ホーストを倒した次の日、めぐみん、ゆんゆん、自分達はまた森に来ている。
理由としては、ホーストが復活するまでの時間はわからないが、もしかしたら何か良いアイテムが落ちているかもしれないから。
というのと、あるカード類の実験も合わせて行おうと思っている。
そのあるカード類とは──
「相手のモンスター全体へ効果を及ぼす効果の範囲、ですか?」
「ああ、実際の効果範囲と、同じパーティーの仲間に効果が及ぶのかを今回調べたいんだ」
そう、今までは危ないから確かめなかったが、実際問題これから正式に仲間になるのに、確かめない訳にはいかない。
「相手フィールド上のカード…モンスターを全て破壊する効果は、条件は様々だが今ところ約30種類ほどある」
「殺意高いの多すぎじゃない!?」
ゆんゆんが驚く
「いやそんなに多くはない、全体で今のところ約9000種類ほどあるカードの内の約30種類がそういうカードだ」
「9000…、そ、そんなに多くの術を使えるんですか…?」
「禁止カード、禁術や、公式のデュエルだと使用できない物もある。こんなカードあったっけ?っていうのもあるし…まあ、だいたい8000種類ぐらいは使えるかな?」
それでも8000種類は使えるのか、と、二人が驚きを通り越して、呆れの表情になっている。
「で、今後その相手フィールド全体を破壊する効果を使っても、君達が安全かどうか調べる為に、今回調べたいんだけど──」
「ちょ、ちょっと待って!?それ私達死ぬ可能性が多いにあるって事だよね!?そんな実験さすがに嫌なんだけど!?」
「そんな死ぬ可能性のある実験する訳ないだろ?話しは最後まで聞けって、まあ要は相手フィールド全体がどの程度の範囲か調べる実験だ。破壊効果じゃない」
そう、相手フィールド全体を破壊する効果は調べるのに危険すぎる。
だが、墓地墓地の恨みのような。相手フィールド上のモンスター全体の攻撃力を0にする効果も、途中で野良のモンスターが出てきたら危険だし逃げる事が出来ない可能性がある。
だから──
「相手フィールド上のモンスター全ての効果を無効にする効果を試してみようと思う」
昨日のめぐみんが爆裂魔法によって作り出したクレーターにやってきた。
「まずは効果が無効になる感覚を感じてみようか」
効果無効系カードを大量に入れたデッキをデュエルディスクにセットし、5枚ドローする。
「めぐみんを対象として、速攻魔法発動『禁じられた聖杯』!」
禁じられた聖杯
速攻魔法
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時までそのモンスターは、攻撃力が400アップし、効果は無効化される。
発動と同時に、どこからともなく天界から堕とされる前の姿をした失楽の聖女が現れ、めぐみんに向かって聖杯と思われる物を振りかぶって投げた。
「ええっ!?」
「あいったぁ!」
めぐみんの顔面に聖杯と思われる物がぶち当たり、中身の液体がめぐみんの体にかかり濡れる。
「なんですかあの女ぁ!?ってもういないじゃないですか!」
めぐみんの顔面にデッドボールを決めた聖女はガッツポーズをしながら消えてった。
「すまんめぐみん、さすがにあれは想定外だった。自分の想像だと、ただ聖杯の中身を掛けるだけかと思っていたんだが……」
いや、まじでびっくりした。まあ、勝手に上司(神)の私物を盗むような不良聖女だからあれで合っているのか?
「それでどうだめぐみん。何か変な感じはあるか?」
「顔面が痛いです。後、怒りで力がみなぎってきました。」
攻撃力400アップって怒りでアップすんの!?
