マクロス Infinity Rumble   作:天羽々矢

26 / 41
OP:明日へのキズナ/HIMEKA


STAGE26 強襲母艦 要撃 ACT2

ブレイクのVF-19Aを追尾するアリスのVF-19EF。

だがそのアリスの背後に更にもう1機迫ってきている。

 

それは黒地に濃青色のラインが入ったVF-27γ。

青髪ツインテールの少女、02の機体だ。

 

「くぅ、また・・・!」

 

離脱し回避を試みた時だった。

 

(やっと見つけたぞ、01!)

 

突然アリスの頭に直接響いてくるように声が聞こえてくる。

 

「え・・・何なんですか、01って何ですか!?私はアリスです!」

 

(いいや、お前は私と同じサイバーグラント、01だ)

 

アリスの戸惑いを無視し02はアリスを追尾しながら言葉を続ける。

 

(私たちはある目的の為に造られた特別な個体。だがお前は行方を眩ました。マスターの命令に背いて)

 

「私、何も覚えていませんっ!」

 

覚えも無い事を言われアリスは混乱する。

 

(お前を必要としている人々がいる。私と一緒に戻ってほしい)

 

「それは・・・できません。だって・・・今の私にはマスターがいます!私を作ってくれたマスターがいるんです!」

 

(お前のマスターの為でもある)

 

「!?」

 

02の言葉にアリスは言葉に詰まってしまう。

そこに畳みかけるかのように02は言葉を続ける。

 

(私たちは特別。普通の人間の手に負える物ではない。本来いる場所に戻るんだ)

 

その言葉にアリスは思い出してしまう。

自分にスパイ容疑がかかり、マスターであるトシキとその友人達に迷惑をかけてしまう危険があるという事を。

 

(さぁ帰ろう。私と共に)

 

「・・・」

 

アリスに言い返す気力はもう残っておらず、アリスはスロットルレバーと操縦桿を離し02に従おうと・・・

 

「アリス!!」

 

「!?」

 

通信機から聞こえた声にアリスはハッとなる。

見ればトシキのVF-25Fが02のVF-27γの背後を取りアリスから引き離している。

 

「マスター・・・?」

 

「何ボーっとしてんだ!こいつは任せて早くユーノ達と合流してくれ!」

 

「!!」

 

トシキに言われアリスは再びスロットルレバーを握り機体を加速させる。

02はそれを追おうとするがトシキのVF-25Fの機体上部に装備されている連装ビーム砲の攻撃により断念せざるを得ない。 

 

《貴様・・・》

 

「誰だか知らないが、アリスは・・・仲間はやらせるかよ!」

 

トシキは両翼端のエンジンポッドを駆使しVF-27γを追い立てるが、ミサイルロックまでは追い切れていない。

ここでVF-27γが宙返りを繰り出しVF-25Fの後方へ回る。

 

「クソッ!!」

 

《墜ちろ》

 

02のVF-27γがトシキのVF-25Fを捕捉し、BGP-01β 55mmビームガンポッドを斉射する。

それに対しトシキは両翼端のエンジンポッドを別々に向けバレルロールを行い後方へ。

 

《・・・少しはできるか》

 

「ゴチャゴチャうるせぇ!」

 

再びVF-27γを捕捉。今度はトシキがマイクロミサイルを発射。

02はこれを機体上部のマウラーROV-20 20mmビーム機銃で迎撃した後ガウォークへ変形しVF-25Fをオーバーシュートさせようとする。

そしてVF-25Fにビームガンポッドを叩き込もうと構え・・・

 

《・・・!》

 

そこで気づいた。ガウォークへ変形したVF-25Fが右手のガンポッドでキャノピーの上を越して狙っている。その時02は一瞬だが戦慄した。

トシキは、自分の行動を読んだのか、と。

そしてVF-25Fのガンポッドが火を噴き、VF-27γのビームガンポッドと右腕、更に右脚部エンジンをも破壊する。

 

《く・・・!》

 

それによりVF-27γは錐揉み状態になるがファイターに変形させる事で立て直す。

しかし主兵装と右エンジンを失った状態では、トルネードパック装備のVF-25Fとはやり合えない。

 

《・・・今回は貴様の勝ちだ》

 

明らかに憎々し気な声でそう吐き捨て02は戦域を離脱。

 

だが先程の先頭で右主翼下のミサイルポッドを撃ち尽くした為、トシキは右主翼下のポッドをパージ。少しでも機体を軽くした後にアリスと合流する。

 

