ISと無気力な救世主   作:憲彦

75 / 131
これは「墓参りからの……」の夜の物語です。一夏、木場、草加が夢の中で何をするのか?

提供 orotidaさん


夢の中で

墓参りの後、草加と木場が学生時代によく来ていた思い出の場所。敬太郎が経営しており、巧と真里の居候していた場所だ。まぁ、敬太郎が学生の間は長期休業と日曜日、祝日限定の経営だったけどな。経営者は敬太郎の両親。敬太郎はそのバイト的な立場だ。実質的に働いていたのは彼だがな。

 

まぁそんな事はどうでも良い。クリーニング屋ではあるが、ほとんど仲良しグループの集まる溜まり場の様な場所だからな。長らく留守にしていたため、その掃除に来たのだ。後ろに幽霊を引き連れて。掃除もあらかた終り、過去を懐かしんでいたとき、突然店のドアが開き、たくさんの客が来た。それは、今の草加と木場の家族と仲間達。少しここに居た後、すぐに帰るつもりだったのだが、一夏が料理を始めたことにより宴会になり、今日はここで泊まることになった。

 

「この部屋久し振りだな~」

 

そりゃあそうだ。草加は高校を卒業した後に、ここを離れ県外に短大に進学。その後スマートブレインに就職した。ただでさえ帰る暇は無かった。そして白騎士事件によってこの町は少しの間閉鎖されていたのだ。そう思うのは当たり前だろう。因みに、一夏は巧の使っていた部屋に、木場はここに泊まるときに使っていた部屋、女子達と子供はそこそこの広さがある部屋に泊まっている。バジンは外だ。寝るときはバイクの方がしっくりする様だ。

 

「少しベッドが狭いな……」

 

成長したからな。高校を出た後でも体は成長する。昔使っていたベッドでも狭く感じるのは当たり前だろう。まぁ、眠れないことは無い。それにここは慣れ親しんだ場所。すぐに眠ることが出来る。

 

「ん……ん?どこだここ?」

 

寝たはずだが、いつの間にか、草加はカイザギアの入ったケースを持って、出掛けるときの服装をした状態で外に居た。場所は見覚えがある。幼い頃に通っていた塾の校庭。時間は……かなり遅いと言うこと以外分からない。

 

「お~い!こっちこっち!!ナイスパス!」

 

一夏と余り変わらない年齢の大人達がサッカーをやっていた。

 

「これは……流星塾の同窓会……」

 

白騎士事件の前に行われた流星塾の同窓会の光景だ。花火をした後に、よく遊んだ校庭でサッカー。草加の記憶にある通りだ。だが、1つ違うことが。

 

「草加!シュートだ!」

 

「あぁ!そぉら!!」

 

「ッ!?俺!?」

 

草加がもう1人居たのだ。だがこれでハッキリとした。今自分がいる場所が何処なのかが。

 

「夢の中か……ここは。道理で皆が生きてて、少し若いわけだ。懐かしい場所に泊まったが、まさかこんなに懐かしい事まで夢に見るとはな」

 

これが夢であると自覚したようだ。だがその直後に、おかしな事に気付いた。流星塾のメンバーの1人が、ボールを林の方まで飛ばしてしまったのだ。こんなこと、草加の知る同窓会では無かった。ボールを取りに行くと、帰ってきた人が青い炎に包まれて灰となった。

 

「ナッ!?」

 

「え……?」

 

見ていた草加は目の前の光景に驚き、流星塾の皆は彼が死んだことに気付くと、悲鳴を上げた。そして、後ろから灰色の化け物が現れ、流星塾の皆を遅い始めた。

 

「やめろ!!動かない……!?」

 

走り出して、すぐに化け物の動きを止めようとしたのだが、動くことが出来なかった。脚がすくんだとか言う事では無かった。脚に重りが付いているかの様に脚が動かないのだ。

 

「なんで……!動け!動けよ!!このままじゃあ!」

 

必死で動こうとするのだが、動けないでいる。するとそこに、

 

「おい!何やってんだ!?やめろ!!」

 

「乾!?」

 

草加のよく知る乾巧が現れた。すると、巧も狼の姿をした灰色の化け物に姿を変え、皆を襲っている化け物を殴り飛ばした。襲っていたヤツは吹っ飛ばされ、青い炎に包まれながら灰となって死んだ。

 

「キャアアアア!!イヤア!!」

 

「真里?」

 

「待ってくれ!俺は!……ッ!?」

 

「ん?ッ!?」

 

会話が突然止り、それを草加が怪しんだが、すぐに気付いた。巧と真里の後ろにいるとんでもなく強い気配。それが原因であると。

 

「早く逃げろ!!」

 

もう1体の別の灰色の化け物。ドラゴンを模した様な姿だ。とんでもない威圧感を放っている。巧はそれに挑むが、余りにも違う力の差に一撃で負けてしまった。その後に真里を殺そうと爪の付いている腕を上げた。

