アニメ版最終話からの続き。
時縞ハルトがカインとの戦いで果てたと思われていたが、その後別の形で復活していたという設定。
お話はアルドノア・ゼロのスレインが居た月面基地。
新型ナデシコへ乗り換えを控えた情況です。
「……本当に二号機が搬入されているとは……しかもルーンの輝きも確認できるだと……」
誰も乗っていないはずの機体の外装から緑色の発光現象。
《良かった。来てくれて》
「い、今の声!」
ヴァルヴレイヴ隊が二号機を見上げる。
《皆元気そうで……》
「時縞ハルト。貴様」
《エルエルフ。折角だし、また契約再開だ》
「……いや、これから俺達は様々な世界の驚異と戦い続けるんだ。共にその驚異を暴き、革命の為に動く。貴様にも働いてもらう。だから今後俺達の前から姿を消す事は許さん」
《それが僕たちの新しい、約束だね》
エルエルフは満足した様子で、二号機の足下の端末をいじり始める。
《流木野さん、アキラちゃん》
「真っ先に男と話すなんて、やっぱり女心の解らない奴ね」
「どうやら本物みたいだね」
《え、それで納得されても……あ、アキラちゃん。通信来てるよ?六号機に乗って新型ナデシコに来てほしいみたい》
「うん。わかった。」
アキラが離れる。すると同時にエルエルフが再び。
「時縞ハルト……俺を乗り手に指名した理由が分かった。これは’カゲロウ‘だな?」
《流石だね。このシステムなら君は知ってるようだし、内蔵してしまえば現場の状況も》
「まて、そのルーンはお前のだな?供給はどうなっている」
《……今はファフナーパイロットの気持ちがよくわかるよ……》
「……そうか……しかしそれでは……」
顎に手をあて悩むエルエルフの肩に、ずっと黙っていた指南ショーコが声をかけた。
「ならわたしが供給すればいい。ごめんエルエルフ。ちょっとハルトと二人にして」
「いいだろう」
《……ショーコ。コクピットを開ける。中に》
エルエルフは僅かに端末で文章を打ってから、チラッとヴァルヴレイヴ二号機であるハルトを見る。
そして格納庫から出ていった。
《エルエルフ……》
「入るよ、ハルト」
《あ、あぁ》
ショーコはディスプレイに映し出された小さな幼馴染みが視界に入ると、涙を押さえきれなくなる。
「わ、わたし……あの時……神憑きの皆を受け入れる事が出来なくて……ごめんなさい……ごめんなさい……!」
《やめろって。皆解ってたんだ。ショーコは総理大臣だから、国民を護る義務がある。それは散っていった乾塚先輩も山田くんだって理解してたよ。神憑きを恐がったり嫌う人もいるのは当たり前だったしね》
「……今はわたしも神憑きだよ。ハルトの1号機に乗ってる」
《……本音を言えば、まぁ色々とあるけど……ショーコが選んだんだ。出来る限り応援する》
「……おかしいなぁ……折角ハルトと再会できたのに、うまく言葉が出てこない……国会答弁だってカンペいらないのに……」
《凄いんだなショーコは……僕は未だ何も変われていない。中身は学生のまま。見た目は大分変わったけどさ》
「あぁそうだ……ねぇハルト。ルーンの供給だけど」
《あ、あぁ。定期的にコクピットに座って今みたいに話をしてくれるだけでいいよ。あとはこっちでもらうから》
「わかった。でもあれだね。ハルトと話すのに一々格納庫に来なきゃいけないのか……ちょっとアキラちゃんかルリちゃん辺りに相談してみようかな」
《頼むよショーコ。僕も部隊の皆と話したい》
「うん、わかった。またね」
あまり長々と話す必要の無い間柄。例え久方ぶりの再会だとしても、この二人には時間の長さは問題にならなかった。
だが。
《ごめんショーコ……君からルーンを奪う事は出来ない。奪うつもりもない。さっきのように言えばショーコの後悔を少しでも紛らわせられる。……残りの時間を世界と、ショーコを護るために使う。これでいいんだよな?エルエルフ……》