魔法少女リリカルなのはstrikers~自称一般局員の少年~   作:ウェルト

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……ちょっと文章が雑な部分が見られます


第五話 『偽りの言葉』

 なのはと和解をした次の日。

 今日はまだシュレンはなのはと会話をしていない。というのも、なのはは怪我の治療をしているので、会話が出来るのは午後だからだ。

 その代わりと言う訳ではないが、今は別の人物が病室に来ていた。

 病室のベッドで横になっているシュレンは椅子に座っているヴィータと会話をしていた。そこにはなのはとシュレンの会話の時のように気まずい雰囲気はない。

 仲良く会話をしているように見える。

 

 

「やはり、やり過ぎただろうか? 正直、罪悪感のようなものがある」

 

「確かに、結構キツイ殺気だったな。

 アタシはお前となのはの会話を全部聞いてた訳じゃないから分からないけどよ、そこまでお前を怒らせようなことをなのはが言ったのか?

 

 

 二人が話しているのは、シュレンとなのはが口論をした時のことだ。

 この時は既にシュレンとなのはは和解していた。だから、ヴィータにこのことを話しても問題は特にない。

 一応、なのはと和解をしていないかった時も会話はしていたが、このことは話には出てこなかった。

 

 

「いや、なのははそんなことは言っていない。ただ、僕が少し子供のようだっただけで……」

 

「いや、お前はまだ子供だろ?」

 

 

 シュレンの容姿はまだ子供と言うに十分なもので、言葉を聞いたヴィータは思わずそう言った。

 その言葉を聞いて、シュレンはヴィータのことを観察するようにじっくりと見る。

 少しして頭から足まで隅々まで見たシュレンが口を開いた。

 

 

「……確かにそうかもしれないが、ヴィータも子供だろ?」

 

 

 そして出てきた言葉はそんな言葉だった。

 シュレンがヴィータのことをよく観察したのは容姿を確認する為だったようだ。

 

 

「アタシは大人だ!」

 

「だけど、外見は僕やなのはと同じ……いや、それよりも小さいと思うが?」

 

「それ以上は言うな。アタシも色々悩んでるんだ!」

 

 

 最近は主であるはやてやなのはの成長ぶりを見て焦っているところまである。

 出会った時はまだ同じぐらいだったが、最近ではもう身長も差をつけられ始めている。そのことに成長するなと小さく願っているのはヴィータだけの秘密である。

 まぁ、とにもかくにも、シュレンとヴィータはこのような会話をして馴染んでいた。

 シュレンが病院に世話になっている間で、最もシュレンと会話をしているのはヴィータなのでこのぐらいは普通なのかもしれないが……。

 そんな和やかの雰囲気が流れていた中、突如ヴィータの表情が変わった。

 今なら、前から気になっていたことを聞けるとそう考えたからだ。

 

 

「突然聞くけどよ、シュレンの魔導師ランクは何だ?」

 

 

 突然のヴィータの質問に疑問を持つが、シュレンは素直に答えた。

 

 

「僕の魔導師ランクはBだ。しかし、それは前から知ってると思っていたが?」

 

「いや、なのはを庇ってくれた時のお前の動きは明らかにBランクを超えてるものだったからよ、ちょっと気になってな」

 

「……あの時は自分でも驚くぐらいに上手く動けたと思う。刃が僕を貫いたままだったがな」

 

 

 当時のことを思い出すように言うシュレンをヴィータは注意深く観察していた。

 あの時、あの場所でのシュレンの行動を全てヴィータは見ていた。

 小さな身体を大きな刃で貫かれても持続する集中力と言い、身体を回転させて黒い刀を出した時と言い、なのはを投げた時の判断力、その後の動きも全て。

 思い出してみてもシュレンの動きはBランクというものと一致しないように思えた。

 

 

「……そうか」

 

「今は、こんな怪我だからリンカーコアが減ってる。多分、Bランクよりも下回ってるとは思う」

 

 

