感動の場面が一段落し、プレシアさんも落ち着いたようなのでお話を再開する。
「プレシアさん、俺は約束守ったんだからプレシアさんも約束守ってくれよな」
「……わかったわ、でもその前にフェイトに謝らないといけないわね」
「おや?えらく素直になってくれたもので」
「あの子に行ってきた仕打ちは許されることじゃないわ
…けじめをつけないとフェイト、アリシアの母と胸を張って言えないわ」
「フェイトってだれー?」
「アリシアちゃんの妹にあたる子だな、やったねアリシア!家族が増えるよ!」
「おいやめろっ!」
あれ?このネタが分かってる?もしかしてこの子は…
「アリシア!次の文章に続く適切な語を答えなさい!」
「よしこーい!」
「今のお前に足りないもの、それは!」
「情熱思考理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!そして何よりも…
速 さ が 足 り な い !」
「虎は何故強いと思う?」
「元々強いからよ!」
「いいだろう!今度は木端微塵にしてやる!あの地球人のように!」
「あの地球人のように?…クリリンのことかーーっ!!」
「アリシアッ!ディ・モールト(非常に)、ディ・モールト(非常に)良いぞッ!」
何このアリシア、パーフェクトではないか、百点満点花丸である。
「プレシアさん!アリシアさんを僕にください!」
「あ゛?」
「あ、すみません。結構調子こいてました」
いつ変身したかは分からないがバリアジャケットを身に纏い杖をこちらに向けていらっしゃる。
気分はアレだ…フリーザ(最終形態)に人差し指向けられてる感じ?
どうやらこの手の冗談はNGのようだ、二度と言わないでおこう…多分言うだろうな
「てかどうしてアリシアは地球のアニメとか知ってんの?」
「お母さんがいつも忙しかったから色々な世界のアニメ見てたんだ〜
あの世界のアニメはいいよね!お母さん、私地球に住みたい!」
「そうねぇ…フェイトが住んでいるマンションに引っ越そうかしら?
貴方も確か同じマンションに住んでいるのでしょう?
だったら約束を守っているかも確認できるしね」
「生存ルートテンプレキターーっ!これで勝つる!」
「…貴方は何を言っているのかしら?」
「俺が理解できない発言をしたら聞き流すのが吉」
「覚えておくわ」
そしてプレシアさんがフェイト達を呼び戻した。今から真実を話すのだろう。
シリアス「コメディは置いてきた、ヤツは今からの戦いについてこれそうにない」
となるんですねわかります。そして重い空気の中プレシアさんが口を開いた。
「そうね…何から話せばいいのかしら…フェイト、聞いて頂戴、あのね…」
「あの~ちょっと失礼、シリアスな空気の中俺いるのはKYなんで帰らしてもらいたいんだぜ」
「今その発言をする事自体KYよ!!」
と怒鳴りながらも転移魔法を唱えてくれているプレシアさんはとっても優しい人なんだなーと思った。
「怒鳴りつつちゃんと転移魔法使ってくれるプレシアさん優しすぎワロタ」
思ったので声にしてみた。
「んな!?う、うるさいわよ!」
「顔真っ赤に切れるプレシアさん、さっきまでの態度のギャップに萌え」
「お母さん萌え~」
「アリシアまで合わせないで頂戴!あ~もう!さっさと帰りなさい!」
「だ、誰なの!?私とそっくり!?それにお母さんって…あ、あれ?」
「…私の知ってる鬼ババアと違う」
気が付いたらシリアスから一転カオスな状況に変わっていた。
こんなことなら残っておけばよかったな~と思いつつ俺は転移された。