ファイアーエムブレムIF ~虹が見守った物語~ 作:ユイリー
「まさかこうなるとは思わなかった」
ifの世界と覚醒の世界の差。
いや、異界の差。
29.12.23 登場人物の変更に伴い話を修正。今回は使用する武器を変更。
アクアに案内されたのは洞窟のなか。
その中で俺はアクアとカムイの話を聞いていた。
「…ここまで来れば、安全ね。さっきの話の続きだけれど…今この国に座する王は、透魔王ハイドラというの。
奴は平和であった時代の前透魔王を殺し…人の精神を支配する術を使って、民たちを互いに殺し合わせた。
かつて豊かだったこの土地は、瞬く間に地獄に変わり…透魔王国は…滅びてしまったわ。
でもこれは、奴の野望の始まりにすぎない」
「野望の始まり…?」
「…そう。奴の狙いは、この世界を壊すことよ。透魔も、暗夜も、白夜も等しくね。
今も奴は裏から糸を引き、暗夜王国と白夜王国を争わせているわ。
ガロン王の侵略行為を影から操っているのもハイドラの仕業よ」
「まさか…! でも、それならハイドラを倒せば戦争を止めることができるはずです。
元の世界に戻ってみんなに説明しましょう。暗夜王国と白夜王国が力を合わせれば…」
「いいえ…それは無理よ。透魔王国のことは、外の世界では誰にも伝えられないの。
誰かに伝えれば、呪いによって、全身が水の泡となって消えてしまうわ。
私のお母様…かつて透魔の王妃であった、シェンメイと同じように」
「…えっ、王妃? それじゃあ、アクアさんは…!」
「ええ。私はこの国…透魔王国の王女なの。さっき話した、ハイドラに殺された前透魔王は……私のお父様だった方よ」
「そんな…! じゃああなたは、国を追われて…」
「そうね…けれど、このことを誰かに話したことはないわ。呪いのせいで…話したくても、話せはしない。
いくら両親が恋しくても、故郷が気がかりでも、その気持ちを口にすることは叶わない。
私の心の中で殺すしかなかったの……今までずっと」
「アクアさん…」
「いい? カムイ。この道を選んだということは…あなたも、私と同じ思いをするということよ。
どれだけわかってほしくても、真実を伝えたくても、それを口にすることは叶わない…
その辛さは、生半可なものではないわ。だから…覚悟しておいて」
「…はい。それは、承知の上です」
「…っ!? 魔物の気配がするわ。かなりの数に囲まれたみたい。
悪いけど、話は後よ。まずはこいつらを片付けましょう」
「わかりました。みなさん、準備できてますか?」
「大丈夫です」
「もちろんです」
さすが執事とメイド。準備万全だな。
さて、俺の方はというと…。
「あ、ペレジアさんとカンナさんは戦えますか?」
「私の手元にはこの刀があるのでこれは使えるかと……」
カンナは刀を持っているようだ。
ただしそれしか持っていないともいう。
しかし残念ながら……
「その…戦えるかはわかりません。これしか持っていなかったので……」
俺が取り出したのは一つの剣。
これは俺が元の世界からずっと持っていた『虹剣アルカンシェル』だ。
普段は虹色に輝いており、見る位置で色が変わったりとする謎性質な武器であるが……。
いまは沈黙しているのか、ただの鉄の剣のようである。
「そう……わかったわ。私の歌で協力するからあなたたちは戦えるかどうか試して頂戴」
「わかりました」
「それでは…しばらくの間ジョーカーさんは私と、フェリシアさんはカンナさんの防陣を組みましょう」
「了解しました」
「はっ」
前方で刀を振るうのはカンナだ。
どうやら戦えるようだ。
だがその動きといい彼がもつ本質が、彼女、カムイと同等に感じる。
さて、俺も戦えるかどうかを調べないと……。
「鉄の剣……ですかね?」
「どうなんでしょうか」
フェリシアが俺のサポートとしてやってくる。
それでまずはと思って現れた敵――見えない敵、しかし確かにそこに敵意がある――と戦おうとしたのだが。
全く歯が立たない。
どういうことだろうか?