 シュレンの言う通り、今のシュレンのリンカーコアはなのはを庇った時から大分なくなってしまっている。

 だから、Bランクだと確認することはできない。

 別に、ヴィータはシュレンのことを疑っているという訳ではない。ただの興味……というのは語弊があるが、シュレンの言葉から気になることがあるのだ。

 一方、シュレンはヴィータの視線が気になった。

 確かに、あの時の動きはBランクとは思えないものだったのかもしれない。いや、間違いなくそう見えたのだろう。少なくてもヴィータからしてみればだ。

 しかし、あの時動かなければ高町なのはという生命がアンノウンによって消されていたのも事実だ。

 救えるのならば無茶をしても構わなかった。

 

 

「とはいえ、リンカーコアは回復すると言われたから問題はない」

 

 

 これは医者から言われたことで、リンカーコアを失ってしまった訳ではないことに安堵した。

 しばらく、安静にしていればリンカーコアは元に戻るとのこと。

 そのことをヴィータに説明して「それは良かったな」と言われた。こうして、自分の身を案じてくれることは素直に嬉しく思う。

 しかし、シュレンにとって、次のヴィータの言葉は予想外のものだった。

 

 

「お前、アタシに嘘吐いてねーか?」

 

 

 ヴィータのその言葉はシュレンにとっては予想外のもので、表情が極僅かではあるが変化した。

 とはいっても、表情が変化したのは一瞬だけだ。

 しかし、シュレンのことを注意深く見ていたヴィータがその表情の変化を見逃すことはなかった。

 

 

「やっぱり嘘吐いてたんだな」

 

「……何のことだ?」

 

「そうやって惚けようとすればする程怪しく見えるぞ」

 

 

 その言葉でシュレンは言い訳を考えるのを止めた。

 きっとどれだけ上手い言い訳を言ったとしても、それを信じてくれる可能性が低いと考えたからだ。

 とはいえ、シュレンが諦めたのはヴィータに嘘を言い続けることで、ヴィータに真実を言う気はない。

 仮に言ってしまえば、高町なのはやヴィータが自己嫌悪に陥る可能性があった。

 

 

「……確かに嘘は吐いているが、本当のことを言う訳にはいかないな」

 

 

 真実を伝えたくない。知らせたくない。

 そう考えているからこそ、シュレンから真実を伝えることはない。

 その決意のようなものを感じ取ったのか、ヴィータはシュレンから本当のことを聞くのを止めた。

 

 

「そうか。

 ……なら無理には聞かねーけどよ、もし困ったことが起きたらアタシやなのはを頼れよ」

 

「……機会があったらな」

 

 

 最後にそんなやり取りをしてヴィータはこの件からは引いた。そのことにシュレンは感謝した。その後もシュレンの面会時間が終わるまで会話をして、ヴィータは病室を後にしたのだった。

 

 

 ◇

 

 

 ヴィータはシュレンとの会話を終えてから外の空気を吸っていた。

 シュレンとなのはの面会時間は入れ替わりのようなものなので、なのはと会話ができる。しかし、なのはとは会話をしには行かず、シュレンの言葉が気になっていた。

 シュレンが嘘を吐いているということについてだ。

 先程は無理には聞かないと言いはしたが、あの時のあの表情はどこか寂しさを感じさせるものだった。

 だからこそ、聞いておきたいのだ。シュレンは一体何を隠しているのだろうか。

 

 

「つっても、シュレンが隠してることを知る術はねぇから、どうすることもできねーけどな」

 

 

 周囲には誰もいない病院の外で独り言を呟く。

 それは何となく口に出した言葉で返事が返ってくる筈がない。だからこそ、柄にもない独り言なんて呟いた。

 それなのに、突如返事とも取れる声が聞こえた。

 

 

「なら、妾の会話相手になってくれないかの?」

 

 

 反射的に声のした方向を見てみると、女性が木の上に立っていた。

 木の高さは10メートルと言ったところでかなり高い位置にいる。それにも関わらず女性は木から飛び降り、衝撃を和らげる為に膝を曲げることもせず、高い位置から飛び降りたとは思えない程に何事もなかったかのように立った。

