息抜き程度。
1:始まり
80年代後半、ドットから始まったゲームは、30年後人の脳をも支配する存在となる。
そのゲームは総称として、『VirtualRealityGame』と言われている。
つまり、VRゲームだ。
このゲームは、機器を通して人の電気信号を脳幹と延髄から全て読取り、ゲーム内の操作に組み込み遊ぶことができる。
そう、彼らは仮想でありながら、もう一つの現実と表現した。
そんなVRの黎明期の騒乱として、こんな事件が発生した。
『ソードアート・オンライン』、SAOと呼ばれるVR専用ゲームがある。
このゲームソフトは限定発売もので、第一陣は9000個のソフトを売り出した。
購入した人達は、休暇等を取り幼児から寝たきりのお年寄りまでこのゲームにログインした。
彼等は楽しくこのSAOの世界を楽しむ。
そんな中、世界中に鐘の音が鳴り響き、最初の街である『始まりの街』に皆が転送される。
黄昏に染まる街の広場に、全てのプレイヤーが転移完了する。
この広場から誰も出ていけない。ログアウトも不可能な中、GMである運営を待つ。
後に来た人ほど、混乱してしまっているが周囲の冷静さにより落ち着きを取り戻していく。
そしてその時が来た。
天井いっぱいに広がる六角形の結界。
そのポリゴンの塊には、『warning』と描かれている。
結界が天を覆った後、ポリゴンの隙間から流体が出てくる。まるで血の様だ。
<ようこそ、我が世界『ソードアート・オンライン』へ。
私は茅場昌彦。この世界を統べるゲームマスター兼プロデューサーだ。
この場に私直々来たのはほかでもない。
何者かによりプログラムが変更させられた。
その為、ログアウトすることができなくなっている。
外世界では、万が一の為全てのメディアを通して、保護してもらうように病院へ搬送してもらっている。
いつ直るのかは不透明である。しかし、こちらから外部アクセスし、情報の譲渡は可能である。
また、心して聴いてほしいが、この世界でHP0となると電子レンジの要領で頭が焼かれる事になる。
つまり死んでしまう。
君たちには、基本コルの増額と上位回復アイテム・自分の造形を忘れぬためのアイテムを送ってある。
ストレージに手鏡があるだろう、それを見てみたまえ>
この場に居る全員が手鏡を見る。
すると全ての人間の容姿が、現実のものと大差なくなる。
これにより怨嗟の声が鳴り響く。
<現実と仮想のギャップを少なくすることが、最善の精神治癒に繋がると信じている。
私……から――は―――>
ピーーーッ
紅いローブを着る巨大な造形が、砂嵐を含んで消えてしまう。
その代わり茅場昌彦が、この世界に落とされてしまう。
「何……?」
<グフフ、グハハハハハハ!!!
この世界は我々の創造主、マスターハンド様のものである!>
おぞましい聲がそこいらじゅうに広がる。
この音源はどこから出ているのか。
それは結界の外だ。
結界は透明度を0にする。これにより、外部情報を読み取れる。
外部には空飛ぶ木造戦艦が多数飛んでいる。
編隊を組んでいるようで組んでいない、ただ数多である。
その数多のプロペラが付く戦艦には、必ず一つ以上の旗がある。
その旗は黒く、中央には白い何かを描いている。
<ガハハハハハハ!
ワガハイはクッパ。キノコ王国一の大魔導士なり!
マスターハンド様より、脆弱な舞台で躍る人形に助言がある!
この世界には英雄がいる。ヤツラと手を取り会えない限り、貴様らは死ぬしかないとな!
この電子世界は、我々の生きる世界とする!
人間[都合]に支配される世界[物語]とはおさらばだ!>
木造戦艦は、突如彼等の上に出現したUFOに吸い込まれて消えた。
UFOも一瞬でテレポートして消える。
この時、結界がほどける。
いや崩れ落ちて行ったと表現する方がいいだろう。
暫くの間静寂が続く。
そして発生する喧噪。
怒鳴り散らす人達は、実に俯瞰から見ると醜い。
ただの協力して脱出するだけではなくなった。
明確な目的を見失い、途方に暮れる者が多くなる。
しかし、GM権限を一部使える茅場は、より多くの命を救うため行動を起こす。
そう、マスターハンドを100階で倒すという、明確な目標をクエストとして繰り出す。
報酬は、プレイヤーその者の命と心である。
面白かったですか?
面白ければ重畳です。
またいらしてください。