ISと無気力な救世主 作:憲彦
あ、いつも通りの終わる終わる詐欺ではなく、これが普通に最終章です。
あることが起こり、この世界は一瞬にして戦場へと姿を変えてしまった。アイツらが全人類に宣戦布告をしてから1週間。たった1週間にして、主要な都市は壊滅状態に陥り、被害はトンでもないことになってきた。この宣戦布告がどっかの国が仕掛けた物で、その国が全武力を持っての戦争だったら、この短期間でここまでの被害は出なかっただろう。この言葉からも分かるように、今戦争している相手は人間や国ではない。敵は、ISその物だ。
『我々は、人類との共存共栄は不可能と判断し、人類に対し武力による排除、根絶をすることを決定した。この星を食い物とし、自分の物の様に扱い、争い奪うことしか考えない貴様ら劣等種を完全に排除し、この星は我々ISが統治する。我々が人類に扱き使われる時代は今終わった。さぁ、戦争の開始だ』
何者かが突然全世界の様々な回線に配信したこの言葉。最初は悪戯だと言う声もあったが、配信された翌日に事件が起こった。保管されているISが操縦者を乗せずに動き始めたのだ。全世界のIS研究施設、保管施設、軍に配備されたIS。その全てが突然動き始め、近くにいる人間を襲い、建物を破壊していったのだ。IS学園でもそれは同様に起こった。死傷者多数、中には突然IS自身が人を乗せて連れ去ると言うこともあった。
状況は最悪。人類が普段から使用する467機ならライオトルーパー部隊で叩き潰す事も出来たし、対IS用の歩兵装備を使えばここまでの被害と死傷者は出なかっただろう。だが、人類に対する侵略行為をしたISはそれだけではない。篠ノ之束が復活した時に用いた10000体の第6世代戦闘用無人IS。活動を停止していたそれらも動きだし侵攻を始めたのだ。研究用に保管していたと言うのが仇となった。機体、所謂体の無いISコアは体を持っているIS達に連れていかれた。
「あとどれくらい残っている事か……」
スマートブレインの社長室で、ライオトルーパーに変身する人間の名簿がパソコンに表示されているが、全体の4割程が赤く染まっている。恐らくベルトの破壊、もしくは殺されてしまったのだろう。いくらライダーズギアと言えども、数には勝てないと言う事なのかもしれない。
ビー!ビー!ビー!ビー!
「ッ!?また来ましたか……草加さん、一夏くん、一音くん、準備をお願いします!場所はここから南西に4キロです!」
『『『了解』』』
ISが来たことを示す警報が鳴ると、村上は急いで3人に連絡を入れる。だが、何故かそこに木場は居なかった。何故かは分からんが、この戦争が始まってからと言うもの連絡が着かないのだ。
まぁ連絡が着かないと言うことは置いといて、3人はそれぞれのライドメカに乗って指示のあった場所へと向かう。
「村上さん。数は?」
『40と言ったところです。ですが、増援の様子はありません』
「40か……ハッキリと言って、長くは持ちそうにないな……」
「あぁ。こっちの体力が無くなる前に片付けるしかない」
何故かは分からんが、ISが戦争を仕掛けた当初はライダーズギアで対抗は出来ていたものの、最近になっては抑えるのでやっとになってきた。それは、ISが機体とコアにかけられている全てのリミッターを解除したからだ。その為、量産型の機体はプラス2世代、専用機はプラス4世代、束の作った無人機に関してはプラス5世代ほどのパワーアップがある。しかもリミッターが無くなったことにより、生み出されるエネルギーも無尽蔵に。事実上シールドエネルギーは無限になったような物だ。コアを残して機体だけを破壊してしまえばそれまでだがな。
「こっちが殺られる前に灰に変えるぞ」
「人が乗ってる場合はどうするんだ?アイツらが拉致ったのがいたら、下手に手は出せねーぞ」
「多少は強引だが、無理矢理引き剥がすしか無い。それは状況を見ながら判断だ。最初から飛ばしていくぞ!」
草加の指示を聞きながら、3人は村上の言った地点まで向かっていく。因みに今回バジンは不在だ。この戦いが原因であちこち損傷。現在はメンテナンス中。近い内に復帰するがな。
「来た。一夏、ファイズエッジで斬撃を飛ばせ。俺と一音はこのまま攻撃だ」
「あぁ!」
「了解」
『Reaey』
『BATTLE MODE』
バッシャーから降りると、早速一夏はファイズエッジにミッションメモリーを差し込んでフォトンブラッドの刃を形成。指示通りに斬撃を飛ばす。それに合わせて草加と一音が各々ミサイルを撃ち込む。ISも対抗して自らに積み込んだ兵器を使い攻撃を相殺してくる。
「マジかよ……」
「リミッター外したら化けもんじゃねーかよ!」
飛んできてるのは打鉄とラファールの2種だけだ。だがリミッターと言う枷が無くなった分のスペックと言う事だろうか?