 普通ではありえない光景ではあるが、強化魔法などを使えば可能なことだ。しかし、今の女性からは魔法を使っているようには見えなかった。

 日本人では考えられないような金色の瞳をしていて、銀色のストレートの髪だ。そして、そんな女性の視線はヴィータを完全に捉えていた。

 

 

「初めまして、とでも言っておこうかの」

 

「……!?」

 

 

 何処までも余裕な表情で、何処までも呑気そうに言いながら歩いている。

 そして、気がついた時には――女性がヴィータの目の前にいた。

 

 

「グラーフアイゼン!」

 

 

 目の前の女性とは違い、ヴィータは内心で焦っていた。

 存在に気づくことができず、気づいた時には目の前に現れたからだ。しかも、女性からは今まで感じたことがないような何とも言えない雰囲気があった。

 だからこそ、反射的にヴィータは女性から距離を取り、デバイスであるグラーフアイゼンをセットアップさせた。

 一方、その様子を見ている女性は溜め息を吐く。

 

 

「……|妾(わらわ)が何もしていないのに攻撃してくるか? |妾(わらわ)は無意味な戦いはあまりしたくないのじゃが」

 

「うっせぇ! 第一、そんな雰囲気してる奴にだけは言われたくない!」

 

「本当に戦う気は無いんじゃがな……」

 

 

 ヴィータは女性を警戒し、いつでも動けるようにグラーフアイゼンを構えた。

 今までの戦いの中で実力が上の相手でも勝つこともあった。それはヴィータの勝利への意識があったからこその勝利でもあった。

 しかし、目の前の女性に対しては“勝てる”とは思えない。だからと言って、負けるとも思っていないが、そう感じさせる程にまで不気味な雰囲気があった。

 長い時間を生きているヴィータだが初めて会うタイプの人物だ。

 

 

「……やれやれ、どう見ても妾は敵として見られているようじゃな」

 

「…………」

 

「妾はただ話がしたいだけなんじゃぞ? シュレン・ガルディンについての話をな」

 

「え?」

 

 

 シュレン・ガルディン。その名前を聞いてヴィータは一瞬止まる。

 丁度、女性が現れる前に考えていたのがシュレンに関することで、シュレンに対して気になっていることがある。

 だから、警戒心が薄いと思われるかもしれないが女性の会話に応じようとした。

 もちろん、女性に対する警戒心は解かない。そして、すぐに一つの疑問が思い浮かんだ。

 それは何故、女性がシュレン・ガルディンという名前を知っているのかというものだ。現在ニュースなどで伝えられている情報はどれも高町なのはに関することのみで、シュレン・ガルディンについては名前も存在すら伝えられていないのだ。

 とはいえ、ヴィータは伝えられていない理由を想像できる。

 というのもヴィータ自身がシュレンの存在を管理局の者には伝えなかったからだ。正確に言うと、事件の記録にシュレンのことは残さなかったというのが正しい。

 別に行為的にした訳ではなかった。ただ、あの時はシュレンの傷があまりにも酷いもので記録をするということは頭にはなく、治療をさせなければとしか考えていなかった。

 治療の後に伝えることも可能だったが、その前にニュースで高町なのはが落とされたことが伝えられた。

 その為、シュレン・ガルディンという名前を知っているのはあの時、あの場所にいた人物しか知らない筈なのだ。

 

 

「どうして、その名前を知ってんだよ?」

 

 

 シュレンは入院をしていることにはなるが存在が伝えられていない為、シュレンが怪我をしてどこの病院に世話になっているか知らなければこの場所にはたどり着けない。それでいて、シュレン・ガルディンという名前を知っている。

 つまり、名前を知っているということは女性はあの場所にいて、女性とシュレンが知り合いでなければならないということだ。

 前者と後者のどちらかの場合でも、あの時シュレンがアンノウンに貫かれた時にはじっと見ていただけということになる。

 色々考えてみても疑問だけが残った。

 

 

「それは妾がシュレンの知り合いだからじゃ」

 

