ISと無気力な救世主 作:憲彦
通勤時間や休日の昼間の電車の中など、満員や人がクソが付くレベルで多いとき、痴漢や盗撮と言う女性にとってはトラウマレベルの事が起きてしまう。最近でもネットニュースになるレベルで取り上げられる事がしばしばある。
と言うわけで、今日は電車内で痴漢や盗撮にあった場合、彼氏達はどの様な事をするのか。それを今回は、このモルモット3組に実演して貰うので、見てもらいましょう。まぁ一部電車には乗らないだろうと言うのと、自力でどうにか出来るのもいるけど、多目に見てください。
一夏&本音の場合
現在、一夏と本音は電車の中。今日は久し振りに何もない日で、ちょっと遠出をして買い物をしようと思い、電車に乗って移動している。だが、
(クソっ!人多すぎるだろ!!)
あまりの人の多さに、一夏は現在進行形でイライラしている。確かに人は多いが、休日だからそれは仕方無いと思うぞ。多分。
(本音は大丈夫かぁ?ん?)
電車が揺れる度に、人に揉みくちゃにされる空間だ。一夏より身長の小さい本音にとって、この空間はかなりキツいものになる。本音を心配してか、一夏が自分の隣にいる本音に目を向けた。何かスゴく辛そうな顔をしている。
「大丈―……んぁ?」
そして気づいた。本音の背後で、中年の男性が本音を触っていたのだ。触り方や相手の表情を見るからに、電車が揺れてぶつかってしまったと言うものではない。完全に痴漢だ。
一夏がそれに気付くのと同時に、目的地の1つ前の駅に着き、扉が開いた。それと同時に、男は下品な笑いを浮かべながら電車から出ていく。
「本音。降りるぞ」
「え?」
目的地では無いのに、何故か本音と一緒に電車から降りた。そして、痴漢をしていた男に声をかけて呼び止めた。
「ちょっと良いですか?」
「何です?」
「いや。ちょっとお話があるだけですよ」
「手短にお願いするよ?これから大事な商談があるんだから」
「そうですか~。なら早く終わらせないとな~」
穏やかに言う一夏。相手はそれを不審そうに見ている。そんな一夏の手には携帯電話が握られている。
「じゃあ手間とらせない様に、とっとと警察呼びますか」
「ッ!?」
警察と言う言葉を聞くと、急いで逃げようとした。が、脚に力が入らないのか、上手く走れていない。
「おい待ちやがれ。なに逃げてんだ?」
「た、頼む!警察だけは勘弁してくれ!!」
血相を変えて、警察だけは勘弁してくれと頼み始めた。公衆の面前で土下座をしてだ。まぁその様子は周りの人が携帯で映像を撮り始めた為、SNSで拡散されるだろうがな。
「え?イヤに決まってんじゃん」
いま、痴漢をした男には、一夏の事が悪魔に見えているだろう。完全に悪人の顔をしている。離れた場所で見ている本音は、そんな一夏に少し引いている。が、男を助けようと思う気持ちにはならない。
「本音。交番行くぞ」
そのまま抵抗する男を引き摺りながら、駅前の交番まで届けに行った。
草加&千冬の場合
痴漢されるまでの流れは同じなので割愛して、降りた辺りからにしよう。
「ちょっとお父さん……お話があるんだけど?」
「ヒッ!?」
草加の顔を見た瞬間、短く悲鳴をあげた。別に顔が怖いわけではない。普通に笑顔だ。だが、なんと言うのだろうか、手を出したら殺られる!と言う感じだ。
「まぁここじゃあ何だし、奥で話をしましょうか?」
「ま、待ってください雅人さん!」
「ん?千冬どうかした?」
「いえ。その……」
男は自分の助けに入ったかと思い、顔が一瞬明るくなった。だが、次の瞬間真っ青になった。
「密室の場合監禁罪が成立してしまうので」
「あ~。そんなことか。大丈夫だ。密室には連れていかないから」
