レムレナとハークライトと再会したスレインのお話。
マクロス7、ヴァルヴレイヴ、ファフナーなども。
一方、スレインはレムリナとハークライトを連れて別室にて紅茶の準備をしていた。
「スレイン様。そのような事はわたしが」
「いや、やらせてほしい」
紅茶を並べ終えて、着席する。
「ではスレイン。貴方の’あの後‘の話を聞かせてほしいわ」
「はい……。月面基地に攻撃を受けて界塚伊奈帆と戦闘を行い、そのまま地球へ落下。彼に捕縛され投獄。北欧の収監施設で過ごしていましたが、最近になって界塚からの招集を受けてナデシコ部隊に協力しています」
「そう……最初は死んだと聞いていたから、貴方の行動がわからなかったの。この間お姉様から連絡が来て教えてくれたのだけど」
「アセイラム姫が……」
レムリナが一口紅茶を口にしてから軽く笑って。
「次は私たちの番ね。ハークライト」
「はい。我々はスレイン様の撤退命令に背き、あの場にいた火星騎士の多くはスレイン様への忠義の為に闘うべく戦場に戻りました」
俯くスレインに続けるハークライト。
「我々は連邦を相手に死を覚悟し、特攻を試みました。ですが銃弾の雨が突如として止み、命を奪われることなく戦闘が終わりました」
「……歌が聴こえたのよ」
顔をあげるスレイン。
「赤い可変戦闘機が横切った後には、全ての戦意が消えていました。」
「……そうか。また彼か……」
「逃げる途中だったわたくしと、ハークライト達が合流してから、お姉様からすぐに連絡が入って月基地に戻ったの。情勢が落ち着くまでは隠れ潜んでいたけど、今はそれも必要なくなったわ」
「度々アセイラム姫から連絡があり、スレイン様の事も聞いていました」
スレインは納得する。こんなタイミングよく現れた事も、いくら月に来たとはいえ不思議に思っていたからだ。
「さすがはアセイラム姫ですね……」
「でもねスレイン。これだけは言わせて」
レムリナはどこか悲しげに、スレインを見つめる。
「お姉様には気を付けて」
「な、何を……」
「’エフィドルグに安寧を‘先週の最後の通信で、別れ際の一言でこれをいったのよ」
スレインは絶望感にうちひしがれた。
数時間後、新型ナデシコにオモイカネの移植が終わり、機体の搬入が始まる。
「スレイン・トロイヤード。貴様に改良型タルシスのデータと、新しい服を持ってきた」
「エルエルフさん……」
「どうした。何を呆けている」
手渡された’伯爵‘の赤い服を悲しげに見つめながら。
「忠義を誓った女性が再び不幸になってしまった……そんな状態なのに……」
「……」
「またそれを着ろと言うのか……僕にはもう、前のような重圧や責任を背負えない」
軽くため息をつくエルエルフ。
「騎士ユニコーンとの一件を聞いていたが……随分と無様だな」
「……なんだと」
「救いたい女がいるのなら迷う必要は無い。細かい事を気にせず悪業を成してでも悔いを残すな」
エルエルフにしては珍しい、どこか感情のこもった一言に感じる。
「………僕は……」
スレインが何か口にしようとした時に、現れたのは皆城総士だった。
「話中にすまない。地上部隊へ一時的に情報のやり取りが可能になった。あちらは鉄華団と合流し、通信の中継も彼等の艦がやってくれている」
「ならば界塚伊奈帆に、アセイラム姫の件と……」
チラッと伯爵用の服を見てから。
「合流したら相談したい事があると伝えてほしい」
「わかった。エルエルフは?」
「こちらは無い。……お前はどうなんだ?皆城。竜宮島との連絡は」
「大丈夫だ。連絡がついた。島は平穏だしフェストゥムも小規模な群が来ているようだが、目立った問題はない。だが……」
「どうした?」
総士は辛そうに。
「一騎が不調でな。同化現象が進み始めて、今は出来る限り体力を消耗しないように眠っている」
総士をジッと見るエルエルフ。
「ならばお前も休め。ファフナー隊は戦力の要だ。温存出来るときはしておくのが得策だ」
エルエルフの提案により、少しの間だけファフナー隊に出撃停止が言い渡される。