機動戦士ガンダム K.D.A.   作:apride

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今回は話の流れから…ソフィア・メルクロワ中尉は全く登場しません。



アクシズ攻防戦【後編】

一年戦争終盤…

ジオン軍モビルスーツパイロットから『白い悪魔』と恐れられた連邦軍モビルスーツのガンダム。機体性能が高いこともあるが、恐ろしいのはパイロットのアムロ・レイだ。覚醒したニュータイプ能力は鋭い感覚を持ち、ミノフスキー粒子散布下の有視界戦闘に於いて常人を圧倒した。

有視界戦闘とは読んで字の如く、通常は敵機影を確認してから攻撃を行うのだ。しかし、奴は……

此方の機体が見える直前に攻撃を行う。既に感じているとしか思えない。

 

そして此方の攻撃は弾道を予測していたかの様に回避するのだ。腕に自信のあるパイロットなら、敵の機動を先読みした上で射撃している。それを躱すのだ…先程からのジムの動きにみられるのはこちらだ。

 

しかし、それは急激な機動を行うことになる。本人が意図して行うならまだしも、AIによる回避プログラムが強制的に機体を制御するというのは……

 

 

「アンディ‥ あれはアムロ・レイの回避パターンのコピーだ! 我々がまだ撃墜(おと)されていないのがその証拠だ!(奴の気配も無い)」

 

「コピー!? そうか! ‥いや‥でも(当たらないし‥)」

 

「私が援護する! 懐に飛び込め! なに‥当たらなければどうということはない!」

 

「了解! ヤってやる! 殺ってやるぞー! (ひぃぃ!)」

 

コピーと言われても相手が【白い悪魔】と思えば足が竦むものだ。―「当たらなければ」―ではなく―「当たったら」―と考えてしまうのが普通だ。萎縮してしまいそうな自分を大声をあげて鼓舞し、半ば自棄糞に突撃するアンディだった!

 

 

 

 

 

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その頃、単機で敵艦隊を目掛け突撃するハマーンは…

 

 

「旗艦さえ撃墜(おと)せば…戦況を一気に覆せる(‥と思う)あっ! 大型移動体の反応‥見つけた!! くそっ!邪魔するなぁっ! 」

 

小惑星帯の向こうに艦隊を発見するも、艦隊護衛のモビルスーツ部隊が向かってくる。すかさずビットを散開させオールレンジ攻撃でジムを撃破! しかし‥岩塊を避けながらの攻撃は精彩を欠き、撃ち落とされるものや岩塊に接触するなどしてビットの大半を失うことになった。

 

「ビットは…残り3基か。‥いけぇービット! 撃沈(しず)めてこい! 」

 

ハマーンの意思を乗せ一直線に飛翔する3基のビット!

 

その時!!

 

ハマーンは左前方の巨大な岩塊の陰に移動する物体を発見した!

 

「ムサイ? どうして!? 」

 

突如現れたムサイ級軽巡洋艦は連邦艦隊目掛けて突進する。そう、彼等はアンギラ隊…エンツォ大佐ら戦争継続派の謀略部隊だ。図らずも敵艦隊とシュネー・ヴァイスの間に割って入るのだが、ハマーンには気づいていないようだ。

 

―――――――――――――――――――――――

〔アンギラ隊〕

『全砲門開け!! 目標連邦艦隊!! 』

 

砲撃戦ではなく特攻なのだろう。ムサイは全速で敵艦隊へ突入して行った。

 

〔連邦艦隊旗艦〕

『右前方よりムサイ! 突っ込んできます! 』

『まさか特攻か!? 全艦主砲発射!! 返り討ちにしてやるわジオンめ! 』

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

――『 ゴアァァァ ドォォォン 』――

 

 

連邦艦隊へ単艦突入したムサイは苛烈な砲撃を受け爆沈した。不運にもハマーンが放ったビットは爆発に捲き込まれ破壊されてしまった。コクピットでは無機質な電子音と共にモニター上の稼動中ビットを示す8つの表示枠全てが赤く『LOST』表示に切り替わった。

 

 

「ビットが…全滅!!」

 

 

ビットを全て喪失したと知りハマーンは戦慄する。

 

 

