ISと無気力な救世主   作:憲彦

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ヤバい……休みすぎた……

村上の秘密がもう1つ明かされます。

あ、言っときますけど作者はシリアス書くのが苦手なので、ご了承下さい。

余り期待しないでね

あ、木場の愛車のシーマは車検中です。


木場勇治編
白騎士事件


「じゃあ、今日はバジン借りるね」

 

「あぁ。気を付けて行ってこいよ。墓参り」

 

この日は、沢山の命が「理由の無い悪意」によって奪われた日。木場と草加からしたら、頭の中から切り取りたい、人生で最大の悲劇が起こった日。

 

もう10年以上の時間が流れたが、あの日、あの場所で起こったことがいかに風化しようとも、世界から忘れられることは無い。消えない程に深い爪痕を残した事件。

 

後に『白騎士事件』と言われる、世界にISの実力を世界中の人間に刷り込ませた事件だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よ~し!客の入りも上々だな!この調子ならいずれ武道館ライブも夢じゃねーな!!」

 

「何言ってんだよ海堂。今日だって50人しか入ってなかったじゃないか」

 

「良いんだよ!この前と比べて倍の人数になったんだぜ。ようやく、時代がこの俺様に追い付いたんだよ」

 

どや顔で言っているが、実は今日で半年目だ。作者的には多いかは分からないが、良くここまで根気強く続けた物だ。

 

しかし、2人は人数の事なんか全く気にしていない様だ。海堂は曲の演奏を楽しみ、木場はその曲を楽しむ。とても理想的な構図だ。

 

「今度は俺様の新曲を聞かせてやるよ。期待してろよ~!」

 

「新曲か……まぁ、期待しとくよ。クラシックギターならね」

 

「おう!ってそっちかよ!!」

 

誰もが平和に暮らし、将来を語り合い、夢を語り合い、それぞれの理想とする自分へと歩んでいるこの時。誰も思っていなかった筈だ。この平和な日常が一瞬にして破壊され、大切な物をなくし、心が引き裂かれるとは。

 

「そう言やー、アイツどうした?」

 

「あぁ結花?今日は啓太郎君とデートの筈だよ。遊園地に行ったんだったかな?」

 

「ったく、この俺の大切なライブを放おっておいてデートかよ。いい身分だな」

 

「そう言うなよ。ようやくお互いに気持ちが通じあったんだぞ。祝ってやれよ」

 

「だーれが。んなもん祝うかよ!」

 

口ではそんなことを言っているが、実際はとても嬉しそうだ。実際、顔が少し緩んでいる。相変わらず素直じゃないな。

 

「そうだ。明日買い物に行くから手伝ってくれよ」

 

「えぇ~……」

 

「仕方無いだろ。3人で暮らしてるんだから物の消費が激しいんだ。それにお祝いもまだしてないんだから」

 

実はこの3人、幼い頃からの付き合いで今は3人で一緒に暮らしているのだ。近所で有名な仲良しグループがそのまま大人になったような感じだ。通う学校が変わっても、3人は変わらず仲良しだった。

 

海堂は音大を卒業後にバイトをしながら演奏を。木場は大学院生で合間を見てバイトしている。長田は大学を卒業したら近所のクリーニング屋に就職し、働いている。

 

「で?何買うんだ?」

 

「取り敢えず、食材とシャンプーとトイレットペーパーだね。野菜も底を尽いたから買わないと……」

 

「おっと!なら玉ねぎは買うなよ。俺様は―」

 

「分かってるよ。苦手なんだろ」

 

「違う!嫌いなの。お分かり?」

 

「はいはい。分かったって」

 

どこでも見るような、日常的な会話だが、誰もが理想とする様なやり取りだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、買い物に行くのだが、買い物の前に銀行に寄ることにした。何故かって?どう言ったわけか、昨日の夜に家の中を確認したら、やたらと物が切れてたからだ。お陰でなけなしの貯金を崩した。

 

「何か……行く前からやる気失せたな……」

 

「ごめんなさい!昨日色々と気付いちゃって……」

 

「イヤ、俺が確認を適当にしたからだよ……」

 

物凄い気の落ち込みようである。まぁ、確かに買い物前夜に気付いて、貯金をおろせばテンションは下がるが、いくらなんでも下がりすぎだろ。

 

「ま、まぁ、少し余分にいろんな物を買おうか。今日は俺が料理を作るよ」

 

「それは楽しみだな!お前の料理は当たりと外れの差が激しいけど」

 

「そんなことを無いだろ!海堂の料理よりはマシだ!」

 

「おいコラ木場。俺様の本気を知らずに料理をディスるな」

 

