人外達が行く異世界旅行記   作:仮面の人

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第2話

あれから長い、長い年月が経った。斎藤 佑兎は、アンデット・バンと名乗り様々な神話に名を残しながら四人全員揃うまで生きてきた。橋本 大地は、アルトリウスと名乗り火の時代で始まりの火を継ぎ、火の無い灰として始まりの火を消し、ダークソウル全ての結末を辿り他の者と集まるまで火の時代で学んだ事の応用を考えていた。田中 将兵は、アレクサンド・アンデルセンと名乗り獣狩りの夜を終わらせ、自らが獣と認識した奴等を狩りながら長い時間を過ごした。伊藤 祐樹は、アレックス・マーサーと名乗り、古代ウルクから歴史に名を残しながら他の三人を待ち続けた。四人が集まって居るのは駒王町、ソロモン七十二柱の一柱のグレモリーが管理する土地。彼等は今後について話し合いをしている。

 

「いやはや、まさかこの世界がハイスクールD×Dが中心となって構成されてる世界だとは。ウルクからこの世界に居る身としては正直悪魔共を皆殺しにしてやりたいね」

 

「珍しくまともな意見を言うなアレックス。俺自身、獣狩りの夜を終わらせてから悪魔や堕天使それから天使によって殺された人間がいるのを知った時、奴等を獣と認識している。狩り尽くす。今回の世界の主な目的は其れだろ?」

 

「悪魔に限っては、各神話に話も通さずに勝手に土地を管理しているらしい。天照大神がブチ切れ寸前で教えてくれた。日本の妖怪を珍しいからって勝手に眷属にして行くから妖怪が何種族か滅んだらしい」

 

「……………こんな世界にしたくて火を消した訳が無い。天使は、ヤハウェが死んでからその死を隠蔽している。ヤハウェの死を知った者や神のシステムを狂わす神器を宿す者を異端として信者に殺すように指示を出している。約束された勝利の剣(エクスカリバー)を模倣してヤハウェが創り出した贋作以下の物をエクスカリバーと称してる。他にも絶世の名剣(デュランダル)力屠る祝福の剣(アスカロン)様々な聖剣、聖槍などを贋作以下の物として天使の、教会の管理下であると言っている」

 

「アルトリウス、何を根拠に贋作以下と決めている」

 

「バン。それは俺が説明する。いいか?この世の全てはギルの物だ。全て遠き理想郷(アヴァロン)日輪よ、具足となれ(カヴァーチャ・グンダーラ)などの逸話を元にした物以外はギルの財に入ってる。財に繋がる鍵はギルから合鍵を貰ってる。先程確認したが本物は全て財に収まってた」

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)は俺とベディヴィエールと共に泉の聖女に返した。かの聖剣はアルトリア以外には振るえないだろう」

 

「成る程。だから聖剣とかは余り発見されないのか。所有者が死んだ時点で自動的に財に収集される訳か」

 

「…………………その通りだ、バン。そろそろ本題に入るぞ。今この町でコカビエルと偽りのグレモリーが戦闘を繰り広げてる。このままだと膨大な数の人間が死ぬ。其れだけは認められない。故に我々不死同盟は今回の事件をキッカケに表舞台に立つ」

 

「ん?チョットまてアルトリウス。偽りのグレモリー?説明しろ」

 

「……………アレックス。パス」

 

「おけ。七十二柱の制作に俺が協力した。おけ?」

 

「把握」

 

「今回の議題は誰がコカビエルを殺すか、か」

 

「取り敢えず、ファランの不死隊の隊長と副隊長が居るから出なくてよくね?」

 

「新入りの研修を兼ねて俺が行ってくる」

 

「余りハメ外し過ぎるなよバン?だったら俺は白龍皇の足止めして来るとしますか」

 

「俺は一足先に狩人の夢で仕掛け武器を量産してくる」

 

「……………彼奴らに、巫山戯たら龍千匹狩るまでズレた世界に放り込むと伝えてくれ」

 

「あぁ任せとけ。新入り!研修に行くぞ」

 

「は、はい〜〜」

 

 

 

 

 

 

駒王学園の校庭、此処に居るのは聖書にも名を残す堕天使コカビエルと皆殺しの司教ハルパーガリレイそしてはぐれ悪魔祓いのフリード・セルゼン。彼等と戦闘を繰り広げてるのは偽りのグレモリーの眷属と偽りのグレモリーの血統、リアス・グレモリー。そして教会の戦士、ゼノヴィアだ。

 

