それでは本編スタートです‼
試合が終わり、セシリアをピットへ運んだ永流は、彼女を近くにあったイスにおろした。
「大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
セシリアの言葉を聞き、笑顔を見せる永流。
するとその時、部屋にアナウンスが流れた。
『次の試合は5分後に開始する』
「5分後か……少し休憩できるな」
「あの……宝生さん」
「なに?」
「その……先程は助けていただき、ありがとうございます。そして、先週は大変失礼な態度をとってしまい、申し訳ありませんでした‼」
お礼を言った後、頭を下げ謝るセシリア。
「頭を上げてくれオルコットさん。俺は別に気にしてないから」
「……しかし、このままでは、私の気がおさまりませんわ」
「ん~……それじゃ1つ聞いてもいいか?」
「なんでしょうか?」
「何故君は、そこまで男を見下すんだ?」
「それは……」
永流に聞かれたセシリアは、暗い顔をする。
「あっ、別にいいよ⁉言いたくないことなら⁉」
「いえ、聞いてください」
覚悟を決めたセシリアは、永流に全てを話した。
自分の幼少の頃、両親がどんな人物だったかのかを。
「そうか……ご両親を」
「はい……そして父は、最後まで母に頭を下げていましたわ」
「そうか……とても辛かったな」
「はい…………ですが、私には大切な親友がいましたから」
「そっか…………でも、いいお父さんじゃないか」
「えっ?」
永流の言葉に、目を丸くするセシリア。
「おそらく君のお父さんは、家族を守るためにお母さんに頭を下げてたんだと思う」
「守る…………?」
「話を聞く限り、女尊男卑が流行り始めた時期だから、君のお母さんと対等に話をすると周りの女尊男卑に染まった女性たちから、嫌がらせをされると思いお父さんは頭を下げていたんだと思う」
「嫌がらせ?」
「落書きとかの嫌がらせで止まればいいが、それが家に火をつけたりや君に危害をくわえるなどといった方に、エスカレートしたら洒落にならない。だから君のお母さんとお父さんは演技していたんだと思う」
「それでは父は⁉」
「うん。君たちを守るために、していたんだと俺は思うよ。その証拠に、君のご両親は離婚してないだろ?」
「確かにそうですわ…………では父は……私を守るために……」
「あくまで予想だけどね?」
しばらくの沈黙続く。
そしてセシリアは、何かを決意したような顔をして、口を開いた。
「私…………今度実家に帰って調べてみますわ。父はなんのために、頭を下げ続けたのか」
「そっか」
「はい。…………それと宝生さん、改めてお礼を言わせてください。ありがとうございます」
「気にしなくていいって。こっちこそありがとう。話してくれて」
「いえそんな、お礼を言われるほどのことではありませんわ。むしろ宝生さんのおかげで視野が広がりました。今後はもっと視野を広くして、世界を見ていきたいと思いますわ」
「そっか」
「はい♪……そ、それでですわね////」
「なに?」
「そ、その////これからは私のことをセシリアとお呼びください‼////」
「えっ?いいの?」
「はい。宝生さんは信頼に値する方ですから」
「そうか……なら俺も永流でいいよ」
「よ、よろしいのですか⁉」
「ああ。君は俺を信頼してくれた。その思いに答えなきゃ。それに俺自身、今は君を信頼してるから」
「宝生さん…………」
「違うだろ?永流だよ、セシリア?」
「はい‼永流さん‼」
お互いに笑顔になり、微笑みあう永流とセシリア。
するとその時、再びアナウンスが流れた。
『まもなく試合を開始する。選手はアリーナへ』
「それじゃあ行ってくるよ」
「はい‼頑張ってください‼」
「おう‼ノーコンティニューでクリアしてやるぜ‼」
そう言ってアリーナに向かって走っていく永流。
残ったセシリアは、永流が走っていった方向を見つめ続ける。
「宝生……永流……」
永流の名前を言うセシリア。
名前を言った彼女の顔は、ほんのり紅く染まっていた。
(なんでしょうか?この暖かい感じは。彼を思うと、心が暖かくなり、顔が熱くなる)
熱くなる顔をおさえながら、ゆっくり目を閉じるセシリア。
目を閉じ彼女が思い浮かんだのは、永流の笑った顔や怒った顔だった。
(そうか…………私は……)
