マクロス Infinity Rumble   作:天羽々矢

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STAGE27 エデン デイズ

あの後セフィーラ軍は帰還し、アースガルズ撃沈の立役者となったトシキ達セイレーンには参謀本部から特別報酬と称賛が届き、アンドレアスからは特別に休暇も受け取った。

 

それによりトシキ達は惑星エデンへの観光プランを決定。各々準備に入っている。

 

ハイデマリーは報告書を上官へ提出し終えその帰りに整備区画にトシキの姿を見つける。

 

「あ、トシキさ・・・」

 

「お待たせトシキ君!」

 

「待った?」

 

「全然、俺も今来たとこだ」

 

声をかけようとした時にユウナとユーノ、更に他のセイレーンメンバーが来て、思わずハイデマリーは言葉を呑んでしまう。

前まではトシキはハイデマリーがフォローしていた事が多かったが、今では自分がトシキにフォローされている。

そのせいか最近ハイデマリーはトシキとその仲間達に対し劣等感を感じている。ここぞという場面で機転が利き臨機応変に対応でき、自分にはそれができない。

ベルファン上空での制空戦、今回の艦隊殲滅作戦の時がその例だろう。

 

そんな自分がトシキに声をかけていいのか、ハイデマリーはそれを懸念し黙ってしまったのだ。

 

傍らで見ている間にトシキ達は出発した。

 

「貴女は一緒に行かないの?」

 

「エイカ大尉・・・」

 

結局話し損ねたハイデマリーにエイカが近づく。

するとハイデマリーは顔を伏せる。

 

「・・・行けませんよ。私に休暇は言い渡されていませんし、今のトシキさんとはいてはいけない気がして・・・」

 

静かに胸の内を開ける。

 

「トシキさんはこれまでの戦闘で、以前までのトシキさんとはまるで別人です。そんな彼に何も変わってない私なんかが・・・」

 

「そうかしら?」

 

ハイデマリーの心境にエイカが異を唱える。

 

「確かにトシキは成長したわ。でもだからって貴方を邪険にすることはないと思うわよ?」

 

「それは・・・」

 

「そんなに気になるなら、帰ってきた本人に直接聞いてみればいいじゃない?」

 

そんな言葉にハイデマリーは思わず頬を朱く染める。

 

 

 

***

 

 

 

トシキ達は惑星エデンに観光に来た。

この惑星は名前通り、開放的で自然豊かな土地がある。

 

トシキ達は自分達のバルキリーに乗りこの惑星に来ている。

今いるのはエデンの河口付近にある大都市キャピタルシティだ。

 

「うわ~!!」

 

大型ショッピングモールにユウナは興奮の声を上げる。

今のトシキは何処か引率の教員の気分だ。

 

「ねぇねぇアリスさん、シズカちゃん、あっち見てみようよ!」

 

「あ、あの!?」

 

「待ってくださいユウナさん!」

 

「迷子になるなよ~」

 

遠ざかっていくユウナと、それを追いかけるアリスとシズカに伝える。

3人が見えなくなると、トシキはモールの一角にある店を見つける。

 

「トシキ、どうしたの?」

 

「いや、何でもないよ。お前はどうするんだ?」

 

「僕はちょっと考古学の本でも買おうかなって」

 

ユーノの言葉に、トシキはユーノの本職を思い出した。

ユーノはトシキ達と会う前はブリタニアの技術者兼考古学者なのだ。

 

「トシキは?」

 

「俺はちょっと野暮用できた。悪いけどユーノ1人で大丈夫か?」

 

「大丈夫だよ、気にしないで」

 

「それじゃ、後でな」

 

「うん」

 

ユーノとも別れ1人になり、トシキは目をつけた店に入る。

 

 

 

***

 

 

「~♪」

 

モール内の服屋でユウナは鼻歌を歌いながらご機嫌そうに店内を物色している。

彼女も年頃の女子という事なのだろう。

 

しかしお洒落に疎いのが約2名。一緒にいるシズカとアリスだ。

2人からしても可愛い、綺麗という認識はあるものの自分にはどれが合うのかが分からないといった感じだろう。

そんな2人にユウナが自分のと一緒に服を見繕っているといった構図だ。

 

