魔法少女育成計画とかどうでもいいから平凡に暮らしたい   作:ちあさ

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魔法少女は起こされました

ユルセナイゆるせない許せない!

私の華乃を傷つけるやつは許せない!

 

 

ノイズ混じりの声が頭の中に響き渡る。

今も続いている森の中での凄惨な戦闘の情景が脳裏に浮かんでいる。

足でもやられたのか、倒れたまま動けない白いの前で、彼女を守るかのように黒髪の少女が森の妖精さん相手に戦っている。

だが黒髪の少女の攻撃はかすりもせずに、森の妖精さんの攻撃ばかりが当たり、その度に鮮血が飛び散る。

そしてその度に僕の頭の中の声は金切声を上げる。

 

 

ああ、華乃が、華乃があんなに・・・殺してやる!絶対に殺してやる!

 

 

もはや体の制御は僕から離れ、彼女の意思のままに森の妖精さんの元へと突き進む。

 

 

"誰か!早く誰か助けて!あのままだと本当に死んじゃう!"

 

 

この声は白いのの声か。

脳裏に浮かぶ白いのの握られた手には兎の足があり、それが光を放っている。

まさかここに来て出てくるか最後のアイテム。

あのアイテムのせいで眠っていた彼女が叩き起こされたってことか。

 

 

華乃を早くタスケナイト!お母さんが今助けにいくから!

 

 

その黒髪の少女、略して黒いのは腕がちぎれ飛び、胴体に穴を開けられ、頭が半分弾け飛んだりともはやスプラッター状態でも、なおも構わず戦い続ける。

あれなんのん?もしかして白いのの新魔法?

ネクロマンサーなのん?

 

 

だがそんな惨劇を見た彼女は

 

 

殺してやる殺してやる殺してヤル殺し殺して殺しテやる殺して殺して殺殺殺

 

 

どう見ても狂気です。本当にありがとうございました。

ていうかアレはお前の  じゃない!

  なら安全なところにいるから早く正気に戻りやがれ!

 

 

何度も彼女に怒鳴り返したが一体誰のことを言っているのか自分でも分からない。

しかしこのまま彼女の制御で突っ込んでいったらヤバイことは分かる。

だが、そんな説得も功を奏さず、僕の乗った車は森の妖精さんへと突っ込んでいく。

っていうか白いのさん、なんでこっち向いてキラキラした目で見てるんですか、折角の奇襲がバレるじゃないですか。

 

 

そんな白いのの様子を見た森の妖精さんは間一髪こちらに気付いて・・・ウホッ車ごと殴り飛ばされた!

 

 

殺してやる!!!!!

 

 

 

だが車から飛び降りた僕の体は、彼女の意思のまま森の妖精さんに殴り掛かり、

 

 

はい、普通に蹴り飛ばされました。

 

 

ただ蹴り飛ばされたとは思えない臓腑をかき回されるような衝撃に僕の意識が飛びそうになるが、

体は無理やり体勢を整えて着地し、再度殴り掛かる。

 

 

そして殴り飛ばされたり蹴り飛ばされたりとポンポンよく跳ねる僕の体。

その間も黒いのは体をネクロマンサーな魔法で再生させたのか、先程よりは見た目人間に戻って森の妖精さんに攻撃を仕掛けるも、

僕と二人がかりでも有効打を与えることはできなかった。

 

 

何?もっと楽しめると思ったんだけどなって?

 

 

そりゃ彼女は正気じゃなくただ我武者羅に殴りかかってるだけだもんな、魔法のことなんてもう頭から消えて無くなってるんじゃねーか。

ていうか未だに  、  と煩いんだよ。

よく見れば黒いのと  は長い黒髪と兎のぬいぐるみしか共通点ないじゃねーか。

それなのにこんなに猛り狂ってるのはどう見ても兎の足に幻覚見せられてるとしか思えない。

何がラッキーアイテムだよ、どうみてもアンラッキーな呪いのアイテムじゃねえか。

というか本物の  に会った時は出てこないで僕にすべて押し付けておきながら、今更こんな幻覚で取り乱してるんじゃねえよ。

やべぇ、はやく兎の足をなんとかしないともうマジで死ぬ。

 

 

"この兎の足があると死んじゃうの!?"

 

 

ああ、どうみてもそれが元凶だよ。

だから早くどうにかしてくれってばよ。

 

そんな脳裏に聞こえた言葉にヤケクソに返すと、白いのが兎の足を放り投げた。

 

 

 

ああ、私の華乃………

 

 

 

それと同時に体の制御が戻ってきたのを感じる。

だがそれももう手遅れかもしれない。

制御を取り戻したときには僕の体は森の妖精さんによって岩に叩きつけられていた。

これが乙女が夢見る壁ドンか。

いやはや全くときめかねーぞ、恐ろしすぎて違う意味で夢に見そうだが。

なんとか抜け出したいが、全身が焼けるような痛みでピクリとも動きやしない。

 

 

本当は僕はメインディッシュだったって?

こんなところで終わるなんて興ざめするって言ってくれるじゃねえか。

 

 

そりゃ僕だってお前とやりあう気なんてなかったよ。

後数日で労せず僕の生き残りが決定してたんだがなぁ。

 

 

黒いのは足を砕かれ、再生途中で助けに入るのは無理そう。

そして白いのは未だに立ち上がれないのか這いつくばりながらこちらに向かってきてるが間に合うわけないな。

せめて死ぬ時はなんじゃこりゃとジー○ン刑事の真似をしたかったんだが、もう指一本動きやしねーよ。

 

 

 

そして、正気の僕と戦いたかった、本当に残念だと、森の妖精さんは僕へと告げて、左手を僕の頭へと伸ばしてきた。

 

 




上手く表現できなくて文才の無さに愕然としそうです。
あと鉄腕少女が死ななかったため、今作では白いのと黒いのはトラブル無く合流でき、兎の足も無事渡せていたようです。

あと文字化けはわざとなので文字コード確認しなくても大丈夫です。


☆次回予告☆
やめて!兎の足の特殊能力で元人格が狂わされたら、このSSで元人格とつながっている主人公の精神まで燃え尽きちゃう!お願い!死なないで主人公!あんたが今ここで倒れたらトップなんとかさんや鉄腕少女との百合展開はどうなっちゃうの!魔力はまだ残ってる、ここを耐えれば森の妖精さんに勝てるんだから!次回「主人公死す!」デュエルスタンバイ!


明日も更新できればいいな。だんだん辛くなってます。

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