めぐみんが瞳を赤く輝かせながらこちらににじり寄る。
やばい、マジギレだ、これは実験どころじゃないか、何とかなだめないと……。
「いや、多分それは怒りでみなぎっているんじゃなくて聖杯の中の聖水で攻撃力が上がっていると思うんだ…け、ど……」
「
めぐみんの杖の先に魔力が集まる。
「ちょっと待とうか!?それ何の詠唱!?昨日の奴じゃないよね!?」
「めぐみん、昨日も言ったけどこんな近距離で爆裂魔法は止めて!」
「──エクスプロージョン!……え?ふ、不発!?けど魔力は失っていて……」
エクスプロージョンを発動した瞬間、杖の先で集まっていた魔力が霧散し、めぐみんが倒れた。
「これは……、効果の発動コストだけ払って、効果が無効にされたって事なのか?」
「そ、そんな……今日は爆裂魔法はもう撃てないって事ですか?」
「めぐみんは少しは反省して!」
ゆんゆんが倒れているめぐみんに対して叱責している。
困ったな。効果無効の感覚もわからないまま、1日1発の爆裂魔法を撃ってしまった。
今回は相手全体効果の範囲をメインで確かめたかったんだけどな。
ゆんゆんも効果を無効にした感覚を覚えてもらって、後は明日にまた確かめるって事になるかもしれない。
「じゃあ気を取り直して、次はゆんゆんの番だな」
「え、わ、私もさっきの方に顔面に投げつけられるんですか?」
「いや、さすがにさっきのを見て、また仲間に使うのは躊躇われるからね。別のカードを使うよ」
残りの手札にこのカード達があってちょうど良かった。
昨日ホーストを倒した後、レベルアップしたから、スキルポイントをドロー運強化に割り振っていた。
それが効いている気がする。
「『ファーニマル・マウス』を召喚」
ファーニマル・マウス
効果モンスター
星1/地属性/天使族/攻 100/守 100
このカードの効果を発動するターン、自分は「デストーイ」モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
(1):このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「ファーニマル・マウス」を2体まで特殊召喚する。
天使の羽を背中から生やし、水色の体毛の丸々としたハムスターが現れた。
「あっかわいい!」
「ファーニマルマウスの効果発動!デッキからファーニマルマウス2体を守備表示で特殊召喚する!」
ファーニマル・マウスが「チューッ!」と鳴き、その合図に呼応するかの様に、2体のファーニマル・マウスが空から舞い降りてきた。
「召喚したファーニマルマウスとゆんゆんを対象に魔法カード『実力伯仲』を発動!」
実力伯仲
通常魔法
自分及び相手フィールド上に表側攻撃表示で存在する効果モンスターを1体ずつ選択して発動できる。
選択した2体のモンスターの効果を無効にする。
その後、選択した2体のモンスターがフィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、このカード以外のカードの効果を受けず、攻撃と表示形式の変更もできない。
対象にしたファーニマル・マウスがゆんゆんを睨みつける。
「あれ?なんかそのハムスターこっちをずっと睨んでいるんだけど、今実力伯仲って言っていたけどもしかして……」
「ああ、今のゆんゆんはこのファーニマルマウスと戦闘しても倒せない」
「私ハムスターレベルで弱くなっているの!?」
「正確にはゆんゆんとマウスが戦闘では破壊されなくて、効果が無効になって、他のカードの効果を受けなくて、攻撃出来ない状態だから。ゆんゆんはそこまで弱くなってないと思う」
ゆんゆんが何か考えいる。
「……効果が無効にされた感覚とかはちょっとわからないです。魔法使ってみて大丈夫ですか?」
「やはり効果が無効になる感覚とかわからない物なのか、じゃあこっちの睨んでない方のマウスを狙ってくれ」
「こんなにかわいいのは攻撃したくないんだけど……『ライトニング』!」
ゆんゆんの持つ短杖から閃光が放たれ、ファーニマル・マウス1体が跡形も残らない状態で破壊された。
「はぁ!?効果無効になってない!?もしかして通常攻げ……いや、攻撃宣言も出来ないはず……!」
「ああ、あんなに可愛い小動物を一方的に……、冒険者らしくなりましたねゆんゆん……」
「ち、違うの!めぐみんの爆裂魔法が無効になってたから大丈夫だと思って……、シンタロー、私悪くないよね!?」
「なあゆんゆん、次はこっちの睨んでいるマウスにさっきの魔法使ってみてくれないか?」
「私もう攻撃したくないんだけど!?ほら更に眼光が鋭くなっているよ!親の敵と言わんばかりの恨みが込められた視線だよ!?」
「大丈夫だ、そいつはさっきのように死なないから。だから頼む!」
「う、うーん……、わ、分かったわよ!……痛いけど、ごめんね……『ライトニング』!」
実力伯仲の効果を受けたファーニマル・マウスに向かって、先ほど仲間を爆殺した閃光がせまる。
だが、ゆんゆんから放たれた閃光はファーニマル・マウスに当たる直前で掻き消えた。
「ああ、よかった!途中で止まってくれた!」
ゆんゆんが安堵する。