「マスター・・・」

 

「・・・俺たちの事なら気にするなよ。そんな間柄でもないだろ?」

 

「うわぁ!?」

 

アリスを励まそうとした矢先、ユーノの悲鳴が響く。

見ればユーノのRVF-25がブレイクのVF-19Aに追われていた。

RVF-25はレドームとセンサー装備の為対空レーザー機銃は装備されていない。

 

「行くぞアリス!」

 

「は・・・はい!」

 

トシキの言葉に若干の戸惑いがありながらも返答しユーノの援護に向かう。

 

「俺が追い込む、アリスは先に回って仕掛けろ!」

 

「了解!」

 

即興の作戦通りトシキがVF-19Aの背後に付きユーノから引き剝がす事に成功。

 

《1番相手にしたくないのに絡まれたわね・・・!》

 

「悪いな、付き合ってもらうぜ!」

 

トシキがブレイクのVF-19Aを追尾し、機体をバトロイドに変形させたアリスはそれの逃げる先を計算しガンポッドを撃つ。

 

《くっ・・・!》

 

ガンポッドはVF-19Aの左主翼に直撃するが撃墜まではいかない。

 

「ごめんなさいマスター・・・」

 

「大丈夫、当ててくれただけでも!」

 

主翼をやられ機動性が落ちたVF-19Aにトシキが迫りロック。そして残っている左主翼下のミサイルポッドのミサイルを発射。

ブレイクはフレアをばら撒きミサイルを攪乱するが、逃げた先にトシキがガンポッドを撃つ。

弾はVF-19Aの両エンジンに命中。

 

《ここまでね・・・。離脱するわ》

 

エンジンをやられたブレイクは戦線離脱。

 

《クソ、残りは何機だ!?》

 

《各機、攻撃範囲を20%縮小。防空に専念して!》

 

現在の状況にVF-22のパイロット、バルクホルンが状況を確認し指揮官のミーナは指示を伝達。

立て続けに3機も離脱しブリタニア側の航空戦力はガタつき始めている。

そしてその影響も出始めた。

 

《推力ダウン、操舵不能!》

 

ステルスクルーザー艦の1隻が推進部に甚大な被害を出し制御不能な状態。

防御力を失くした艦船の弱点は1ヶ所。トシキはそのステルスクルーザー艦に接近し連装ビーム砲を敵艦艦橋に向ける。

発射されたビームは艦橋に直撃し船体を貫通。貫かれたステルスクルーザー艦は内部から爆発を起こし始め内部のエネルギーが暴走し爆散する。

 

《敵ステルスクルーザー艦1隻目を撃沈!その調子です!》

 

その光景にトシキは思わず心を痛めるが、

 

「同情はしないぞ、これは戦争でお前たちは武器を持ってた。被害者と加害者は紙一重なんだ・・・」

 

そう呟き敵への同情を振りほどく。

 

《被弾しました!レーダー出力ダウン》

 

もう1隻のステルスクルーザー艦も推進部と兵装にダメージを負い戦闘能力は削がれている。

そこに来たのはシズカのVF-19F/X。破孔にガンポッドを撃ちこみ中の砲弾等の火薬を誘爆させ艦を破壊する。

 

《敵ステルスクルーザー艦2隻目を撃沈!そのまま切り崩して!》

 

敵電子支援艦が撃沈されこれで互角。

左右するのは各々の腕だ。

 

《これ以上はやらせないわ!》

 

ここで残っている敵エース3機が態勢を回復。

他のセフィーラ軍機を妨害しに入る。

 

《クソ、こいつら!》

 

「星マークの奴らは引き受ける!アリス、服部、マリー、俺の後ろに!」

 

「はい!」

 

「了解!」

 

《了解です》

 

トシキの声に3人が返事し4機編隊を組む。敵は3機。数では有利だが油断はできない。

4機編隊のまま敵エース3機に突っ込み挑む。

 

「行くぞ、散開!」

 

『はい(了解)!』

 

トシキの合図で編隊が崩れ交戦開始。まずが3機を散り散りにさせ連携を断ちシズカとハイデマリーは1機ずつ、トシキはアリスを従え指揮官を追う。

 

《甘い!》

 

《!?》

 

だがバルクホルンのVF-22がバトロイドに変形しバック転の要領で回転しハイデマリーの背後へ。直後にファイターに変形し追尾体勢を取る。

 