敵の動きはわかるから回避はできる。
しかし戦うことができない。
剣は持つことができて、振るうことはできても直接敵にあてることができない。
この世界に来て弱体化したのだろうか。
しかし感覚はいつも通りだしこの世界には精神と魔力で作った器で来ている。
案内人が言っていたし、俺が本来いた世界とは違う異界で旅していた時もそうだったらしいので、
変わっていないと思うが……。
まあ異界に旅してた時と違って、今の俺は記憶喪失ではないのだが。
それともあの邪竜を消し去った条件として力を失っているのだろうか。
そんな俺が思考錯誤している一方、カムイたちはというと進軍中に老騎士と再会しているのを見た。
「あちらの方は……」
「ギュンターさんです、私たちと同じでカムイ様に仕えている方なんですが…」
聞いたところ、あの無限峡谷という場所で落ちたそうで。
とりあえず敵ではないが……不穏な気がする。気のせいだといいが。
「もしかしたらペレジアは剣が使えないのかもしれないわね。記憶を失う前に誰かからもらったものかもしれないから。
あとで倉庫を見た方がいいかもしれないわね」
「そうですね! あそこでしたら武器も手に入れれます」
何かあてがあるようだ。
任せてみよう。
「ギュンターさん! また会えて、本当に嬉しいです…!」
戦闘を終え、洞窟内にあった宝箱も回収し(5000G、鋼の剣、キルソード、アーマーキラー、リライブと変わった杖――アクアによると七難即滅で内容はレスキューの杖だった)全員が合流した。
なお、手に入れた鋼の剣やキルソード、アーマーキラーを使ってみたが全く使えなかった。
どうやらこの世界での俺は剣が使えないようだ。
「はい。カムイ様…まさか再びお会いできるとは夢にも思いませんでした。
しばらく見ないうちに、強くなられましたな…」
「…無事だったか、ジジイ。ったく、心配した時間を返しやがれよな」
ジョーカーの言葉で少し笑ってしまった。
「ふん…その減らず口は相変わらずだな。もう少しましな言葉はかけられんのか」
「素直じゃないだけでしょう」
「おい」
俺がぼそっと言ったのにジョーカーは聞こえていたらしい。
皆より少し離れていたのに。
「ギュンターさ~ん!無事でよかったです~!」
「フェリシアも、ここまでよくカムイ様をお守りしてくれたな。
しかし、なぜこのようなところに…?」
「それは、私が彼女たちをここに連れてきたからよ」
「? 貴方は…」
「私はアクア。幼い頃、暗夜王国から連れ去られた王女…そう言えば、わかってくれるかしら」
「! はい、覚えておりますぞ。まだお小さかった頃の貴方のことを。
あの日、白夜に連れ去られる貴方のことをお守りできず、申し訳ありませんでした…」
「いいえ。そのことはもう気にしないで。それよりギュンター、よく生きていてくれたわ。
あなたは手練れの戦士だから、魔物たちの餌食にならずに済んだようね」
「ではアクア様。この場所はいったい、何なのです?」
「ここは透魔王国。無限渓谷の底に通じている…見えない国。今は世界を滅ぼそうとしている王、ハイドラが君臨しているの。
…奴を倒さない限り、この世界に平和は訪れないわ」
「でもでもギュンターさん、気をつけてください!
