旅人なる赤龍帝の兄   作:アザトク

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本来なら四話ぐらいのお話をつなげました
ですからつなぎが曖昧だったりするので、お許し願いたいです。

今回のお話は閑話のようなお話なので見なくても本編には影響はないかもしれません。

それではお楽しみください。


閑話・旅館

「兄貴……本当にやるのか?」

「旅人、もしもことがバレたらどうする気だ?」

「そうだよ義兄さん」

「そ、そうですよ。流石に不味いんじゃないですか?」

「……………」

 

 とある場所の一室、暗闇の中で四人の男たちと一人の男の娘が座っていた。

 

「……それでもだ、俺達はやらねばならない」

「でもっ!」

 

 旅人の言葉に声を荒げて反応するイッセー

 

「黙っておけ一誠、覚悟がないのならここから去れ」

 

 旅人は真面目な顔で言い放つ

 

「他の者もそうだ、ここからは覚悟がないものは去れ。覚悟がある 者だけがこの先に共に歩むこと

が許されている」

 

 そう言う旅人からは覇者の如きオーラがにじみ出ている。

 

「僕は義兄さんに付いて行くよ」

「俺もだ」

 

 木場とアザゼルは旅人の言葉に同意する。

 

「僕も参加させていただきます!!」

 

 決意を固めた顔で返事をするギャスパー

 

「さて、あとはお前だけだ一誠」

 

 この部屋に居る全員の視線がイッセーに集まる。

 

「俺は――――――――俺は進むよ、この先の領域に!!」

「ふっ、良い顔になった。―――では、行くぞ!」

「「「「おう!!」」」」

 

 今、熱き男たちの戦いが始まった。

 

 

 時は少し前に遡る。

 事の発端は二日前、旅人が商店街のくじ引きを引いた時に起きた。

 

「二等が出たよ、おめでとうございま〜す!」

「え?」

 

 カランコロンと鈴を鳴らすくじ引き所のおっちゃん。

 

「二等は四泊五日の箱根温泉の旅ペアチケット!」

 

 はい、と軽く渡された俺

 箱根温泉旅行のペアチケットか……たまには親孝行してやるか。

 

「え? 良いのかい旅人?」

「あぁ、たまには夫婦水入らずで行ってくると良い」

「あら〜、しかも混浴だなんて気が利くじゃない。流石は私の息子」

 

 ははは、褒めるな褒めるな。

 

「じゃあ、明日から行きましょうかあなた?」

「じゃあさっそく用意しなきゃな」

 

 部屋に戻って行く二人、なんとも嬉しそうでよかった。

 さて――――――――

 

「アザゼル、そこに居るのはわかっている」

「ほう、よく我の存在に気付いたな」

「くくく、貴様から放たれる殺気に気づかぬとでも?」

「ふっ、それもそうか」

 

 って、なにその喋り方?

 殺気とか適当に言ったけども正解だったんだな。

 

「アザゼル、お前に聞きたいことがある」

「なんだよ?」

 

 冥界で、ずっと思っていたことがある。

 天使、堕天使、悪魔の三大勢力の話

 異能の力が俺の家に浸食している件

 

「お前ってさ――――」

 

 もしも、こいつが俺の予想通りならばその時は―――――――

 

「ゼノヴィアのボディラインってどう思う?」

「エロくて最高だ」

 

 ガシッと堅く握手をする俺とアザゼル

 

「だよな! お前なら分かってくれると思った!!」

 

 ずっと冥界でオーフィスを見てて思ったんだ。

 

『そういや、ゼノヴィアもなかなかエロいよな』って

「ああ、任せてくれ。俺は乳の為に堕ちるぐらいだ」

 

 流石です、アザゼルさん。

 

 

 

 俺と木場とギャスパーで俺の部屋でトランプで遊んでいると居間から大きな音が聞こえてきた。

 なんだと思って俺達は三人そろって様子を見に行った。

 両親はさっき出かけたし、女性陣も朝から買い物だし……一体誰がどうしたんだろうか?恐る恐る居間を覗いてみると兄貴が先生と殴り合っていた

 

「テメェ、ふざけてんじゃねぇぞ!!」

「それはお前だろうがアザゼル!!」

 

 ちょ、なにやってんの二人とも!?

