この素晴らしい決闘者に祝福を!   作:ナレーション響

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真心の真は真月の真

ジャイアントトードの討伐を終えた自分達はアクセルの街に戻った。

 

本来は三日で5匹の討伐だったのが12匹も討伐する事になり、自分達に入ってくる報酬は少し減らされて16万エリスになった。

クエストは5匹で10万エリスだったのになぜか16万エリスである。

 

「あのー、ルナさん?金額間違ってませんか?ジャイアントトード5匹で10万エリスなら、さらに7匹も討伐したんだから最低でも20万エリスなのでは?」

 

自分は受付のルナさんに詰め寄った。そうしたら眉をひそめながらルナさんは答えた。

 

「シンタローさん、ジャイアントトードは確かに人に危害を加えてくる事もあり、討伐モンスターとされていますが、アクセルの街の食料事情を解決してくれているモンスターです。なので過度の討伐は禁止されているモンスターで、買い取り価格も低く設定して1匹5000エリスと、冒険者さんが割に合わないようにしています。まあ、今回は初めてのクエストなのでギルドも大目にみます。これからは必要数以上の討伐は控えて下さいね」

 

「…すみませんでした!」

 

完全にこちらが悪かった。でも自分にもミスがあったとはいえ仲間が死にかけたんだ。もう少し高くてもいいんじゃね?

報酬に少し不満を抱きながら自分はゆんゆんが待っている席の対面に座った。

 

「すみませんシンタローさん、今回は私何も出来ていなかったしクエスト報酬はシンタローさんが貰って下さい…」

 

「いや、だからいいってゆんゆん。さっきも言ったけど自分がドジってゆんゆんに迷惑をかけたんだ、むしろゆんゆんが全部報酬を貰ってくれ!…その…ゆんゆんの初めての…キス…貰ったし…」

 

初めてのキスはカエルの味がしましたが…

 

「へ、変な事言わないで!あれはただの人工呼吸でしょ!?」

 

ゆんゆんが顔を真っ赤にして否定してくる。可愛いなお前!

 

ゆんゆんとじゃれ合っていると、ゆんゆんの後ろから今朝出会ったゆんゆんの連れ、確か…めぐみん?が迫ってきていた。

 

「ゆ、ゆんゆんが初対面の男相手に敬語を使ってない!?」

 

「あ、めぐみんも帰ってきてたんだ?って、確かに、私普通に他人とおしゃべり出来てる…!?」

 

え、そこに驚くほどのコミュ症なの!?

 

「クエストから帰ってきてから、ゆんゆんのパーティーメンバー募集の紙を見て心配になって来てみたら…成長したんですねゆんゆん…!」

 

「ちょっとめぐみん!?なんで泣いてるの!?ちょっ恥ずかしいから止めて!」

 

めぐみんが感極まって涙を流している。やはり結構な事なのか…

そういえばこの子とは挨拶がまだだったな。

 

「確か、めぐみんちゃんだったよね?自分の名前は遊佐慎太郎、今朝はごめんね。あれから特に異常とかは無い?」

 

「ああ、誰かと思ったら今朝の回復魔法の方でしたか、はい、今日はあれから絶好調です。そういえば自己紹介がまだでしたね。我が名はめぐみん!アークウィザードを生業(なりわい)とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者…!」

 

…えーと

 

「頭に異常が出てきてしまったみたいだね。なるほど過剰にライフを回復するとこんな副作用が…」

 

「おい、どこに異常が出てきたって言いました?何ならここで異常性を見せてやろうじゃないか…!」

 

「お、落ち着いてめぐみん!違うんですシンタローさん!紅魔族の自己紹介は大体みんなこんな感じなんです!」

 

「え、ゆんゆんは別にそんな感じじゃなかっただろ?」

 

確かゆんゆんはいたって普通の自己紹介だった。いや、最初の緊張で早口になっていたのは普通じゃなかったけど

 

「ゆんゆんは変なんです。何を恥ずかしがっているのか紅魔族流の挨拶を余りしたがらないのです。そんなだから紅魔の里でも友達ができないのですよ」

 

なるほど、デュエル例えると、紅魔族はエースモンスターを出す時は召喚口上を述べたい決闘者達で、ゆんゆんは召喚口上を恥ずかしいから述べたくない決闘者なのか。

 

「つまる所、ゆんゆんは紅魔族の中で馴染めないから。友達同士の感覚がわからずぼっちだという事か」

 

「そうですね」

 

「うう、何でめぐみんの自己紹介から私への罵倒に…」

 

ゆんゆんが涙目になっている。

 

「泣くなゆんゆん。お前はもうぼっちじゃない、よかれと思って仲間になった自分がこれからはいるんだ。昔を悔やまず未来に希望を持とう!友情ごっこは始まったばかりだぞ!」

 

「シ、シンタローさん!そうですよね!私達はもう仲間ですよね!?」

 

「ああ!慎太郎の慎は本来は慎ましいという意味だが、文字をバラすと真心という意味で、相手を思いやる心を持つ男 になってほしいと親に付けられた名前だ。私はその名に誇りを持ち、困っている人が目の前にいたら助けるのが自分の信条でね!」

 

さらに、その困っている人が可愛かったらすぐに助ける!

