冬空家の長男さん   作:ナナシΩ

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すいませんあれからだいぶ間を開けてしまいました・・・!!
そんなに見られないだろうな~と思ってたら割と感想を頂いていたみたいで急いで書き上げました。
多分これからまた流れ流れで作っていくと思いますので気楽にお待ちください。


♨︎2:幽霊の少女

「すっすみません!盗み聞くような真似をしてしまって・・・」

 

挨拶を終えた俺達の前にいるのは、慌てながらこちらに頭を下げている幽霊の少女。

そう、先程俺が温泉に浸かっていた時にやって来た嬢ちゃんだ。

 

「別に気にするこたねぇよ。盗み聞くつってるけど最初からわかってたことだしな」

 

「うぇっ!?あ、あれ。気配を消していた筈なんですが・・・」

 

「俺は霊の気配には敏感でな、そう簡単に俺を誤魔化すことはできねぇよ」

 

俺がそう言うと嬢ちゃんは「あぅあぅ・・・」と口から変な声を零しながら赤面する。

 

「幽奈ちゃん照れちゃって可愛い~」

 

呑子はそんな幽奈を見てからかいながら酒を飲む。

 

「って、そういやアンタはここの住人ってことでいいのか?」

 

俺の隣にいるコガラシが幽霊の嬢ちゃんにそう聞いた。

 

「あっはい!わたしはこのゆらぎ荘の地縛霊、湯ノ花 幽奈(ゆのはな ゆうな)と申します!仲居さんに新しい住人との交流会があると聞いたので来させて頂きました!!」

 

会釈をしながら自己紹介をした幽霊の嬢ちゃん。

それに並って俺とコガラシも頭を軽く下げる。

 

「さっきも風呂で会ったかけど改めて、俺は冬空ミゾレ。こっちは妹のコガラシだ」

 

「はじめまして!これからよろしくな!!」

 

「はい!こちらこそよろしくお願いします!!」

 

互いに紹介し合うと、狭霧が突然声を上げた。

 

「まっ待て!い、今ミゾレさんは風呂で会ったと言ったのか!?」

 

「「・・・・・・・・・あっ」」

 

狭霧の指摘に俺と幽奈は目を合わせる。

 

「・・・・・・っ~~~~~!!/////」

 

すると幽奈の顔は幽霊の筈なのにまるで茹でダコのように顔が真っ赤になった。

 

 

「あ~・・・いやまぁ、あれに関しては事故っつうかその」

 

久々にこの現状に困った俺は首に手を回しながらなんとか誤魔化そうとする。

 

「「ミゾレさん(兄貴)!!」」

 

「うぉっ」

 

そんな俺に突然コガラシと狭霧がぐいっと身を乗り出して近づいてきた。2人とも若干赤面しながら。

 

「どういうことか説明しろよ兄貴!風呂で会ったって・・・っ!!つまりそういうことなのか!?」

 

「ミゾレさん!いっいくら貴方でも風呂で混浴などいけません!!」

 

こいつら相手が幽霊ってわかってて言ってるのか(汗)。

 

「あらら~、なら私も今度ミゾレちゃんに背中流してもらおっかな~?」

 

「「なっ!?」」

 

それに悪ノリする鬼女1名。

 

「私もミゾレとお風呂入る・・・」

 

「「ちょっ!」」

 

更に猫少女1名(こちらは割と純粋)。

 

「ダメですよ皆さん、そういうのはちゃんとミゾレさんに許可を貰ってからでないと」

 

「「ちとせさん(ちゃん)まで!!?」」

 

そして以外にもノッてきた座敷童子。

ここの住人、ノリノリである。

 

「「う~・・・!ミゾレさん(兄貴)!!」」

 

「あっはい」

 

「「こっ今度は私(俺)も一緒に!!」」

 

「あほかてお前ら」

 

もはや頭が沸騰して思考がヤバめになってきたこいつらにチョップをかます。顔面真っ赤っかだし目グルグルしてるし。

 

「「あうっ」」

 

くらった両名はそのまま畳の上に倒れ込んだ。こいつら割と仲いいな、息ぴったりだし。

やっと落ち着いたところで幽奈の方に目を向けると・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・/////」プシュー

 

2人のように畳に倒れて盛大に湯気を出している嬢ちゃん(幽霊)がそこにいた。

 

 

 

どないせいっちゅうねんこの状況。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく、お前らが変に騒ぐからグダって終わったじゃねぇか」

 

「「ごめんなさい・・・」」

 

今日から俺達の自室となる四号室で三人分の敷布団を敷きながら愚痴る俺にコガラシと幽奈が正座しながら謝る。

 

「はぁ・・・もう気にしねぇから2人も早く寝ろ。幽奈も布団使うんだろ?」

 

「あっはい!使います!」

 

「幽霊なのに布団で寝るのか・・・?」

 