「ならあの時、アイツがやられてた時に駆け付けようともしなかったのか? 知り合いなんだろ」

 

「シュレンは確かに妾の大切な人じゃぞ。だから、その現場を目撃していたら妾がアンノウンを破壊しておるよ。じゃが、妾はその時には現場にはいなかったのじゃ。故に、駆け付けることができなかったというわけじゃな」

 

「ならどうして、アイツが怪我をしたことを知ってんだ? 今、流れてる情報だとアイツの名前すら出ていないんだぞ」 

 

 

 女性の言葉が全て真実だと仮定すると、女性は現場には居なかった上にニュースなどではシュレンの怪我を知ることもなかったということになる。

 もし、本当に女性が言ったことの全て真実だとすると変な話だ。

 一体どこから女性はシュレンが怪我をしたという情報を得たのだろうか。しかも、怪我をしたことだけではなくこの病院にたどり着けたか。

 

 

「お主からしてみれば妾は相当怪しい奴なんじゃろうな。じゃが、情報のソースは教えられん」

 

「そうかよ」

 

 

 警戒心を残したまま会話に応じているが、話をするだけの価値はあるだろうと考えた。

 とはいえ、先程も言ったように信用はまったくできない。が、少なくても女性はヴィータよりシュレンのことを知っているというところから、構えを解いて会話に応じることにした。

 

 

「では、単刀直入に言うぞ」

 

 

 女性はそう言うと、一旦瞳を閉じて深呼吸をしてから瞳を開ける。その金色の瞳は先程よりも鋭く、重く感じられるようなものだった。

 そして、その視線のまま女性は口を開いた。

 

 

「高町なのはのせいで、シュレンが力を失った」

 

 

 それは余りにも淡々とした口調だった為、一瞬だけヴィータはセレンが何と言ったか理解できなかった。

 しかし、時間の経過と共に、次第に理解していく。

 

 

「……それってどういう意味だよ!?」

 

「そのままの意味じゃ。シュレンの力が失った……いや、扱えなくなったというのが正しいかもしれんがの」

 

 

 ヴィータの同様を見ても、どこまでも女性は冷静に言う。

 そもそも女性はヴィータがそのように言ってくることは予想できていた。だから、どれだけ大きな声で言われようとも、どれだけ怒鳴りつけられようとも、返す言葉は決まっていた。

 

 

「そんなもん実際に調べてみないと分からねぇだろ!」

 

「いいや、妾には分かるぞ。妾達は共に行動をしてきたから、あやつの身体の変わり具合が分からん訳が無い。それに、嘘だと思うのであれば実際に確認すればよかろう」

 

 

 ヴィータはその言葉でシュレンと女性が知り合いであると確信し、それと同時に何とも言えない感情が出てきた。

 今回のなのはの件は事前に防げていたことだった。

 なのはが無茶を知っているのにも関わらずヴィータは止めることができなかった。それなのに、結果としてなのはは怪我をしてシュレンは力を失った?

 ……あまりにも無様過ぎる。自分がもっとなのはを見てやればこんなことにはならなかった。

 そんな考えを嫌でも頭に浮かんできた。

 

 

「まぁ、お主には確認することはできないじゃろうが。

 それと1つ言っておくが、別に妾はこのことでお主達を憎んだりはせぬ。寧ろ、お主達には感謝してくるくらいじゃ」

 

「……?」

 

 

 言葉の意味を理解できなかった。

 普通は知り合いを怪我をさせた場合は感謝されるよりも憎まれたりするものだと考えているからだ。

 実際に闇の書の被害を受けた者からは恨まれ、憎まれている。

 しかし、女性は感謝していると言った。嘘を吐いているようには見えない。

 それならシュレンと女性の仲が悪かったのかと思うヴィータだが、すぐにそれも違うと切り捨てる。

 

 

「仲が良いのに、どうして怪我させた奴に感謝すんだよ?」

 

 