「マスター!ハイデマリーさんが!」

 

「見えてるよ!こいっちはいいからアリスはマリーのフォローを頼む!」

 

「でも・・・分かりました・・・!」

 

アリスはトシキがこう言う時は何とかする事を分かってしまっている為、言葉に従いハイデマリーの援護に向かう。残ったトシキは引き続きミーナのVF-22Sを追尾。

だがここで敵ノーザンプトン級ステルスフリゲートから妨害が入り離脱を余儀なくされる。

 

先にステルスフリゲートを片付けようと標的を変え、推進部に向け上部の連装ビーム砲を発射。

 

《推進部に直撃を貰った、航空機を回してくれ!もうこちらはダメかもしれん!》

 

後は艦橋を破壊すればお終いだ。トシキはステルスフリゲートの前方に出て艦橋をロックし左主翼下のミサイルポッドに残っているミサイルを全弾発射。吸い込まれるように全弾が命中する。

 

《アースガルズ聞こえるか!こちら・・・》

 

敵がアースガルズに現状報告をしようとしたがその直前に爆発音が発生し通信が切れ、それを最後にノーザンプトン級ステルスフリゲートは活動を停止。

 

《敵ノーザンプトン級ステルスフリゲート艦1隻目を撃沈!》

 

残りはノーザンプトン級ステルスフリゲート1隻とアースガルズのみ。

トシキは空になった左主翼下のミサイルポッドをパージし、両翼端のエンジンポッド先端のミサイルポッドに変更。

今度はアースガルズの外部対空砲をロックしミサイルを発射する。

 

《やったか!?やった、敵の指揮艦にダメージ!》

 

アースガルズへの目に見えるダメージを確認しセフィーラ軍の指揮は上がる。

 

《アースガルズまでやらせるものか!》

 

その光景に触発されバルクホルンが機体を加速させるが、その背後にアリスのVF-19EFが来る。

 

「行かせません!」

 

《くっ!》

 

ガンポッドを放ちバルクホルンを追撃。そしてそれをハイデマリーが追う形となっている。

そこでアリスの機転が利きハイデマリーに案を伝える。

 

「ハイデマリーさんはそのまま追いかけてください!私に考えがあります!」

 

《!・・・了解》

 

アリスを信じ言葉通りにバルクホルンを追尾するハイデマリー。

アリスはハイデマリーの後方に回り別方向からバルクホルンを追い込む。

 

《これしきの事で!》

 

バルクホルンは宙返りでハイデマリーの後方を取る。

が、後ろにいるはずのアリスがいない。

 

「アリスさん・・・?」

 

《もう1機がいない・・・?》

 

ハイデマリーは理解できていないままバルクホルンから逃げ、バルクホルン本人も戸惑うが目先のハイデマリーの撃墜に専念し追撃するがそれが間違いだった。

 

「そこです!!」

 

アリスはあの後、バルクホルンが回り込むタイミングでエンジンをカットし機体を反転。バルクホルン機の裏側を飛行していたのだ。

そして隙を見せた瞬間バトロイドに変形しエンジンにガンポッドを発射。

 

《何!?》

 

至近距離からでは回避しようがない。

放たれた弾は両エンジン部に直撃。

 

《クソ、ミーナすまない、脱出する!》

 

VF-22からパイロット、バルクホルンが排出された後、機体は爆散。

 

《トゥルーデ!?》

 

《逃がしませんよ!》

 

《僕だって・・・!》

 

バルクホルンの撃墜に一瞬動揺したもう1機のVF-22のパイロット、エーリカ・ハルトマン。

その動揺の隙にシズカのVF-19F/X、更にユーノのRVF-25も背後に回る。

 

ユーノがガンポッドで攻撃するが、戦闘に関してはほぼ素人なユーノに当てられる訳もない。がその回避先にシズカがミサイルを発射する。

それに気づくのが遅れたエーリカは成す術無く、ミサイルが直撃。

 

《うわっ、やられた~!!》

 

エーリカを排出しVF-22は爆散。

 

《エーリカ!!トゥルーデ!!》

 

「皆が頑張ってんだ、俺も負けてられるか!」

 

残るはミーナのVF-22Sのみ。それは既にトシキが追っている。

ミーナは機体をガウォークへ変形させトシキのVF-25Fをオーバーシュート。左手のガンポッドを撃ち込もうと構えるが、トシキは両翼端エンジンポッドを下に向け直角的に急降下。

