ダンジョンに出会いはある・・・?   作:ろとまる

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ヘファイストスの話し方の修正と言い回しを少し変更しました。

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誤字・脱字報告ありがとうございました。

6/2
修正しました。


白兎戦い方を知る。

「・・・・発動しおったか・・・。」(ボソッ)

 

先ほど、ティオナに肩を借りながら、帰ってきたベル。

そのステイタスを確認する為に、ロキはベルのステイタス更新を

しながら複雑そうにつぶやく。

 

<<この子を託す。導いてやってくれ。>>

ベル・クラネル

 

Lv.1

 

力:G280

耐久:F312

器用:G215

敏捷:E450

魔力:I0

 

《魔法》

 

【】

 

【】

 

【】

 

《スキル》

【憧憬一途】

・早熟する。

・相手を想う心に比例して成長する。

 

【英雄願望】

・目前の敵が強ければ強いほどその

行動にたいしてステイタスを上昇。

・終わりはない

 

ボロボロの背中を優しくなでながら

 

「憧憬一途な・・・。まぁ、アイズのことやろーけど。こないにボロボロになるまで

か・・・。あのおっさんが一枚かんどるだけあってさすがの伸び方や・・。

呆れるわ・・・。こんな純粋な子に何させようとしとんや・・・。」

 

既に爆睡してしまったベルに布団をかけロキは部屋を去った。

(明日、なんて言ってごまかしたろかなぁ・・・。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~1週間後~

 

 

夜。月明かりが眩しく感じられるほど。

もう、ほかの明かりが消える中。

 

「――――かはっ?!」

 

今日も今日とて豊穣の女主人からは、風流とは程遠いなんとも季節感

のないうめき声が漏れていた。

 

「はぁ、はぁ、ふ――――っ。」

 

倒されながらも、構えて起きる速度は数段に早くなった。

そんな構えの様子を見ながら、

 

「・・・クラネルさん?たしか、いろいろな武器を試したと聞きましたが?」

 

「うん!ファミリアにある武器全部試したけど、アイズが頷かなかったし、

えいゆうくんもしっくりこなかったって。」

 

ティオナが月見をしながら答える。その横には団子とまでは行かないが、

ベルのお散歩付き添い料として、提供された食料が積まれていた。

 

「・・・クラネルさん。これを・・。」

 

「え?でも、僕、もう一本持ってますよ?」

 

「・・・はい。ですから、二本。・・・二本持ってみてください。」

 

「ええっ?!」

 

リューの咄嗟の思いつきであることには違いないが、構えたベルの姿は、

 

「へぇ?」

 

「なんか、格好いいですね!!」

 

「・・・では、いきますよ。」

 

視界から消えたリューの蹴りを左手の短剣を使い防御し、

右手の短剣を横から振る。

リューが少しニヤリと笑ったのがみえたのが、気が付くとまた、意識が暗転していた。

 

「・・・今日は、ここまでにしましょう。」

 

リューが一言そういうと、シルとティオナが二人に近寄ってくる。

 

「これ、夜食です。帰りながら食べて下さいね。」

 

「あはははっ。今日もボロボロだねぇ~。えいゆうくん♪」

 

「・・・クラネルさん、先ほどの戦い方は今までで一番あなたに向いている。」

 

リューはベルの瞳を見据えながら断言した。それにベルもいろいろな武器を使ってみたが

この形が一番しっくりとくる。

 

「はい!僕もなんだか・・・心が落ち着くっていうか・・・うまく言えないんですけど

身体を上手に動かしやすかったです!」

 

「では、また明日。」

 

「ベルさーん!お気をつけて!!」

 

手を振り豊穣の女主人から離れるベルとティオナ。

 

「ティオナさんも毎晩すいません。その・・・付き合ってもらっちゃって・・・。」

 

「うん?いいよぉ~。えいゆうくんが戦ってるのみてて楽しいし。気持ちいいくらい

ぼっこぼこにされてるもんね」

 

「いったぁぁぁぁ」

 

ティオナは傷口にそっと触れる。

 

「えへへへ。」

(でも、本当に強くなってる・・・。今日のリューの最後の動き、

私もちょっと見逃しちゃったもん。・・これがロキやリヴェリアのいってた成長期なのかな?)

