マクロス Infinity Rumble   作:天羽々矢

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OP:明日へのキズナ/HIMEKA


STAGE19 クラストラニア 制宙戦

ユーノがセフィーラ軍に救助された翌日、トシキはユーノが連れて逃げてきた少女が眠っている病室に来た。

丁度トシキが来たところで少女も目を覚ます。

 

「あ、あれ!?ここどこ!?」

 

「目が覚めたようでよかったよ」

 

目覚めた少女にトシキが話しかける。

 

「俺は宮本トシキ。よろしくな」

 

「あ、私は結城 ユウナです!」

 

「知ってるよ、一緒にいたユーノから聞いてる」

 

「ユーノさんから?」

 

少女、ユウナの自己紹介に口を挟んで悪いと思っているがユーノから彼女に関して多少の情報は聞いている。

 

「私、どうなっちゃってるんですか?」

 

「ここはセフィーラ軍の野戦基地だ。君は今ブリタニアからお尋ね者になってて、俺たちが匿ってる。それと俺の事は呼び捨てで敬語も無しでいいぜ」

 

「そっか、うん!よろしくねトシキ君!」

 

それから2人は他愛の無い話をした。

 

「へぇ~、トシキ君って軍人さんなんだね!」

 

「仮扱いの義勇兵ってだけだ。何かあれば俺の記録は全消し。トカゲのしっぽ切りさ」

 

そんな話をしている時、基地に招集のベルが鳴る。

 

「え!?何々!?」

 

「招集の号令だよ。俺も呼ばれてるからまた後でな」

 

「あ、うん!お仕事頑張ってね!」

 

トシキはユウナと別れブリーフィングルームに向かう。

 

 

 

***

 

 

 

「兵備拡充も整った。度重なる敗北からブリタニア軍の戦力は少しずつ疲労の色を見せ始めている。現在クラストラニア周辺の防備は手薄で反攻作戦には好機という教示を受けた。これより我が軍は総力を挙げ反撃を開始する。

フォールド準備中の艦隊は航空攻撃に対し極めて脆弱な状況になる。艦隊の護衛に務め、脅威があればその一切を排除せよ。緊急事態が起こった際には適時相応の対処を取れ」

 

 

 

***

 

 

 

クラストラニア衛星軌道。

そこにセフィーラ軍の艦隊が集結しつつ衛星軌道を離脱していく。そして編隊を組み随伴する護衛の可変戦闘機が多数。

そこには当然トシキ達セイレーンもいた。

 

《マスター、新しい機体の方はどうですか?》

 

「まだ少し違和感があるってのが本音だな。アンドレアスさんがセフィーラのS.M.Sから取り寄せた奴だって聞いたけど」

 

トシキが乗る白銀の下地に黒と青緑色のラインが入った機体は、アンドレアスが手配した現行機「VF-25F」。

可能な限りVF-0Xに近い機動を取れる機体としてこれが選択されたのだ。

 

尚、今回はサポートとして修理を終えたユーノのRVF-25に本人が搭乗している。これはトシキを手伝いたいと本人からの要望であり、事実上ユーノはセイレーン3人目の隊員として参加している。

 

「セイレーン1より3。ユーノ、お前はほぼ丸腰みたいな物なんだ。無理に前に出ないでレーダーに専念してくれ」

 

「うん。ごめんね、また面倒かけるような事・・・」

 

「気にするなよ、仲間だろ?」

 

エンジンを修理するだけのパーツこそあったが、どうやらユーノに回せる武装は無かったようで今のRVF-25はガンポッドの弾を補給されただけだ。

 

《各機、補給が済み次第編隊飛行に戻ってください》

 

艦隊が徐々に増えていき、他の発艦待ちの機体を待つために軽口や指示が飛び交う。

 

《まるでトイレの順番待ちだな》

 

《2番機、ちゃんと回線確認しとけよ》

 

そして、遂にセフィーラ軍が集結し準備が整った。

 

《行くぞ、ペイバックタイムだ!》

 

セイレーンを先頭にセフィーラ軍全機が艦隊から先行していく。

 

「ブリタニアは必ず来るぞ、奴らもバカじゃない」

 

トシキの言葉はセフィーラ軍の全員が理解している。

もしセフィーラ軍が進軍しようとするのであれば必ず妨害してくるだろう。

 

《警告、レーダーに敵機を捕捉》

 

言葉通りブリタニアはセフィーラ軍を阻止しに行動を開始したようだ。

しかも今回は衛星軌道付近。小惑星が所々に点在している。

 