「本気って……この前魚を三枚に卸そうとしてズタボロにしたばっかりだろ」

 

「それは素直に切られなかった魚の問題だ」

 

「大丈夫ですよ海堂さん。海堂さんの料理は不格好ですけど、味は個性的で食べられますから!」

 

「お前……それフォローになってないからな」

 

木場の運転するシーマの中では、この様なやり取りが行われていた。本当に仲良いな。だがここで、大きなサイレンが鳴り響いた。

 

「何だこのサイレン?」

 

「国民保護サイレン……!」

 

国民保護サイレン、恐らく聞いたことがあるのは、興味があって調べた人や、動画サイトで流された物を聞いたことある人以外は知らないだろう。

 

国民保護とは、ジュネーブ条約第一追加議定書及び第二議定書すなわち民間防衛条約に基づき、日本に戦争などの有事から文民を保護するために整備した武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律だ。

 

しかしこれが流れたと言うことは……

 

「木場止まれ!!!」

 

ドカァーーン!!!!!

 

「「「ウワッ!?」」」

 

海堂が止めてくれなかったら、確実に死んでいただろう。

 

「ミサイル……?」

 

木場達は車から出ると、周りを見渡した。そこには自分達と同じ様に、突然のミサイルに驚き呆然としている人がたくさんいた。

 

「おい。あそこ」

 

先程のミサイルはビルに当たり、その瓦礫の下に車が埋もれていた。その中には人もいて、それを海堂が見付けたのだ。

 

「ッ!大丈夫ですか!?海堂、そっちの瓦礫持ってくれ」

 

「おう!」

 

車のドアの部分を覆っている瓦礫を退かして、海堂がドアを全力で外した。そこから木場が中に入り込み、長田が中の人を外へと運び込んだ。

 

助け出して病院へと運ぼうとしたが、ある男性が空を指差しながら怯えたように声を出した。

 

「お、おいおい……何だよ……あれ……」

 

その言葉を聞くと、その場にいた誰もが空を見上げる。すると、そこには自分の目を疑う光景が広がっていた。大量のミサイルが迫ってきていたのだ。そして、その中心に人型の何かが浮遊していた。

 

「に、逃げろ!!!」

 

誰かは分からない。しかし、さっきの国民保護サイレンと目の前に広がる光景。恐怖に刈られた人達は叫びながら逃げ、それを見た人達にも恐怖が伝染して一気にパニックになった。

 

浮遊している人型の物はミサイルを破壊しているが、大量にこぼしている上に、破壊した破片が地上に降り注ぎ、危険度が増している。

 

木場たちも逃げているが、辺りから聞こえてくるのは爆発音と悲鳴。この時点で既に沢山の人が死んでいる。

 

「ウワ!」

 

「おい!大丈夫か!!」

 

自分の近くで倒れた子供を助けに、海堂が走って助けに向かった。転んだときに脚を怪我したようだ。その場から逃げるために担いで走っていった。

 

「海堂!その子は?」

 

「知るか!さっさと逃げるぞ!!」

 

全力で走って逃げる。しかし、爆発が収まる気配はない。今、木場達のいる場所は爆発が起きていないが、建物には亀裂が入りまくっているし、ミサイルはまだ大量に飛んでいる。

 

「あれ?さっきの子は?」

 

「母親が居たからそっちに行かせたよ」

 

「ここも危険です。早く行きましょう!」

 

長田の言葉も確かだ。この場所も危険だ。急いでその場を離れようとしたのだが……

 

「ッ!危ない!!」

 

「「ウワッ!?」」

 

長田がビルの瓦礫が落ちてくるのに気付くと、2人の身代わりとなり助けた。

 

「ッ!結花!!」

 

「おい!!」

 

更に不幸が重なり、そこに今度は大量のミサイルが飛んできた。

 

「木場!逃げるぞ!!」

 

「でも結花が!」

 

「んな事言ってる場合か!!悪いけど、俺は逃げるぞ」

 

海堂は逃げるためにその場から離れるが、木場は瓦礫の中から長田を助け出すために瓦礫を退かしている。しかし、ミサイルは迫ってくる。早く逃げなくては木場自身も危険だ。

 

「ったく、ちゃんと受け身とれよ!!!」

 

「え?ウワッ!」

 

木場を全力で蹴り飛ばした。

 

「じゃ~な」

 

「海堂!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後にミサイルが着弾し、全てが吹っ飛んだ。そして、次に目が覚めたのは、病院の様な施設だった。目が覚めたのを確認されると、ある部屋へと通された。

 

「木場勇治さんですね」

 

「はい……貴方方は……?」

 

