「なんか騒がしいね」
食堂で休んでいた三日月は、アトラと話していた。
「なんかペンギンがアークエンジェルに乗ったとか、エフィドルグの捕虜とか」
「ふーん」
三日月の興味はアトラの料理の方に優先されていた。
「あれ、チョコの人」
「やぁ君か。噂の彼等は見に行かないのか?」
「別にいい。あんたは?」
「ペンギン観察に向かうさ」
歩き去るマクギリスの背中を見ながら。
「ねぇアトラ」
「なに?」
「ペンギンってなに?」
「……火星にはいない生き物だと思うけど、知らない」
その頃、ムエッタは窓のそとを見ながら呆けていた。
「ムエッタ……噂は聞いたけど、大丈夫?」
由希奈とソフィーが、ムエッタと孝一の件で話しかけた。
「……フフ……好き勝手揉まれたよ……」
「許せません。あの孝一という男、艦長に言って追い出してもらいましょう。ダイミダラーのパイロットとはいえ、我慢出来ません」
ソフィーが怒るなか、由希奈は。
「やっぱり、殴ったり……刀は抜かなかったよね」
「私は手を出さなかったのだ」
疑問符が浮かぶ。ムエッタが手を出さなかった?
「代わりの奴が殴ってくれた……」
「え、それって」
「わたしの為に怒ってくれた。どうにもその男が気になってな……」
頬を赤らめるムエッタの顔を見て感動と好奇心が高まる由希奈とソフィー。
「だ、誰誰!?」
「黙秘権はありませんよ!」
ズズイと顔を寄せてきた二人に、一歩引いてから、何処か恥ずかしそうにムエッタは。
「……オルガ・イツカだ……」
そして手狭になってきたアークエンジェルの乗員室は限界を迎え、同乗する事になったペンギンコマンド達は格納庫にあったコンテナに自分達の寝床を作っていたのだが、やはりクルー達の注目の的である。
「ふざけるな!この私にコンテナで寝ろと言うのか!」
ドレッドの長髪、目元?に赤い化粧を施した特殊なペンギンコマンドが一人だけ作業を手伝わずにふんぞり返っていた。
「新人なのに手伝わないとかあり得ないし。自分の寝床くらいなんとかしろ」
「貴様等わたしが誰だかわかっていってるのか!」
騒ぎの中に近寄るマクギリス。
「よもやこの様な形で会うことになろうとはな……フフッ」
イオクペンギンに声をかけたが、笑いを堪えきれない。
「な、何故貴様がこの艦にのっている!マクギリス・ファリド」
「いや、君のその姿の方が気になる所だと思うが」
イオクは短い前尻尾を下に力無く垂らしてから。
「ラスタル様に101人評議会を打倒しようと具申したのだが、残念ながらエフィドルグに勘づかれてな。部下達の尊い犠牲の下おめおめと逃げていたのだが……」
頭を抱えるイオクペンギン。
「ギャラルホルンの部隊がエドモントンに集結していると聞いてどうにか駆け付けようとしたのだ。なのに」
「ぼくらが保護したのさ」
別のペンギンコマンドが誇らしげに答えるも、イオクは激昂。
「あれは拉致だ!お前達に浴びせられた変な光のせいで人の形を失い、奪った機体もポンコツだったではないか!」
「ポンコツはお前だ!ばーかばーか!」
胸ぐらを掴みあっているペンギンコマンドとイオクだったが。
「そうだファリド公!貴君の部屋に」
「すまないが定員オーバーだ。鉄華団の彼等と相部屋なのでね」
「鉄華団……?」
「知らないのなら、いずれ知るはずだ。彼等は時代の変革に大きく関わる……フフ……」
「笑うな!」
アークエンジェルは間もなく竜宮島へ。
島が目視出来る所まで接近した時、沿岸部にナデシコが停泊しているのがわかった。
さらに海岸にはガンバスターとグレートゼオライマーも待機している。
「島に帰れたんだな……」
一騎と総士、真矢がファフナーの移送準備に入った。
鉄血のオルフェンズの人気キャラをゲスト出演させました。
次回から蒼穹編に入ります。