マクロス Infinity Rumble   作:天羽々矢

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OP:明日へのキズナ/HIMEKA


STAGE23 ベルファン 強襲 ACT2

ユーノ達が奪取した戦艦イザナミの出現により、ベルファン基地上空は混迷を極めている。

基地を制圧すべきか戦艦を攻撃すべきか判断できないようだ。

そんな味方機に向けトシキが一斉通信を放つ。

 

「作戦行動中の新統合軍機へ。出現した戦艦は味方だ、繰り返す、戦艦は味方だ!」

 

《その根拠は?》

 

トシキの通信にエイカが異を唱えるが、今回は根拠がある。

 

「さっきあの戦艦から連絡が来た。ユーノたちが乗ってる!」

 

説明が終わる前にブリタニア軍が白亜の戦艦に攻撃を仕掛ける。最悪破壊するつもりなのだろう。

勿論ユーノ達も黙っている訳なく、戦艦の対空レーザーでブリタニア軍機を撃墜していく。

 

「こっちには服部さんとアリスさんもいるから安心して!」

 

「・・・でもそのままじゃマズいだろ、待ってろ!」

 

トシキはユーノ達をフォローすべくユーノ達が突入したゲートに向かう。

敵部隊は戦艦への攻撃や破孔からの新統合軍の侵入の防御などで疎らになっている。

 

トシキはゲートに突入しユーノ達の機体を発見。コクピット内を見ればシートや操縦桿がなくなっている。

つまりEX-ギアで活動しているという事だ。そうと分かれば言える事は一つだ。

 

「ユーノ、服部、EX-ギアを使え!」

 

「EX-ギア?確かに今着けてるけど」

 

「それがどうしたんですか?」

 

「いいから!」

 

トシキの気迫に押された2人は言われた通りEX-ギアを起動しIFFを操作。

 

〈CONNECT SLAVE〉

 

2人のIFFを受け取ったRVF-25とVF-19F/Xは自律起動し2人のいる戦艦へ向け飛行を開始。

トシキは無人の2機が撃墜されないように護衛に付き、接近する敵機がいればすかさずガンポッドで攻撃。撃墜していく。そして2機は戦艦に着艦。

 

「お前たちの機体、届けたぜ。ヤバかったら逃げろよ!」

 

「トシキ・・・ありがとう!」

 

「・・・お礼は言っておきます」

 

ユーノは素直に、シズカはまだ慣れないのか棘のある言い方だ。

トシキは機体を届けた後に補給の為に一時離脱。

衛星軌道で待機しているセフィーラ艦隊に戻りミサイルとガンポッドの弾を補給後再出撃し再び基地上空へ降下する。

降下直後にユーノから通信が入る。

 

「トシキ、早速だけど敵増援みたいだ。数は2!」

 

「機種は分かるか?」

 

「待って・・・出た。VF-17DとVF-19Fだ!」

 

どうやら敵エースのようだ。2機だけという事はどれだけ自信があるかという事の裏返しであろう。

 

《こちらハイデマリー、これよりセイレーンリーダーのフォーメーションに入ります》

 

「マリー?」

 

《援護はお任せください》

 

「・・・助かるよ、俺の後ろに!」

 

《了解》

 

トシキの5時方向にハイデマリーのVF-22が付き臨戦態勢を整える。

 

 

 

***

 

 

 

戦域に黒下地と赤いワンポイントのVF-17D、グレーの下地と黄色のワンポイントのVF-19Fが向かっている。

 

向かっていたのは基地の援護の為。しかし最悪の場合は放棄し撤退せよ。

それが彼女達が“彼”から受けた指示だった。

 

「おいおい、ほとんどボロボロじゃないか」

 

「でも今から私たちが行けば間に合うと思うわ。急ぎましょうエイラ」

 

「当然!私とサーニャにかかれば朝飯前だもんな!」

 

VF-17Dのパイロットの少女サーニャとVF-19Fのパイロットの少女エイラ。

彼女達は任務を全うする為に戦場へ突入していく。

 

 

 

***

 

 

 

「見えた!」

 

トシキが敵増援らしきVF-17DとVF-19Fを目視。

お互いにまずはロックされない位置を取りすれ違う。その際にトシキは2機の尾翼についている箒で模られた星のマークを目撃。

 

「こいつらもあの部隊の仲間か!注意しろマリー!」

 

《了解》

 

トシキから注意喚起されハイデマリーは更に敵を警戒する。

 

《こっちも2人、ちょうどいいナ》

 

エイラ達からすれば2対2は都合が良かった。連携に関してはエイラとサーニャはかなりのレベルだ。

それに対しトシキとハイデマリーはぶっちゃけ本番。普通に考えればトシキとハイデマリーが不利だ。

 

まずVF-17Dがハイデマリーの背後を取りガンポッドの狙いを定める。

ハイデマリーは振り切ろうと機体を揺さぶるが逃げる先にエイラのVF-19Fがガンポッドを放ち退路を断つ。

下手によけようとすればエイラのガンポッドの餌食になり、だからと言って動かなければ今度はサーニャのVF-17Dに狙われる。

トシキがエイラの背後を取りミサイルロックをしようとするが今度はVF-17Dが反転しトシキの背後に回る。

後ろに気を取られた隙に前のVF-19Fがバトロイドに変形し上下反転、ガンポッドをトシキに向ける。

トシキは機体を捻らせ回避するが、今度はVF-19Fに背後を取られる。

 

「こいつら、自分のポジションが分かってる・・・!」

 

