ダンジョンに出会いはある・・・?   作:ろとまる

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誤字・脱字報告ありがとうございます。

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修正しました。

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修正しました。


白兎飼われる。

<<アイズside>>

 

「しっ!!」

 

いつものように朝の鍛錬を行う、ファミリアのホームの中庭。

アイズは誰もいないこの時間、この場所が、好きだった。

 

「はぁぁぁぁっ!!!」

 

いったい何度頭の中に描いた敵を、切り刻んだのだろうか。

 

何度も。何度も。アイズの武器は空を切る。

まさに剣姫。剣に魅入られた少女。

 

「アイズ、すこしいいか?」

 

「・・うん。」

 

「アイズ、君にあの新人くんの指導役を頼みたい。」

 

「ほんとにっ?」

 

今までリヴェリアがみたことのないアイズの表情だった。さきほどまでの剣姫は、一体どこへいってしまったのだろう。

 

「ああ。フィンも了承済みだ。時間が空いたら挨拶にでもいってやるといい。」

 

言い終える頃にはアイズの姿はもう見えない。

 

「訓練を途中でやめるほどにか。それがなんの感情かはわからないが、君にとっていい感情だと、私は思っているよアイズ。・・・・ただ彼もまだ寝ているとは思うがね」

 

くすくすと笑いながらリヴェリアは、その場を後にした。

 

 

(勢いで来ちゃったけど・・・どうしよう・・)

 

アイズはベルの部屋の扉の前にいる。

悩んでいても仕方がないと扉をそっと開ける。

 

(・・・・?)

 

違和感に少し遅れてから気づく。

 

昨日のことを思い出しベッドの下を見てみるがいない。

 

アイズは、リヴェリアの所までUターンした。

 

 

「・・・・いない。」

 

「そうか。さすがに行きそうな場所に心当たりはないな。」

 

「・・探してくる。」

 

「アイズ、昼までに戻ってこなければ私も探すのを手伝おう」

 

「ありがとう。リヴェリア」

 

(どこにいったの・・・?白兎くん・・・)

 

朝、街中を金色の風が駆け巡った。

 

<<アイズside END>>

 

 

大まかに恩恵の話を聞いたベル。

こっそりと準備し、こっそりとホームを抜け出す。

 

(心なしか体が軽い・・・!)

 

ベルはぴょんぴょんとウサギさながら走っていく。

 

・・・・・ダンジョンへ。

 

(前とは違う・・・!)

 

少しダンジョンの前でたじろぐベル。リューやフィンとの戦闘で敵意というものを

学び、冒険者となったベルをようやくダンジョンが迎えいれるかのようだった。

 

(でも!強くなるんだ!!!)

 

ベルは少し躊躇したのち、勢いよくダンジョンへ入っていった。

 

 

第一層では主にゴブリンの生息地帯。それでも昨日ようやく恩恵を授かった冒険者が軽視できる相手ではない。

 

(・・・あれ?ふつうに倒せる・・?)

 

ベルの刃は避けられる訳でもなく、はじかれるわけでもなく、ゴブリンの体を刻んでいく。

 

そしてベル自身一番驚いたのが

避けれるということだった。

 

 

(左かっ・・!)

 

ゴブリンの視線はリューほど鋭くなく、フィンほど怖くなく、今のベルにとって最も成長を感じられるものであった。

 

ベルは何体も、何体も、周りが魔石だらけになるまでゴブリンを倒した。

 

「魔石って確か、換金してもらえるんだっけ?」

 

初日にエイナに言われたことを思い出して、魔石を拾い、戻るベル。

 

 

そして入口を出ると

(換金してミアさんの所へ行こう)

 

出世払い!と言われた豊穣の女主人の支払も含めベルにしてみれば、早々にダンジョンへ行きたかった理由の一つだ。

 

 

「おい?あの入口の剣姫じゃなかったか?」

 

「っていうか九魔姫もいたぞ・・」

 

「また遠征でもいくのかね?」

 

すれ違いざまに聞きなれた言葉を耳にする。

 