シュネー・ヴァイスには固定武装は皆無だった。ビットを失い丸腰となって連邦艦隊の真ん前に躍り出る格好になったハマーンは……

 

「艦隊からの集中砲火‥躱して離脱するしかない! 」

 

日頃の訓練の賜物か‥ハマーンは手慣れた動作で背に背負ったサイコミュコントロールユニットの分離に取り掛かる。

 

「バックパック! ショルダーブロック! 分離!! 」

 

接続部に封入されていた火薬が爆発した振動と同時に各ユニットが分離・離脱する! 正常に作動したことを確認すると即座に離脱を…

 

 

―― 『 ビィ――――― 』 ――

 

 

「システム…エラー? って!? 」

 

 

耳障りな警報音と共にオンボードモニターには大きく赤色で【SYSTEM ERROR】の文字が光り、コクピット内は赤い光が点滅…明らかに異常事態を告げていた。

 

「操縦が!? 反応しない…… 」

 

 

全ての操縦系統が応答していなかった。その姿は宙に仁王立ちする白いドム……微動だにせず

 

突然に動きを止めた敵を暫く窺っていた連邦軍は、何らかのトラブルが起きたことを察知し…警戒しつつ周りを囲みだした。

 

 

「大佐… シャア大佐助けてぇ! 」

 

 

ハマーンの声は岩塊とミノフスキー粒子に阻まれ、シャアはおろか…… 誰にも届かない

 

 

 

 

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─────────────

 

それより少し前…

 

「あの閃光は!? 彼処かハマーン! 」

 

シャアは小惑星帯の奥に閃光を見つけ救出に急ぐ!

そうする間に向かう先では爆発が起きた。

 

「む、爆発か! まさか‥いや、シュネー・ヴァイスのシグナルがある! やはり敵艦隊の前か! ハマーン聞こえるか!? 」

 

「………」

 

ハマーンからの応答は無い。届いているかも怪しい、大型モビルアーマーのゼロ・ジ・アール程に大出力器機搭載がかなわないモビルスーツでは送受信範囲が狭いのだ。

歯噛みしながらシャアは急いだ。

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

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〔連邦艦隊旗艦〕

 

「あの白いドム‥分離した途端に沈黙か? トラブルか知らんが引導を渡してやる! 主砲発射用意! 」

 

「主砲発射用意! 主砲発射まで120秒! 」

 

「包囲中のジムを主砲軸線から下がらせよ! 」

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

「私‥もう‥おしまい… 」

 

 

操縦系統だけがダウンしたため、モノアイは上下左右の光景を鮮明にモニターへと映していた。その事がより一層とハマーンを絶望の淵へと突き落としていた。

 

正面に連邦艦隊が、周囲にはジムが接近してきていた。

 

 

―― 『 ブゥォォォ 』 ――

 

 

何処からか跳んできたビームにジムが貫かれた!

不意を突かれた他のジムも射撃座標を確認する時には既に目の前にビームが迫り、次々と撃墜されて行く。全滅するまで1分とかからなかった…

 

 

 

「シャア大佐!! 」

 

 

喜び涙するハマーンの目に映ったのは…

 

白いゲルググだった!

 

「大佐じゃなくてごめんねぇー! 」

 

「間一髪間に合いましたね! 」

 

続いて青いゲルググが並んだ。

大型狙撃ビームマシンガンを装備したレナとファビアンのゲルググJ(イェーガー)

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

〔連邦艦隊旗艦〕

 

「ジム‥全機撃墜されました! 」

 

「なんだと!! ‥白いゲルググ?…と青!? まさか… 」

 

「さらに後方より1機急速接近! 大型モビルアーマーと思われます! 」

 

「ええいっ! 撃ち落とせ! 主砲発射! 」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

「レナ!ファビアン! よくやってくれた! あとは私に任せろ! 」

 

シャアの駆るゼロ・ジ・アールは三機を通り越し連邦艦隊の正面へ躍り出るとiジェネレータを最大出力で展開させた!

 

直後、連邦艦隊から放たれたビームが直撃した!

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

〔連邦艦隊旗艦〕

 

「やったか!?」

 

「いいえ‥大型モビルアーマー…健在… 依然接近中!! 」

 

 

 

 

「そんな…バカ‥な!! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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