 

「でも、いよいよ、明日からだね」

 

「はい!楽しみです!」

 

「私も一緒に行きたかったけど、まぁ、もっと楽しみにしてる人が

いるからねぇ。次は一緒にいこうね♪」

 

「は、はい・・。」

 

ティオナはベルに抱きつきながら話しかける。

相変わらず真っ赤になるベルをからかいながら。

 

ベルがダンジョン禁止令を出されて早1週間。

朝はアイズと訓練。

昼はリヴェリアと勉強。

夜はリューと訓練。

 

こんな生活が続いていた。

 

「でも、さ。格好良かったよ?」

 

「え?」

 

「二刀流♪」

 

「そ、そういわれると・・・。」

 

「しししっ。明日へましないようにねっ。・・・まぁ、アイズも一緒だから

へましようにもできないかもだけど」

 

「が、頑張ります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~朝~

 

昨日のリューの助言通り先日ヘファイストスから渡された短剣とリューから

もらった短剣を構えるベル。

 

アイズは少し驚いたように目を見開きながら

 

「いくよ。」

 

と、突きから入る。

ベルは左手の短剣で攻撃を流す。

そこから右手の短剣で攻撃しようとしたところに回し蹴りをくらう。

 

「・・・っつ!!!」

 

「・・・・誰におしえてもらったの?」

 

「え?いや、これはそのぅ・・・・。」

 

「夜・・・どこに行ってるの・・・?」

 

「へっ?!いやぁ、そのぅ・・。」

 

汗をだらだらと流すベル。この間にもアイズの猛攻は止まらない。

自分が指導役をしている相手が強くなるのは喜ばしいことだ。

だが、明らかに行動の節々に違うだれかの仕草を感じる。

これは、アイズにとって・・・少し・・・・かなり面白くはなかった。

 

ベルのこの戦闘スタイルだってそうだ。できれば自分自身で教えて

あげたかった。気付けなかった自分が悔しいとすら思った。

でも、向き不向きもあるだろう。そもそも自分は教えるのに向いてない。

だから、自分にできることは徹底的に・・・・。

 

「かはっ?!」

 

戦闘の経験をさせるだけ。決して、目の前の少年が

挫けてしまわぬ様に。

死という恐怖がからみついても動ける様に。

 

「・・・・?!」

 

突くと大抵吹っ飛ぶか膝をついていたベルが、動かない。

左の短剣を盾にして自分から突進することで、アイズの攻撃の衝撃

を殺したのだ。

 

「はぁぁぁぁぁっ!」

 

そのままレイピアを弾き右手でアイズの胴を狙おうとするが、

 

「甘いよ。」

 

アイズの膝蹴りが飛んできた。

 

「狙いが分かりやすすぎるかな?もっと、駆け引きをしなきゃ。君のはわかり

やすすぎる。・・・でも。今のはよかったよ。」

 

この言葉だけでベルは頑張れる気がした。

今は全然まったく足元にも及ばないが、いつかきっと・・・。

届くと信じて・・・!!

 

「っていうか、ベルくん気絶してない?」

 

「毎朝恒例になってきたな・・。」

 

「おーい。だれか水もってきてやれぇ。」

 

朝食の少し前まで続くアイズの訓練・・・とういうかしごきというか。

ボロボロになるベルを見ながらファミリア皆が

 

(((ふつう、続かないよな・・・)))

 

と、誰しも思っていた。

 

朝食を頬張っているベルに

 

「いよいよ、今日からだね。思う存分堪能してくるといい。」

 

「アイズ、張り切り過ぎてお前が前にですぎるなよ?」

 

団長とリヴェリアから激励をもらった。

 