《こちらの目的は彼らも理解しています。全機、攻撃態勢に移行!》

 

《しかもここはアステロイドもある。全機、常に位置を確認しろ》

 

セフィーラとブリタニアがお互い交戦可能距離に入る。

ブリタニアもセフィーラの目的は分かっているはず。それ故か敵機の中には対艦ミサイルを装備しているVA-3もいる。

 

「こちらセイレーン1。敵機の中に対艦ミサイルをぶら下げてる奴がいる!」

 

《レッド1よりセイレーン、こちらでも確認した。奴ら俺達をクラストラニアに押し込めたいらしいな!》

 

ブリタニアはやはり艦隊への攻撃を目論んでいるようだ。

当然セフィーラ軍はそれを許さない。

 

《こちらディアバーン、対艦ミサイルを装備してる奴を優先して狙う!》

 

敵のVA-3はアステロイドを盾にしながらセフィーラ艦隊への接近を試みようとしているが、軍備が増強されたセフィーラ軍はお構いなしだ。

 

「了解したぜディアバーン、俺たちも対艦装備の敵機を優先する!」

 

《こちらハイデマリー。トシキさん、私も同行します》

 

「・・・了解マリー。アリスもついて来いよ!」

 

《分かりました!》

 

ハイデマリーのVF-22がトシキの7時方向に、アリスのVF-19EFが5時方向に付きVA-3の迎撃を開始。

アステロイドを遮蔽物にする戦術は敵と同じだが、3人は機体をバトロイドに変形させてその陰に隠れ接近した瞬間に飛び出しガンポッドを食らわせる。

 

《こちらエイカ。敵の中に電子戦機が紛れてるようね、ジャミングでレーダーに障害が出てるわ》

 

エイカの報告にトシキはレーダーを見る。所々がノイズがかっており正常に動作していないようだ。

 

「クソ、これじゃレーダーが使えない」

 

「任せてトシキ。敵電子戦機の位置は僕のレーダーが捉えてる、データを転送するよ」

 

ユーノから敵電子戦機の情報が送られる。

ブリタニアは攪乱の為に電子戦仕様のRVF-171も混合させたようだ。その数は6機。位置はどれもアステロイドに潜んでいるようだ。

 

「助かるぜユーノ!後で何かおごるよ」

 

「気にしないで。これくらいしかできないから」

 

ユーノに感謝を述べトシキはハイデマリーとアリスを従え敵電子戦機の撃破に向かう。

 

「こちらセイレーン、これより電子戦機の撃破に向かう!」

 

《トシキ?・・・分かった、任せたわね》

 

エイカからも任されトシキは更に気合を入れる。最初の電子戦機は丁度トシキ達の正面奥のアステロイド。

ファイターに変形させアステロイドに接近。トシキ達に気づいたRVF-171はファイターに変形し逃走を図るが先にトシキがガンポッドを発射しエンジンとレドームを破壊された。

 

「よし、まず1機!」

 

《ん?レーダーが少し回復。え、宮本さんが?》

 

トシキが敵のRVF-171を破壊した事でジャミングの効力が低下。レーダーが多少だが回復した。

だがまだ5機残っている。3人で1機ずつ潰していくのは効率が悪いため、トシキはハイデマリーとアリスに敵RVF-171のデータを送る。

 

「これじゃ埒が明かない。3人で探すぞ!」

 

《はい!》

 

《了解です》

 

トシキ達は散り散りになりRVF-171を探す。先に見つけたのはトシキ、2時上方のアステロイドに潜んでいる。

反対側に回り込み背後から奇襲をかける。

奇襲をかけられたRVF-171は成す術もなくレドームとエンジンを破壊され行動不能。

 

「よし、2機目撃破!」

 

「待ってトシキ!レーダーに攻撃部隊の反応がある!艦隊に波状攻撃を仕掛けようとしてるみたいだ!」

 

「分かった!アリス、マリー、電子戦機は任せた。俺は攻撃部隊をやる!」

 

《分かりました、こちらは任せてください!》

 

《了解》

 

アリスとハイデマリーに指示を飛ばしトシキは対艦装備のVA-3の撃破に向かう。

敵は3機編隊を組みアステロイドを飛行している。

トシキは先回りし3機をロック。スーパーパック装備のVF-25Fにはインテークにマイクロミサイルランチャーポッドがある。兵装をそれに切り替えマイクロミサイルを発射。VA-33機はアステロイドが邪魔になり回避できず呆気なく撃墜される。

