「あの、大丈夫ですか?」
「う、ん・・・?」
気が付いたら、直人はそこにいた。
そこは何処か皇族じみた佇まいの病室だった。
「よかった・・・。あなた、ここに倒れてたのですよ?」
そして目の前には車椅子に座っている栗色の髪の少女。直人は見覚えがあったが確証がないために言葉にできなかったが、少女は確かに言った。・・・自分の名を。
「私、ナナリー・ランペルージと言います」
「・・・ファッ!!?」
セフィーラ宙域。
デフォールドしたノーザンプトン級ステルスフリゲート艦内の医務室で、トシキが発見した金髪の少女のメディカルチェックが行われていた。
「どうだ、この͡͡娘の状態は?」
室内で様子を見ているジンが船医に問う。
「意識はまだ回復する見込みはありませんが、バイタル自体は安定しています」
「そうか」
ひとまず一息つくジン。
「しかし、彼女の身体から金属反応が検出されています」
その船医の言葉に一瞬、耳を疑うジン。本来なら肉体から金属反応が出るなどあり得ない。
・・・
「まさか、この娘は・・・」
「・・・恐らく中佐の推測の通り、彼女は・・・
その言葉に、ジンは右手を強く握り締める。
認めたくはなかったが、これで何故エデン3にVF-27があったのか辻褄が合ってしまう。
「VF-27 ルシファー」は今は壊滅したとされる船団、「ギャラクシー」が開発した機装強化兵専用の可変戦闘機だ。
最大の特徴はその操縦系統。パイロットの脳と機体のセントラルコンピュータを光学回路で接続する事で完全な思考制御を可能とする。
しかし機装強化兵には倫理的問題も大きく、あまり量産には至っていない。
そうなれば、VF-27などという機体を運用する組織は限られてくる。
しかし、今のジンにその心当たりは無い。
「中佐?」
「ん?あぁすまない、考え込んでしまった。彼女に何かあった場合には報告するよう」
「はっ!」
ジンはそう言い残し医務室を出て、艦内格納庫へ向かう。
ジンの機体は青いVF-19S エクスカリバー。その尾翼に自分のパーソナルマークである隼が描かれている事から、
ちなみに妻のエイカと会ったのも、新統合軍と惑星ヴォルドールとの小さな紛争時。
当時、反統合軍派だったエイカは当時の乗機であった「VF-11B サンダーボルト」で出撃したが、当時大尉であったジンに撃墜された。
その時のエイカはプライドが高かった為、撃墜地点でジンと遭遇した時はジンを殺そうとし、失敗した時も自分を殺せと申し出たが、ジンはそんな事はせず捕虜収容所に収監されても変わらない態度で接してくるジンに次第に
惹かれていきゴールインしたそうだ。
ジンが整備しに声をかけようとした時だった。
「宮本トシキ、貴方はジン中佐に相応しくありません!」
そんな声が響いた。それは、間違いなくシズカの声だった。
「相応しくない?」
「はい、私は貴方が気に入りません。ジン中佐の事で媚びへつらわれている貴方が!そもそも、貴方には態度も実力も・・・」
その言葉に、トシキの中の何かが切れた。
「そういうお前だって、バルキリー乗れる以外は取柄無いだろ?見たぜ?お前の作ったメシ食って医務室に運ばれてる奴」
売り言葉に買い言葉。その言葉に今度はシズカが反応した。
「なっ・・・な・・・っ!!」
「それにあんた軍人家系の娘で、当時の教官がオヤジだった。あんたこそオヤジに媚びへつってんじゃないのか?」
その言葉で、シズカの怒りが沸点に達した。
「決闘ですっ!!」
トシキを指さし発言する。
トシキは口端を吊り上げる。
「いいぜ、口より分かりやすくていい!」
一触即発の雰囲気が漂う中、艦内に警報が鳴り響く。
「警報!?」
「これは・・・
「状況を報告!」
「現在、セフィーラ基地が所属不明勢力の空襲下にある、との事です!発進可能な機は順次発進を!」
「了解!」
艦長から状況聞いたジンはすぐさまVF-19Sに搭乗するが、ここで面倒事が起こる。
「トシキさん、危険です!」
ハイデマリーの静止を無視しトシキがVF-0Xに乗り込む。
それに続くようにシズカもVF-19Fに搭乗し、エンジンに火を入れる。
「いい機会です、撃墜数で勝負を決めましょう!」
「OK、乗った!」
2人は完全に臨戦態勢。そのまま発艦位置まで機体を動かしスタンバイする。
「いいのかトシキ?これは遊びではなく実戦だぞ」
「分かってる・・・分かってるさ。でも、もうあの時とは違うんだ!」
ジンの忠告も振り切り、カタパルトからVF-0Xが発艦する。
「負けるか!!」
触発されシズカのVF-19Fも発艦、2機は先陣を切り突撃していく。
ED:Waiting for the rain/坂本 真綾
また別シリーズのキャラが参戦です。