 

《え!?》

 

その機動に意識を取られた一瞬だった。VF-25Fがバトロイドに変形しガンポッドをVF-22Sのエンジンに向け発射。

弾は両エンジンと主翼を貫いた。

 

《く・・・ごめんなさい!》

 

ミーナも機体から脱出し離脱。

 

《ウィッチーズが全滅!?バカな、本当なのか!!》

 

航空隊壊滅の報にアースガルズ艦隊に動揺が奔る。

残るは敵艦だけ。

残っているノーザンプトン級ステルスフリゲート艦にアリスとシズカが接近し、ミサイルを叩きこむ。

ミサイルは艦橋を破壊し、砲塔に残っているビームエネルギーにも誘爆し爆発を起こす。

 

《敵ノーザンプトン級ステルスフリゲート艦に致命弾!敵艦撃沈、撃沈!》

 

《残るはアースガルズ、本丸だけだ!》

 

随伴艦は全て撃沈し、残るはアースガルズだけ。

しかし、活動制限有りとはいえ反応炉を搭載しており今のままでは攻撃は通らない。

今まで通り推進部に狙いを定める。

 

《懐に飛び込んでくる敵機を叩く。全砲門開け》

 

《砲門開放!全方位攻撃を開始する》

 

だがアースガルズも唯やられる訳がなく、隠していた対空火器を開く。

エンジン部を攻撃するには厚い弾幕を掻い潜るしかない。

 

弾幕に何機か倒れる中、トシキ達は弾幕を回避しながらアースガルズに接近しトシキが近距離で連装ビーム砲をアースガルズのエンジンにぶち込み破壊する。

 

《デカイ奴のエンジン部に命中!1機目を破壊したぞ!》

 

《エンジンブロック被弾。機関室、第3エンジン吹かせ!》

 

エンジン1機破壊によりアースガルズの体勢が僅かに崩れる。 

それが隙になり他のセイレーン機も突入しエンジン部に徹底的に攻撃を仕掛ける。

ユーノがインテーク全面のミサイルコンテナからミサイルを発射しエンジン部に直撃する。

 

《第2エンジン被弾。推力ダウン。舵を引け》

 

《まだ動ける、問題ない》

 

しかしそれでも体勢を崩すだけでまだ撃沈には至っていないようだ。

それでも残っているエンジンを破壊すればチャンスはある。

今度はシズカがエンジン部に取り付き、残っているミサイルを全弾叩きこみ3つ目のエンジンを破壊。

 

《推力更に低下、これ以上はマズイ!》

 

エンジンは残り1機。それさえ破壊すれば勝敗は決する。

その最後のエンジンに向かったのはアリス。残っているミサイルとガンポッドの弾全てを発射。

 

《エンジンユニットを全て破壊!》

 

《敵強襲母艦に致命弾、皆さん、あと一息です!》

 

これで敵の防御力は大きく低下。後は止めを刺すのみだ。

 

《ここでアースガルズを失うわけにはいかん!フレイヤを放て、攻撃を続けろ!》

 

しかしアースガルズはまだ交戦ができるようで、艦首のVLSハッチが開き、あの巡航ミサイルが

発射される。

狙いこそ正確ではないがばら撒かれてはいずで直撃を食らう。

 

《信じらんねぇ、まだ動いてやがる・・・》

 

そんなアースガルズのタフさ加減に思わず舌を巻いてしまう。

 

《トシキ、止めを!!》

 

「!!」

 

ユーノの声にトシキが反応し、機体をアースガルズの正面へ向かわせ、機首とアースガルズ艦首が向かい合う。

そしてトシキは狙いを定め、

 

「・・・喰らえぇぇぇっ!!」

 

連装ビーム砲をアースガルズへ撃ち込む。

それはまさにジャイアントキリング。

ビームは防御力の落ちた装甲を易々と貫通しアースガルズを串刺しにした。

 

《・・・やった・・・やりました!敵強襲巡洋艦隊を殲滅!大戦果です!!》

 

《セイレーン隊は本物だ・・・》

 

誰かがそう呟いた時。

アースガルズが爆発を起こし始め、艦体中央で大爆発を起こし艦体が真っ二つに折れる。

 

「・・・静かに、眠れよ・・・」

 

沈みゆくアースガルズにトシキは静かにそう呟いた。




劇中曲:4 the Answer/ARMORED CORE for Answer

ED:MIrror/安田 レイ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。