ISと無気力な救世主 作:憲彦
提供 orotidaさん
墓参りの後、草加と木場が学生時代によく来ていた思い出の場所。敬太郎が経営しており、巧と真里の居候していた場所だ。まぁ、敬太郎が学生の間は長期休業と日曜日、祝日限定の経営だったけどな。経営者は敬太郎の両親。敬太郎はそのバイト的な立場だ。実質的に働いていたのは彼だがな。
まぁそんな事はどうでも良い。クリーニング屋ではあるが、ほとんど仲良しグループの集まる溜まり場の様な場所だからな。長らく留守にしていたため、その掃除に来たのだ。後ろに幽霊を引き連れて。掃除もあらかた終り、過去を懐かしんでいたとき、突然店のドアが開き、たくさんの客が来た。それは、今の草加と木場の家族と仲間達。少しここに居た後、すぐに帰るつもりだったのだが、一夏が料理を始めたことにより宴会になり、今日はここで泊まることになった。
「この部屋久し振りだな~」
そりゃあそうだ。草加は高校を卒業した後に、ここを離れ県外に短大に進学。その後スマートブレインに就職した。ただでさえ帰る暇は無かった。そして白騎士事件によってこの町は少しの間閉鎖されていたのだ。そう思うのは当たり前だろう。因みに、一夏は巧の使っていた部屋に、木場はここに泊まるときに使っていた部屋、女子達と子供はそこそこの広さがある部屋に泊まっている。バジンは外だ。寝るときはバイクの方がしっくりする様だ。
「少しベッドが狭いな……」
成長したからな。高校を出た後でも体は成長する。昔使っていたベッドでも狭く感じるのは当たり前だろう。まぁ、眠れないことは無い。それにここは慣れ親しんだ場所。すぐに眠ることが出来る。
「ん……ん?どこだここ?」
寝たはずだが、いつの間にか、草加はカイザギアの入ったケースを持って、出掛けるときの服装をした状態で外に居た。場所は見覚えがある。幼い頃に通っていた塾の校庭。時間は……かなり遅いと言うこと以外分からない。
「お~い!こっちこっち!!ナイスパス!」
一夏と余り変わらない年齢の大人達がサッカーをやっていた。
「これは……流星塾の同窓会……」
白騎士事件の前に行われた流星塾の同窓会の光景だ。花火をした後に、よく遊んだ校庭でサッカー。草加の記憶にある通りだ。だが、1つ違うことが。
「草加!シュートだ!」
「あぁ!そぉら!!」
「ッ!?俺!?」
草加がもう1人居たのだ。だがこれでハッキリとした。今自分がいる場所が何処なのかが。
「夢の中か……ここは。道理で皆が生きてて、少し若いわけだ。懐かしい場所に泊まったが、まさかこんなに懐かしい事まで夢に見るとはな」
これが夢であると自覚したようだ。だがその直後に、おかしな事に気付いた。流星塾のメンバーの1人が、ボールを林の方まで飛ばしてしまったのだ。こんなこと、草加の知る同窓会では無かった。ボールを取りに行くと、帰ってきた人が青い炎に包まれて灰となった。
「ナッ!?」
「え……?」
見ていた草加は目の前の光景に驚き、流星塾の皆は彼が死んだことに気付くと、悲鳴を上げた。そして、後ろから灰色の化け物が現れ、流星塾の皆を遅い始めた。
「やめろ!!動かない……!?」
走り出して、すぐに化け物の動きを止めようとしたのだが、動くことが出来なかった。脚がすくんだとか言う事では無かった。脚に重りが付いているかの様に脚が動かないのだ。
「なんで……!動け!動けよ!!このままじゃあ!」
必死で動こうとするのだが、動けないでいる。するとそこに、
「おい!何やってんだ!?やめろ!!」
「乾!?」
草加のよく知る乾巧が現れた。すると、巧も狼の姿をした灰色の化け物に姿を変え、皆を襲っている化け物を殴り飛ばした。襲っていたヤツは吹っ飛ばされ、青い炎に包まれながら灰となって死んだ。
「キャアアアア!!イヤア!!」
「真里?」
「待ってくれ!俺は!……ッ!?」
「ん?ッ!?」
会話が突然止り、それを草加が怪しんだが、すぐに気付いた。巧と真里の後ろにいるとんでもなく強い気配。それが原因であると。
「早く逃げろ!!」
もう1体の別の灰色の化け物。ドラゴンを模した様な姿だ。とんでもない威圧感を放っている。巧はそれに挑むが、余りにも違う力の差に一撃で負けてしまった。その後に真里を殺そうと爪の付いている腕を上げた。