因みに、密室とは閉め切られていて、出入りが完全に出来ない部屋の事を言う。その為、トイレの個室や少しドアなどが開いている部屋は密室とは言わない。そこならば監禁罪は成立しないので、有効に活用しましょう。
が、トイレには監視カメラが設置されていないケースが多い。証拠の残らない場所で執行される正義を思うと、わずかにだが痴漢をした男に同情の念が僅かに湧いてくる。因みに、草加はコンビニで深夜のバイトをしていたことがあるが、その時の万引き犯は店内で唯一監視カメラが存在しないウォータワクイン倉庫に拘束した上で連れていくと言う事をしていたので、こう言った事にはなれている。
「う、うわあああああああ!!!」
数分後。
「あ、雅人さん……その赤いのは?」
「ん?あぁ~ケチャップだよ。はい。千冬の分」
そう言ってホットドッグを1本千冬に差し出した。……男はどうなった?と言うか、ケチャップ派手に飛び散ったな~。顔にも付いてるぞ。
木場&真耶の場合
今度はこの2人だ。この2人も遠出だろうか?この時間に電車に乗ってどこかへと向かっている。ここでは痴漢をされていると言う様子はどこにもない。
『次は新宿~新宿~』
「次ですね。私たちの目的地」
「そうだね」
この短い会話から、2人の目的地は新宿であることが伺える。何故新宿に?
「さ。降りますよ!」
真耶は楽しそうに降りていく。木場もそれに続き、他にもここが目的地の人も降りていく。
「ハァア!!」
「ウワッ!?」
その時だ。木場が突然の大きな紙袋を持っている男を背負い投げにしたのだ。
「な!何しやがる!!」
「真耶さん。紙袋の中を確かめて」
「?はい……これは」
紙袋から出てきたのは、服とズボン、防止に靴、その他飲みかけのジースのペットボトル。そして、電源が着いた録画状態のビデオカメラ。
「中の映像、確かめさせて貰います」
中は完全に盗撮をした映像だった。中の映像を見られるや否や、木場を振り切って逃げようとしたが、綺麗に固められているので、逃げることが出来ず、そのまま警察の御用となった。
「ありがとうございました。それにしても良く気付きましたね。私は全くでしたよ」
「うん。何か撮られてるって思ってね。袋の中を覗いたら、カメラがあったんだ」
木場の観察力に、真耶は感心していた。確かに、普通なら絶対に気付かないからな。その後は普通に買い物をして、帰宅した。因みに、帰りは特になにも起こらなかったが、次の日のネットニュースに木場が載っていた。盗撮犯を一本背負いと言うタイトルで。
おまけ
(いや待て……俺は男だ。痴漢なんかされない!されない筈だ!大体男の体を触る男なんて……女かよ!!)
電車に乗っていると、木場が体を触られていると言う感覚に陥った。しかし木場は男。痴漢なんてされないと言い聞かせて、目を後ろに向けてみた。すると、女が触っていたのだ。全然知らない人だ。
「ん?勇治さんどうしました?」
「え?いや……その……」
男なのに痴漢されていることが恥ずかしく思ったのだろう。心配する真耶になにも言えず、顔を俯かせるだけだった。
「っ!……すいません。彼、私のツレなので、辞めてください」
「へ?」
気付いたのだろう。すかさず女の手を退かして、自分の元に木場を抱き寄せた。そのまま女は別の車両に消えていき、真耶は周りの乗客から拍手を何故か送られた。
「ちゃんと言ってくださいよ。何で我慢するんですか」
「ご、ごめん……でも、その、ありがとう」
真耶に叱られ、少し落ち込むが、恥ずかしそうに顔を赤くして真耶にお礼を言った。……それ逆じゃね?
はい今回はここまで!次回もお楽しみに!感想と評価、活動報告もよろしくお願いします!!
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