「国の者です。本日は貴方に用件があって来ました。」

 

通された部屋には、スーツを着た男性が2人並ぶように座っていた。

 

「まず初めに、ご友人2人の事、お悔やみ申し上げます。が、今回の事件で2人が亡くなったことは公表しないで頂きたい。」

 

「……どう言う事ですか?」

 

「ミサイルを破壊していた人型の物体。あれはISと言う物です。つい最近学会で発表されたマルチパワードスーツ。今回のミサイル破壊の性能から、今から世界はISの時代に入ります。」

 

「そこで、ISにとって不利益な情報は公開しないで貰いたいのです」

 

「ナッ!?」

 

「勿論ただでとは言いません。こちらをどうぞ。望むのであれば、更に金額を追加することが出来ます」

 

木場の目の前に出されたのは、大量の金が入ったケースだった。そのケースは後6つある。人の死を金で買うようだ。確かに、それだけの金を出されれば大抵の人間は金を受け取り、死んだ家族や友人、恋人の事は忘れて第2の人生を歩もうとするだろう。しかし

 

「ふざけないで下さい!!そんなこと、頷くとでも思ってるんですか!?いくら金を積まれよとも、俺の友達の死は売らない!事実は全て公表させてもらう!!話は終りだ!!!」

 

人の死を金で買おうとする国のやり方に怒り、全てを公表すると言って部屋から出ていき、自分が寝ていた部屋に戻った。しかし、部屋に入ると同時に膝から崩れ、大声で泣き叫んだ。

 

「あぁぁあぁああぁあぁあ!!!何で!何で俺だけが!何で俺だけが生きてるんだ!!何で生きてるべき2人がここに居ないんだ!!何で……!新曲を聞かせてくれるんじゃなかったのか!!海堂!!もっと幸せになるべきだっただろ!結花!!何で俺はここに居るんだ……!」

 

状況や、彼らの身の上を知らない者は言葉を掛けて慰めることが出来るかもしれない。しかし、彼らの事を知っている者や、あの場所で起こったことを知っている者はそれができない。

 

その夜。木場は自分の病室にただなら無い気配を感じて目を覚ました。そこにはナイフを構え、自分を刺し殺そうとしていた男が居た。

 

「ッ!?誰だ!!」

 

間一髪で避けて、相手の正体を確認しようとしたが、何も言わずに再び構えて自分に刺してきた。

 

「チィッ!!」

 

ベッドを蹴って相手に当てると、窓から逃げ出した。しかし、何故かそこは森の中。どうやら、あの事件で被害に遭った人はここに収容されていたようだ。

 

だが、どこであろうと構わない。ここで自分は死ぬわけにはいかない。そう思い必死で逃げた。だが、

 

「ッ!?拳銃……!」

 

木の陰に隠れていたが、そこを狙われた。場所はバレている様だ。離れようと逃げるが、今度は全く別の方向から銃弾が飛んできた。他にも隠れている様だ。

 

「ガぁ!アァ……」

 

銃弾を受け倒れてしまった。するとさっきの男がまたナイフを構えて近付いてトドメをさそうとした。木場はもうダメだと思った。だが、

 

「下の下ですね。はぁ!」

 

「え?」

 

木場を刺そうとした男の腕を掴んで止めたのが居た。しかし身体に赤いラインが走っており、顔の部分は黄色い複眼。とても人間には見えない。

 

「公安も随分と手荒な事をしますね。民主主義国家が聞いて呆れる」

 

ナイフを持った男の腹部に拳を入れて、意識を刈り取った。そして今度は、ファイズフォンをベルトからとってコードを打ち込み、ポインターも付けた。

 

「隠れるならもっと上手く隠れたらどうですか?」

 

誰も居ない場所に構えて、撃ち抜いた。すると、短いに悲鳴を上げて男が倒れた。

 

「大丈夫でしたか?」

 

「貴方は……ウッ!……」

 

木場を担いで、ファイズは暗闇の中へと消えて行った。




最近更新に間があいてしまい申し訳ありません。何故か体調の悪い日が続いて、とても更新できる状態ではありませんでした……

次回もお楽しみに!感想、評価、活動報告もよろしくお願いします!!

近々、お気に入り登録400人突破を記念して、キャストトークショーの様な座談会を行おうと思っています。登場キャラは一夏、本音、草加の3人とあらかじめ声をかけさせて頂いたユーザー様が参加します。そちらもお楽しみに!

……しばらくファイズ見てないから、木場達3人のテンション忘れた……

木場さん、映画だと長田さんの事「結花」で呼んでたけど、テレビ本編だと長田さん何だよな~……
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