 ガチすぎる殴り合いなので俺と木場は二人を羽交い絞めにして喧嘩をやめさせた。

 

「離せイッセー、こいつはぶん殴らなきゃ気がすまん!」

「木場、今すぐアザゼルの野郎を殴らせろ!」

 

 やばいって、二人とも頭に血が上りすぎてる。

 

「落ち着いてください先生!!」

「義兄さんも冷静に!!」

 

 その後、最終的に兄貴に気づかれないようにギャスパーの目の力も使ってなんとか喧嘩を落ち着かせた。

 

「で、なんで二人は喧嘩してたの?」

 

 二人が落ち着いたところで俺はあくまでも中性の立場での事情調査

を行う。

 

「それがな、最初は二人でゼノヴィアのボディラインがエロいよなって話で盛り上がってたんだ」

 昼間からそんな話を…しかも居間でしてたとは流石です二人とも。

 

「そしたらリアスと朱乃のおっぱいも良いよなって話になったんだ」

 

 最高です、あの乳は最高なんですよ!

 

「でな、ここからが本題なんだ」

 

 途端に真面目な顔になる二人

 

「俺は爆乳よりも形の整って張りがある美乳が良いって言ったのにアザゼルは大きい爆乳の方が良いとか言い出したんだ」

 

 ん?

 

「はっ! お前は爆乳に顔を沈めたときの感触を味わったことがな

いから美乳が良いって言うんだ」

「ふん! アザゼルこそ乳枕をしてもらったことがないから爆乳が

良いとか言えるんだ」

 

 あんたらそんなことでなぐり合ってたのか……最高だぜ!

 

「良いか? 乳は乳房の大きさ、乳輪の大きさ、乳首の大きさ、透ける血管、乳腺のコリコリ感、弾力性、温度、鮮度、湿度、色、形、張り、感度、匂い、味 、この15要素で決まるんだぞ?」

「そんなことは分かってる、だからこその爆乳だろう?」

 

 やべぇ、話のレベルが高すぎる。

 

「これが……世界トップクラスの実力だとでも言うのか?」

 

 木場!? どうしたのいきなり!?

 

「流石ですね、完全に隙のない理論。これは膠着状態が続きますよ」

「「よし、じゃあ温泉に行こう!!」」

「「「はぁ?」」」

 

 どうしたんだよいきなり?

 

「実際に生乳を見に行こうって話だ」

「そこでお前とは決着を付けたやる旅人」

 

 こうして、俺達は部長たちも含めて温泉に行くことになった。

 

 

 

「では前回、丸々一話使って回想を終わらせたのでそろそろ行こうか」

「お兄さん、いきなりメタ発言はやめてくださいね」

 

 ギャスパーの的確なツッコミが入ってきた

 成長したなギャスパー、あとで飴を買ってやろう

 

「参謀役のアザゼル君、此度の作戦と状況を教えてくれ」

「はっ、総司令殿」

 

 非常にノリがよろしいなアザゼル

 部屋の中央に地図を広げるアザゼル

 

「現在、俺達が居る場所はここだ」

 

 ビシッと指をさすアザゼル

 

「目的地はこの露天風呂、ここに行くまでにルートは二つ」

「外か中からだね」

「木場の言う通りだ」

「じゃあ、ここは二手に別れて行くのか?」

 

 一誠、やはりまだまだ甘いな

 

「いいや、イッセー。この旅館の名前を思い出してくれ」

 

 そうこの旅館の名前は『グレモリー温泉旅館』つまりは資産家であるリアスの実家が経営している場所だ

 まだオープン前で俺達以外に誰も居ないから他の客に迷惑を掛けることは無いが

 

「グレモリーの防犯設備は凄まじい、二手に別れて行動した場合、下手をしたら全員が死ぬ」

 

「な、なるほど……」

 

 恐るべしリアスの実家

 

「今回は中から攻める」

 わかるか?

