マクロス Infinity Rumble   作:天羽々矢

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OP:明日へのキズナ/HIMEKA


STAGE18 少年 の 業

飛行場に不時着したVF-0Xからトシキが降り、機体は基地のクルーが格納庫へ運んでいった。

トシキはナオトがブリタニア軍にいる事をまだ信じたくないようで、戻ってからは部屋に閉じこもり考え込んでしまっている。

まるでジンを失った時に戻ったようだ。

 

《宮本トシキさん、至急尋問室へお越し願います》

 

放送で呼ばれ、トシキは命令通り尋問室に向かう。

 

「あ・・・」

 

そこにいたのはついさっき会った要救助者の金髪の少年。

少女の方は、今は軍医がみているようだ。

 

「さっきはどうもありがとうございました」

 

「いいよ、俺は何もできてないし・・・」

 

少年に感謝を述べられ謙遜するような態度だが、実際にトシキが見つけていなければ少年達は今頃助かっていなかったかもしれない。

 

「・・・そういや名乗ってないな。俺は宮本トシキ。セフィーラ軍の遊撃戦隊所属・・・は説明したっけ?」

 

「僕はユーノ・スクライアと言います。よろしく」

 

「・・・年もそんな離れてなさそうだし呼び捨てで、敬語も無しでいいぜ。俺もユーノって呼ぶから」

 

「そ、そんな・・・悪いですよ、トシキさんに助けていただいたのに・・・」

 

「なら恩人からの頼みって事で、頼むよ。普段から敬語で話す奴もいるんだけど何か慣れなくてな」

 

「分かり・・・分かったよ、トシキ・・・」

 

少年、ユーノの方から折れ普通に会話する事になる。

そんな時にアンドレアスが入室する。

 

「アンドレアスさん・・・」

 

「突然呼び出してすまないな宮本君。彼が君がいた方が話しやすいという事でね。確かに見知った顔がいるだけで安心感は違うだろうが」

 

「話?・・・そうだユーノ、お前がSOS信号を出してたんだろ。何があったんだ?」

 

「うん、僕はブリタニアで考古学と技術者を兼任してて・・・トシキはセフィーラがブリタニアに占領されたって事は?」

 

「知ってるも何も目の前であったんだ。まだ頭から離れないよ、あの光景は・・・」

 

ユーノの話で、トシキの脳裏に再びセフィーラが戦火に呑まれた光景が浮かぶ。

発生した反応弾の光球に呑まれ墜ちていった多数の味方。そして現れた増援により瞬く間にセフィーラはブリタニアの手に落ちた。

 

「でも、その事と何の関係が?」

 

「実は、ブリタニアはセフィーラの大深度地下から総角錐の石のような大きな結晶体を掘り出したんだ。それで僕はそれを調べて、分かったのはその結晶体が凄まじいエネルギーを持っている事と、使い様によっては超時空間変動で事象に干渉できる事」

 

「何!?」

 

ユーノの話にアンドレアスが声を荒げる。

いきなりの事にユーノはおろかトシキも驚く。

 

「おっと・・・んんっ」

 

わざとらしく咳払いをするアンドレアス。しかしトシキはいまいちピンとこなかった。

 

「あ~ユーノ、分かりやすく頼む」

 

「簡単に言えば、世界を自分の思うように創造できるって事なんだ」

 

「・・・マジかよ、そんなのがセフィーラの地面の下にあったなんて・・・。でそれをブリタニアが掘り起こしたて事は・・・待てよ、俺達皆ヤバいって事か!?」

 

「待って!ただ掘り起こしただけじゃその結晶体は使えなくて、どうやら完全な状態で使うには別のエネルギーが必要みたいなんだ。そしてそれは・・・歌」

 

「歌?」

 

つまりユーノが連れて逃げてきたあの少女も、無関係とは言えないだろう。

トシキは思い切って聞く事にした。

 

「それじゃ、ユーノと一緒にいたあの女の子も何か関係あるのか?」

 

「・・・僕のせいなんだ」

 

それからユーノは経緯を説明した。

彼女の名は“結城 ユウナ”。元は普通の少女だったがブリタニアが結晶体を見つけてからは、彼女が持っているらしい高い歌エネルギーによって家族から引き離されブリタニア軍の施設で人助けと称し実験に付き合わされていたらしい。

ユーノはそれに心を痛め、ユウナの家族をブリタニア船団から逃がし自分はユウナを助け出しあのRVF-25で逃げてきたそうだが、フォールド寸前に追撃を食らいクラストラニアに不時着したそうだ。

 

「・・・でも話を聞く限りじゃ、その子が巻き込まれたのってお前のせいじゃないだろ?」

 

「でも・・・あの結晶体を調べたのは僕だから、彼女は苦しむのを見てられなくて・・・。もしできるなら今すぐにでもあの結晶体を取り返して、あるべき場所に返さないと・・・」

 

どうやらあくまでも自分の責任だと言い張るようだ。

 

「・・・真面目なんだな、お前」

 

「え・・・?」

 

トシキの言葉に呆気に取られるユーノだが、すぐに言葉を続ける。

 

「えっと・・・助けてもらって本当に申し訳なかったけど、少し休ませてもらうだけでいいんだ。その後は1人で・・・ブリタニアから結晶体を取り返さないと・・・」

 

ユーノの言葉にトシキが軽く吹き出してしまう。

 

「悪い・・・けど、1人でブリタニアに?無謀にも程があるだろ。俺も手伝うよ」

 

「でも・・・」

 

「話を聞いたんだ、知らんぷりなんざできないよ。セフィーラと一緒にその結晶体も奴らから奪い返してやるさ!お互い頑張ろうぜ!」

 

笑顔でユーノに右手を差し出すトシキ。帰還後の憂鬱さは無くなったようだ。

ユーノはゆっくりと微笑み、瞳を潤ませながら右手を取り握手した。

 

「うん・・・ありがとう・・・」

 

そこにトシキの背後で傍観していたアンドレアスが前に出る。

 

「ではユーノ・スクライア君、君を義勇独立遊撃戦隊セイレーンへの協力者として我が軍で保護する。それでよろしいかな?」

 

「え?」

 

「そうですね、アンドレアスさんお願いします」

 

「ちょっと!軍が勝手にそんな事決めちゃって・・・」

 

ユーノの懸念はもっともだが、アンドレアスという後ろ盾が如何に強力か知っているトシキはその姿勢を崩さない。

 

「心配すんなよ。アンドレアスさんは軍には顔が利くんだ」

 

トシキの言葉にユーノは苦笑いしながら頬をかく。

 

一応の聴取も終わり自室に戻る途中トシキは聞きたい事を聞く。

 

「そう言えば、ユーノが乗ってきたあのバルキリーは?」

 

「RVF-25か。現在整備班が君のバルキリーと一緒に修理を行っている。エンジンに少しダメージがある程度だ、すぐ使えるだろうが・・・」

 

「・・・ガルーダ、俺のバルキリーは・・・」

 

「正直言えば、少し時間がかかる。今軍が保有している機体に替える方が早い」

 

トシキとしてはVF-0Xはジンから受け取った機体だ。

このまま乗り続けてはいきたいが無理して壊してしまったらジンに会わせる顔がない。

 

「・・・分かりました」

 

「少しでも君の要望は聞くつもりだ」

 

次の作戦がいつになるか分からない為、トシキは準備を整えるしかない。




ED:吹雪/西沢 幸奏

今回は会話オンリーパートなので早く仕上げられました♪
また別シリーズのキャラ参戦ですが、分かる方いらっしゃいますかね?
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