勇者「えい、えい」魔王「…」   作:めんぼー

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少しだけ、シリアスな部分もあるかもしれません。


約束だよ!

~始まりの国・謁見の間~

 

王様「大臣よ!!話がある!!」

大臣「オーラオラオラオラオラ」ビンタビンタビンタビンタビンタ

 

王様「はぶっ!いっ!ちょ待っ!まだっぶぁ!なにも言ってなっっぶぇ!」

兵士長「王様ァーー!!」Σガーン

兵士「胸ぐら掴んでもう片方の手で…あれが往復ビンタか…」

 

王様「え、何?いきなりなんなの?わし何かした?」ヒリヒリ

大臣「国へ帰るんだな、あなたにも家族はいるでしょう」

王様「いやわし、ここの…王様なんじゃけども…」ドサッ

兵士「武の国の大臣が強すぎてやばい」

 

 

 

~中間の国・街道~

 

戦士「お?あれじゃねぇか?」

僧侶「あぁ、見えましたね。中間の国です。」

戦士「…勇者がはしゃぎ疲れて、途中で寝ちまったからおんぶにしたはいいがよ」

 

勇者「すぅ…すぅ…」zzZ

僧侶(はい、マイメモリー永久保存版ベストショット)

戦士「聞けよ」

 

戦士「ある意味、寝てくれて助かったな」

僧侶「そうですね、寝てる間なら私が魔法で魔物たちを蹴散らせましたし」

戦士(仮にも【僧侶】の発言じゃねぇんだよなぁ)

 

僧侶「何より」

戦士「ん?」

僧侶「…なんでもないです」

戦士「言いたいことはわかる。だがよ」

 

戦士「いつか言わなきゃならない時が来るぜ?」

僧侶「わかってますよ、あなたに言われなくても…」

戦士「ならいい。だが『その時』までには覚悟を決めるこった」

僧侶「はい…」

 

~中間の国・門前~

 

戦士「さて、ご到着…っと」

僧侶「もう日が沈みかけてます、買い物とかは明日に回して、宿を探しましょう」

戦士「そうだな…って、金あんのか?」

 

僧侶「先程の魔物の群れから少々…14,000G(ゴールド)しかありませんけど」

戦士「14,000Gもあって『しか』ってお前…」

僧侶「生活環境が違ってたからですかね」

戦士「あぁまぁ…なぁ…俺らはな…人間で言えば貴族みたいなもんだし」

僧侶「まぁ、慣れていくようにしますよ」

 

僧侶「とりあえず、勇者様をきちんとベッドで休ませてあげましょう」

戦士「そうだな、いつまでもおんぶじゃ可哀想だ、だがその前にメシも食わせてやらないと。あぁ、風呂も入れ…何じっと見てんだよ?」

 

僧侶「…ふふっ」

戦士「おかしな事言ってるか?」

 

僧侶「いえ、【灰塵(かいじん)】の火の魔神も…子供の前では形無しだなと」

戦士「そんな古臭い通り名忘れちまったよ。ほら、行くぞ」

 

 

~翌日~

 

~中間の国・商店街~

 

 

少女賢者(土の魔神)「さて、着いたはよいのじゃが」

ぐぅ~~~

 

賢者(勇んで出てきたから…お金忘れた…)

ワイワイ ガヤガヤ

賢者(今から戻ったらカッコ悪いし…しかも勇者の特徴聞くの忘れたし…うぅ…お腹すいた…)お腹抑え

 

子供「パパーママー、フランクフルト食べたい!」

父親「なんだ、家に帰るまで待てないのか?」

子供「買ったばかりで熱いのが美味しいんだよー!」

母親「ふふっ、はいはい一本だけよ?」ボロン

子供「わーい!」

父親「子供の前でその擬音やめなさい」

 

 

賢者「あ…(いいなぁ…)」

 

賢者「はぁ…」トボトボ

 

 

~中間の国・公園~

 

 

キャー アハハハ

賢者(公園…人も魔族も、変わらないんだ…)

男の子「あっ!」ポーン

賢者「む?」ポスッ

 

男の子「あ、ごめん…ボール…」

賢者「気にするな、ほれ」ポイッ

男の子「ありがとう!」タタタタ

ワー ナンパだー ちっちげーよ!

