マクロス Infinity Rumble   作:天羽々矢

12 / 41
OP:明日へのキズナ/HIMEKA


STAGE12 雪下 の 翼姫

「マスター、服、おかしくないでしょうか・・・?」

 

「よく似合ってるよ、変じゃない」

 

ある惑星の統合軍基地の1室、アリスとトシキは至急された仮の軍服を着ている。

トシキは水色の上着に白いズボン。アリスは白い長袖のミニワンピース調の服。

お互いに服装のチェックを終えたところに招集のベルが鳴る。

 

「よし、行くぜ!」

 

「はい、マスター!」

 

2人のセフィーラを取り戻す戦いは、ここから始まる。

 

 

 

***

 

 

 

セフィーラの新統合軍は、雪に覆われたヨーク系第3惑星エンデバルドまでの撤退を余儀なくされた。

この惑星は平坦な地表が少ない為、撤退してきた新統合軍はエンデバルド各所に散り散りとなった。

 

そしてそのエンデバルドにも新生マクロス・ブリタニア軍が侵攻を開始。確実に新統合軍を壊滅させる算段のようだ。

しかし彼らも大人しくやられるはずもなく、残った戦力を再編成し反攻を始めようとしている。

 

そしてその防空戦に参加する部隊の中には、“彼ら″の姿もある。

 

「降ってきちゃいましたね」

 

そう言ったのは現在VF-0Xに乗るトシキの後ろにいる少女、アリスだ。

元々VF-0XはVF-0Dを原型としている為、後部座席を使えばパイロット以外にももう1人乗る事ができる。

あの後アンドレアスに話を通し、トシキとアリスは志願兵という形で軍任務に参加できるようになった。

その際、2人は正規の軍人ではないので報酬が発生する。つまり志願兵という形式でも実際は傭兵と何ら変わり無い。

 

そしてアリスが言った通り、既に雪が降り始めている。

 

《こちらマジックミラー司令部、全機上がったようだな》

 

ガルーダの通信機器からアンドレアスの声が響く。

余談だがアンドレアスは准将。それを知ったトシキは慌てて頭を下げたが許すどころか笑って気にしていないといったそうだ。

 

《セイレーン、現在の方位を維持せよ》

 

「こちらセイレーン、了解」

 

作戦参加にあたりトシキに与えられたコールサインは“セイレーン”。

その名に肖ったのか今のVF-0Xの尾翼には、足から羽根が伸びた女性のマークが描かれている。

 

《方位315。ブリタニア軍の爆撃機接近》

 

「こんな雪山で機体から放り出されるのは悲惨でしかないな」

 

「止めてくださいマスター・・・」

 

トシキの言葉にアリスが困ったような口調で返答する。

しかしトシキの言う通り、この雪山で脱出装置を使う事態になれば悲惨な目に会うのは間違いない

だろう。

 

《各機、迎撃態勢を取れ》

 

「よし行くぞアリス。背中の警戒は任せた!」

 

「はい!」

 

《健闘を祈る。君たちが頼りだ》

 

そのままVF-0Xはセフィーラ軍と共にブリタニア軍の編隊へ突入する。

 

《レッド1よりセイレーン。護衛機は俺達が仕留める。足の遅い爆撃機は任せたぞ》

 

「了解!」

 

セフィーラ軍のVF-171はブリタニア軍爆撃機の護衛を務めている可変戦闘機「VF-5000 スターミラージュ」との交戦を開始。

その隙にVF-0Xは低空を抜け、ブリタニア軍の攻撃機「VA-3 インベーダー」とVB-171の編隊の真下につける。

 

「抜けた、攻撃開始!」

 

VB-171とVA-3を2機ずつロックし、主翼下に搭載されているミサイルを発射。

多少身軽になったVF-0Xは一旦翼を翻し追撃を防ぐ。

 

《直下に敵!峡谷を抜けてきたのか!?》

 

放たれたミサイルにVB-171とVA-3は慌てて振り切ろうと加速するが遅かった。

ミサイルはエンジン部に命中しパイロットは脱出。

 

《やられた、脱出する!!》

 

《敵爆撃機、4機同時撃墜を確認。残りは6機だ》

 