 

「あのー、ゆんゆん?本当にこの方信用できるのですか?なんかところどころ胡散臭いのですが…」

 

「うん、1回クエストに行ったけど強いし優しいよ?…ちょっとエッチだけど…」

 

「…ゆんゆん、この男は止めておきましょう!絶対あなたはだまされています!」

 

おっと?不審者扱いかな?まあ、仕方ないよね。ゆんゆんはちょろい感じがするし、悪い男にホイホイついていきそうだ。

 

「いやいや、自分はただの初心者冒険者で、一人だと少し戦闘が心配だったから、同じく一人のゆんゆんとパーティーを組んだだけだよ?」

 

「そうだよめぐみん!それに自分から戦闘する時の自らの弱点を私に教えてくれて、そこを補ってくれる仲間がほしいって言ってくれたんだよ?それに私が戦闘中に気絶していたのに、自分のミスが原因で気絶していたからって、クエストの報酬を全部私にやろうとしているくらいお人好しなんだよ?絶対いい人だよ!」

 

「ゆんゆん、その…言いづらいのですが気絶していた時に変な事をされたかもしれないのですよ?体目的も十分あり得ますよ?」

 

人工呼吸や心臓マッサージはセーフだろうか…結果的に助かったからセーフだよな?でもゆんゆんエロい体付きしてるからな…やはりアウトか?

 

「なあめぐみんちゃん、溺れた人に人工呼吸と心臓マッサージをしただけなんだけど、それは変な事になるかな?」

 

「え、あなた回復魔法使えましたよね?それなのに原始的な助け方を…やはりゆんゆんの胸を揉んだりキスしたかっただけなんじゃ…」

 

「あの時は周りのジャイアントトードを倒すために魔法…というよりスキルを使ってたから回復魔法はは使えませんでした。それに傷や怪我を治す回復魔法で肺や気管に入った水は無くす事ができないと思うし」

 

「う、言っている事には何もおかしい所が無いですね。…仕方ないですが今日はもう遅いですし、続きは明日にしましょうか、ではゆんゆん、宿に帰りましょう」

 

「うん!ごめんなさいシンタローさん!じゃあまた明日」

 

「またねゆんゆん、めぐみんちゃん、さて自分も宿に帰るか」

 

みんながもう帰るのを見て、自分も特にやることも無いので宿屋に帰る。

 

 

 

 

宿屋の帰り道、めぐみんちゃんとゆんゆんが前を歩いている。

どうやら同じ方向らしい。

 

「うわ、ゆんゆん見て下さいあの人ついてきてますよ!多分あれがストーカーですよ、怖っ!」

 

「違うって、たまたま同じ方向に歩いているだけだよ」

 

それにもしストーキングならばれないように光学迷彩アーマーを使うよ、いやあれはレベル1しか装備出来ないか、それなら闇の訪れを使うか、ちょうど今は夜だしな。

 

光学迷彩アーマー

装備魔法

レベル1のモンスターのみ装備可能。

装備モンスターは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。

 

闇の訪れ

通常魔法

手札を2枚捨てる。

表側表示のモンスター1体を選択し、裏側守備表示にする。

 

色々と話しているうちにどうやらめぐみんちゃんとゆんゆんが泊まっている宿屋に着いたらしい、…やっぱりか、今朝の事があったからもしかしたらと思ったら…

 

「ちょ!どこまでついてくるつもりですか!?」

 

「まさか自分と同じ宿屋に泊まっていたとは、イヤー偶然ッテコワイネ」

 

「棒読みで何を言っているのですか…まさか私達の部屋まで来るとかはないですよね?」

 

「いやいや、さすがにそんな事は無いよ、自分の部屋は1階のこの一番手前の部屋だしね。それじゃまた明日」

 

自分は部屋で鎧からパーカーに着替えて夕飯した。

 

 

 

 

 

 

 

ゆんゆんSIDE

シンタローさんと別れて私は宿屋の2階の自分の部屋でめぐみんと話している。

 

「ゆんゆん、やはりあの男怪しいですよ!私達は商隊を助けたお礼で2週間分この高い値段の宿屋で泊まっていますが、あの男は初心者冒険者と言っていたのに高い値段の宿屋に泊まっています!普通の初心者冒険者はお金が無く、やむなく馬小屋に泊まるのが常識です!おそらくあの男は初心者冒険者と偽ってゆんゆんに近づく魂胆ですよ!」

 

確かに、シンタローさんは色々と謎な所がある。

今まで聞いた事が無い職業デュエリスト、特別なカードを使ってモンスターや様々な魔法を扱う、その特別なカードをなぜ持っているのかも謎、朝に見たあの赤い服も他では見たことが無い、だけど優しい感じはする。

 

「確かに初心者冒険者じゃないかもしれない、けど少なくとも悪い人じゃないよ」

 

「根拠は?」

 

「その、私がカエルに食べられて、汚くて臭い状態でも必死に人工呼吸してくれていたし…」

 

「…確かに…いや、汚されてたり、ぬるぬるになった女性が好きな変態の可能性も…」

 

めぐみんはとことん疑うみたいだ。

 

「ねえめぐみん、聞きたい事は明日本人に聞いてみたら?今日はもう遅いし」

 

「うーん、そうですね。ゆんゆんが先にパーティーメンバーを獲得したのが信じられないから色々と疑ってましたが明日は私も同行します!」

 

「ちょっとめぐみん!?さっきからシンタローさんに突っかかるのはそんな理由だったの!?」

 

 

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