「ライフは減ってない、じゃあさっきマウスが破壊された時のは効果による破壊……、そもそもゆんゆんが実力伯仲の効果を受けてない……、ファーニマルマウスは実力伯仲の効果を受けている……。実力伯仲はどちらか一方のモンスターでも、効果が適用されていないなら、両方のモンスターが戦闘で破壊されるようになるし、他のカード効果も受けるようになる裁定だったはず……」
ああでもない、こうでもない、と考えて、ある仮説が思い浮かんだ。
デュエルディスクの電源を切り、デッキを外してケースから二枚のカードをデュエルディスクにセットする。
「カードを1枚伏せ、『コマンダー』を召喚、ターンエンド」
通常モンスター
星2/闇属性/機械族/攻 750/守 700
ロケットランチャーとバズーカ砲を装備した実戦部隊。
ロケットランチャーとバズーカ砲を装備した
「ここは俺にまかせな!」
「なあゆんゆん、今度はこの
「えっと、大丈夫何ですか?」
「多分大丈夫だ、この防御札はあるから」
「分かりました。じゃあいきますよ『ライトニング』!」
閃光が
その瞬間、伏せてあったカードを発動した。
「カウンター罠『魔宮の賄賂』を発動!」
魔宮の賄賂
カウンター罠
(1):相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
相手はデッキから1枚ドローする。
「お嬢さんこれで勘弁して下さい!」
「えっ?は?えっと……」
「お金!?いやいやもらえませんよこっちが攻撃したのに!」
「もらってやってくれゆんゆん!じゃないと
「ええっ!?」
ゆんゆんは渋々といった感じで賄賂をポケットにしまった。
「さて、これで大体分かった。ゆんゆん、君の魔法はモンスター効果扱いじゃなく、魔法カードの効果扱いらしい」
「えっと……それって私はめぐみんと違うって事ですか?」
「ああ、多分ゆんゆんが普通でめぐみんが異常なんだと思う」
「おい、誰が異常者ですって?喧嘩を売っているなら買おうじゃないか!」
「すまん、言葉を間違えた。めぐみんが特別なんだ。例えるなら。めぐみんの爆裂魔法は、一つの事を極めた特技で、ゆんゆんの魔法は、魔法使いなら鍛えれば誰もが使える魔法、っていう感じだ」
遊戯王プレイヤーに分かりやすく例えるなら。
めぐみんは1枚のみで爆裂魔法という魔法カードの効果を内装した。効果モンスターで、ゆんゆんは鍛えて新しい魔法カードをデッキに投入していく自身がモンスターの決闘者、って感じだ。
「ほほう、良いことを言ってくれますねぇ、爆裂魔法を極めた。まだ爆裂魔法を覚えてから数ヶ月しか経ってないのにその様に見えますか!」
めぐみんそんなに爆裂魔法極めてなかった!
ええ……でもこの説位しかさっきの現象説明出来ないのだが……。
13歳で最強の攻撃魔法を覚えたんだから、もう極めたって事でいいか!
さて、今日の本題である相手フィールド全体の効果無効の範囲を調べる件だけど──
めぐみん、魔力切れ、効果発動出来ない。
ゆんゆん、効果不明、通常モンスターの可能性もあり。
今日はもう帰って続きは明日にするか……
めぐみんを本田くんに背負ってもらい、アクセルへ帰った。
ゆんゆんの「自分モンスターゾーンにこのカードしか存在しない時、相手はこのカードを対象にカードの効果を発動出来ない」効果は、自分フィールド上にパーティーメンバーのめぐみんがいた為、無効になっていました。
後、ゆんゆんのカード効果は、第4話「ガエルは強かった」の後書きにあります。
中級魔法ライトニング
速攻魔法
(1):自分フィールド上にレベル5以上の魔法使い族モンスターがいる場合発動出来る。
フィールド上の表側表示モンスター1体を選んで破壊する
頭のおかしい爆裂娘 めぐみん
闇属性 魔法使い族 レベル4
ATK1400 DEF1500
このカード名の(1)の効果はデュエル中に一度しか使用できない。
(1):このモンスターがフィールドに存在する時ライフを4000ポイント払って発動できる。モンスターゾーンを一つ指定し、そのゾーンを含めての上下左右斜め、一つ隣に存在するモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの中で一番攻撃力の高いモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。このターンこのカードは攻撃できない。
めぐみんの効果をわかりやすく図で説明すると
□□□□□ ←モンスターゾーン
□ □ ← EXモンスターゾーン
□□□□□ ←モンスターゾーン
ゾーン自体を指定する効果なのでモンスター相手に対象を取る効果じゃない
□□■□□
□ □
□□□□□
たとえば■のゾーンを指定すると■を中心とした魔法罠ゾーンを含めずに上下左右斜めの一つ隣に存在するモンスターを破壊するので
□■■■□
■ ■
□□□□□
■のゾーンのモンスターを破壊します。
その後に破壊したモンスターの中で一番攻撃力が高いモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与えます。
自分のモンスターの攻撃力をなんとか8000以上にして、効果発動出来れば先行ワンキルも可能です。