ISと無気力な救世主   作:憲彦

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ループ

本音が仕入れに出掛けた直後、ショッカーの情報がネット上に出回ったのを確認した一夏達は、すぐに自分のベルトを手にとって店を出ていった。とは言え、一夏のバイクであるバジンは現在本音と一緒。海東はそもそもバイクを所有していない。等の事が重なり、少し初動に手間取っていた。

 

「おい。狭いんだからこっちに寄るな。操縦が狂う」

 

「オートで動かせば良いだろ?そもそも君が操縦を失敗した所で、僕は無傷でいられる自信がある」

 

「そうか。ならテメーだけ振り落として怪我させてやるよ」

 

「やれるもんならね~」

 

最終的にだが、士のディケイダーに一夏と士の2人が乗り、一音のスライガーに海東と一音が一緒に乗ることになったのだが、スライガーはそもそも1人乗り用。2人以上を乗せることを想定されていない。そのお陰でかなりキツそうになっている。

 

「あの2人本当に仲悪いな」

 

「戦いの前に怪我しないと良いけどな」

 

その辺りは問題ないと思われる。そして馬鹿騒ぎを続ける訳にも行かないので、スピードを上げて情報のあった場所に急行。情報が出てから既に30分。現場に近付くに連れて徐々に荒れた様子が分かってきた。

 

「相変わらずやることが速いな」

 

「たかが30分でここまで滅茶苦茶にするとは……」

 

「感想言ってないで、さっさと行くぞ!変身!!」

 

『Standingby complete』

 

一音が一足早く変身し敵陣に突っ込んでいく。その直後に士と海東もディケイドとディエンドに変身。一音に続き敵を倒しに行った。

 

「一音のヤツ張り切ってるな……俺も行くか」

 

『555 ENTER』

 

『Standingby』

 

「変身!」

 

『error』

 

「ハッ!?ウワッ!」

 

コードを入力し、ベルトにファイズフォンを差した一夏だったが、ベルトからはエラーの音が鳴り響き、一夏を弾き飛ばしてしまった。

 

「なんで!」

 

『error』

 

「グワッ!」

 

すぐにベルトを拾い上げて再度変身を試みるが、結果は最初と同じでベルトが変身を拒否した。

 

「おい!なんで変身しないんだ?」

 

「俺だって知らねーよ!」

 

「なら離れていたまえ。ここにいたら僕たちの邪魔になる」

 

「チッ」

 

海東の言う通りだ。悔しいが変身できない自分はここにいる意味がない。せめて邪魔にならないように安全圏まで移動しようと思った。だが、

 

「キャアアアアア!!!」

 

「ッ!?本音!」

 

「母さん!?」

 

タイミング悪く、そこに本音が現れた。どうやら別の場所で襲われてここまでバジンと一緒に逃げてきた様だが、逃げた先が不味かった。戦いのど真ん中に出てきてしまったのだ。更に上げてしまった悲鳴が原因だろう。多くの怪人の標的が仮面ライダー達から本音へと移ってしまった。

 

「本音!」

 

「よせ一夏!行くな!」

 

「ウオォォ!!ゼヤァ!ハァ!本音ぇぇえ!!逃げろォォォォオ!!!」

 

沢山の本音目掛けた攻撃が飛んでいく中、一夏は自分の身も省みずに突っ込んでいき、攻撃が本音を直撃する寸前で助け出した。そして攻撃の影響の無い場所まで投げ飛ばし、自身が身代わりとなって攻撃をその身にうけた。

 

「ウワァァァァァ!!!?」

 

「イッチー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?俺は……」

 

「なにやってんだ?生物あるんだから、早くしないと痛むだろ」

 

「一音……」

 

「なんだ?自分の息子の顔忘れたのか?」

 

爆炎に包まれた。それはハッキリと自覚している。だがまるで時間が巻き戻ったかの様に何もない。体に痛みも無ければ戦闘の様子も、全てが無いのだ。

 

「どう言うことだ?」

 

「なに言ってんだ?ボケるには早いぞ」

 