 つまりは―――

 

「スニーキングミッション スタートだ」

 

 

「なんか…男性陣が静かすぎませんか?」

 

 アーシアが身体を洗いながら皆に問う

 

「確かに、アーシアの言う通りだな」

 

 同じくゼノヴィアも身体を洗いながら同意する

 

「きっと覗きの計画でもしてるんです」

 

 実はその通りな子猫の予測にアーシアとゼノヴィアの二人は納得した

 

「そうね、アザゼルと旅人とイッセーが居るんですもの。まず間違いないでしょう」

「むしろあの三人が揃ってるのに覗きに来ない訳がないわね」

 

 苦笑いしながら湯船に浸かるリアスと朱乃

 

「はぁ、兄さんはまったく……」

「あら? ゼノヴィアはイッセー君よりも旅人にご執心なのかしら

?」

「え、あぁ、いや……」

 

 珍しく慌てるゼノヴィア

 

「お兄さんはそんな、えっちなことしません」

 

 なぜか胸を張って言う子猫

 

「いいえ、まだ甘いわね。あのアザゼルとエロで渡り合える程の旅

人が望きに来ないわけがないわ」

「「「「「確かに」」」」」

 

 女性陣がそんな話で笑いあっている頃、男性陣はと言うと

 

「しっかり手を握れ一誠!!」

「踏ん張るんだ旅人!!」

 

 落とし穴に落ちかけている一誠をみんなで必死に引き上げていた

 なんとか一誠を引っ張りあげて一息つく一同

 

「ったく、まだ先は長いってのにこの罠のキツさ。流石はグレモリ

ーの防犯対策だな」

「この落とし穴、そこに竹槍がありましたよ?」

 

 下手したら命を失っていた一誠は泣いていた

 

「一旦、ここらへんで休憩がてら現状の確認だ」

 

 旅人の言葉で全員が集まる

 

「皆、分かっているとは思うが俺達はまだ四分の一も進んでいない。 そして罠の危険度は先に進めば進むほど高くなっていく」

 

 皆の顔が険しくなる

 

「通気孔には赤外線レーザーが張り巡らされていて突破は不可能、この道を進んで行くしかないのは必然的だ」

 

 頷く一同

 

「ここからそこに見える曲がり角を右に曲がり、さらにその先の曲

がり角を右に曲がる―――そこがゴールだ」

 

 U字路になっている道の先に露天風呂の入口があるのだ

 

「では、時間もあまりないし進むか」

 

 立ち上がり前を見据える一同

 

「なんでもない廊下に見えるけど実は危険な罠が盛りだくさんなん

だろうねここは」

「正直言って怖くてたまらねぇ」

「僕は泣きそうですぅ」

 

 三人の言葉は弱気なものばかりだが後の二人は違った

 

「進むんだイッセー達、例えこの道がどんなに険しくても」

「そうだ、歩みを止めた奴は決して理想郷にはたどり着けない」

この時、一誠たち三人は思った

『この人達に付いていこう』と

「全員、進むぞ!!」

 

 男達の冒険はまだまだ始まったばかりだ。

 

 

 

 

 俺達の道のりは熾烈を極めていた

 

「『ココカラサキハイカセンゾ、ニンゲンドモ!!』」

 

 俺達の目の前には高さが三メートルはあるゴツいロボット兵

 

「イッセー君、義兄さん、先に行ってください」

「木場、お前まさか……」

 

 どこから出したかわからないけど木場は木刀を構える

 

「無茶だぜ木場! こんなやつを一人で「分かった、任せたぞ木場」兄貴!?」

 

 イッセー、お前の気持ちは痛いほどわかるがここは木場の言った通

りにしてくれ

 

「死ぬなよ」

「必ず理想郷(女湯)に一緒に行きましょう」

 

 俺達は走り出す

 

「さぁ、ご覧の通り君が相手にするのは剣戟の極地、無限の剣製、

恐れずして挑んでこい!!」

 死ぬなよ木場!!

