あれから15日...向こうでは15年経ちました。
才斗様からお聞きしましたが、恐らく修行も今日で終了して私が指定した世界へ転生する...
私は才斗様をあの世界へ送るため狭間の間に移動しました。
そこには服も体もボロボロになった才斗様とスタン様がおられました。
???「あれから15日...こちらでは15年。 修行お疲れさまでした。」
才斗「ありがとう! どうかな? ちょっとはたくましくなったかな?」
スタン「ちょっと所じゃないよ! 君は確実にあのときより成長しているさ!」
???『確かに成長はしている。 とはいえ、マスターとしてはまだまだ半人前だがな。』
スタンのディムロスに宿る人格、「ディムロス・ティンバー」がそう言う。
スタン「お前な~...ちょっとは誉める事も覚えろよな~!」
ディムロス『事実を言ったまでだ』
才斗「あはは...でもディムロスさんの言うことも確かだよ。 だから続きは向こうで修行しながら第二の人生を楽しむつもりさ!」
ディムロス『ふん...気軽なやつだ...足元を掬われても知らんぞ?』
スタン「良いじゃないか! 完全に修行を終わる訳じゃないんだし、俺は良いと思うぜ?」
???「私も良い考えかと思います。 しかしディムロス様の言うことも確かです。 これからも精進してください。」
才斗「ありがとうございます! 俺...向こうの世界でも頑張って生きていこうと思います!」
使いの人は優しく微笑んだ。
本当にたくましくなりました...身も心も。
使いの人は最初こそ根を上げるのではないのかと心配していたが3日過ぎた頃には心配する必要がなくなった。
何故なら修行している才斗の顔はまるで幼い少年の様にキラキラしていたからだ。
恐らくだが修行相手がスタンだからであろう。
だからあそこまで楽しそうに修行をしてこられたのであろう。
???「では才斗様。 これより転生の儀を行います...ですが向こうの世界に行く前に先ずは身だしなみをしっかりしなければいけませんね?」
才斗「あ~...確かに」
???「目を閉じてください...」
才斗は言われた通りに目を閉じた。
それを確認した使いの人は手を前に掲げると才斗の周りに光が包み込んだ。
やがて光が収まると才斗の見た目はすっかり変わっていた。
白い半袖のシャツにズボン、中に青いインナー、茶色の軽いプレートが着いたブーツ、赤い籠手、そして頭には黄緑のバンダナ、そして背中腰には鞘とバック。
才斗見た目はすっかり綺麗になった。
才斗「おぉスゲェ! ありがとうございます!」
???「どういたしまして。 これで準備は完了です...これより転生の儀を行います。」
それを聞き才斗は身を構えた。
いよいよ第二の人生を送る旅が始まるのだ。
???「才斗様...これから貴方は様々な人生が待ち受けています...中には苦労し絶望する事もあるかもしれません。 しかしどうかその純粋な心だけは持ち続けてください。 貴方のその純粋で優しい心がきっと良い繋がりを持つことができますから...それだけは忘れないで下さい。」
才斗「使いさん...短い間でしたけどお世話になりました! 主さんにもそう伝えてください!」
???「わかりました...では、貴方の旅路に祝福があらんことを!」
そう言うと同時に才斗は光の粒子となって消えていった。
???「貴方も15年間、あの子の修行を手伝っていただきありがとうございます。」
スタン「いえ、気にしないで下さい。 俺は貴方にサイトの記憶から産み出していただいたのですから。 ...だけど良かったんですか? 本当の事を話さなくても?」
???「構いません...これで良かったのですから。」
そうですか...と言うとスタンも光の粒子となって消えていった。
すると使いのひとの目の前に光が現れそこから黒服の女性が現れた。
女性「お疲れさまでした。 「ゼウス様」」
ゼウス「うん、ありがとう。 しかし...これで本当に良かったんだろうか...私はあの子にとんでもない重荷を負わせてしまってしまった。」
女性「全てはゼウス様がお決めになったこと。 私達は貴方の判断に付き従い、否定等はいたしません。 私達は貴方を信じておりますから。」
ゼウス「ありがとう。 そう言ってもらえると少しは気が楽になるよ。」
そう言うと女性は「ありがたきお言葉」と言って頭を下げた。
ゼウス(才斗様...あの世界を救えるのは、あの世界の光と闇の王、そして貴方しかいません。 どうか...ご無事で! そして全てが終われば私も...)