 

「やめろぉぉぉぉ!!!オリャア!!」

 

「グッ!」

 

「あ、動けた」

 

「え?草加くん!?え?でも後ろにも……」

 

「真里、早く逃げろ」

 

ケースからベルトを取り出すと、腰に巻き付け、カイザフォンにコードを入力した。

 

『913 ENTER』

 

『Standingby』

 

「俺は今度こそ、ここにいる皆を、俺の大切な仲間を守って見せる!変身!!」

 

『Complete』

 

カイザブレイガンにミッションメモリーを差し込み、ソードモードにして、ドラゴンめがけて走り出した。

 

「ティヤ!ハァ!!」

 

「君、中々の攻撃だね~。でも、僕の方が強い」

 

「ッ!?ぐわ!!」

 

カイザブレイガンで切りつけていたが、その攻撃を止められ、自分が攻撃を受けてしまった。ドラゴンの攻撃は重たく、ただの一撃で戦う気力を持っていかれる様な感じだった。

 

「ヤダなぁ~。自分から挑んだんだから、こんなに早く壊れないでよ」

 

「壊れるか!言ったろ、守るって。俺はもう、二度と仲間を殺させない!」

 

「ん?何言ってるかさっぱりなんだけど」

 

「あぁ。これは俺1人の問題だからな。分からなくて当然だ!」

 

『Readey』

 

『ENTER』

 

『Exceed Charge』

 

カイザブレイガンからメモリーを抜き取って、カイザポインターに差し込み、すぐにポインターを放った。この攻撃は当たった。確かなダメージを与えた。だが、

 

「ウワァ!?」

 

ドラゴンの全身を覆っていた殻が破壊され、中から別の姿を現した。動きはファイズアクセル以上に早く、目で追うことは不可能。超高速の攻撃は雷を呼び、それは容赦なく草加を襲った。

 

「意外と持つね~。初めてだ。君みたいな人間は。でも、これで終りだ」

 

ドスの効いた声でそう言うと、草加に近付き、渾身の力で殴り飛ばした。

 

「ウワァァァ!!」

 

これによって、胸の装甲が破壊され、一部無くなった。だが草加は立ち上り、誰もが予想しなかった行動に出た。自分の胸の装甲を自分で破壊し始めたのだ。

 

「何をしてるんだ?」

 

「お前と同じだ。邪魔な物を外してる。それだけだ!」

 

胸の装甲を完全に取り払うと、カイザの複眼の色が紫から黄色に変り、体を駆け巡るフォトンブラッドは黄色からシルバーへと変更された。

 

「ここからが、本当の勝負だ!ハァ!!」

 

「グッ!何だ!この力!!」

 

ドラゴンも草加も目で追うことの出来ないスピードで動いている。草加は自分の胸の装甲を破壊することで、普段は抑えられてるフォトンブラッドのエネルギーを最大限放出しているのだ。攻撃力もスピードも通常の比ではない。しかし、装甲を破壊しているため、防御力は著しく下がっている。防御を捨てた戦い方をしている草加には厳しい戦いとなるだろう。

 

「ゼリャア!!」

 

「グッ!ハァ!!」

 

「ウワァ!!オラァア!!」

 

殴り殴られの繰り返し。かなりのダメージをお互いに受けている。防御はお互いに薄い。そろそろ勝負が決まるだろう。

 

「これで終りだ!」

 

「ナッ!?」

 

ファイズのアクセルクリムゾンスマッシュと同様に、草加はドラゴンに大量のポインターを四方八方から放ち、ガチガチに拘束した。

 

「ハァァァァ!!!」

 

「う、ウワァァ!!!」

 

Χのマークが浮き出て、ドラゴンは砂となった。それと同時に、大きな負担があった為か変身は解除され、自分の体は半透明になっていた。

 

「時間切れか……」

 

後ろの方で怯えている流星塾の皆が居る。怪我をしている者も居るが、全員無事の様だ。

 

「守れたから良しとするか」

 

その一言を残し、草加はその場所から消えた。そして次に目が覚めたのは、自分が寝ていた部屋だった。まぁ変な夢ではあったが、寝起きの気分は悪くない。




実は一夏を食堂の店長ではなく、敬太郎のクリーニング屋で働かせようとも考えていました笑。結果は食堂でしたけどね。そして今回はブレイクフォーム初登場。変身の方法は自分が名前とピクシブ辞典であった説明から、こんなんじゃね?という感じで考えました。

次回は木場と一夏のストーリー。その次は束とクロエのストーリーを書こうと思います。後、完結しなかった事についての謝罪会見をしようかと……

次回もお楽しみに!感想と評価、『教えて!憲八先生!!』の活動報告、『インフィニット・ネクサス』もよろしくお願いします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。