 

 

 

 木場が巨人を足止めして、なんとか一つ目の曲がり角を曲がれた。

 しかし曲がった先は地図と違って扉があり、中は大きな部屋があった。

 ダンスホールらしく、凄まじく広く大きい部屋だ。

 俺達は警戒しながら進んで行く。

 丁度半分ぐらい進んだところで異変が起きた。

 

『侵入者の排除を開始します』

 

 天井が突然開いて俺の腰ぐらいの高さがある、昆虫のような形をした機械がやってきた。

 中には空を飛ぶタイプの奴もいる。

 

「ボケッとすんなイッセー! 死にたいのか!!」

 

 先生の言葉で我に返る俺、そうだ逃げなきゃ!

 全速力で駆けはじめる。

 すると突如横から現れた鉄の壁によって向こうの道を防ごうとしている。

 

「な!?」

 

 マズイ、このままじゃこの部屋に取り残される!!

 

「うぉぉぉおおおおおおお!!」

 

 雄叫びと共に、俺、先生、兄貴はなんとかギリギリで壁を抜けた。

 でもギャスパーは――――――

 

「おい、なに止まってんだよギャスパー!?」

 

 閉じていく壁の向こう側で立ち止まるギャスパーに俺は叫んだ。

 しかしギャスパーは微笑みながら壁の向こう側に消えてしまった。

 

「おい……ギャスパー!」

 

 閉じてしまった壁を俺は思いっきり何度も叩いて呼びかける。

 

『イッセーさん、アザゼル先生、お義兄さん、先に進んでください』

 

 壁の向こう側からそういう声が聞こえた時、俺は思わず叩く手を止

めてしまった。

 

『このまま全員で進んでもどうせこいつらは追いつきます。なら少しでも追いつかれるまでの時間を長くするために僕がここに残りますよ』

 

「無茶だギャスパー、馬鹿なことを言ってんじゃn『先輩』」

 

 静かに、それでいて力強い声でギャスパーは俺の言葉を遮った。

 

『これでも僕は男の子です、心配しないでください。それに―――――――』

 

 少し溜めてギャスパーは言う

 

『僕は先輩の仲間、リアス・グレモリー眷属の一人ですよ?』

 

 ただ、俺はその言葉を聞いて下を向きながら涙を流すしかなかった。

 

『そろそろ行ってください、そしてまたゴールで会いましょう』

「っ!―――あぁ、またゴールで会おうぜ!!」

 

 ギャスパー、お前は成長したよ。

 必ずまた生きて会おうな。

 

 ―――――――行ったか。

 僕は寄りかかっていた壁から離れて数歩前に進む。

 

『侵入者排除、侵入者排除』

 

 目の前からは僕を排除しようと迫る百近い機械兵

 正直言って怖い、今すぐにでも逃げ出したい。

 昔の僕ならきっと逃げ出してただろう。

 でもそれは今の僕じゃ絶対にできない。

 そんなことをしたら皆が先に進むために犠牲になった木場先輩に顔向けできないもん。

 迫りゆく大軍を見て、僕の頭を過る数々の思い出。

 封印が解かれて、眷属の皆と過ごした生活

 辛いことや悲しいこともあった。

 でも毎日が楽しくて、笑った。

 途中でお義兄さんも帰ってきて、賑やかだった日々が更に賑やかになった。

 冥界でも沢山修行をしたな。

 

「さて、回想はここら辺にしておこう」

 

 じゃなきゃこの決意が崩れちゃうもん。

 

「ふふふ、たかが雑兵の百や二百、相手になるよ。なんたって僕は吸血鬼、そして兵藤旅人の義弟、リアス・グレモリーの『僧侶』なんだから!!」

 

 だからこんなところで死ぬわけにはいかないんだ!!