 

賢者(みんな楽しそうに遊んでる…友達、かぁ…)テクテク

 

~中間の国・河川敷~

 

賢者「はぁ…(お腹空いたなぁ…)」

賢者「…ぐすっ」

「どうしたの?」

賢者「え…?」クルッ

 

勇者「ないてるの?だいじょうぶ?」

賢者「な、泣いてなんかいないのじゃ!」ゴシゴシ

勇者「でも、めがあかいよ?」

賢者「こ、これは…その…砂埃が目に入っただけじゃ…」

 

賢者「というかなんじゃお主!どっからわいた!」

勇者「えっへへ~」

賢者「な、なんじゃ…」

勇者「みち」

賢者「へ?」

 

勇者「かえりみち、わかんなくなっちゃった…」

賢者(え~…)

 

~回想~

 

~中間の国・宿屋~

 

戦士「勇者、俺は情報収集と買い物に行ってくるから、僧侶とここで待っててくれるか?」

勇者「えっ、なんで?」

僧侶「戦士さんには、国内が安全かどうかも見て頂くのです」

戦士「そうだ、前みたいに盗賊がいたら、この人混みじゃ碌に守れないからな」

 

勇者「でも…せんしさんだけだと、せんしさんがたいへんだよ」

戦士「ははっ、ありがとよ。だが一応体力には自信があるんだ。それに大丈夫そうなら明日一緒に町を回ろう、どうだ?」

僧侶(保育園の先生みたいですね)

 

勇者「うーん…わかった…まってりゅ…」

戦士(あ、噛んだ)

僧侶(はぁぁぁーーーーんきゃわいいいいprprprprpr)

 

戦士「それと勇者」

勇者「なに?」

戦士「これから先、自分が【勇者】である事はなるべく喋るなよ」

 

勇者「どうして?」

僧侶「【勇者】様を騙す悪い人もいるかもしれない、ということです。」

戦士「そうだ、念の為に僧侶も残ってもらうが、何かあったらすぐ逃げるんだぞ」

勇者「う、うん…わかった…」

 

戦士「特に僧侶には気をつけろよっ!!わかったなっ!?」肩ガシッ

勇者「えっえっ」

僧侶「おい」

 

~回想終了~

 

勇者「えっとね、おかいものにいこうとしたの」

賢者「買い物って…お主ここ、商店街からかなり離れておるぞ?」

勇者「…うん」

賢者「迷子か…だがわしには関係…はぁ…それで?」

勇者「え?」

賢者「道を言ってもわからんじゃろ?一緒についてってやる、どこに行きたいのじゃ?」

勇者「いいの!?」パァ

 

賢者「まぁ…わしも暇だったから…暇つぶしじゃ」

勇者「わーい!ありがとう!」ピョンピョン

賢者「いや、そんな飛ぶほど喜ぶことじゃ…ふふっあははっ!変な奴め」

 

~中間の国・商店街~

 

賢者「ほれ、ここじゃ。」

勇者「わぁー!!おみせがいっぱーい!!」

賢者(あれからいろんな話して…もう帰っちゃうのかな)

勇者「すごいね!んー!おいしそうなにおいがする!」

賢者「そうじゃな、お店いっぱいじゃ(少し名残惜しいけど…)」

 

賢者「そ、それじゃわしはここでな。もう迷うなよ」

勇者「あ、まって!」

賢者「ん?」

勇者「ちょっとここでまってて!」

賢者「なんなんじゃ一体…」

 

勇者「はいっ」

 

【熱々のフランクフルト】

 

賢者「え?」

勇者「あげる!いっしょにたべよ?」

賢者「これを…わしに?」

勇者「うん!」

 