 

「敵攻撃機、3機撃墜!」

 

《こちらハイデマリー、敵RVFを1機撃墜》

 

ハイデマリーからRVFの撃墜報告を受けレーダーに目をやる。最初の頃と比べればノイズが軽くなっているがまだジャミングが続いている。

 

《ハイデマリーさんごめんなさい!見つけたんですけどそっちに逃げちゃいました!》

 

《了解、こちらで対処します》

 

アリスが撃ち漏らしたRVF-171がハイデマリーの方へ逃げてくる。

ハイデマリーは冷静に対処しVF-22のGV-17Lガンポッド2丁をレドームとエンジンに向け射撃する。慌てたRVF-171に弾丸が直撃しレドームがもげエンジンも煙を吹いて止まった。

 

《敵機撃破》

 

「これで電子戦機はあと2機だ!」

 

《こちらエイカ、レーダーもかなり安定してきたわ》

 

艦隊のフォールド準備完了まではまだ時間がかかる。だがこのペースでこなせば持ち堪えられそうだ。

 

《クソ、ガンポッドが弾切れだ。電子戦機の始末はまだか?》

 

一部の味方機はガンポッドが弾切れになり兵装はミサイルのみ。しかしジャミングが続いている為安心して使えないようだ。

更に追い打ちをかけるような事態に、

 

《まただ、新しい攻撃編隊!艦隊に向かってるよ!》

 

「まだ来るのか!」

 

《エイカよりセイレーン3、了解、私が向かうわ》

 

《エイカ大尉、私も行きます!》

 

ユーノからの報を受け、エイカとシズカが迎撃に向かう。

その間に何とか電子戦機を探したいが、ユーノから送られた情報の場所にはいなかった。

恐らく警戒して移動したのだろう。

 

「先に逃げられたか!ユーノ、反応は!?」

 

「待って。・・・いた!1機はトシキから見て3時上方60度!」

 

「了解!」

 

ユーノの指示通りの方向にファイター形態で向かう。

そこにはファイターで移動しているRVF-171がおり、トシキはミサイルポッドを選択。しかし狙いはRVF-171ではなくその前方の小惑星。ミサイルを撃ちこんで小惑星を破壊しその破片でRVF-171が怯んだ隙に懐に飛び込みガンポッドを撃ちこむ。被弾したRVF-171はパイロットを排出した後に爆散した。

 

「よし、電子戦機撃墜!」

 

《マスター、こちらもハイデマリーさんと一緒に見つけました!》

 

《進路的に判断しトシキさんの位置に誘導します》

 

アリスとハイデマリーは協力して最後の敵RVF-171を追い回している。

そしてRVF-171がトシキの正面に来る。パイロットは焦ったか機首を跳ね上げ上方へ退避しようとしたがその際に機体下部を見せたのが失策だった。トシキがガンポッドでエンジンを撃ち、パイロットが排出され機体は爆散する。

 

「これで電子戦機は全部やったよな?」

 

《そのはずだけど・・・》

 

《ジャミングの消失を確認、レーダークリア。よくやってくれたわ、おかげでレーダーが使える!》

 

ジャミングが消えセフィーラ軍が更に追い込みをかける。

ミサイルも安心して使えるようになり、ブリタニアの攻撃編隊は徐々戦力を削られていく。

 

《・・・了解。全軍、撤退命令だ。当宙域から離脱せよ》

 

突如ブリタニア軍が反転し宙域を離脱していく。

 

《服部シズカより全機、敵が撤退を開始!》

 

《そう何度も逃げられてたまるか!追撃して殲滅する!》

 

セフィーラ軍機がブリタニア機を追撃するために加速するが、その最中に異変は起きた。

 

《レーダーに反応。・・・これは、バルキリーより小型のが複数・・・?》

 

《何でもいい、俺が全部やってやる》

 

しかし反応はそれだけではない。そしてそれが脅威となった。

 

《更に機影・・・いえ、これは!警告!巡航ミサイル接近、全機回避!!》

 

「何!?」

 

フラン管制官が警告したのと同時にミサイルが爆発。

爆発ポイントを中心に光球が発生し呑まれた味方機が消えていく。

 

《3時方向で炸裂!全機気をつけろ、ヤバい!!》

 

《これは・・・!?》

 

「セフィーラをやったのと同じミサイルだ!!」

 