自分の思いに気づいたセシリアは、ゆっくりと目を開く、呟く。
「永流さん…………私の心は、あなたにクリアされましたわ////」
顔を紅くし、永流が走っていった方を再びみるセシリア。
「永流さん…………いつかあなたの心を、撃ち抜いてみせますわ♪////」
そう言ってセシリアは、機体の整備に移った。
場所は変わってアリーナ。
セシリアと話を終えてきた永流は、カタパルトから出てきた。
アリーナには既に織斑がいたが、怒った表情をしていた。
「おい永流‼お前なんであんなことしたんだよ⁉」
「あんなこと?」
「とぼけるな‼勝負はついたのに、なんであんな攻撃をオルコットにしたんだよ⁉」
「あの時点でシールドエネルギーは無くなっていなかった。よって勝負はついてなかった。それにセシリアはまだ諦めてなかった。だから俺は彼女に敬意を賞して、あの技を放った」
「だからって、女の子にあんなことしていいと思ってんのかよ‼」
永流の言ってることを理解せず、永流に向かって怒鳴る織斑。
永流は織斑に対し、呆れると同時に怒りがこみ上げてきた。
先程、お互いに意地と誇りをぶつけ合い、和解し、友人となったセシリア。
そのセシリアの、誇りとあきらめない意志を、侮辱している。
それを感じた永流は、更に怒りがこみ上げ、殺気を抑えられない程になっていた。
「もういい。お前には、何を言っても無駄なようだ。織斑、覚悟しろよ。お前は俺の心を滾らせた‼」
「覚悟すんのはお前だ永流‼女の子にあんなことしていいもんか‼お前は男の恥さらしだ‼」
「戦いに男だ女だ関係ねぇ‼戦いになれば、互いに戦士だ‼そして、いい加減呼び捨てにすんな‼このクソガキ‼」
《マイティアクションX》
「大変身‼」
《ガシャット‼ガッチャーン‼レベルアップ‼》
《マイティジャンプ‼マイティキック‼マイティマイティアクションX‼》
《ガシャコンブレイカー》
《ジャ・キーン》
永流は一気にエグゼイドレベル2へと変身し、ガシャコンブレイカーを取り出してソードモードに変え構える。
それに続き、織斑が使う〈白式〉の専用武器〈雪平弐型〉を展開して構える。
そして、試合開始のブザーが鳴り響いた。
「うぉおおおおおおお‼」
ブザーが鳴ったと同時に、永流に向かって突撃してくる織斑。
永流に近づいたとこで雪平弐型を縦に降り下ろすが、永流は簡単に避ける。
攻撃を回避され、頭に血が上った織斑は、もはや剣道の片は関係なく、我武者羅に振り回すが、永流には一撃も当たらない。
「避けるな卑怯者‼」
「攻撃を回避することのどこが卑怯だ?」
「お前にはプライドがないのか⁉」
「プライドね…………何かを成し遂げるためなら、プライドなんざ捨てるさ‼」
「ぐあっ‼」
永流は織斑の攻撃を回避した直後、織斑にガシャコンブレイカーを降り下ろし、攻撃を当てた。
受け身を取れなかった織斑は、後方に吹っ飛び、なんとか体勢を立て直す。
しかし、既に永流が近づいており、ガシャコンブレイカーを降り下ろされる。
その攻撃を、ギリギリでかわす織斑。
「おい、避けるのは卑怯じゃなかったのか?」
「うるせぇ‼」
「救えない奴だ」
ガシッ
「なっ⁉」
「はっ‼」
「がぁっ⁉」
永流は攻撃してきた織斑の雪平弐型を片手で掴み、織斑の腹に蹴りをいれる。
蹴られた織斑は雪平弐型を離し、アリーナの壁まで吹っ飛び、地上に落下する。
「ぐっ‼く、クソッ‼」
「情けないな……お前」
「なんだと⁉」
「ホラよ……」
永流は織斑に雪平弐型を投げ渡す。
慌てて雪平弐型をキャッチした織斑は、投げてきた永流を睨み付ける。
「どういうつもりだ⁉」
「どうもこうも、武器なしのお前に、攻撃したら卑怯者ってお前言うだろうからな」
「そんなこと‼」
「ない、とは言わせないぞ。先程お前は、攻撃を回避した俺を卑怯者呼ばわりしたからな。自分も避けているのにな」
「ぐっ‼」
永流の言葉に何も言い返せない織斑。
そんな織斑に、永流は挑発する。
「ホラ、かかってこいよ」
「こんのぉおおおお‼」
「少しは、突っ込む以外の攻撃をしてみせろ‼」
「がっ⁉」
また突っ込んできた織斑を、永流は殴り飛ばす。
「クソッ‼これならどうだ‼〈零落白夜〉発動‼」
織斑がそう言うと、雪平弐型のブレード部分が変形しエネルギーの刃を形成した。
「零落白夜…………織斑先生が使っていたやつか」