この2人はお互いがフォローし合う戦術を使うようだ。

1人が1機を追えばもう1機はそれを追いやすくなるように退路を断ち、逆に追われている時はもう1人が背後を取り2機で挟撃。基本的にスタンドプレーをしないタイプだ。

逆にトシキは基本的にスタンドプレー。編隊を組むにしても援護の為に散る事が多い。

 

撃退するには相手の裏をかく戦術が必要になりそうだ。だがそれをやるのは容易ではない。

でも、もし穴があるとすれば・・・

 

「マリー!こいつの後ろに回れ!」

 

《了解》

 

トシキの指示でハイデマリーがVF-19Fの背後を取る。そうなれば空いているVF-17Dがハイデマリーの背後に回る。

今度はトシキがVF-17Dの背後を取り、更にVF-19Fがその背後を取る。これでは鼬ごっこだがトシキはもしかしたらと踏んでいる。

VF-19Fが迫り、前のVF-17Dが減速しバトロイドに変形し上下反転・・・

 

「ここだ!!」

 

トシキは操縦桿を思い切り手前に引き両足のペダルを踏み込む。

そうすると機首が持ち上がりコブラ機動に入る。そうなれば接近してきたVF-19FはVF-25Fをオーバーシュート。VF-17Dの照準はVF-19Fに向けられる。

 

《え・・・!?》

 

《ナッ!?》

 

2人は互いに射線に来た為にトリガーから指を離してしまう。

その隙にトシキは機体をガウォークへ変形させガンポッドをVF-17Dのエンジン部へ向け撃つ。

 

《きゃっ!》

 

サーニャは機体を捻らせるが間に合わず右エンジンに数発もらう。

破損した右エンジンは煙を吹き出力が上がらない。

 

《サーニャ!!》

 

「悪いな、次はお前だ!」

 

右エンジンを破損したVF-17Dではもう追従できないだろう。

VF-19FをトシキのVF-25Fが追う。

 

《エイラ!》

 

サーニャはエイラのフォローに向かいたいが右エンジンが破損している為追いかけるので精一杯のようだ。

そこへハイデマリーのVF-22が背後を取る。

 

《嘘・・・!?》

 

サーニャはすぐに回避行動に入るが、推力が落ちている為うまく動けず狙われるのも時間の門弾だろう。

 

《離れろよ!サーニャが危ないんだから!》

 

エイラはトシキを振り切ろうと躍起になっており機体上部の対空レーザー砲をトシキに向け撃つがトシキはそれをうまく回避。

 

《しつこいっての!》

 

痺れを切らしエイラはコブラ機動を取りトシキの背後に回る。

これで攻守逆転、後は切り上げサーニャの援護に向かうだけだったが、ここでトシキが機首を上げそれと同時に螺旋を描くように回り再びエイラの背後を取る。

これは“バレルロール”と呼ばれる空戦機動だ。

 

(トシキさん・・・この瞬間でも・・・)

 

それを見ていたハイデマリーは素直にトシキの素質に舌を巻いていた。

この一瞬でもトシキはまだレベルアップをしている。

 

《本気でしつこい!!》

 

叫びに近い声でエイラが吠えた後に再びコブラ機動・・・ではなくそのまま機首をトシキに向けてくるクルビット機動だ。

トシキは機体を捻らせガンポッドを回避しVF-19Fをオーバーシュートするが、

 

《エッ!?》

 

その瞬間にトシキは機体をバトロイドに変形させ上下反転。VF-19Fのエンジン部に狙いをつける。

エイラは回避しようとするが機首がまだ逆方向に向いている為加速ができない。そしてVF-25Fのガンポッドがエンジン部に向け火を噴く。

 

《ウワッ!!》

 

コクピット内にハンマーで殴られたような衝撃が奔り両エンジンは被弾。

致命傷には至っていないがそれでもダメージにより出力が低下。無茶な機動は取れなくなった。

 

サーニャの方を見ればハイデマリーがサーニャのVF-17Dのガンポッドを破壊し戦闘能力を奪っていた。

基地防衛部隊は既に大半が離脱か撃墜を余儀なくされている。

 

《エイラ、これ以上は無理よ・・・》

 

《クソ・・・ここまでかよ・・・!》

 

やむを得ないのかサーニャとエイラは離脱を開始し、ブリタニア防衛部隊の残存機も撤退を開始していく。

 

「奴ら、また逃げる気か!今度という今度は・・・!!」

 

《トシキさん、今回は基地制圧が任務です。目的を見誤らないでください》

 

追撃しようとしたトシキだったがハイデマリーに論され踏みとどまる。

見れば基地はセフィーラ軍と新統合軍の部隊が制圧している。

 

これによりミサイルシステム破壊の目処が立った。これからが勝負となる。

 

 

 

***

 

 

 

某所、ブリタニア軍基地。

度重なる敗北でブリタニア軍の戦力は徐々に削られつつある。

それを挽回する為、ある物の最終調整が行われていた。

 

「閣下、02の最終調整が完了いたしましたよ」

 

「あの機体の方は?」

 

「問題ありませんよ、すぐに少佐にお渡しできます」

 

暗がりの部屋で責任者らしき男と黒髪の青年、ルルーシュが会話している。

その中でモニターに映っているカプセルが開き、中からは水着のようなボディスーツを身に着け水色の髪をツインテールにした少女が出てくる。

 

「ではストラーフ・・・いや、02か。早速仕事にかかってもらおう。思う存分暴れてこい」

 

「イェス。マイ マスター」

 

淡々と答える水色の少女。

そして部屋のもう1つのモニターには、黒下地に濃青色のラインが入ったVF-27γと白地に金のライン、主翼端が緑に塗られた前進翼と4発エンジンが特徴の機体・・・“YF-29"があった。




劇中曲:GELB/ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR

ED:吹雪/西沢 幸奏
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