直人が伝えに行き、俊樹は病院に緊急搬送された。
俊樹は幼少期から心臓疾患を患っており、他と比べて身体が弱い。
それにより時折発作を起こしてしまうのだが、今回は一際強い物が起きてしまったようだ。
今、俊樹は呼吸器、点滴、心電図モニターなどが繋がれた状態だが、現実は非情であった。
「・・・私達も最善を尽くしましたが、持って3日かと・・・」
担当医からの宣告に、母は両手で顔を覆い泣き出し、父は顔こそ背けるがその肩は震えている。
直人は驚愕と絶望が混ざりあった表情をし、視界が歪んでいく。それ程までにショックが大きかったのだ。
俊樹の余命、残り3日。
その言葉は3人の耳から離れなかった。
その夜、病室に運ばれた俊樹の胸部から蛍のような小さな銀色の光が発し、窓から外へ。
さらに俊樹の部屋に置かれているフィギュアからも小さな光が発し、銀光のもとへと飛来する。その数は6。
6つの光は銀光を中心にゆっくりと回り始め、徐々にその速度を上げやがて連れていくかのように銀光と共に天へ飛翔する。
とある銀河系。
そこでは1つの軍事勢力が戦闘を行っている。目を引くのは1方の勢力にある「NUNS」の表記。それはこの世界で治安維持を担っている軍隊だ。
しかしそれは戦闘よりは蹂躙に近い形で、明らかに規模の小さな勢力を一方的に撃破していく。
その中で戦域を離脱していく1つの影。それは民間で使われているシャトルであった。
そしてそれを追尾する4機、「バルキリー」と総称される可変戦闘機の1つ「VF-171 ナイトメアプラス」。
シャトルは上下左右に移動しナイトメアプラスの機関砲を回避していく。
「これより砲撃を開始する、航空隊は直ちに退避せよ」
ナイトメアプラス編隊にその通信が入り散り散りに回避。そして比較的先行しているステルスフリゲート艦2隻が砲塔を旋回させる。
「照準良し、撃て!」
号令と共にフリゲートからビーム砲が放たれシャトルに迫る。
「マズい、つかまって!!」
シャトルの操縦手の少年は操縦桿を思い切り左に倒すも、回避に間に合わず砲撃がシャトル右側を掠める。
その衝撃で少年は機器に身体を打ち付け気絶。シャトルも態勢を崩し近くの惑星へ落下していく。
「そんな!しっかりして!」
「お兄様!!」
後部座席にいる2人の少女が駆け寄る。その間にもシャトルは速度を落とさずに落下、少女の1人が叫ぶ。
「しっかり、死んじゃイヤッ、“ ”ッ!!!」
「ん・・・」
とある部屋で、5歳もいかない少年が目覚めた。
少年は天井を見た後、両手を顔の目の前に動かし握り開きといった動作をする。
「・・・生きて、る・・・?」
呟くようにそう言った少年は、偶然近くにあった鏡を見る。
それは、少年にとって覚えのある物。銀色に見える白のショートヘアに、瞼から覗かせる金に近しい黄色の瞳。
「・・・俺・・・?」
少年はその鏡が自分ではないかと思った。
「あ~、起きた!パパ、ママ、起きたよ~!」
そんなとき、球体の胴体に4本の脚と2本のマニピュレーターをつけた機械が喜びの感情を含むような音声を出しその場で何回転か回った後どこかへ行く。
そして少しして、まだ若さの残る男女が部屋に入ってくる。
「よかった・・・、気がついたのね」
「あぁ・・・、心配したよ・・・“トシキ”」
「・・・え?」
目の前の男は、確かに自分のことを俊樹と呼んだ。
そう、少年は倒れたはずの、俊樹だったのだ。
OP:DAYBREAK'S BELL/L'Arc~en~Ciel