「フリード、陣の中にあるエクスカリバーを使え。欠けているが伝説の聖剣だ。余興にはなるだろう」

 

「りょーかいっと。さーてほら、来いよグレモリーの騎士くん?伝説の聖剣で遊んであげるからさぁ〜。おっと、大丈夫大丈夫。痛くしないからさぁ、俺ちゃんの腕を信頼して、なぁ?首チョンパしてあ・げ・る♪」

 

「君には負けられないね。隊長(・・)としてもね」

 

「ヒャハハハ!此処で俺ちゃんが勝ったら隊長の座を譲ってちょーだい」

 

「勝てたらね!」

 

フリードと対峙するのは木場 祐斗。グレモリーの騎士であり、教会の聖剣計画の被害者で聖剣を恨んでいた(・・・・・)。彼等はコカビエル以外には認識出来ない速度で剣戟を繰り広げる。

 

「スゲェー。木場の奴こんなに強かったのか。あれ?其れなら何でライザーの時はこんなに強くなかった筈。部長の為に全力を出してなかったのか?」

 

「木場先輩はそんな事しません。女性の服を剥ぐ変態に言われたくありません」

 

「ゴハッ!こ、小猫ちゃん。今は辞めてくれ。小猫ちゃんに言われると心に響く」

 

「嘘……そんな………」

 

「あら?どうしたのリアス?木場くんに何か問題でも?」

 

「祐斗はあんなに強くない筈よ。私が認識出来ない速度で動けるなら、私が眷属にできる筈無いもの」

 

「で、でも部長!悪魔になってから強くなったかも知れないですよ!」

 

『其れは無いぞ変態』

 

「ウルセェ!お前は俺の神器何だから俺に従ってろ!」

 

『断る。貴様の様な変態に手を貸せばあの狩人との約束を破る事となる。其れだけは認められない』

 

「説明なさいドライグ。祐斗の事を知ってるなら今すぐに」

 

『ならば待つといい。其れが小娘の望むものでは無いがな』

 

「何?」

 

「ハッハッハッ!面白い!面白いぞグレモリーの騎士!そしてフリード!貴様らは俺の予想をはるかに超えている。其れに比べれば何だ!何なんだ!他の眷属の弱さは!教会の戦士は此処まで落ちたか!唯一の楽しみであった今代の赤龍帝もドライグに嫌われまともな戦力になってない!最早支える神もいないのに滑稽だ!」

 

コカビエルの発言で教会の戦士であるゼノヴィアが狼狽える。

 

「う、嘘だ!神は今も私達を見守って下さっている!貴様の戯言に付き合う気は無い!」

 

「残念だけど其れは本当だよ。ね、フリード」

 

「あぁ!リーダー達が教えてくれたぜ!神の不在を知った奴を異端として信者に殺させるんだぜ?しかもこれを神の意志って名目でやらせるんだぜ?お前らは信者は一切の違和感を感じず罪の無い人間をころしてるったぁ!滑稽過ぎて俺ちゃん、お腹よじれちゃう」

 

「祐斗?私の知らない事を何で知ってるの?教えなさい祐斗!!」

 

「俺が教えてやるよ。偽りのグレモリー。イザイヤ達は聖剣計画の処分直後に我々が全員助け、神の不在を教えた」

 

空間が歪み、歪みが終わるとシスターと三節棍を肩にかけた男だった。

 

「何故だ!何故!貴様が此処に居る!アンデット・バン!」

 

「何、新人の研修と貴様の排除を、な」

 

「アーシア・アルジェント………元聖女の君が何故?」

 

「簡単だ。アーシア・アルジェントは新しく同盟に参加した新人だ」

 

「はい!アーシア・アルジェントです!最近同盟に入りました」

 

「フリード、イザイヤ此処に来い。フリードはその駄剣を捨てて来い」

 

「おい。木場まさかあんな訳の解らない奴の処なんか行かないよな?だってお前の主人は部長だもんな?な?」

 

「イッセーくん…………残念だけど木場 祐斗はもう存在しない。此処に居るのはファランの不死隊隊長、イザイヤだ」

 

「コカビエルの旦那!今までサンキュー。俺ちゃん、元の職場に戻るからよろぴくー。さてさて!フリード・セルゼンこと俺ちゃんはファランの不死隊副隊長でした〜ワーーーイはい拍手ー」

 

「イザイヤ、フリード。アルトリウスからの伝言だ。巫山戯たら龍千匹狩るまでズレた世界に放り込む。だそうだ」

 

「「え?」」

 