「わぁっ!まぶしっ!」

 

太陽の光に思わずそんな声を上げるベル。

彼がダンジョンへはいったのが真夜中。

そして今は昼下がり。

 

まぶしいのも当然である。

 

目的の場所まで体を向けた瞬間、激しい衝撃がベルを襲った。

 

「・・・・え?」

 

端的にいうと抱きしめられたのである。

剣姫アイズ・ヴァレンシュタインに。

 

その温もりに、最初こそは戸惑いを隠せないベルだったが、なにも言わない抱擁に、さすがのベルも申し訳なくなってくる。

 

 

「まさか・・本当にダンジョンにもぐっているとはな。」

 

アイズ越しにリヴェリアが呆れた顔で話しかけてくる。

 

「ベル、君にはいろいろなことを教えなくてはいけないようだ。」

 

「え・・?そのぉ・・・」

 

ベルは顔を真っ赤にしながら、ひとまず教えてほしいのはこの状況です!と、言えずしばらくリヴェリアに睨まれながらアイズに抱擁されるという、良くわからない状態が続いた。

 

「まったく。どれだけ心配したことか。」

 

ようやく抱擁から解放されリヴェリアから事情を聴くベル。

 

アイズは朝から町中を駆け巡っていた。

それもエアリエルを使い精神疲弊寸前まで。

 

そして、リヴェリアとの約束通りホームに戻ったアイズはリヴェリアの助言もあり、こうしてダンジョン前で待っていたのだった。

 

リヴェリアが口を開くたび小さくなっていくベル。

 

「本当に・・・ごめんなさい!!」

 

自分を心配してくれる人がいる。ベルにとっては、これだけでも喜ばしいことだ。

もう離れてしまった温もりを感じながら。離れてしまったアイズの顔を見ながら。

 

この人に・・。こんな顔をさせた

自分を恥じると同時に。

 

もう二度と眼前の少女に、こんな顔をさせたくないと。させないようにする。と、固く心に決めた。

 

「まったくだな。・・・・だが、まぁ、いい経験にはなっただろう。・・お互いにな(ボソッ)」

 

リヴェリアはアイズに視線を移しながら

つぶやく。アイズの顔はリヴェリア側からは見えないが、恐らく、また自分が知らない

表情をしているのだろうと、微笑ましくなるリヴェリアだった。

 

「・・・ついでという訳でもないが、ギルドに顔を出しておくのもいいだろう。」

 

話も終わり立ち上がりながらリヴェリアがベルたちを促す。

 

「まだ、君はギルドに登録もしていないのだろう?それに、昨日の話を聞く限り報告しなければいけない人もいるのではないか?」

 

ベルがようようと担いでいた魔石をあっさりとアイズが持ち、く・・訓練ならいいよね?

と心に決めるベルだった。

 

 

~ギルド会館~

 

「そうですか。ロキ・ファミリアにお入りになられたんですね!」

 

笑顔が怖いと。心底怖いと思ったのは初めての経験のベル。ギルド会館に入るなり、エイナを見つけ手を振りながら駆け寄っていったのだがエイナは怒るでもなく心配するでもなく。ただ・・・笑顔なのだ。ベルの今までの経緯を聞きながら、段々と笑顔が引きつっていくエイナ。

 

「クラネル氏?なにかいうことはありませんか?」

 

「えっとぉ・・・そのぉ・・ご、ごめんなさい」

 

なんとか苦笑いで乗り切ろうとするベルに

 

「そのくらいにしてやってくれ、先ほど灸を据えたばかりでな。」

 

「り・・・リヴェリア様?!ど、どうして?!」

 

「先ほどからいたのだがな。エイナ、随分と世話を焼いてやってくれていたのだな。」

 

「いえいえ・・・。これからは安心して眠れます。クラネル氏?これからはちゃんとギルド会館に顔を出してくださいね?」

 

「わ、わかりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ホーム~

 

「・・・経緯は分かった。報告ありがとう。・・・それで?」

 

「片時も見逃さないようにする為・・・だそうだよ」

 

「ふふふっ。アイズもあんなことするんだね。」

 