そしてゼウスは女性と共にその場を後にした。
ー???ー
才斗が目を開けるとそこは森の中だった。
才斗「えーと...ついたって事だよな?」
才斗は辺りを見渡したが何処をどう見ても森、森、森...
才斗「ん~...取り敢えず歩くか!」
才斗は取り敢えず歩きだそうとしたその時だった。
???「キュッキュー!!」
才斗「ん?」
奇妙な鳴き声がしたのでその方向を見ると...そこには可愛らしい生き物がいた。
赤い体にまんまるボディ、小さい耳とおっきなしっぽ、そして真ん中には大きな星の模様が...
才斗「え...!? あれってまさか...星タヌキ!? じゃあここってまさか!!」
星タヌキ「キュー!!」
星タヌキはその大きなしっぽで才斗を攻撃してきた。
才斗「危な!? くそ! やるしかないか...!」
才斗はディムロスを抜き構えた。
星タヌキ「キュー!」
星タヌキはジャンプしてしっぽを縦回転させて才斗の頭にめがけて攻撃してきた。
才斗「させるか!」
才斗はギリギリまで星タヌキの攻撃を待ちしっぽ攻撃をかわした。
才斗「魔神剣!」
そのまま才斗は剣圧を飛ばす技、「魔神剣」を星タヌキめがけて繰り出した。
バシュン!!
星タヌキ「キュー!?」
魔神剣をマトモに食らった星タヌキはそのまま木に激突した。
星タヌキ「キュ...キュー!」
才斗「なっ!?」
ドゴン!!
なんと星タヌキは才斗の魔神剣を耐え抜いただけでなく本来星タヌキにはなかったロケット頭突きを繰り出した。
才斗は余りにもあり得ない事に反応が遅れてお腹にヒット。
才斗は吹き飛ばされなかったものの、少し後退りしてしまった。
才斗「つぅ...あの星タヌキやるなぁ! 本気を出さないとダメってことか!」
星タヌキ「キュー...!」
両者共に睨み合う。
才斗「行くぞ!」
星タヌキ「キュー!!」
そしてお互い走りだしぶつかり合った。
......
.........
............
星タヌキ「キュー...」
才斗「はぁ...はぁ...勝った...しかし手強かったな...!」
才斗は息を切らしながらその場で座り込んだ。
それもそうだ、本来才斗が知っている星タヌキはしっぽをその場で横回転するかジャンプしてそのまま連続で縦回転するだけのモンスターなのだがこの星タヌキは違った。
先程の頭突きや短い足によりドロップキック、果てはこちらに滑り込みながらのしっぽ回転叩きと来た。
いずれも中々の威力でお互いにぶつかり合った。
才斗(しかしどう見ても星タヌキだよな~...って事はやっぱりここは「白猫プロジェクト」の世界だよな...)
そう、ここはスマホの大人気ゲーム「白猫プロジェクト」の世界。
才斗も好きでよくやっていたゲームだ。
才斗(参ったな~...11島と最近じゃシェアハウスイベントまでしか知らないんだよな~)
才斗がうなずいていると草むらから小さな星タヌキが2匹現れた。
子タヌキ1「キュー!?」
子タヌキ2「キュキュキュー!!」
星タヌキ「キュー...!」
すると一匹の子タヌキが星タヌキを心配してその場に近づき、もう一匹が星タヌキを庇う様に才斗の前に来て威嚇してきた。
才斗(...!! もしかして子の子達...この星タヌキの子供!?)
...やだよお母さん!! 死んじゃ嫌だぁ!!
...泣かないで...貴方は強くて優しい...私の自慢の息子なんだから...
才斗はあの頃の事を思い出す。
しかし今はそれどころではない。
本当に星タヌキの親子なら、なんとかして助けなければ...
そう思ったその時だった。
グオォォォォォォ!!!
「!?」
突然巨大な咆哮が森全体を震わせた。
そして咆哮の先を見ると木々がなぎ倒されていくではないか。
そして才斗の近くまでなぎ倒されて現れたのは...
才斗「破滅の...邪竜...!!」
オマケスキット
「お揃い!」
ディムロス『そう言えば、才斗見た目...色の配分がスタンそっくりだな』
スタン「言われてみたらそうだな」
ゼウス「スタン様の格好を才斗様の今風にしてみたのですが...」
才斗「わー...! 凄い...!! スタンさんと同じ格好だー...!! 感動するなー!!」
ゼウス「物凄くおきに召したようですね...」
スタン「なっ...なんか凄く照れるな...あはは...」
次回、破滅の邪竜