スーパーロボット大戦Re・disk2   作:jupi

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16話-前尻尾を救え

 もうすぐ海が見える場所に差し掛かったという頃、アークエンジェルのレーダーに敵影が映る。

 エフィドルグ製グロングル、通称イエロークラブとヘッドレス数機の少数部隊。

 そしてそれと戦っているのは、ペンギン帝国のスーパーロボット。

 

「南極11号!」

 

 ペンギン型ロボットがイエロークラブにミサイルを放つも、全て弾かれる。

 

「こ、このままじゃ……」

 

「ねぇリッツ。確かあの機体」

 

「あれは勝っても負けても戦いが終れば動けなくなるの!つまり帰りは歩き!」

 

「あ、歩きだってぇー!?」

 

 翔馬とリッツがわざとブリッジに聞こえるように通信で流しながら寸劇を聞かせてくる。隣で苦笑いしている霧子。

 

「艦長、少し話が」

 

「エルエルフさん……なんでしょう?」

 

 アークエンジェル指揮所に座っていたエルエルフからの意見具申。

 

「今後の戦いのためにダイミダラー二機の戦力評価を行いたい。彼等は敵対時に本気を出していなかったらしい」

 

「そうね……あと太陽騎士ゴッドにも出てもらいましょう。彼も未知数です」

 

 頷き着席するエルエルフ。

 

「ダイミダラー発進。太陽騎士ゴッドも迎撃に出て前方のペンギン型ロボットを援護してくれ」

 

 すると格納庫から通信が入る。

 

「あの~。すみません。孝一君が出られる状況じゃないというか、医務室にいるんです」

 

「どうした?乗艦の時には無駄に元気だったろう。」

 

「……ムエッタさんに何かしたみたいで、詳しくは」

 

「これだけの大所帯で雑多な編制部隊ならトラブルもあるか……」

 

 マリューがエルエルフの声を聞いて溜め息をついてから。

 

「ならば代わりに彼へ連絡を」

 

 

 

 

 その男は合流してから一度も出撃していなかった熱気バサラだった。

 ダイミダラーや太陽騎士と共にバルキリーを発進させた。

 

「いくぜ!突撃ラブハート!」

 

 

 出撃前は乗り気では無かったものの、エフィドルグの姿を見るなり一気に最前線に出たバサラ。

 

「おい、待てって!」

 

 歌が聞こえ振り向いた南極11号は、ダイミダラーや太陽騎士の姿を確認すると一目散に逃げようとする。

 

「放っておけ。今はエフィドルグだ!てぇやぁ!」

 

 ヘッドレスを殴り飛ばし、着地しながらカクタスを踏み砕く太陽騎士。

 

「艦長殿!あの機体からは命の鼓動を感じる。有人機だな?」

 

「えぇ。そうよ」

 

 太陽騎士が通信でマリューに訪ねると、横からエルエルフが。

 

「可能なら生け捕りを頼む。何か情報が得られるかも知れん」

 

「応!」

 

 駆けつけようとすると、イエロークラブがバサラの方をじっと見つめながら動きを止めていた。

 

「好機!」

 

「待て!あいつは俺の客だ!」

 

 イエロークラブに気をとられたバサラがヘッドレスに攻撃されそうになるも、ダイミダラーがそれを阻止。

 

 太陽騎士ゴッドはイエロークラブの長い腕をちぎり、胸部装甲を無理矢理引き剥がす。

 

「気を付けろ。奴らは自爆機能がある」

 

「ならその前に」

 

 ゴッドがコクピットにいた鎧姿の敵を鷲掴みし、イエロークラブから離れる。

 

「危ない!」

 

 機体が発光し始めていた。

 

 爆発の瞬間にダイミダラーが太陽騎士とバサラとイエロークラブの乗り手も護る特殊なバリアを開く。

 

「ま、間に合った……」

 

「さすが霧子ちゃん。いい判断だ」

 

 突如バリアで味方を守ったダイミダラーに対して通信を入れるエルエルフ。

 

「今のがその機体の武装だな。それで気になっていたのだが……動力源は」

 

「そ、その内にまた……」

 

 翔馬と霧子は恥ずかしそうにエルエルフからの言葉に返答した。

 ふとバサラが。

 

「どうするんだ、そいつ」

 

「わからない。ただ……」

 

 生け捕りと言う指示があった以上、すぐに殺される事はないだろう。

 太陽騎士ゴッドはバサラに対して。

 

「君は不服だろう」

 

「そうでもないさ。殺さなかったなら、俺はそいつに歌を聴かせるだけだ……お、おい。なんだありゃあ?」

 

 バサラがすっとんきょうな声を出す。

 

 逃げたはずの南極11号が着陸した場所では、人間サイズのペンギン、いや、ペンギン姿の人間……理解不能な存在が、よってたかって何かを蹴っ飛ばしていた。

 

「あれはペンギン帝国の、ペンギンコマンド!」

 

「……不思議な生き物もいるものだな」

 

 太陽騎士ゴッドが霧子に言うも。

 

「貴方がいいます?」

 

「……とにかく止めに行こう」

 

 ゴッドがペンギンコマンド達が喧嘩している場所まで走り寄る。未だ右手で意識を失ったエフィドルグ兵を握ったままだ。

 

「ペンギン達。なんだかわからないが、やめなさい」

 

「放っておいてよ!こいつは」

 

「逃げるし、恥だし、役立たずなんだよ!」

 

「この厄祭級馬鹿!」

 

「勝手に出撃するし、負けるし話聞かないし!」

 

「味方に被害出しすぎ!」

 

 蹴られているペンギンコマンドが突然大声をあげた。

 

「やめないか!」

 

 立ち上り声高らかに。

 

「私はギャラルホルンのセブンスターズが一人。イオク家当主、イオク・クジャンであるぞ!」

 

 妙に小さな前尻尾を見せびらかすようにポージングすると、再び蹴られ始めた。

 

 あえて言おう。

 彼こそはペンギンコマンドの新人にしてハイエロ粒子の祝福を受けた問題児。

 イオク・クジャンである。

 

 

 

 

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