「シズカちゃんにはこんなのとか似合うと思うな~!」

 

ユウナが手に取ったのは、白い長袖のシャツと緑のベスト、ベルトで留めた黒いスカート。

 

「え!?」

 

その服をみてシズカがギョッとなる。

今まで年頃の女子のような恰好をしたことのない彼女にその服は羞恥でしかない。

 

「い、いえ!そんな服、私には・・・」

 

「え~似合うと思うよ?ね、アリスさん!」

 

「はい!」

 

まさかのアリスもユウナ側。これでシズカは孤立した。

ユウナは既に選んだ服を試着室へ持って行っている。

 

「・・・わ、私は別の買い物がありますのでこれでっ!!」

 

シズカは2人に背を向け逃走。

 

「そ~れ捕まえろ~!」

 

「待ってください服部さん!」

 

「嫌です~!!」

 

女子3人での追いかけっこが始まった。

 

 

 

***

 

 

 

「ありがとうございました~!」

 

店内からトシキが出てきて、最後に仲間達と別れた場所にいる。

そこには仲間達全員がいる。だがシズカだけは来た時と服装が違っている。

あの後、シズカはアリスとユウナに捕まりユウナがチョイスした服を着せられたのだ。

 

恥ずかしそうに頬を染め手を後ろで組んでいる。

 

「あ、マスター!」

 

「!?」

 

アリスがトシキに気づいた声にシズカの肩がビクッとなった。

そんなシズカを後目にユウナがトシキに近づく。

 

「ねぇトシキ君!シズカちゃんの服どうかな、私が選んだんだ!」

 

「そうなのか、中々かわいいとは思うぜ?」

 

「か、かわっ!?」

 

トシキの発言にシズカはゆでだこのように真っ赤に染まった。

その後は真っ赤になったままのシズカを連れ全員でレストランで昼食を取る事に。

 

メニューは惑星エデン名産の竜鳥のステーキである。

 

「私、竜鳥は初めてなんだ!初めまして、結城ユウナです!」

 

挨拶を返す訳もないのにユウナは竜鳥のステーキに挨拶する。

それで気まずくなったトシキ達はさっさと昼食を済ませ、代金を払って退席する。

 

 

 

***

 

 

 

その後もエデン観光を続け、気づけば夕方になっていた。

観光もそろそろお開きという事で全員が自分達のバルキリーのチェックをしている。

 

「今日はありがと、トシキ君!誘ってくれて」

 

「仲間だろ、いいって」

 

ユウナは今日、自分達の休暇に誘ってくれたトシキに感謝していた。

トシキとしてもユウナの年頃の女子らしい笑顔や表情が見れて何処か安らかな気持ちになっている。

 

「そうだユウナ、手、出してくれ」

 

「え?」

 

トシキに言われた通りユウナは両手を出すが意図が分からない。

出された両手にトシキは握っている右手を出し開くと、桜の花びらを模しその根本に紫色の鉱物のような物が埋め込まれた髪飾りが落とされた。

 

「これ、髪飾り?」

 

「前まで使ってた花びらの髪飾り、壊れちゃったって言ってたろ?よかったら代わりに使ってくれ」

 

「って事はこれ・・・プレゼント・・・?」

 

にユウナは頬を朱くするが嬉しそうだ。

 

「手頃な店で買った奴だし、そんな大層なもんじゃ・・・」

 

トシキの言葉にユウナは首を横に振り、早速髪飾りを頭につける。

 

「大事にするね・・・」

 

「そっか、そう言ってくれると俺もうれしいよ」

 

「トシキ、そろそろ行くよ!」

 

ユーノの声が聞こえ、全員が準備を終えている事を確認した。

 

「それじゃ、帰ろうか」

 

「うん!」

 

トシキとユウナもVF-25Fに乗り込み、全機が離陸しセフィーラ艦隊へ向けフォールドブースターを起動させ出発。

トシキの後部座席に座るユウナは、自分の中でトシキへのお礼として歌い始める。

 

 

・・・その際、髪飾りに埋め込まれている紫色の鉱物のような物が一際強く輝いたような気がした。




特別ED:Aurora days/結城 ユウナ(ICV:照井 春佳)
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