魔法少女育成計画とかどうでもいいから平凡に暮らしたい   作:ちあさ

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さて今日は誰も望んでないオリキャラを掘り下げた番外編ですよ。

limited編の中学生チームをあんなにあっさり始末しておいてふざけるなという無言の抗議がビシバシ感じられますが挫けません。

大丈夫、きっとねむりんが異世界とかに誘ってくれてますよ。
乙女ゲーみたいになって幸せに悪役令嬢やってると信じましょう。

あとおまけに鉄腕少女の話も後ろの方に書きました。
オリキャラとか興味ないって方は前半部飛ばしちゃってください。


ちなみに時系列はクラムベリー騒動の8年後ぐらい、7753やトットポップが登場した後の話です。
時系列がぐちゃぐちゃなのはもはやこの作者の仕様なので諦めてください。


アフター番外編2
第三の男


我が輩はサブである。

名前はまだ無い。

 

 

何処で人生を間違ったのかとんと見当がつきません。

ただ誰も私の人生になんて興味が無いであろうことは見当がついています。

 

 

これだけでは皆さん私が誰だか分かりませんか。

いやはや私はどうも影が薄いようで。

 

 

私は昔、アネさんにケツを蹴り上げられていたヤクザ、マサ・サブ・ヤスの一人になります。

アネさんが昔考えたキメ台詞、「さぁ始まるザマスよ」「いくでガンス」「フンガー」の真ん中、いくでガンスをやったのが私ことサブになります。

あの時の組はいわゆるクラムベリー騒動の際に無くなってしまいましたね。

その後出来た鉄腕組にマサさんとヤスさんが入社されました。

ですが私は存在を忘れられていたらしくお呼びがかからず、鉄腕組ビルの向かいにあるコンビニでひたすらレジを打つバイトを1年ほどやっておりました。

 

 

その後、たまたまコンビニに来たマサさんと再会し、経理や事務仕事をする人間を募集していると言うことで雇ってもらえました。

不況の最中、とてもありがたいことです。

経理や事務なら任せてください。

私は中卒のマサさんやヤスさんと違って東大法学部卒のインテリヤクザなのが密やかな自慢で、以前の組の時も経理から法律関係まで全ての業務をやってましたので。

何気に弁護士資格も持ってるんですよ、誰にも知られていませんが。

ただあまりにも影が薄くて書類審査すら通らずこんなヤクザものになっちまいましたが。

 

 

その後も何かと皆さんが活躍している中、人知れず黙々と業務を続けていました。

B市が壊滅した晩も私は一人で組事務所に詰めていたのですが、華乃お嬢様に気付いて貰えない始末。

ですがそんな影の薄さは私にとって幸運でもありました。

影が薄い、それだけで色々なトラブルから身を躱せているのですから。

 

 

ほら、今、TVに映っているヤスさんなんて目をつけられたばかりに酷いことになっています。

 

 

「犯人はヤス市長!説明をお願いします!」

 

「コスプレ特区の強引な推進、アニメ業界や服飾業界との癒着があったという見方もありますが本当なんでしょうか!」

 

「特区になったことで街中には奇抜な格好をした女性、いや率直に申しますと淫らな格好をした若い中高生が増えていますが、治安や風紀的に如何なものでしょうか?」

 

「これは明らかに市長の個人的な趣味による政策ですよね!

これによって未成年者に性的被害が出たらどう責任を取るのですか?

説明してください!」

 

「名前通りやっぱり全ての犯人は市長なのでしょうか?」

 

「選挙の時に常にそばにいる若いメイド!

彼女は愛人なんですか!

あの子は明らかに未成年ですよね。

説明してください市長!」

 

 

TVの中でヤスさんが多数の記者に囲まれてひっきりなしに質問を浴びせられています。

ヤスさんの目はもはや死んだ魚のようで、市長になる前はフサフサだった髪が今や見るも無残なバーコードになっています。

まだ市長になって5年しか経っていないのに、もう20は歳をとったかのように老けこんでいます。

そんな人生に疲れきった男の顔がそこにはありました。

 

 

「今や“疑惑のバーゲンセール”といわれているN市市長・犯人はヤス氏ですが、これらの質問に対し“記憶にない、自分は知らない、自分被害者だ”などと意味不明な釈明を———」

 

 

画面がスタジオに戻り、有識者らによるコメンテーターたちが「けしからん」「なんでこんな犯罪者が当選する」「元ヤクザだっていうじゃないか」などと勝手なことを言ってヤスさんを非難している。