「了解!」

 

「マスター、後ろです!」

 

アリスの警告を受けトシキはVF-0Xを加速させる。

背後から追尾するのは2機のVF-5000。

 

「・・・そのままついてこい・・・!」

 

トシキはひたすらに高度を上げ、VF-5000もそれに追従しようと加速する。

 

「・・・ここだ!!」

 

雲を抜けたところでVF-0Xが急減速と同時にバトロイドに変形。

突然の事にVF-5000は対応しきれず、すれ違いざまにトシキはVF-5000にガンポッドを斉射。主翼に直撃する。

主翼をやられたVF-5000は地表へ落下。追撃はしてこないだろう。

 

「つかまってろ!」

 

「はい!」

 

再びファイターに変形し爆撃機編隊を追撃する。

 

上空ではセフィーラ軍の戦闘機がまだブリタニア軍の護衛機を足止めしている。

急降下したままで爆撃機編隊を補足。後方のVB-1712機、VA-32機をロックし残っていた主翼下のミサイルを全弾発射。降下時の運動エネルギーも乗り更に加速するミサイルを回避する術は無く爆撃機4機を撃墜。

そして勢いそのままにトシキはガンポッドを後続のVB-171に向け斉射。エンジンに直撃し火を噴き出し、パイロットを排出した後に空中で爆散した。

 

《おい、俺以外攻撃隊は全滅か!?》

 

「残り1機!」

 

地表ギリギリのところでガウォークへ変形し滑走。その後に再び上昇しファイターへ変形。VA-3へと一直線に向かっていく。

 

《ヒッ!メーデーメーデー!!追われてる、誰か来てくれ!!》

 

VA-3のパイロットは救援を求めるが、ブリタニア軍機はセフィーラ軍機に足止めされ援護に行けない。

VF-0Xが急接近する。

 

「もらった!」

 

照準を合わせガンポッドを斉射。

右主翼の根本に命中し、その影響で耐久力が落ちた右主翼は根本から折れ分解。

 

《主翼がもげた!墜ちる!!》

 

右主翼を失ったVA-3は錐揉みしながら落下。

護衛対象を失った護衛機も全速で離脱を開始する。

 

《敵攻撃編隊全滅。どうにかしのいだな》

 

《敵攻撃機編隊の全滅を確認。皆よくやってくれた》

 

《逃げ帰ったブリキ連中が上に戦果報告する様を見てみたいもんだ》

 

ブリタニア軍を追い払い一息つくセフィーラ軍。

トシキも例外ではなく、バイザーを上げシートにもたれる。

 

「大丈夫だったか、アリス?」

 

「私は大丈夫です。マスター、お疲れ様でした」

 

「さすがに少し疲れたかもな。帰って休もう」

 

「はい!」

 

VF-0Xはセフィーラ軍機と合流し、基地への帰路につく。

 

 

 

***

 

 

 

セフィーラ軍は帰還後、すぐにデブリーフィングに招集される。

 

「今回の君たちの活躍でセフィーラ新統合軍の壊滅阻止、及び周辺域の敵勢力弱体化に成功した。我が軍はこれを好機と捉え反撃の手筈を進めている」

 

ここからセフィーラの反攻が始まろうとしている。

デブリーフィング後、トシキはアンドレアスに呼び止められる。

 

「准将?」

 

「トシキ君、君のところにいるお嬢さんの件だが」

 

アンドレアスは懐から1部の資料を出しそれをトシキに見せる。

それは、アリスの可変戦闘機パイロットの適正評価の資料だった。

それに記載されているのは、アリスはパイロットとしては十分すぎる素質を持っている事。

 

「これって・・・」

 

「彼女はバルキリーパイロットとしては才能があるが、それを遊ばせておく余裕は今の我々にはない。そこで私の判断で彼女にもバルキリーを用意させてもらった」

 

その可変戦闘機の資料がアリスの適正評価の下にあった。

それは特徴的な前進翼。ジンやエイカ、シズカの乗っていたVF-19Fと同じだがその機体にはカナードがついている。




ED:吹雪/西沢 幸奏

中々戦闘描写って難しい物ですね・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。