このことを外の世界で喋ると私たち、呪いで水の泡になって消えちゃうんですー!」
「なにっ…!?」
「はい…そういうことなんです。私は今、暗夜も白夜も敵に回して闘っています。
この世界の真の平和を掴むため…そして、真の敵を倒すために。
きっと、苦しい闘いになります。それでも、私たちと共に闘ってくれますか?」
「はい。お供いたしましょう、それでも。このギュンター、いつまでも貴方様と共に…」
「ありがとうございます…ギュンターさん」
「いえ。それにしても…まだ夢でも見ているような心地です。なんとか生き延びた甲斐がありました。
しかしガンズもたいしたことないですな。この通り、たいしたケガもありません」
「あ、そういえば…ガンズさんは言っていました。
ギュンターさんを急襲したのは、ガロン王の命令だって。
でも、どうして…」
そこから話し合う二人に俺はわずかに知った情報で考えた。
落とされたのに対したことのない怪我。
崖に落としてしまえば生きていることはないだろうという点かもしれないが…。
無事でいたとなると不穏だ。
「! カムイ様!」
「ペレジアさん、どうか――」
突然カムイとアクアの前に見えない敵が現れた。
「去りなさい……ここはあなたたちのいるべき場所ではありません」
「何者ですか!?」
「私は透魔王国の魔道士…透魔兵よ、この者たちを排除しなさい」
「まずいわ…今の私たちでは、こいつらには勝てない。
一度、元の世界に戻りましょう!」
アクアの案内で俺たちは目の前の敵から逃げ、元の世界――あの崖のところまで戻って来た。
どうやら無事に戻って来たみたいだ。
カムイとアクアの話によりこれから白夜王国に行くことになった。
が。その前に。
「ここは…」
「ここは星界と呼ばれる異界だそうです。ここならばあちらとの時間の差はないそうなので一息つきましょう」
小さい竜……?が現れて魔法を使うと見たことのない空間へと移動した。
周りを見てみるとどうやら桃色の花を咲かせた木々がある。
「ペレジアさん、倉庫に行きましょう! 使えるものがあるといいですね」
どうやらフェリシアが案内してくれるようだ。
「フェリシアさん、ペレジアさんをお願いしますね。
カンナさん、ギュンターさん、こちらが宿屋で……」
残りはカムイについていった。
倉庫と思わしきところに付いた。
中には少しばかりとはいえ、武器や道具があった。
この中から使える武器を探さねば。
「こちらは刀で……こっちが薙刀ですね。これが金棒で……これが手裏剣、和弓、呪です。
こちら一式は白夜王国の武器となります」
う、うん。
刀以外は見たこともない武器だ。
試しに一つずつ使ってみたがどれも使えなかった。
「こちらが剣、槍、斧、暗器、弓、魔道書となります。
こちらが暗夜王国の武器となります」
こちらは暗器以外が馴染みのある武器だが……。
おかしい、使えない。
「あ、もしかして杖が使えるかもしれません!
これとこれを使ってみてください」
変わった杖と、ライブの杖だ。
フェリシアは怪我してないが……
使えるかどうか確認しなくては。
……。
結論からいうと、杖“だけ”つかえるようだ。
杖“だけ”。
変わった杖――白夜王国の武器である祓串は使えなかった。
なぜだ。
使えるものが判明して俺の今の所持品はライブとリライブの杖だ。
そして歩いている途中に大きな建物があった。
「あれ、これは……」
「それは宿ですよ。一息つくというとベットが恋しいじゃないですか」
「そ、そうですね……」
その建物の中に入ると…3つのエリアが分かれていた。
これは……暗夜王国と白夜王国とその中立で別れているのだろうか。
そのくせに男女にはわかれておらず個室のようだ。
試しに真ん中のエリアに入ってみる。
……すでに部屋がある、だと……。
周りをみるとアクア、ジョーカー、フェリシア、カンナの部屋がある。あとは空き部屋3つのみという。
カムイは独自で持っていたのを見たが…はて、ギュンターはどこだろうか。
まあいいか。とりあえず休もう。
マイキャッスル登場です。
ゲームで出てくるのにどういう繋がりかなって考えて、リリスの力で一時来ているって感じとなってます。
移動は普通に徒歩だと思うので使ったところからまたスタート、という感じで本当に一息つきたいときに…みたいな。
まぁ深く考えないでください。
新要素?として宿があります。
ゲームでは主人公しかなかったですが、マイキャッスルにいるとき全員が外にいるわけないですよね?多分
宿の部屋で休んでてもいいんじゃないかって出しました。
ここから変更である武器です。
新登場であるカンナ(男カムイ)の方の武器は刀です。
登場しておりませんでしたが、初期装備は『白夜の霞刀』です。
そして物語の主人公であるペレジアの方は、杖のみ使用可能です。
これも一応理由があります。
前作では異界で旅した影響でチートとなっておりましたが、
とある理由で現在弱体化しております。
自己防衛のためか、“武器は扱えるけれど使えない”状況となっております。
ただ、基本能力は変わっていないので前線に出て敵の攻撃受けても回避したりノーダメージだったりする壁になったりします。
しかし杖使いが前線に出すとは思えないので基本裏方です。
というところで締めさせていただきます。
まだifカップリング決まってないので活動報告にてコメントくださるとうれしいです。