 

 

「手を離すんだアザゼル!!」

「馬鹿野郎! 死んでも俺は手を離さんぞ!!」

「今、引き上げるから待ってろよ兄貴!」

 

 俺達があの後、なんとか二つ目を曲がりゴール直前と言うところで床がいきなり裂けた

 落ちそうになった俺と先生のことを突飛ばして助けてくれたけどこうなってしまっている

 俺が先生の足首を持ち、先生が兄貴の手を握っている

 二人分はキツいけどここで俺が離したら先生と兄貴が落ちちまう耐えるんだ俺!!

 

「俺に構ってる暇があるならば先に進め、でないと先に死んでいっ

た奴らが無駄になる!!」

 

 ※木場とギャスパーはまだ死んでません

 

「わかってるよ! でもそれが兄貴を見捨てる理由にはならないだ

ろう!?」

「そうだ、むしろここで見捨てたとあっちゃあ、それこそ死んだあの二人に顔向けできねぇ!」

 

※木場とギャスパーはまだ死んでません

「……お前ら」

 

 兄貴は目を閉じてなにかを少しだけ考えてから

 

「まったく、仕方ねぇ奴らだぜ」

 

 呟きながら兄貴は先生を殴った

 反射的に先生は手を離してしまい兄貴は落下していく

 

「あばよ、お前ら。先に俺は逝ってるぜ」

 

 ガハハと笑いながら落ちていく兄貴

 

「兄貴ぃぃぃいいいいいいいい!!」

 

 俺の叫びは底が見えない地下へと吸い込まれていくだけであった。

 

「………旅人の野郎、勝手に逝きやがってよ」

 

 涙を堪えて先生が呟く

 

「兄貴ぃ…クソッ!!」

 

 なんでだよ、なんでそんな簡単に助かるのを諦めちまうんだよ!?

 木場、ギャスパー、兄貴

 三人とも俺達のために犠牲になった、でもそうじゃないだろう?

 皆で一緒に覗きに行くことが目的だったじゃねぇかよ!!

 ―――――――――そうだよ、三人は俺達のために犠牲になったんだ。

 

「行こう、先生。みんなが作ってくれたこの時間がもったいない」

 

 なら俺らはその期待に応えなきゃいけない。

 死んでいった皆の為にも!!

 

※三人はまだ死んで(ry

 

そして俺と先生は断固たる決意を胸に最後の曲がり角を曲がりに行くのであった。

 竹槍、機関銃、エロ本、転がってくる岩、様々なトラップを回避してなんとか最後の曲がり角を曲がりあとは最後の直線だけとなった。

 

「よっしゃ! 罠もなさそうだし突撃するぞ!!」

 

 俺は嬉々として女湯の扉に手を掛けようとした。

したら―――――――

 

「イッセー危ない!!」

 

 先生が叫び声を上げながら俺を突き飛ばした。

 なにが起こったのか理解できなかったが先生が仕掛けてあった罠に引っかかり電気でビリビリになった。

 しかもそれが数分間も続いた。

 終わった時には既に先生は黒こげになって倒れてしまっていた。

 

「せ、先生?」

 

 俺はそっと倒れている先生を抱き上げる。

 

「イ、ッセー、か?」

「はい、先生。俺です」

「よく、き、くん、だ、ぞ」

 

 これが最後の言葉になるかもしれん、と続ける先生

 

「前に、も、おっぱ、いは、無限の可能せ、いが、こめ、られていると、言った、な? 俺も旅人も、しょ、せんは、その、おっぱ、いに、踊らさ、れて、いた、だけだ……ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ!!」

 

必死に、死にかけの状態で俺に伝えてくる先生

 

 

「良い、か? おっぱ、いは、揉む者によ、って、意味が、変わってく、る。自分がおっ、ぱいを揉む理由を、間違え、るな。そして、疑うな―――――ゴホッ!」

 先生の手が俺の手を力強く握ってきた。

 

