2039年一月一日、今日は新年といわれる一年の始まりの日なのだが、東京都杉並区に存在する某アパートでは一人の少年が自分の部屋で毛布をかぶって蹲っている。
見た目は外国人の血を引いている父親に似ていて銀色の髪の毛をしており顔は十人に聞けば十人美人と言う自慢の母親の遺伝子を多く受け継いだため、服装しだいでは女の子に間違えられてしまうほど甘いマスクをしている。両親は息子がいる部屋の前でどうするか迷っている。彼がなぜ自分の部屋で籠って涙を流しているのかと言えば。
昨年の12月25日に死んでしまったペットである犬のクロが、自分のせいで死んでしまい責めているからである。
もうすでにクロが死んでから息子はずっとこのような状態だったので両親は病院へと連れて行き医者に診せると、運動性失言病と診断された。
クロが死んだことによるショックにより失言病になってしまい、両親は自分たちを責めた。自分達がもっとなにかできれば息子は失言病にはならなかったと。
両親は部屋の扉の前でどうするか迷っていたが、一人にさせてあげることにした。
新年の親戚にあいさつがあるから出かけるのなら鍵はちゃんとして危ないようにするんだよと父親がいうと両親の目の前にコメント欄が表示され「わかった、行ってらっしゃい」と一行だけ書いてあった。
両親が家の扉を閉める音を聞くと少年は毛布をどける。
どうやって両親にさきほどのコメントを打つという行為ができたかというと。
生まれてからすぐにつけている、ニューロリンカーのおかげだ。
彼の首に付いているニューロリンカーは量子接続通信端末というわれ、グローバルネットなどに接続して脳細胞と量子レベルでの無線通信を行うことで仮想現実や拡張現実といった記述が容易に再現することができ、さきほどのメモ帳も彼が打って両親に送っただけのことだ。
少年はベットから起き上がると涙でぐちゃぐちゃになっている寝間着を脱ぎ捨てる、白い体には点々と噛み傷がありそれを見た彼はもう出し尽くしたはずなのに
まだ湧き出てくる涙を我慢するようにタンスをあけ普段着を取りだし着ると、歯を磨くために洗面所に移動する。
部屋を出ると朝日が差し込んできて廊下を照らす。廊下を通り洗面所に着くと見飽きた自分の顔を改めて見ることになる何にも変わらない顔だが、目が充血しており目のしたに深いクマが出ている。
歯ブラシを取り出し歯を磨き、口を濯ぐ。顔も洗いさっぱりしたところで洗面所を出てリビングを出る。
いつもと違い自分がこの部屋に入ればクロが飛びついてくるはずだが、今はそれもなくなりそのことにまた目が熱くなる。
冷蔵庫の所に行き開けると母親が作ったと思われるサンドイッチがあった。食欲はなかったが長い間まともな食事をしていなかったこともあり簡単に胃の中に入れることができた。
ニューロリンカーを使い部屋の鍵のチェックをすると問題がなかったので玄関まで移動し、運動するのに適した靴を履いて出かける。
彼が向かう先はクロが死んでから毎日行っている動物火葬場の霊安室、扉をあけるとまだまだ寒いと感じるほどの冷気を受ける。
首にマフラーを巻き手袋をつけてエレベータに入る。少しの時間がかかると一階に着きドアが開く。
マンションを出るとすぐにバス亭に向かい歩く、まだ八時だというのに多くの人がいる。
バス停に着きすぐに乗り込む、自分以外にも多くの人が乗っていて車内に乗り込むと、ほとんどの人が座っていて自分は一番後ろの席が一人分だけ空いていたのでそこに入る。
すぐにバスが出てすぐに次のバス停に着くと大半の人が降りて行った。おかげで広くなった。
高校生らしき女の子がたずねてくる。
「一人で偉いね、どこかにいくのかな」
相手にチャット欄を表示させ
「クロが死んでから、毎日お墓に行くんだ」
と打ち込むと彼女はすぐにごめんねと言ってきた。
「クロも君に毎日来てもらって天国で喜んでるよ」
彼女はそれだけ言うと次のバス停で降りる。
最初はぎゅうぎゅう詰めの状態だったのに今は自分以外には二人しか乗っていなかった。
少し時間が経つと目的のところに着いたのでバスを降りる。お父さんが昔はバスもお金を入れていたんだぞって言っていたが
今はニューロリンカーから自動的にバス賃を引いてくれるという便利な世の中になったものだと言っていた。
バスを降りて少し歩くとすぐに目的地であるクロのお墓がある動物火葬場に着く。家を出たのが八時で今は九時を過ぎている。
中に入り係の人にクロのお墓にそなえる花と線香を買いクロの墓まで行き花を備えて線香に火を着けて手を合わせる。
「今日も来たよ、クロは元気かい」
心の中で尋ねるが答えはなく、また明日と言ってからクロのお墓を去る。
動物火葬所を出ると視界の端にメールマークが点滅している。
家族から何かのメールかと思いメールマークをクリックして開くと
「当選おめでとうございます、今回小学一年生のみでの抽選であなたは見事当選しました。
今回100名のみに配布する格闘ゲームを無料で配布します。ゲームの詳細はアプリケーションの方で説明があるのでそちらでお聞きください。それでは<Brain Burst 2039>をお楽しみください。」
何か良くは分らないが格闘ゲームに当選したみたいだ。手紙の所にアプリケーションダウンロードを押すし数分するとダウンロードが終了すると小さなオレンジの残り火が英字フォントで、<Welcome to The accelerated world>と表示された
すぐにシステムによって機械的な声が聞こえてくる「インストールおめでとうございます、それではこのブレイン・バーストの加速コマンドを発声してくださいバーストリンク」
僕はこの時これから始まる壮絶な戦いになることなんて思いもしなかった。
「バースト・リンク!」
その言葉の直後世界が青色のに染まる。
久しぶりに小説を読んだら書きたくなって書いてしまったものです。
気長にやって行こうと思います。