賢者「じゃが、わしは金を持ち合わせておらんのでな…」

勇者「もちあわせて?」

 

賢者「あぁいや…じゃから…家に金を忘れたのじゃ」

勇者「おかねなんていいよー!ともだちだもん!」

賢者「なぁっ…!?と、友達…?」

勇者「あれ…いやだった…?ぼく、としのちかい…ともだちいないから…ごめん」

 

賢者「(あ…私と同じ…)ふ、ふんっ!お主がど~~~~してもと言うならば 勇者「わーーい!!ともだち!!」

賢者「聞けよ!!…ふふっ」

 

~中間の国・公園~

 

賢者・勇者「「ごちそうさまでした」」

 

勇者「おいしかったねぇ~」

賢者「すまんな、馳走になって」

勇者「ちそー?」

賢者「あぁ~と…ごはん、ありがとうなのじゃ」

勇者「えへへ、どういたしまして…そろそろもどらなきゃ」

 

賢者「むぅ…そうじゃの、もう日も暮れる。」

勇者「キミも、かえらないとだめだよ?」

賢者「ふふ、お主よりはちゃんと帰れるよ」

勇者「ねぇ、またあえるかな?」

賢者「…もちろんじゃ」

勇者「そうだ、ちょっとまってて!」ダダダダダダダダ

賢者「なんじゃまたいきな…脚早っ!!」

 

~5分後~

 

勇者「ただいまー!」ダダダダダダダキキーーッ

賢者「おかえ…馬車かお主は…してどうしたんじゃ、いきなり走り出して」

勇者「これっあげるっ」ハァハァ

賢者「そんなに息を切らして…ん?これは…二つあるが」

 

【赤いスライムのアクセサリー】 【青いスライムのアクセサリー】

 

勇者「うん、おそろいの『あくさそりー』」

賢者「いや、色違いなんじゃが…というかアクセサリー…」

勇者「すきなほうあげる!ぼくがもういっこで、ともだちのしるし!」

賢者「おうふ」

 

賢者「じゃ、じゃあ…赤をもらおうかの」

勇者「はい!」チャリ

 

賢者「…」ジー

勇者「あっ!かえらなきゃ!」ダッシュ

賢者「あっ…」

勇者「そうだ!」キキーッ

賢者「え?」

 

勇者「ぼくのなまえはっ

 

 ~戦士『自分が【勇者】である事はなるべく喋るなよ』~

 

勇者「あ…えっと…」

賢者「ストップ!」

勇者「ふぇ?」

 

賢者「…その、次に会ったら教えてくれぬか?」

勇者「え、うん。いいけど」

賢者「じゃから次に会う【約束】じゃぞ!次に会ったらわしも教える!」

勇者「うんっ!」

 

賢者「あっあとっ!その…次に会ったらっ…あ、遊びに行くのじゃ!」

勇者「わかったー!【約束】だよ!」

賢者「絶対じゃからなー!」

勇者「うん!!またね!!」タタタタ

賢者「また!…の…」フリフリ

 

【赤いスライムのアクセサリー】

 

賢者「…」ジー

賢者「えへへっ…」ギュッ

賢者(魔王城じゃ四天王だから…周りがみんな大人ばかりで、近い歳の子がいなかった…)

賢者(私の、初めての友達…なんて名前なんだろう)

 

~中間の国・宿屋~

 

戦士「何か言う事は?」

僧侶「申し訳ございません…」

戦士「はぁ…ったくよりによって鼻血出して気絶してただぁ!?」

僧侶「返す言葉も…」

戦士「ございませんよなぁ!?」

僧侶「うぅっ…」

 

~回想~

 

勇者「せんしさんおそいね~」

僧侶「恐らくまだ町の中を見て回っているのでしょう、しばらくかかるかもしれませんね」

勇者「むぅ~…」プクー

僧侶「(はぅぅぅぅぅぅんむくれて可愛い…ちょっとだけ愛でてもよいのでは…?)勇者様」

勇者「なに~?」

 