「そういえば、ベル。その短剣、名はなんというのだ?」

リヴェリアがベルの腰についている白い短剣を指す。

先日、ヘファイストスが持ってきた例の短剣。

 

「へ?あの、それが・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~回想~

 

「少し待たせてしまったかしら?」

 

「と、とんでもないです!ありがとうございます!ヘファイストス様っ!」

 

ベルの目の前に刀身は真っ白で刃の中心が心なしか少し黄色がかった

短剣が置かれる。

 

(ゼウス・・・のことは、ロキも言ってないみたいだし私から言う必要もないわよね。)

「白頭くん。この武器は少し・・・いえ、かなり特殊よ。・・・・まぁ、私が打ったからには普通の武器なんてないんだけれどね。」

 

「わぁー!すっごく、きれいですね!・・・おじいちゃんのナイフがこんなに

きれいになるなんて・・・。さすがヘファイストス・ファミリアの神様ですね!」

 

「んん。白頭くん。話は聞いてくれるかしら。」

 

「はっ?!す、すいません・・・。」

 

「それで、この短剣なんだけど。・・・・まず、もってみてどうかしら?」

 

「軽いです。それに・・・。なんだか、懐かしい感じがします・・・。

変ですね!たった数日持っていなかっただけなのに・・・。」

 

(やはり、短剣自体から発する魔力の影響を受けていないみたいね。)

「ならば、問題はないわね。後、武器の名なんだけどね・・・。」

 

「はい!!」

 

ベルは身を乗り出してヘファイストスの声に

耳を傾ける。

 

「いずれ・・・いずれ君の中できっと名が思い浮かぶ時が来ると思うわ。」

 

「へ?」

 

「その時が、この武器の名前が決まる時よ・・・・・・そういう武器なのよ。」

 

「そんな武器があるんですね!やっぱりまだまだ知らないことがたくさんあるんですね!」

 

(やっぱり、ちょっと心が痛むわね。前回のときは勝手にゼウスが付けていった言った訳だし。本来なら私が命名すべきなんだけど。まぁ、いいわよね。きっと。)

「いつか、君からこの武器の名前を聞かせてもらえる日を楽しみにしているわ。

白頭くん。・・・・・・ロキ。さっきから視線がうるさいわね。」

 

「せやから、なんもいってへんやん!!」

 

~回想終了~

 

「ほう。ならば、まだ名無しの短剣なのだな。」

 

「はい!いつかこの子の名前を呼んであげれる日がくるといいなって思います!」

 

((((この“子”?))))

 

「そろそろいこうか。白兎くん。」

 

「はい!」

 

団員に見送られ、ベルとアイズはダンジョンに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ダンジョン内~

 

 

「今日は後ろにいるから君は、前の敵だけ気にしてて。」

 

「はいっ!」

 

いま、ベルが倒したモンスターはウォーシャドウ。

6階層では最も戦闘力が高く、2,3体まとめて出てこられるとレベル1ならば

苦戦は必至。しかし、ベルは。

 

「ふぅ・・・・。」

 

先ほどからウォーシャドウとの連戦を強いられていたが、

決して慌てることなく対処していた。アイズも特には驚くことはなかったが、

少し、釈然としないところもあった。

 

(本当に出番がない。)

 

しかし、今日はあくまでベルのサポート。ピンチの時だけと決めた彼女の剣はいまだに抜かれていなかった。そして、10階層を降りる階段を前にして、アイズは戻ることを

ベルに伝えた。

 

「・・・そうですね。」

 

(あ、この顔は。)

「今日は、ここで終わりにしようか。次、またこよう。」

 

「次ってお昼ですか?」

 

「」

 

「へ?」

 

「少なくとも・・もうお昼は過ぎてるから明日かな?」

 

「え?」

 

ベルの体内時計は少しばかり狂っていた。それもそうだ。憧れの人と一緒にいるということも忘れ、ひたすら目の前のモンスターを刻んできたのだから。

 

少しばかり、不完全燃焼な思いで白兎と剣姫のダンジョン探索は終わりを告げた

 




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