その光景をトシキはよく覚えている。高速で飛来しその光に呑まれた機体は跡形も無く消滅。更に流入する気流でも被害が発生しかねない。

今回は宇宙空間の為気流の被害は無いがそれでもその威力は桁違いだ。

 

《フレイヤに敵無しだな。アースガルズ、攻撃を続けろ》

 

《マーカーゴースト、オールアクティブ。センサリーレベル、アバーブポジティブ》

 

今でも多数のミサイルが炸裂し、セフィーラ軍に大きな被害が出ている。

このままではいずれ艦隊にも被害が出てしまう。どうするべきかトシキが考えている時だ。

 

「トシキ!今味方を艦隊まで下がらせてるから援護できる!?」

 

「援護?防ぐ手があるのか!?」

 

「あれは小型反応から誘導信号を受けて目標を破壊するタイプのミサイルみたい!それを止めれば止められるよ!」

 

「小型反応・・・」

 

トシキは回復したレーダーを頼りに反応を探す。

そして見つけた。可変戦闘機のような機動ではなく横滑りのような動きも入っている。

 

「あれはゴーストか、分かった!」

 

《私も行きます!》

 

《ご一緒します》

 

アリスとハイデマリーがトシキと編隊を組みミサイル誘導を行っているゴーストの撃破に向かう。

これまで相手にしてきた可変戦闘機とは勝手が違い直角的な機動もする曲者だ。

 

だがトシキは何とかゴーストに追従し攻撃の機会を探る。

照準がゴーストを捉えロック、ミサイルを発射する。ゴーストは持ち前の機動力で回避するが逃げた先にはアリスVF-19EF。

アリスは逃げる先を読みハイマニューバ・ミサイルを2発発射。回避先にミサイルが飛び込みゴーストを撃破。

 

「アリス、ナイスアシスト!」

 

《マスターのお陰です!》

 

ハイデマリーの方もゴーストの移動先を読みガンポッドを発射。ゴーストのエンジン部に命中し撃破。

 

《全機、間もなくフォールド開始時刻です。直ちにフォールド圏内へ退避を!》

 

フラン管制官から指示が飛びセフィーラ軍機は艦隊と合流。

だがまだミサイル攻撃は続いており被害は出続けている。

残ったゴーストは1機でトシキ、アリス、ハイデマリーは3人連携で追い詰める。

だがゴーストは自身の危機を悟ったかブーストをかけアリスとハイデマリーを引き離す。

 

《うそ!?速いですよ!》

 

《追いきれません・・・!》

 

「なら俺が行く!」

 

VF-25Fのスーパーパックに使用されているロケットブースターを吹かせゴーストに追従。逃げようとするゴーストを捉える。

 

「今度こそ・・・!」

 

VF-25Fの照準がゴーストを捉えロック。ガンポッドを発射するがゴーストは直角的な機動を取り弾丸を回避する。

だがまだミサイルが残っている。

 

《宮本さん、間もなくフォールドします!戻ってください!》

 

「こいつだけでも・・・!」

 

シズカから連絡が入るがトシキはゴーストに食らいついて離さない。

ガンポッドを回避した先にマイクロミサイルを発射し遂にゴーストを撃墜する。

撃墜を確認したトシキは機体を反転させ全速で艦隊に向かう。

 

《5、4、3、2、1、フォールド!》

 

遂にセフィーラ艦隊がフォールドを開始。

全艦がフォールド空間へ突入する。

 

《マスターは!?》

 

《・・・反応無し。間に合わなかったのかな・・・》

 

「勝手に遅刻にするなよ・・・」

 

アリスとユーノの通信にトシキの声が混じる。

それにアリスとユーノが喜びの声を上げる。

 

《マスター!!間に合ったんですね!!》

 

《トシキ!よかった・・・》

 

「何とか凌げたよ・・・」

 

トシキはコクピット内でヘルメットを取り深いため息をつく。

しかも懸念事項は他にもある。

 

「・・・あのミサイルをどうにかしないと、セフィーラへは行けない・・・」

 

クラストラニアからのフォールドには成功したが、今のままではセフィーラ軍は大きな行動制限を受け続ける。

どうにかして攻略しなければならない。




劇中曲1:SELUMNA PEAK/ACE COMBAT 6 解放への戦火
   2:Mr.Adam/ARMORED CORE 4

ED:吹雪/西沢 幸奏

今回は1回でまとめたかったので長い上に適当な箇所だらけでゴチャゴチャしてますね・・・
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