 何故なら、先程女性が言っていた。

「妾達は共に行動をしてきた」と。共に行動をするのなら、ある程度は仲が良い筈だ。仲が悪い者同士で行動を共にしてもメリットがないからだ。

 中には例外というものがあるだろうが、この二人には当てはまらないことだろう。

 それなら出てくる結果は女性とシュレンの仲が良いということだ。

 

 

「前からシュレンは無茶をする奴だったのじゃ。どんな状況に立たされても自分を犠牲にして他を救っていた。それを見ている妾は心配で仕方なかった。できればシュレンに傷ついては欲しくない。それなら、シュレンの力が消えれば良いと妾は考え始めた。

 そして、今回の件じゃ。これでシュレンが無茶をすることがなくなると思ったから妾は感謝したのじゃよ。じゃが、別に感謝だけではないぞ。傷つけられて怒ってもおる」

 

「だからって、感謝するものなのか?」

 

「普通なら感謝はしないじゃろう。じゃが、妾は少し狂っているからの。そう感じているのじゃ」

 

 

 女性が苦笑いをしながら言う。

 その言葉を聞いていたヴィータは女性に対する恐怖心が増した。とはいえ、何に対して恐怖したのか分からない。

 しかし確実にヴィータは女性に対して恐怖心を持っていた。

 

 

「……妾はこの辺で消えるとするかの」

 

「その前に1つ聞いて良いか?」

 

 

 女性が背を向け立ち去ろうとした時、ヴィータが質問をする。

 先程からずっと気になっていたことだ。別に、女性の正体がきになっているとかそういうことではない。

 ただ、どうして会ったばかりの自分にシュレンのことを話したのか。どうせなら自分よりもなのはに言った方が良い筈だと思ったのだ。

 

 

「どうしてアタシにシュレンの事を言った? アタシよりもなのはに言った方が良いだろ」

 

「妾から見て高町なのはは自己嫌悪が強い者と見た。そんな者にこんな事を言うと自分を責める。そんな姿は見たく無かろう?」

 

 

 そう言われて、あの純粋ななのはが暗くなっていく姿を想像してみる。

 女性はヴィータがどんな想像をしたのかは分からないが、その表情からは余程嫌なものを想像したというのが分かった。

 その姿を見て思わず笑みが溢れた。

 

 

「だから、愚痴も込めて偶然通りかかったお主に言ったということじゃな」

 

「そうか。引きとめて悪かったな」

 

 

 再びセレンは立ち去る為に歩き出す。

 何処に行くのかは分からないが、この場所から離れるのだろう。

 そう思っていたらセレンが足を止め、こちらを向いてきた。

 

 

「そう言えば妾は自己紹介をしていなかったの。妾の名はセレンじゃ。会う事はあまり無いと思うのじゃが、よろしく頼むぞ。鉄槌の騎士ヴィータ」

 

「どうして名前を知ってる?」

 

「その質問には答えられん。じゃが、お主は有名人じゃろう? そう考えれば普通ではないか?」

 

 

 確かに最もらしい理由である。

 自惚れている訳ではないが悪い意味でも良い意味でもヴィータは有名人と言える。だから、女性の言葉が事実にしろ言い訳にしろ筋が通っていて納得というものができるだろう。

 とはいえ、間違いなく今の言葉は言い訳であるということは理解できる。元々、このことを聞かれるのを想定していたかのような言葉のように感じられた。

 

 

「それと、すまぬな」

 

 

 最後にそう言ってから、セレンは姿を消した。

 何故、最後に謝っていたのかは分からない。もしかすると、先程言ってた感謝というのに関係があるのかもしれないが、少なくてもヴィータにはその理由を決めつけることはできなかった。

 しかし、今はそんなことはどうでも良い。

 確かめなければならないことができたのだ。

 セレンの言葉通りにシュレン・ガルディンの力が消えてしまったのかどうか。

 だからこそ、ヴィータは急いでシュレンがいる病室へと急いだ。面会時間はまだ始まっていないが、それでもヴィータはシュレンの病室に入った。

 しかし――

 

 

「……どういう、ことだよ?」

 

 

 病室に、シュレン・ガルディンの姿は消えていた。

 

 

 

 

 

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