「やめろぉぉぉぉ!!!オリャア!!」
「グッ!」
「あ、動けた」
「え?草加くん!?え?でも後ろにも……」
「真里、早く逃げろ」
ケースからベルトを取り出すと、腰に巻き付け、カイザフォンにコードを入力した。
『913 ENTER』
『Standingby』
「俺は今度こそ、ここにいる皆を、俺の大切な仲間を守って見せる!変身!!」
『Complete』
カイザブレイガンにミッションメモリーを差し込み、ソードモードにして、ドラゴンめがけて走り出した。
「ティヤ!ハァ!!」
「君、中々の攻撃だね~。でも、僕の方が強い」
「ッ!?ぐわ!!」
カイザブレイガンで切りつけていたが、その攻撃を止められ、自分が攻撃を受けてしまった。ドラゴンの攻撃は重たく、ただの一撃で戦う気力を持っていかれる様な感じだった。
「ヤダなぁ~。自分から挑んだんだから、こんなに早く壊れないでよ」
「壊れるか!言ったろ、守るって。俺はもう、二度と仲間を殺させない!」
「ん?何言ってるかさっぱりなんだけど」
「あぁ。これは俺1人の問題だからな。分からなくて当然だ!」
『Readey』
『ENTER』
『Exceed Charge』
カイザブレイガンからメモリーを抜き取って、カイザポインターに差し込み、すぐにポインターを放った。この攻撃は当たった。確かなダメージを与えた。だが、
「ウワァ!?」
ドラゴンの全身を覆っていた殻が破壊され、中から別の姿を現した。動きはファイズアクセル以上に早く、目で追うことは不可能。超高速の攻撃は雷を呼び、それは容赦なく草加を襲った。
「意外と持つね~。初めてだ。君みたいな人間は。でも、これで終りだ」
ドスの効いた声でそう言うと、草加に近付き、渾身の力で殴り飛ばした。
「ウワァァァ!!」
これによって、胸の装甲が破壊され、一部無くなった。だが草加は立ち上り、誰もが予想しなかった行動に出た。自分の胸の装甲を自分で破壊し始めたのだ。
「何をしてるんだ?」
「お前と同じだ。邪魔な物を外してる。それだけだ!」
胸の装甲を完全に取り払うと、カイザの複眼の色が紫から黄色に変り、体を駆け巡るフォトンブラッドは黄色からシルバーへと変更された。
「ここからが、本当の勝負だ!ハァ!!」
「グッ!何だ!この力!!」
ドラゴンも草加も目で追うことの出来ないスピードで動いている。草加は自分の胸の装甲を破壊することで、普段は抑えられてるフォトンブラッドのエネルギーを最大限放出しているのだ。攻撃力もスピードも通常の比ではない。しかし、装甲を破壊しているため、防御力は著しく下がっている。防御を捨てた戦い方をしている草加には厳しい戦いとなるだろう。
「ゼリャア!!」
「グッ!ハァ!!」
「ウワァ!!オラァア!!」
殴り殴られの繰り返し。かなりのダメージをお互いに受けている。防御はお互いに薄い。そろそろ勝負が決まるだろう。
「これで終りだ!」
「ナッ!?」
ファイズのアクセルクリムゾンスマッシュと同様に、草加はドラゴンに大量のポインターを四方八方から放ち、ガチガチに拘束した。
「ハァァァァ!!!」
「う、ウワァァ!!!」
Χのマークが浮き出て、ドラゴンは砂となった。それと同時に、大きな負担があった為か変身は解除され、自分の体は半透明になっていた。
「時間切れか……」
後ろの方で怯えている流星塾の皆が居る。怪我をしている者も居るが、全員無事の様だ。
「守れたから良しとするか」
その一言を残し、草加はその場所から消えた。そして次に目が覚めたのは、自分が寝ていた部屋だった。まぁ変な夢ではあったが、寝起きの気分は悪くない。
実は一夏を食堂の店長ではなく、敬太郎のクリーニング屋で働かせようとも考えていました笑。結果は食堂でしたけどね。そして今回はブレイクフォーム初登場。変身の方法は自分が名前とピクシブ辞典であった説明から、こんなんじゃね?という感じで考えました。
次回は木場と一夏のストーリー。その次は束とクロエのストーリーを書こうと思います。後、完結しなかった事についての謝罪会見をしようかと……
次回もお楽しみに!感想と評価、『教えて!憲八先生!!』の活動報告、『インフィニット・ネクサス』もよろしくお願いします!!