どうもこんにちは、ジンだ。
今は682を引き取って暫くして、修理が完了したので682を塩酸プールにぶち込んで帰る途中だ。
あ、ちなみに俺の仕事はSCPの取り押さえと、一部のSCPと月一で会うこと。
SCPの中でも高度な頭脳を持つ奴らは狭い場所に閉じ込められてうんざりしてるだろうからな。 ストレスで暴れ出さないようにたまに面会をすることになっている。
今日の面会はSCP-049、ペスト医師だ。
049はペストマスクから人間と同じような目だけを露出させ、他の体の全てを黒いローブで覆ったSCPだ。
049には全ての人間がペスト患者に見えるようで、手術と称して健常な人間を改造、ゾンビにしてしまう。
まあ、俺は049はあまり嫌いではないが。
「邪魔するぞ。」
『…ん、ああ。 ジンじゃないか。』
独房の中に入った俺を迎えたのは、鉄の首輪を二本の柱に固定された049だった。 その状態でも特に答えた様子はなく、こちらを見て右手を上げて挨拶をしてくる。
取り敢えず預かった鍵で首輪を外す。
『悪いな。』
「気にすんなや、んで、先生。 調子は?」
『よくも悪くもないね。 ジンの方は?』
「少なくともペストは患ってねえな。」
『そうかい、それは結構。 …しかし、相変わらず不健康的だな。 隈はいつ見ても取れないし、煙草も止めていないだろう?』
「いくら不健康でも、体調は崩さねえよ。 お前らがそれを望まねえ限りな。」
『そうだった。 君はそんな存在だったな。』
立ち上がった049は身長が190センチ以上あるので、さすがに威圧感がある。 俺も185センチと日本人にしては高い方だが。
「そんで、何か要求はあるか?」
『特に、かな。 君が月一で来てくれるならそれで十分だ。』
「そうか、そいつは重畳。」
他のSCPよりかは格段に理性的で、話を理解してくれるので049との会話は楽しい。
999程ではないが、こいつも好きなSCPの1人だ。
「まだ、周りはペスト患者に見えるか?」
『見える、じゃない。 彼らは悪疫を患っているのだよ。 ジンは違うようだが。』
「そうかい。」
ただ一点、周りの人間を全員ペスト患者と考えて、おかしな手術をしだすところは嫌いだが。
「んじゃあそろそろ時間だな、また会いに来るぞ。」
『もうか、残念だな… まあ、待っているよ。』
小さく手を振る049に鉄の首輪を掛け、柱に固定し直す。
「あばよ。」
部屋から出て、独房の扉を閉めて自室に向かう。
さて、明日から日本に出張だな…■■県の旧■■村か。