事態に困惑している一夏を見て不審に思う一音だが、その後はこの日にあったことをそっくりそのまま体験した。それだけではない。ショッカーが出現し、そこにディケイドとディエンドの2人が現れ、ショッカーを撃退する所まで全く同じだったのだ。

 

「なぁ、変な事を聞くが、この世界でアイツらが現れたのは今回が初めてか?」

 

「その筈だか?」

 

「妙だ……俺は……前にもアイツらと戦ったし、お前らにも助けられた。ショッカーの話も聞いた、筈だ」

 

「デジャ・ビュかもしれないね。体験したことの無い出来事がまるで以前にも体験したように思える現象だ。気にすることはない」

 

「そうか……(本当にデジャ・ビュなのか?ならその後は……)」

 

そこから更に時間が経ち、自分が死んだ戦いの直前まで時間が進んだ。

 

「相変わらずやることが速いな」

 

「たかが30分でここまで滅茶苦茶にするとは……」

 

「感想言ってないで、さっさと行く―」

 

「待て」

 

「え?……なんだよ?」

 

「お前はこっちを使え。デルタギアは俺が使う」

 

「は?」

 

「変身!」

 

『Standingby complete』

 

「あっ、おい!」

 

突然の一夏の行動に驚いたが、すぐに気をとり直して3人も変身。ショッカー退治に取り組んだ。

 

(もう少しだ……もう少しであそこから本音が出てくる)

 

デルタムーバーをいつでも撃てるように構え、周りの敵を倒しながら本音が出てくる通路を見張っていた。

 

「(今だ!)ハァ!」

 

「ウオッ!?イッチー?」

 

「良かった。無事みたいだな」

 

出てきた本音が悲鳴を上げる間も無く抱えあげ、その場からすぐに離れた。これで本音はショッカーの攻撃の餌食になることはない。

 

「チェック!」

 

『Exceed Charge』

 

本音を助け出した直後、バジンに本音を守るように指示を出して自分はルシファーズハンマーを発動し広範囲の敵を一気に灰にした。

 

「よし!あとは―」

 

「ウワァァァァァ!!!」

 

「ッ!?一音!!」

 

後は士と海東、一音の加勢に向い、残っている敵を倒すだけだった。だが、向かおうとした直前、一音が変身するファイズが巨大な砲弾の様な物に吹き飛ばされてきたのだ。

 

「グッ……!ガハッ!はぁ、はぁ」

 

「一音…一音!!」

 

攻撃の威力は余りにも高く、アーマーを着けている胸部に砲弾が当たったにも関わらず、アーマーは砕けて内部の機械が一部見えるほどの損傷を受けていた。当然、そんな攻撃にベルトが耐えられる筈もなく、変身は強制解除。変身者の一音は、命を落としてしまった。

 

「あぁ……はぁあ!はぁ、はぁ、ウワアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

一夏の悲痛な叫びが木霊するが、ここで一夏の記憶は途切れていた。そして、また一音と食材を運んでいるところからスタートする。

 

「はぁはぁはぁはぁ……」

 

「親父!?おいどうした!親父!」

 

「すぐ店に戻るぞ!速く!」

 

少し手荒だが、仕入れた食材を置いていき、一音を連れて急いで店まで戻った。そして本音と一音には今日と明日、明後日は絶対に家を出るなと言って家を出ていく。そしてショッカーが暴れだし、士と海東が来るタイミングになると急いで現場に駆け付け、戦い終わった2人に問い詰めるように話しかけた。

 

「これは3回目だよな!デジャ・ビュなんかじゃない!時間が巻き戻ってるんだ!分かるよな!?」

 

「落ち着け一夏!俺達も分かってる」

 

「僕たちもさっき気付いたんだ。時間が繰り返してるってことに。そしてこれから起こることも」

 

「なら話は早い。デルタギアとファイズギアを急いで持ってきてくれ。勿論一音には渡すな。両方とも俺が持つ。デルタに一度変身すれば、ファイズにもなれる筈だ。繰り返させて堪るかよ……!」

 

戦いは3人で挑むことにした。だが、このあと3人が全く予想だにしないことが起こり、時間は再び戻ってしまった。




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