もしこれが私だったらと思うと身の毛がよだちます。

でも少なくともメイドさんとの関係が誤解じゃなく真実なんだからいいじゃないですか。

知ってますよ、ヤスさんがのっこちゃんさんのご家族にお付き合いのご挨拶に行ったのを。

羨ましいですね、本当に死ねばいいのに。

でもきっと長生きするんでしょうね、上にとって使える人材なので。

 

 

そしてもう一人のマサさんはというと。

目の前で女の子たちに囲まれてベットで寝ています。

別にエッチな場面ではありませんよ。

ここはマサさんが入院している病室です。

先日、マサさんが盲腸で入院してしまったのです。

そして私が身の回りのお世話をしているのですが、部屋の片隅で座っている私の事なんて誰も気づいている様子もなくかしましそうに騒いでいます。

みなさん、そんなに大声上げないでください、ここは病院なんですよ。

 

 

「マサさんのお世話はこの妻(予定)である7753がやりますので皆さんは速やかにお引き取りください」

 

「いやいや何言ってるのかな?

マサちゃんの世話はこのトットちゃん以外にいないでしょ。

さぁさぁマサちゃん、美味しい手料理を作って来ましたよ」

 

「イギリス人が手料理とか何の冗談でしょうね。

マサさん、翠屋の特製ケーキを持って来ましたよ」

 

「おい、下克上羽菜!この魔法の国の回し者が!

マサちゃんは鉄腕組なんだ!

ここはお前みたいな部外者が来ていい場所じゃないんだってば!」

 

「元テロリストのトットポップさんが言えた義理じゃないと思いますけどね。

それに私はもう魔法の国とは縁を切っていまして、名前も高町羽菜なんです。

近々不破羽菜になる予定ですが」

 

「あらあら、ずいぶん面白いことを言う兎ですね。

その腹黒い性根、私のゴーグルで確認しましょうか?」

 

「覗きが趣味の7753に腹黒いなんて言われるとは心外ですね」

 

「ごめーんねぇ、マサさぁん。

私のお注射では怪我は治せてもぉ、病気までは治せないのぉ、グッスン」

 

「肝心な時に役に立たない魔法ですね、ぶりっ子ナースさん」

 

「あぁ?やんのかてめぇ?

もう殺してくださいってお願いするまでマミられたいのか、このぼっちリボンが。

てめぇは一人で紅茶でも啜ってろボケが」

 

「私の名前を拷問みたいに使わないでほしいわ。

それにもうぼっちじゃない…ぼっちじゃ、ないですよね?マサさん」

 

エトセトラエトセトラ…

 

 

本当にかしましい。

女三人寄れば姦しいと言いますが、それが十人近く集まればカオスを通り越して地獄ですね。

マサさんが入院した時に小雪様がこのとにかく広いVIP用の個室を手配したのを不思議に思いましたが、今のこの光景を見れば納得です。

広くて防音が行き届いているこの部屋じゃなければとっくに追い出されていますよ。

 

 

それにしてもマサさんはこんな状況になっても誰一人手を出してないそうです。

それどころか自分はからかわれているだけとしか思ってないようで。

どこのエロゲーの難聴系主人公でしょう。

そのうち「え?なんだって?」とか言い出すんでしょうか。

それでもハーレムを作り出すよりはマシですがね。

いや、彼の甥っ子も確か真面目な顔をしてハーレムを形成しているそうだし、血は争えずいつかは致しちゃうんでしょうけど。

このまま腹膜炎でも起こしてリア充爆発すればいいのに。

 

 

マサさんたちのことをぼうっと見ながらそんな取り留めのないことを考えていたら、私の前にスッとお茶が差し出されました。

ハードゴア・アリスさんです。

彼女は寡黙ですが何かと気が利く人でして、私が一人で事務仕事をしている時もお茶とかを差し入れてくれるのです。

本当に心優しい方で、なんでこんな人が小雪様を慕っているのか。

それは鉄腕組の七不思議の一つとして有名です。

そのアリスさんがコテっと可愛らしく首を傾げています。

本当に何気ない仕草が可愛らしいお方です。

 

 

「どうかしましたか、アリスさん?」

 

 

そう聞くとアリスさんは更に不可思議な顔をしています。

本当にどうしたのでしょう?

何かトラブルでもあったのでしょうか。

そう考えていたらアリスさんがおずおずと申し訳なさそうに聞いてきた。

 

 

「えっと…お客さん…ですか?