「そうだ‼零落白夜は、千冬姉がモンドグロッソで優勝した時に使っていた単一仕様〈ワンオフ・アビリティー〉だ‼俺はこの剣で、千冬姉を……皆を守れる男になる‼」
「ふ~ん……だから?」
「……えっ?」
「だからなんだ?俺は勝てるとでも?姉と同じ力を持ったから勝てる…………バカにも程がある」
「言わせておけばぁああああ‼」
「はぁ…………突撃しかできないのかよ?」
永流は何も変わらず突っ込む織斑に、呆れながら攻撃を回避する。
「クソッ‼なんで当たらないんだよ⁉」
「当たり前だ。この1週間、篠ノ之にサンドバッグのように打ち込まれていたお前が、今日手に入れたばかりの力を扱いきれる筈がない」
「そんなことない‼俺は扱いきれる‼」
「いや無理だ。現に今、お前は自分の武器の能力を理解してない」
「してるさ‼千冬姉が全国を制した力で、エネルギーを大幅に削る能力だってことをな‼」
「なら、デメリットを言ってみろ」
「はっ?デメリットなんてあるわけないだろ‼適当なことを言うな‼」
「ふん‼」
「がぁっ⁉」
永流は我武者羅に攻撃する織斑の背後に素早く回り込み、思いっきり蹴り飛ばす。
「ぐっ‼な、なんで……だよ……」
「織斑、お前はいい加減にしろ」
「なに⁉」
「お前の使う〈零落白夜〉は、エネルギーを大幅に削る分、自身のエネルギーを徐々に減らしていく。そして、力を加減できなければ、その力は相手を殺すことになる」
「なっ⁉で、出鱈目を言うな‼そんな訳ない‼」
「はぁ……呆れて何も言えねぇな。まぁいいか。さて、俺も本気を出しますか」
《タドルクエスト》
永流は飛彩から受け取ったガシャット〈タドルクエストガシャット〉のスイッチを押す。
すると、〈バンバンシューティング〉の時と同じように、あちこちに今度は宝箱が設置される。
「術式レベル2改」
《ガッチョーン》
《ガシャット》
「大・大・大変身‼」
《ガッチャーン‼レベルアップ‼》
《マイティジャンプ‼マイティキック‼マイティマイティアクションX‼アガッチャ‼タドルメグル、タドルメグル、タドルクエスト‼》
タドルクエストガシャットを挿入し、レバーを引く永流。
すると、エグゼイドの色が水色へと変わっていき、左腕にシールドが装備される。そして、左右のショルダーアーマーが、ブレイブのショルダーアーマーへと変わる。
「オルコットの時と違う⁉」
「見ていたのか……残念だったな、違っていて」
「くっ‼」
「さぁ、これより白式切除手術を開始する」
《ガシャコンソード》
永流はガシャコンソードを左手に持ち、ガシャコンブレイカーと一緒に構える。
「いくぞ‼」
「上等だ‼かかってこ「ふん‼」アガッ⁉」
「フッ‼ハッ‼セイッ‼ヤッ‼タァッ‼」
「うわぁあああああ⁉」
永流のガシャコンブレイカーとガシャコンソードの二刀流の攻撃を受け、後方に大きく吹っ飛ぶ織斑。
「く、クソッ‼」
「織斑、後がつかえてるから、コレで決めるぞ」
《ガッシューン》
《ガシャット‼キメワザ‼》
《MIGHTY TADDLE CRITICAL FINISH‼》
永流はガシャコンブレイカーにマイティアクションを、ガシャコンソードにタドルクエストのガシャットを挿入する。
それにより、ガシャコンウエポンにエネルギーが纏う。
「いくぞ織斑」
「ぐっ‼くっそぉおおおお‼」
「はぁああああああああ‼」
「うぉおおおおおおお‼」
互いにその場から飛び出し、武器をぶつけ合う2人。
「ぐ…………ぐうぅぅ‼」
「まだまだぁああああ‼」
だんだんと織斑を押していく永流。
そして
「はぁああああああああ‼」
「うわぁあああああ⁉」
《会心の一発‼》
《GAME CLEAR》
織斑を押切り、必殺技を織斑に喰らわせた永流。
喰らった織斑は後方に吹き飛び、壁にぶつかる。
そして織斑は、ISが解除され、地面に倒れる。
『試合終了‼勝者、宝生永流‼』
「く、クソッ‼俺と同じ初心者のはずなのに⁉」
「一緒にするな。俺は自分で色々した。だけど、お前は自分では何もしなかった。これが俺とお前の差だ」
永流はそう言って、ピットへと戻って行った。
第二試合
宝生永流vs織斑一夏
勝者
宝生永流
敗者
織斑一夏
to be next stage
今回はここまでです‼
次回は永流とクロスキャラであるユリシアと永流が戦います‼
次回も是非読んでください‼