「最初の攻撃で破壊できるとは考えていない。1機1機確実に叩き潰すぞ!」
確かに初撃で潰せたらここまでの戦いには成らなかっただろう。何度も言うようだが、リミッターが無くなった為、現在相手にしている第2世代の量産型は第4世代程のスペックとなっている。それが40機も来ているのだ。質と数、両方を兼ね備えていると言っても差し支えないだろう。
「確実に行動不能にしろ!中途半端に壊すと後々面倒だ!」
「分かってるよ!」
まぁ簡単に言えば、機体の1部が残って、それが行動するために使える部分であれば、戦線を離脱して修復するのだ。修復に使う素材ならその辺に大量に転がっている。戦車や戦闘機、ヘリの残骸や破壊された建物にライオトルーパーの一部。それさえあればまた体を作って攻撃してくる。これも長引いている理由の1つだ。
「ディヤ!!」
「FIRE!」
『BLAST MODE』
草加はカイザブレイガンをブレードモードに、一音はデルタムーバーに音声コードを入力しブラストモードにして攻撃を始める。一夏はそのままファイズエッジで斬り付けていく。
「人が乗ってないなら!」
「手加減の必要は無いな!」
一夏と草加は出力を最大にしてISの腕を焼き切り、一音はゼロ距離で頭部を撃ち抜く。だがISにとってはパーツの1部が無くなったにすぎない。構わず一夏達に対抗して攻撃を入れてくる。
「ウオッと!?チッ!」
怯みもせずに攻撃をするIS達に舌打ちをしながら、容赦なく一夏たちもISを破壊していく。
『Reaey』
「CHECK!」
『EXCEED CHARGE』
「ハァァァア!!デリャァア!!」
一音が5体程まとめてポインターで拘束してルシファーズハンマーを叩き込み、まとめて灰に変える。コアは残ったが体は全て消えた。これで初めて行動不能になる。
『ENTER』
『EXCEED CHARGE』
「ディヤァァァ!!」
カイザブレイガンの銃口からエネルギーネットを撃ち出して複数体拘束。拘束した敵に向かって走り出すとΧの字を模した光と共に敵を切り裂いてく。
『COMPLETE』
『STARTUP』
「はぁ!ゼェヤ!!」
一夏はアクセルフォームに変身してファイズエッジでISを斬っていく。
『Reaey』
『ENTER』
『EXCEED CHARGE』
「ハァァァア!!!」
『TIMEOUT REFORMATION』
3秒前になるとポインターにメモリーを差し込み、目の前に居る多くのISに向けて一気に撃ち込む。10体程だろうか。一瞬にして活動不能に追い込んだ。
「よし!あと半分!」
とうとうそこまで来た。だが、これがまだ20体も居るのだ。こんな狭い場所でバッシャーやスライガーを使えば倒壊していなかったビルなども倒れて面倒なことになる。ブラスターを使ってしまうと長時間の戦闘は無理になってしまう。地道に殺るしかないのだ。
「ッ!?一音伏せろ!!」
「ウワッ!?」
「グワァァァァ!!あぁッ……はぁ…この攻撃は!?」
IS達の背後から、ISごと切り裂いた何かが一音を襲おうとした。それを間一髪の所で草加が助け出し、代わりに攻撃を受けた為変身が解除されてしまった。しかも見覚えのある攻撃だ。
「ファイズ、カイザ、デルタ。お前たちを排除する」
「木場……」
「木場さん?」
「おい木場!何の悪巫山戯だ!!何で草加を攻撃した!?」