「序でに、判断は俺基準だ」

 

「あの〜で、判定は?」

 

「アウト」

 

「「イヤァーーー!!!!」」

 

「俺を無視するなぁーー!!コケにしやがって!コイツを食らえ!」

 

コカビエルは今まで一番デカく光力を込めた槍をバンに投げようとした(・・・・・)

 

「バニシング・キル」

 

バンの持つ三節棍に莫大な魔力が込められ、コカビエルを真っ二つに切り裂く。

 

「はぁーー。相変わらずリーダー達の実力はおかしいよな」

 

「イザイヤ、こっちに来い。お前の中の駒を取り出す」

 

「お願いします、いつ迄こんなにきみ悪い駒を身体に入れとくのは気がおかしくなりそうです」

 

絶対強制解除(アブソリュート・キャンセル)

 

イザイヤの身体から騎士の駒が取り出される。

 

「偽りのグレモリー。コイツは返しとこう、イザイヤの代わりの騎士を早急に探しとけ。帰るぞイザイヤ、フリード、アーシア」

 

「ま、待ちなさい!私の祐斗を返しなさい!」

 

「聞いていなかったのか?木場 祐斗は既に存在しないと」

 

「認めないわそんな事!それより貴方は誰か教えなさい!私が管理する土地で好き勝手しないで頂戴!そして私は本物のグレモリーよ!偽りの筈が無いわ!」

 

「全て自称だがな?本来日本の土地は日本神話の管理下だ、それを貴様等悪魔が勝手に管理してると主張してるだけだろう。まともに管理出来てないのに大口を叩くな!貴様等の所為でどれだけの人間が悲しみ死んだと思う!裏の世界に巻き込まれて死んだら家族や友人から記憶を消し、尚且つ存在した事実そのものを消していく外道供が!」

 

「そ、それは仕方ない事なのよ。私達悪魔は表の世界に痕跡を残しては生きて行くのが辛くなるの、だから記憶を消していくのよ」

 

「仕方ないか。ならば我々も人間の為に仕方なく貴様等悪魔を滅ぼすとしよう。何、貴様等が行って来た事を我々が行なうだけだ。偽りの魔王供に伝えとけ、我々不死同盟は今この瞬間を持って、人間に害なす存在全てを滅ぼすと。同盟の頭は四人だ。火の時代最大の英雄アルトリウス。古代ウルクより生き、魔術王に手を貸したアレックス・マーサー。獣狩りの夜を終わらせ、ブリテンなどの土地で活躍した狩人アレキサンド・アンデルセン。そしてこの私、様々な神話に名を残し、人類最強の師匠アンデット・バンの四名だ」

 

「嘘よ………嘘に決まってる………だって全員伝説の筈よ!他の神話の神々が存在しないと言ってたわ!」

 

「そ、そうだ!部長の言うとうりだ!そもそも部長が嘘をつく訳がない!」

 

「赤龍帝、考えろ。貴様等悪魔がそんな存在を知ったらどうするか、少し考えればわかる事だ」

 

「知るか!そんな事考えても分からねえよ!」

 

「簡単だ、様々な神話の主神達に喧嘩を売りながら血眼で探し、見つけたら無理矢理眷属にする気だ」

 

「何でそんなのが分かるんだよ!悪魔がそんな事する筈が無い!」

 

「貴様は歴史を学べ、我々の名前位中学の歴史の教科書に載ってる」

 

「ヒャハハハハハ!マジで頭悪いなアイツ、頭ん中全部女で埋まってんじゃねぇのアイツ。いやぁ〜ドライグが可哀想だわ、こんな頭の足りない変態が自分の主人だなんて、俺ちゃんだったらソッコー舌噛みちぎって死んでやるけどね〜でも俺ちゃん、不死になっちゃたから死ねないんだよねぇーんだわ」

 

「不死になった?」

 

「正確には呪われて死ねなくなったが正しいけどね〜〜」

 

「不死の定義は死なないでは無く、死ねないが正しい。例え首を切られようが、心臓を潰されようが、消滅の魔力で消滅しても、地球が滅び宇宙空間に放り出されても、正気を失う事もなく、永遠に苦しみながら生かされる。これが本当の不死だ。その過程で歳など取ることなぞ出来なくなる。故に我々は人間の素晴らしさを理解した、永遠など苦でしかない。例え肉体が滅びないとしても精神は必ず異常をきたす。殺される事に疑問を覚えなくなり、死ぬ事が日常となる、知り合いは老いて死に己のみ世界に取り残される。人間は死に恐怖するから何かを成し遂げる事が出来る、死に対する焦りが人を動かす。我々は途方にもくれる旅の途中で人間の素晴らしさを魅せられた。よって貴様等、人間に仇なすものを我々は赦さない、貴様等の勝手な都合で人間が悲しむのはもはや見過ごさない。覚悟するが良い、貴様等が人間にして来た事に対する精算の時だ」

