ISと無気力な救世主   作:憲彦

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さてと、気になっている人も多いと思うあの話。何故木場が妊娠しているのか、そもそも何故女の体なのか、そして何故出産出来たのか、そんな話です。




木場家、長女出産秘話

「あぁ~あっ……はぁ、良く寝た。早く朝食を作りましょうかね」

 

ベッドの中から真耶が出てきた。男の状態だったが、それはすぐに元に戻り、いつも通りの女の姿になる。少し服がダボついているな。……この状況に慣れてしまった自分が嫌になる。まぁそんな事はどうでも良いか。真耶はベッドから出てきたが、まだ布団の半分が膨らんでいる。恐らく木場が入っているのだろう。珍しいことにまだ眠っている。

 

「さてと……手軽に魚の煮付けにしますか」

 

どこが手軽なんだよ……滅茶苦茶手が込んでんじゃねーかよ。お前の手軽の範囲は一体どこだよ?……冷蔵庫からカサゴを取り出し、鱗と内臓、エラを処理し、作った煮ダレに入れて煮込んだ。

 

「後は味噌汁ですね」

 

豆腐、ワカメ、ネギのシンプルな物だ。

 

「あ、海老の殻が残ってましたね!これでダシを取りましょう!」

 

冷蔵庫をまた漁ると、昨日の夕飯で使ったであろう海老の殻が出てきた。ダシを取るには十分な食材だ。そしてちょうど完成したときだ。木場が寝室から出てきた。

 

「あ、おはようございます。勇治さん」

 

「うん……おはよう」

 

「?大丈夫ですか?体調悪そうに見えますけど。と言うか何でまだ女のまま?」

 

「大丈夫だよ。まだくすりの効果が続いてるんだと思う」

 

そう言いながら、自分の茶碗を棚から取り出し、炊飯器を開けてご飯を盛ろうとする。だが、

 

「ウッ!?」

 

短く呻き声を上げると、すぐに炊飯器の蓋を閉めてしまった。だがその後に開けて、普通にご飯を盛っているので、特に気には止めなかった。

 

「どうぞ!朝食はカサゴの煮付けと味噌汁ですよ」

 

「……煮付けか」

 

「ん?煮付け嫌いでしたっけ?」

 

いや。嫌いでは無いはずだ。むしろ好きな部類の料理に入る。今日の木場は何かがおかしい。このあとは特に何かが起きたと言うわけではない。女体化が解けずに1日終わっただけだ。問題が起こったのは次の日。

 

「うぅ~……気持ち悪い……」

 

「大丈夫ですか?女体化解けてないし、顔が真っ青ですよ?中馬先生の所に行きましょうか」

 

と言うことで、真耶が木場を車に乗せてIS学園まで向かった。夏休み中でほとんど人がいないため、少し不気味に感じる。……肝試ししたら楽しそうだな。

 

まぁそんな事は置いといて、3階の科学準備室に着いた。中に入ると、いつも通りに中馬が怪しげな薬を調合している。そんな中馬に、取り敢えず真耶が現状を報告した。

 

「は?女体化が解けない上に最近体調が悪い?」

 

「えぇ。今まで薬の副作用なんて無かったので、一応連れてきたんですけど」

 

「あぁ~。で、どんな症状が出てんだ?」

 

医者が患者を診察するように、中馬は木場を診察している。その間に、真耶が木場の症状を話した。

 

「えっと、女体化が解けないのと、炊きたてのご飯の匂いを嗅いで、少し気持ち悪くなってました。後は食事の好みが急に変わりました」

 

「…………木場、取り敢えずお前はコレ使って調べてこい……後少し血を調べるぞ」

 

木場に何かの道具を渡して血を採ると、木場は部屋から出ていった。

 

「血なんか調べて何か分かるんですか?」

 

「お前に渡した薬、もしかしたら一時的なヤツじゃなくて、完全に女になるヤツかもしれなくてな。血液中の成分を調べればそれが分かる。あとは……木場が妊娠してる可能性がある」

 

「え?」

 

「お前がさっき言った症状、あれはつわりだ。完全に。薬の副作用じゃないとしたらの話だけどな」

 

この言葉を聞いて、一瞬真耶の顔色が変わった。焦ったのだ。だが、それはすぐに変わり、今度は何かを考え込むような顔になる。

 

「ったく……この私が間違って完成品の薬を渡すとはな。あぁなったら、逆の薬を飲ませないと戻らないな」

 

「中馬先生。今の状態の勇治さんなら、子供を産んで母乳を与えたりすることも出来ますよね?」

 

「あ?まぁ体は女だからな。出来ないことはない。それに母乳なら、前にお前にやった薬があるだろ。問題は病院だな……受け入れてくれる病院は~」

 

そんな病院、この世に1つしかない。聖都大学附属病院。IS学園の近くにあるため、学園関係者御用達の病院だ。ほとんど運ばれる理由は中馬の薬。度々手を焼くはめになるのだが、何故か薬の製造を止めようとしない。あそこなら、色々と慣れているため女体化して妊娠した患者が来たところで処置が遅れるとか言う事は起きない。が、まずは止めるために少しは動け。

 

「産体に入ったら~まずは……フフフフフ……」

 

「ヨダレ出てんぞ~」

 

呆れ気味に真耶に伝える。まぁ副作用である可能性が今のところ高いので、余り心配する必要は無いだろう。

 

「あの~」

 

「お、木場。ちょうど良い所に来たな。お前の血液調べたんだがな、どうやら完成版の方を飲んだみたいだ、だから男になる方の薬を飲めば―」

 

「あの……これ……」

 

「…………ふぅ……。木場、これから頑張れよ」

 

渡した検査キットには、しっかりと妊娠の反応が出ていた。そんな木場を見て、これから来るであろう多量の苦労を考えての発言だ。

 

「ッ!?やりましたね勇治さん!!あぁ~!子供の顔が楽しみです!!」

 

「え?まぁ……うん。そうだね……」

 

真耶はスゴく嬉しそうだが、木場は少し複雑そうな顔をしている。

 

「木場……強く生きろよ(ボソ」

 

(さぁ~てと……これから沢山楽しまなくちゃ!)

 

心の中でそんなことを言いながら、木場を連れて車へと戻っていった。…………木場、強く生きろよ。




秘話って言うほどの事でもないな。

次回もお楽しみに!感想と評価、その他作品もよろしくお願いします!!

あぁ……完結編の敵、誰にしようかな……
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