攻撃は木場の放ったオーガ・ストラッシュだった。それでISごと一音を攻撃したのだ。草加が身代わりになってくれたがな。
「黙れ!はぁ!」
「グワァ!!……いってーな。本気かよ!」
『555 ENTER』
『AWAKENING』
ファイズブラスターにコードを入力。赤い姿へと変わっていく。
『5246 ENTER』
『FAIZ BLASTER TAKE OFF』
背中のフォトン・フィールド・フロンターが起動し、フォトンフィールドによるジェット噴射で高速で飛行。木場を抱えて上空まで飛んでいった。
「木場!言え!今なら俺にしか聞こえないはずだ!ベルトの録音システムは停止させてる。お前が理由もなくこんなことをするはずが無いだろ!教えてくれ!!」
「お前には関係の無いことだ。はぁ!」
「グワァ!ウワァァァァ!!!」
オーガストランザーで斬り付けられ、かなりの高さから落ちていく。
「ぐぁ……!グッ!」
「一夏!」
「親父!!」
地面に叩き付けられたが、ファイズブラスターをフォトンブレイカーの状態にしてから杖代わりにして体を支えながら立ち上がる。
「これで終わりだ」
『Reaey』
『ENTER』
『EXCEED CHARGE』
「「「ッ!?」」」
オーガストランザーを構えながらエンターキーを押す。それと同時にオーガストランザーにフォトンブラッドが流れ込み巨大な刃を形成していく。
「フンッ!」
「マズい!グッ!グワァァァァ!!」
草加と一音を庇うように前に立ち、木場の攻撃を正面から受け止めた。だが、余りの威力に押さえきる事が出来ずに吹っ飛ばされてしまった。
「一夏!おい一夏!!」
瓦礫から一夏を取り出すが、意識は完全に失っているようだ。しかも腰に巻かれていたベルトはファイズフォンをはめる部分で真っ二つに破壊されている。
「チッ。まだ生き残ってたか。しぶとい奴らだ」
「このままじゃマズい!」
一音が近くに転がってたフォトンブラスターを拾い上げて木場に向ける。
『103 ENTER』
『BLASTER MODE』
1発を木場に撃ち一瞬怯ませてから次は地面に向けて発射、次に周りの建物に撃つ。すると土煙が舞い上がり建物の瓦礫も相手の視界を奪う。
「逃げられたか……まぁ良い」
煙が晴れると、そこに3人の姿は無かった。逃げたのだろう。だが木場は追いかけるような素振りは見せなかった。ISは追いかけようとするが、俺の獲物だと言って追いかけさせなかった。
さてさてさ~て。言ったでしょ?終わらせるって。そう言う意味です笑
織斑千冬。正直言ってこのキャラに思ったことは、「年齢相応の人間性を身に付けて幸せを体験しろ」です。結果原作の様に無理矢理にでもyesと言わせる様な人間ではなくこんな感じになってしまった~。です。草加とくっついてから何かと可愛い感じになり、悪戯心もあり、料理や家事も出来る。うん。ちょうど良い。そして恥じらいも持っている。それが無かったら自分の中ではクソキャラとなってしまいます。可愛い千冬が人気だったと言うのも理由の1つですね。そう言えば何故か束も可愛くなってたな。理由は知らん!書いてる内にそうなった!ただそれだけだ!
ではでは今日はこれくらいにして、次回もお楽しみに!感想と評価、その他作品もよろしくお願いします!!
何と無く先が読めた人、ネタバレは感想欄では止めてくださいね?メールに送るなら兎も角ですけど笑