 

バンの発言に対して何も返せないグレモリー眷属達、しかしそれは仕方ない事だ何故なら全て正論であった。尚且つリアス・グレモリーはバンの人間の素晴らしさについての力説を理解出来ていないからである。グレモリーは愛情が深いと有名だがそれは自らの家族と眷属達だけに対する愛情であり人間がその愛情を感じるには、悪魔になるしか他ならない。故にグレモリーの愛情は悪魔にだけ注がれる愛情であり、人間など眼中に無い。それなのに私達は人間を愛してる等の発言を辞めない矛盾に気付かない愚かな思考の持ち主であった。

 

『待て!人類最強の師匠よ!聞きたい事がある!』

 

その静寂に響く声。声の主はブリテンの赤き守護龍、ア・ドライグ・ゴッホだった。

 

「答えるかはわからないが聞いてみよう」

 

『感謝するぞ人類最強の師匠よ。俺が聞きたいのはアンデルセンが俺との約束を覚えているかだ!』

 

「その件は既に実行に移す事が出来るが、未だその時ではない」

 

『回答感謝する』

 

バン達は空間に歪みを生み出し、その中に消えていく。校庭に残されたのは自らの眷属を奪われたと勘違いして激怒しているリアス・グレモリー眷属達。神の不在を知り、絶望しているゼノヴィア。外で結界を貼り付けるという無駄な事に命を賭けるシトリー眷属達だけだ。

 

 

 

 

 

 

時間は少し遡り、コカビエルがバンに殺される前。結界の外で全身に白い龍を模した鎧を身に付けた男が呟く。

 

「素晴らしい、まさかこんなくだらない仕事で今迄に会ったことのない強者に逢えるとは、運が良い」

 

『ヴァーリよ、彼奴に挑むのは諦めろ。例え挑んだとしても次の瞬間、首が落ちてるだろう』

 

鎧から響く声。

 

「どうしたアルビオン?お前らしくないぞ」

 

『彼奴は超越者を万単位集めて挑んでも腕の一本持っていけるかどうかの実力の持ち主だ。しかも彼奴は腕を失っても直ぐさま再生する。それにヘラクレスを人類最強に鍛え上げたのは彼奴だ』

 

「益々挑みたくなった!」

 

「ストップだ今代の白龍皇。今君に出て行かれるとメンドくさい事になるから辞めて貰いたいね」

 

ごく自然に会話に参加する男。先程まではヴァーリしか存在していなかった空間に現れた男。しかもいつ、どんな風に現れたかが分からない男にヴァーリは少なからず恐怖し動揺する。

 

「何者だあんた」

 

「俺?俺はアレックス・マーサー。古代ウルクから生きてる唯の人外だよ。で、今回の目的だけどヴァーリ・ルシファー君にあの場に参加しない様に足止めする事」

 

「俺がそんな勿体無い事をすると思ってるのか?奴は俺が今迄に出会ったことのない強者だ。故に俺の昂ぶる気持ちを抑える事は出来ない」

 

「やっぱ弱いなお前」

 

「何を基準に判断してる」

 

「だって、首に獲物当てられてるの気づいてないだろ?お前」

 

「なっ⁉︎」

 

ヴァーリの首には、爪が当てられてた。アレックスの腕が異形の物と変化していた。その血に染まりきった爪から溢れる気配は何万何億の生命の負の感情がこびり付いていた。

 

「お前は未だ世界を知らない、いや知らな過ぎる。その程度の知識で生き残れる程世界は甘くない」

 

アレックスの目が鋭くなり、ヴァーリを見据える。

 

この時ヴァーリは、今迄生きてきた人生の中で経験した事の無い感情が心の底から湧き出てきた、その感情は死への恐怖だった。ヴァーリは白龍皇として強くなる為に己より遥かに強い存在に戦いを挑んできたが半減の力のお陰で死にかけた事はあったとしても死そのものを感じた事は無かった。

 

「お?バンの仕事が終わったみたいなだな。ヴァーリ、お前の上司に伝えとけよ?人間に手出したら…………………貴様等堕天使のDNAをこの世から一片足り共残さず喰らい尽くしてやるよ」

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