マサさんに用があるのでしたら伺いますが。

あ、はじめまして、鉄腕組のハードゴア・アリスなのです。

あっえっと………フンガー…なのです」

 

 

どうやらアリスさんにまで顔を覚えられていなかったようです。

そしてフンガーと言った後に恥ずかしそうにする仕草もとてもとても愛おしいです。

 

 

でもここは私、流石に怒ってもいいところですよね。

 

こんちくしょう、おわりでガンス!

 

 

+++++

 

 

おまけ:鉄腕シリーズ

 

(これはunlimited編のほんのちょっと後のお話です)

 

 

人小路家所有の地下超科学研究所。

 

 

ここでは日夜、シャドウゲールの魔法によって新しい改造アイテムが作られている。

特に最近、力を入れて開発されているのが鉄腕少女を模した戦闘人形「鉄腕シリーズ」である。

 

 

鉄腕少女が毎日生み出す未来のアイテム。

そのうち有効なアイテムはプフレの車椅子や鉄腕少女の体に組み込まれるが、そうでないハズレアイテムの方が圧倒的に多い。

そしてそれを捨ててしまうのは勿体無いというリップルの意見で一旦それらを鋳潰して未来合金へと作り変え、それを材料に作られたのが鉄腕シリーズである。

元々未来のアイテムだけあって、素材的には申し分なく強度が高い。

そして人形を思い通りに操る魔法を持つリオネッタが操ることで高い戦闘性能を発揮できるというわけだ。

 

 

その実戦量産型として華々しくデビューしたのがB市蹂躙戦で魔王パムに対し投入された「鉄腕少女量産型」である。

未来素材の合金製による高い耐久度、おっぱいミサイルやドリルも装備し、ビームサーベルを展開可能な隠し腕も搭載し、噛みつき攻撃すら可能なハイスペック量産機。

しかも武器は同じく未来合金製のケダモノの槍レプリカ『ピクミン』。

更には士気を高めるために組長リップル氏の熱唱する歌が流れるスピーカー付きである。

ちなみに胸はオリジナルをリスペクトし、真っ平らである。

おっぱいミサイルを内部に内蔵しているにも関わらず大平原である。

大事なことなのでもう一度言おう、絶壁であると。

ミサイルをあんなに大量に内蔵しているにも関わらず、無駄に超技術である。

だがそんな高性能な量産型だが、魔王パムには通じなかった。

 

 

その結果を聞いたシャドウゲールと実際に自信満々で戦いに挑んだリオネッタのプライドは大いに損ねられ、より高性能な機体の開発を開始した。

 

 

「これが鉄腕少女ブリッツですわ。

ステルス機能搭載で謎の未来粒子で透明化も可能ですわ。

しかもピアノを演奏して下々の者たちの心を癒す特殊機能を搭載したエレガントさ。

もちろん胸の絶壁度は完備しておりますの」

リオネッタが新型の鉄腕シリーズを紹介している。

 

 

「こちらは鉄腕少女フォッカー。

戦闘機へと変形可能で全身に小型ミサイルを多数搭載して、主に戦闘機形態での高速戦闘が得意なんですの。

“戦勝祝いに私の大好物のパインサラダでも作っておくんだな!”という自信に溢れる出撃ボイスがかっこいいのですわ。

やっぱり胸は大平原ですが」

それを鉄腕少女オリジナルの華乃が震えながら聞いている。

 

 

「最後に鉄腕少女カミナですわ。

鉄腕少女の頭部を巨大化させて手足を付けた斬新なデザインが特徴ですわね。

ピンチになったら“おまえを信じろ。わたしが信じるおまえでもない。おまえが信じるわたしでもない。おまえが信じる、おまえを信じろ!”と励ましてくれますのよ。

しかも胸の部分は目になっているので抉れているという計算され尽くされたデザイン。

素敵過ぎますわ」

どうです、凄いでしょうと胸を張ってドヤ顔のリオネッタ。

 

 

ぶっちん

 

 

そんな何かがキレる音が確かに聞こえた。

華乃がゆらりと顔を上げた時、そこには鬼がいた。

「ふっざけるなぁぁぁぁぁぁ!!!!

なんだその死亡フラグの塊のようなラインナップは!

それに胸!そんなに胸ばかり強調するな!

喧嘩売ってるのか、売ってるんだな、全部買ってやる!

今すぐかかってこーーーーーい!!!!」

 

 

新型の3機はその日スクラップになりました。

 




はい、というわけで今まで出なかったサブさんのお話です。
誰も期待してませんでしたよね。

なんとなく書きたかっただけの自己満足回です。

次からは真面目に書くかもしれないので許してください。

あとアリス可愛い。

ではまた次回、いつになるのかなぁ。

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