「ああ、私も驚いた。彼が来てから驚かされるばかりだ。」

 

「それにしても・・・ふふふっ。」

 

「ああ、あれではまるで・・・な」

 

本日の出来事をフィンに報告するリヴェリア。

二人はベルとアイズの姿を見ながらお互いに破顔一笑。

 

「あ、あの、アイズさん。これはやはり恥ずかしいというか、その・・・。」

 

「私は君の教育係だから一緒にいる必要がある・・・・と思う。」

 

「で、でもですね。その。視線が・・・。」

 

「私は気にならない大丈夫。それにいきなり引っ張ったりしないから安心して。」

 

不安そうに自分の首元に手を当てるベル。誰がどう見ても首輪である。そしてリードがアイズの手に握られていた。

 

「それに・・・また急にいなくなるのは・・・・いやだ・・・。」

 

先ほど首輪をつける時もアイズのこの切なげな表情にゴリ押しされたのである。

ベルは顔を赤くして、

頷くことしかできなかった。

 

散々、ファミリア全員にからかわれた後。

ロキに呼び出され、ひとしきり大爆笑され、なじられたあとで

 

「おし、ステイタス更新しよか?」

 

「は、はい!・・・・あの、コレがあると脱げないんですけど・・・・」

 

「・・・・・わかった。外すね。」

 

「ぷぷぷぷぷぷ。」

 

「お願いします。神様!」

 

「おっしゃ、まぁ、期待せんとリラックスしぃや」

 

<<この子を託す。導いてやってくれ。>>

ベル・クラネル

 

Lv.1

 

力:I12

耐久:I8

器用:I6

敏捷:I20

魔力:I0

 

《魔法》

 

【】

 

【】

 

【】

 

《スキル》

【???】

・発動の時期は来た。

 

【英雄願望】

・目前の敵が強ければ強いほどその

行動にたいしてステイタスを上昇。

・終わりはない

 

「ど、どうですか?」

 

「う~ん」

(伸びは悪ぅないトータルで50くらいか?せやけど気になるんわ発動の時期はきたんか?

ほんなら、なんで顕現せーへんねん。・・・・謎すぎるなぁ)

 

ロキは魔法以下を消しベルに渡す。

 

「す、数字が0じゃなくなってます!!」

 

「せ、せやな!がんばれな!言いたいけど。

今日みたいなことはさすがに見過ごせれへん。

ベル坊は暫くダンジョン禁止!ええか?」

 

「わかりました・・・。」

 

「ん。」

 

「え?」

 

「つけてあげる。」

 

 

(これ、ま、前からつける意味はあるんだろうか・・・?)

 

 

~通路~

 

「ア~イズ!ちょうどいいところに!明日、ダンジョンいこうよ~」

 

「しばらくは・・・行かない」

 

「え?アイズが?」

 

「うん。・・・その・・指導役になったから・・。」

 

「え?アイズが?えいゆうくんの?」

 

ちなみにティオナは先ほど食堂で笑い転げて、うさみみもつけようよとかいっていた張本人である。

 

「ふ~ん。それでなにやんの?」

 

「・・・なに・・・を・・?」

 

「え?指導役なんでしょ?なに指導してあげんの?」

 

「そりゃ、アイズなら戦い方でしょう?バカティオナ。」

 

「バカっていうなぁ~!そっか!それならあたしも見に行こうかな?」

 

「戦い方・・・知りたい?」

 

「は・・・はい!ぜひ!お願いします!!」

 

ちなみにこの夜、ベルは自分の部屋ではなく、一緒に寝ると言い出したアイズを説得する羽目になり、リヴェリアが24時間誰かが居るフロアで寝るといいと代案を出してくれたため、なんとか事なきを得た。

 

「・・・じゃあ、また明日ね」

 

そう、アイズが言い終わる前にベルはソファの上で

眠りに落ちる。

 

「・・・・。」

 

アイズはリードを近くのテーブルにくくりつけて

 

「・・・ちゃんと・・いてね?」

 

その場を去った。

 

 




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