とMSが五機。この様が今の精一杯だ」
「それで万丈は?」
「既に戦闘でダイターンを壊されてな。修理しようにもあれの備品は一つもない。何処かに送りつけたらしいが……あいつは今歩兵として陣頭指揮をとったり、地球軍側の偵察もやってる」
驚くエルエルフと総士。
オルガはキラの顔を見てから。
「すまねぇな、ウチのミカが」
「いえ、こちらにも非がありますから……彼は?」
「ここだよ」
三日月がキラの近くまで歩いてくる。
「今あんたとは戦いたくないんだけど」
食事をしながら三日月は負傷した団員を一瞥。
「僕も同じだ。だけど君達の手助けくらいはさせてほしい」
「わかった。頼らせてもらう」
三日月はキラに火星の木の実を渡してから、アトラがいる方に歩いていく。
キラの隣にいたアスランは今のやり取りが気になった。
「キラ、今のは?」
「三日月・オーガス、僕達とは違った形のガンダムパイロットだ」
オルガはふと。
「界塚の姿がねぇな。あいつは?」
「冥王との戦いで重症だ。まだ意識が戻らない」
「つーかよくあんな化け物と戦って合流出来たな……界塚には聞きたい事があったんだが」
総士はオルガの言葉に。
「どうした?」
「敵の機体で界塚のとそっくりな黒いのが二機。やたらとしぶといんだが……傍受した通信からパイロットが女だってことと、界塚って名前が聞こえたんだ」
「網文に確認しておこう」
鉄華団が単独で戦い続けていたのはギャラルホルンだけではなく、地球軍側の別働隊や、スーパーロボットの姿もあったのだ。
「リッツも呼ぶ必要があるな……」
エルエルフと総士はこの戦いで自分達の出番が再びあるのではないかと、考え始めた。