僧侶「そうむくれずとも明日になれば一緒に町の中を歩けますよ、それよりもにゅふふ」

勇者「そうじゃなくて…」

僧侶「え?」

勇者「そうりょさんと、せんしさんがいつもたいへんだから…ぼくもおてつだいしたかった…」

僧侶「勇者様…(自分が恥ずかしいですね…)」

 

 

 

 

僧侶「(まぁ、愛でますけど)勇者様?」

勇者「なに?」

僧侶「ちょっと、『お姉ちゃん』って呼んでみてもらえませんか?」

勇者「どうして~?」

僧侶「少し、弟の事を思い出して、寂しくなってしまって(弟なんていませんけど)」

勇者「…」スタスタ

僧侶「あ、あの勇者様?なぜこちらへ?」

 

勇者「むー!」ギュッ

僧侶「so good...」キュン

 

勇者「…ぼくがいるからがんばろうね、おねえちゃん」にぱっ☆

 

僧侶「なん…だと…(くっ…やはり小悪…魔…)」

―その瞬間、僧侶の意識が飛んだ―

 

~回想終了~

 

 

戦士「『くっ』じゃねぇよ、バカだろお前。絶対バカだろ、えぇ?」

僧侶「だ、だってまさか抱きついてくれるなんて…」

戦士「だめだこいつ…あぁもう探しに行く!」

僧侶「あ、私も!」

 

ガチャッ

 

勇者「ただいま~!」

戦士・僧侶「あ」

 

勇者「そうりょさん!きがついてたんだね!もうだいじょうぶ?」

僧侶「え、あ、はい。大丈夫です。」

勇者「よかったー!せんしさんも、おかえりなさい!」

戦士「あ、あぁ…ってどこいってたんだ!?」

 

勇者「えっとね…そうりょさんがたおれちゃったから…おいしいものたべればよくなるかなって…これ」スッ

 

【冷めたフランクフルト】【冷めたホットドック】

 

戦士「勇者…」

僧侶「勇者様…」

勇者「かってにそとにいって、ごめんなさい…」

 

戦士「お前、僧侶のために?」

勇者「うん…」コク

僧侶「」ズキューン

 

戦士「お前…見てみろよ…この穢れの無い真っ直ぐで、熱い志を持った勇者を…えぇ?」

僧侶「うっぐすっ…眩しくて見れません…すみませんでした…っ」ダバーッ

 

戦士「勇者」

勇者「え?」

戦士「明日いっぱい町の中回ろうな!美味しいもの、3人で一緒に食べよう!」

勇者「っ!うん!!」パァァ

僧侶(人間の言葉を借りるなら…そう…天使…これ天使です…)

 

戦士「僧侶やっぱ留守番してろ」

僧侶「ちょっと待って」

 

 

~中間の国・街道上空・飛龍の背中~

 

(羽の生えた)魔物「以上が、勇者の特徴になります。報告が遅れてしまい、申し訳ありません。」

 

土魔「……………ご苦労…お主は帰還せよ……わしと飛龍だけで十分じゃ……」

魔物「はっ、それと話にありました、お金をお持ちしました。」

土魔「いらぬ」

 

魔物「と、申しますと?」

土魔「もう『必要なくなった』、お主にくれてやる。」

魔物「あ、ありがとうございます!」

土魔「行け…」

魔物「はっ!」

 

【赤いスライムのアクセサリー】

 

少女は出会った少年との友達の印を見つめる。

その印は、少女の手のひらの中で月に照らされる。

 

飛龍「グル…」

 

自分の背に乗る主を心配するように小さく唸る飛龍。

 

土魔「大丈夫…なん…でもない……………どうして…」ギュッ

 

そう呟くと、友達の印を両手で包み、胸へ当てる。

そして飛龍の背へ、少女は膝から崩れ落ちてしまう。

身体を震わせる少女の頬には小さな滴が流れ、月が優しく照らしていた。




はじめてのともだちは ― …

次回、一旦まとめ回です

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