「あぁ、良い人生だった。善き乳龍帝に、なれ、よ」

 

 そして先生の手から力が抜けてするりと落ちていった。

 

「先生? 先生!?」

 

 何度も揺すってみるが反応がない。

 先生まで――――――――どうして俺の仲間はこうも勝手に。

 

「先生、木場、ギャスパー、兄貴」

 

 わかってるさ、どんなに悲しくても俺は進まなきゃいけないんだよな。

 そっと先生を地面に置いて、俺は立ちあがる。

 

「みんな、俺は行くぜ!!」

 

 扉の取っ手に手を乗せた瞬間に俺の体に凄まじい重みが掛かる。

 なにが起こってんだ!?

 ゆっくりと俺は振り返るとそこには四人の魂が俺のそばに居た。

 そっか、皆はずっと俺の側に居てくれたんだな。

 

「皆……わかったよ」

 

 みんな揃って、ゴールしよう。

 

「さぁ! 今こそ理想郷(女湯)の扉をいざ開か「(ガララ)ふぅ、

 

 良いお湯だったわね」…なん……だと?」

 扉を開けようとしたら勝手に扉が開き、中からは部長たちが現れた。

 

「あ、ぁぁあ」

 

 力が抜け、ガクンとその場で両膝をついてしまった。

 

「あら、イッセー。どうしたの、そんなにボロボロになって?」

 

 湯から上りたての部長、とても妖艶でそそられるが今はそれよりも

 絶望の方が大きく、両目からは自然と涙が滝のように流れ落ちる。

 

「イッセーさん、どうしたんですか!?」

「イッセー君!?」

「先輩……?」

「イッセー?」

 

 部長の後ろから、アーシア、朱乃さん、子猫ちゃん、ゼノヴィアが現れた。

 全員、湯から上がっちまったのか?

 てことは完全に俺達の理想郷はないってのか?

 

「イッセー、なんで泣いてるか知らないけどどうしたの?」

「そうですよイッセー君、そんなボロボロな姿で」

「と言うか、廊下も凄いことになってますよ!!」

 

 ははは、なんてこった。

 目を瞑って俺は仲間のことを思い出す。

 

「―――――――――木場」

 

 お前があの巨人を足止めしてくれたおかげで俺達は先に進めた。

 

「―――――――――ギャスパー」

 

 いつも怖がりなお前だけど、あのロボット兵に立ち向かう姿、この目で見れなかったけども間違いなく漢だった。

 

「―――――――――兄貴」

 

 俺達を罠から救ってくれた。けどこの手で掴んでいたのに、結局は

 俺の力不足で離しちまった。

 

 

「―――――――――先生」

 

 最後の最後で油断してくれた俺を助けてくれて、乳を揉む意味を考

えさせてくれた。

 みんなの力があったからこそ俺はここまで来れた。

 共に理想郷を見ることは叶わなかったけども、思いはちゃんと託さ

れたはずだったのに―――

 

「くっそぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 床に頭と拳を叩きつける。

 

「なにが思いは受け取っただ! ただ俺は仲間を失っただけじゃな

いか!!」

 

 そう、みんなから色々なものを託された俺が代わりに見なければな

らなかったのに、この様だ

 

「俺は、無力だ!!」

 

 ごめん、みんな。

 俺は覗けなかった。

 かくして、俺はその後、一晩中泣いた。

 今回の温泉旅行は仲間達を失い、心に大きな傷跡を残す結果となってしまったのだ。

 余談ではあるが、戦闘によって負傷した木場とギャスパー、電気で麻痺したアザゼル、奈落の底に落ちた旅人が全員復活して戻ってきたのは温泉旅行の三日後の話であった。

 




六巻の表紙は本当に好きです、ゼノヴィアのエロさが際立ってます。
次回からまた物語が動いていきます、そしてそれに連れてストックが少なくなっていきます。

どないしよう?

そろそろ話を考え出さなきゃwww
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