「ふふふ・・・わたしこう見えて実体のある物を触ることが出来るんです!幽霊歴も長いんで触りたい物にはちゃんと触れるよう特訓したんですよ!それに布団で寝る方が気持ちいいですし」

 

「へ~」

 

胸を張って自慢する幽奈を見て感嘆の声を上げるコガラシ。

 

「ほら、俺は右端で寝るからお前ら並んで寝ろ」

 

俺は2人にそう言って布団に入ろうとする。

 

「えー兄貴真ん中で寝てよー」

 

するとコガラシが口を尖らせてそう言った。

 

「は?なんで真ん中なんだよ」

 

「だって俺左で寝るって決めちゃったし、そしたら兄貴の隣で寝れないじゃん」

 

「お前なぁ・・・もう高校生なんだから子供みてぇなこと言ってねぇで・・・」

 

「お願い、兄貴・・・」クゥ〜ン

 

断ろうとするとコガラシは渾身の子犬顔(上目遣い&涙目)を向けてきた。

 

「・・・・・・・・・・・・ハァ、幽奈はそれでもいいか?」

 

「あっはい!わたしは全然それでも大丈夫です!!」

 

「・・・だとよ」

 

「うしっ!!」

 

嬉しそうにガッツポーズするコガラシ。

妹に弱いのは相変わらずか・・・と内心愚痴る。

 

「じゃあ電気消すぞ~」

 

「「はーい」」

 

二人同時に返事されると妹が2人になったみてぇだ。仲良くなれて結構だが少し複雑。

俺は電灯の紐を引っ張り、電気を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くか~・・・・・・」

 

「・・・幸せそうに寝やがってよ」

 

少女の癖にいびきをかいて寝ている我が妹に苦笑する。

今はもう0時を過ぎた深夜。外からは虫の鳴き声しか聞こえない。

 

「あ、あの・・・」

 

すると隣で寝ていた幽奈が小さく声をかけてきた。

 

「ん、どうした?」

 

「えと・・・お風呂の件でまだ誤ってなかったと思ったので。本当に、申し訳ありませんでした」

 

「それに関しては俺も悪かった。あのまま黙って出てりゃ気にせずに済んだのに声かけちまってよ」

 

「いっいえそんなっ。あれはわたしがどうせ見えないだろうと勝手な判断で招いてしまったことなので・・・それに、ミゾレさんの入浴の妨げになってしまったのではないかと・・・」

 

「いいっていいって、本当に気にしなくていいから。それにこれからこの部屋で一緒に暮らしてくんだぞ?なのにそんな他人行儀でやっていくのか?」

 

「あっ・・・ごめんなさい」

 

「今日あったことは忘れちまおうぜ。その方が楽だろ?」

 

「・・・ふふっ、そうですね」

 

「まぁ幽奈の入浴シーン拝んじまったから忘れれるかはわかんねぇけどな」

 

「なっ!?わっわたしだってミゾレさんのその・・・すっ素敵な裸体を拝ませて頂いたのでそう簡単に忘れられません!」

 

「ぷっ!ハハハハ・・・なんだそれ」

 

幽奈と会話をしていくうちに最初に感じていた距離感は無くなったようだ。(会話の内容は置いといて)

 

「・・・そろそろ寝るか」

 

「はい、おやすみです・・・」

 

「あぁ、おやすみ」

 

俺はそのまま目を閉じ、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

 

むにゅ

 

(・・・なんだ?)

 

全身を柔らかい何かが当たっている感触が走る。

体もやけに重く感じ、俺は目を開けた。

 

「「す~・・・す~・・・」」

 

「・・・ったく、お前ら似たもの同士かよ」

 

両側で寝ていた筈のコガラシと幽奈が二人して俺の体に抱きついていた。

俺は顔に手をやってどうしようかと考える。

 

「ミゾレさ~ん、コガラシさ~ん、幽奈さ~ん。朝ですよー」

 

そんな時に四号室の入口からちとせが入ってきた。ナイスタイミングだ。

 

「わりぃちとせ、すまねぇけどこいつら起こしてくんねぇか?」

 

「え?・・・あらあら、仲良しなんですねぇ」

 

ちとせは俺の現状を見て穏やかに笑う。

見た目は小学生だがその表情は母親を思わせる。

 

「コガラシさん、幽奈さん。朝ですよ~」

 

2人の体を揺すって起こそうとするちとせ。

 

「う~ん・・・もう朝かぁ・・・」

 

「ふぁ~・・・おはようございます仲居さん・・・」

 

目を擦りながら起きるコガラシに、あくびしながら目を覚ます幽奈。

 

「「・・・・・・え?」」

 

そして二人同時に今の状況が読めたのか、俺に目を向けた。

 

「ようお二人さん、俺を抱き枕にしてたけど良い夢見れたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後二人共恥ずかしさやらなんやらで騒ぎ出し、苦笑する俺とちとせだった。

ってかコガラシお前昔から抱きつく癖あっただろうに。忘れてたのか。

 

 

♨つづく~

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